BtoB ECサイトとは?メリットや導入ステップ、運用ポイントを解説

BtoB ECサイトとは?メリットや導入ステップ、運用ポイントを解説

BtoB ECサイトの導入によって、どのように業務を効率化できるのか不明な方もいるのではないでしょうか。本記事では、BtoB ECサイトを導入するメリットや手順、ポイントを解説します。

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竹内渓太

株式会社LANYの代表|株式会社リクルートにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間、デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模/データベース型サイトのSEOが得意。

目次

BtoB ECサイトとは?

BtoB ECサイトとは、企業間・法人間の取引をECサイト上でおこなう仕組みのことです。Web受発注システムとも呼ばれます。

一般消費者向けの通信販売やネットショップと同様に、企業間の取引もインターネット上でおこなう場合、ECと表現されます。

BtoB ECサイトでは、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも受発注が可能です。

BtoC ECサイトとの違い

BtoB ECサイトとBtoC ECサイトの大きな違いは、取引の対象者と商習慣です。BtoB ECサイトは企業間の取引なのに対して、BtoC ECサイトは企業と一般消費者の間で取引をします。

また、BtoB ECサイトは、企業間特有の商習慣に対応する必要があります。たとえば、掛け払い・見積もり依頼・承認フロー・取引先ごとの価格設定などです。

月末締め・翌月末払いなど、取引先ごとに異なる価格や支払い条件を設定することもあります。大口取引の場合は、数量に応じた割引を提供することもあるでしょう。

一方で、BtoC ECサイトは、クレジットカード決済・コンビニ払い・ポイント付与など、一般消費者が対象の決済方法に対応します。また、タイムセールなどの販促活動もおこないます。

BtoB ECサイトを構築・運用する際は、企業間の商習慣を理解し、それらに対応する機能やシステムを実装しましょう。

BtoB ECサイトの種類

BtoB ECサイトは、運営形態や目的によって分類されます。主な種類は以下のとおりです。

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クローズド型・既存顧客専用のBtoB ECサイト
・会員企業や特定の取引先のみがアクセス可能
・既存顧客との関係性を維持・強化し、継続取引を目的とする
オープン型・新規開拓を目的としたBtoB ECサイトで
・不特定企業に商品やサービスを広く公開することで、新たな取引先との接点を作る
マーケットプレイス型複数企業が出店するモール形式のBtoB ECサイト
(Amazonビジネスのように、幅広い商品やサービスをひとつのプラットフォームで提供する


これらを踏まえて、自社のビジネスモデルや目的に応じたものを選びましょう。

BtoB ECサイトを導入するメリット

BtoB ECサイトの導入により、得られるメリットを解説します。具体的には以下のとおりです。

  • 業務効率化
  • コスト削減
  • 新規顧客の獲得

業務効率化

BtoB ECサイトの導入によって、日々の業務を効率化できます。

たとえば、商品注文や在庫確認の対応を、電話・FAX・メールからオンラインですべて完結可能です。自動で注文受付ができるため、担当者の負担を軽減できます。

また、データの入力ミスや確認漏れなどの人的エラーも防げます。スピーディーで正確な処理が可能です。受発注業務に課題を抱える企業にとって、業務効率を改善する有効な手段となるでしょう。

コスト削減

BtoB ECサイトの導入は、以下のようなさまざまなコスト削減にもつながります。

営業コスト営業担当者がお客様の元へ直接訪問する回数を減らすことで、交通費や時間的コストを削減できる。
販促コスト紙媒体の代わりにECサイト上で情報発信することで、印刷費や郵送費を削減できる。Web広告やSEOによって、より効果的な販促が可能。
人件費受発注業務の自動化により、事務担当者の作業時間を短縮し、人件費を削減できる。自動見積もり機能やチャットボットの導入によって、問い合わせ対応も効率化が可能。

コスト削減は、企業にとって常に重要な課題です。BtoB ECサイトの導入は、こうした課題解決に大きく貢献できる有効な手段となるでしょう。

新規顧客の獲得

BtoB ECサイトは、新しい顧客との接点を作り出し、販売チャネルを広げます。具体的には、以下のような効果が期待できます。

地理的な制約の解消営業エリアが限られている企業でも、ECサイトを通じて日本全国および世界中の顧客に商品やサービスを提供できる
潜在顧客へのリーチSEOやWeb広告を適切に活用することで、潜在顧客にも自社の存在を知ってもらえる
データマーケティング顧客の購買履歴や行動履歴を分析することで、一人ひとりのニーズに合わせた、効果的なマーケティング施策を実施できる

たとえば、検索エンジンで自社の商品やサービスページが上位表示できれば、購買意欲の高い顧客の目に留まりやすくなります。また、特定の地域や業種の顧客に絞ってWeb広告を表示できれば、効率的に集客できるでしょう。

さらに、購入履歴や閲覧履歴にもとづいて、おすすめ商品の表示やメールマガジンの配信をすることでリピート購入も促せます。

BtoB ECサイトは、既存のお客様との関係を深めるだけでなく、新規顧客を獲得できる強力なツールになります。積極的に活用することで、効果をさらに高められるでしょう。

BtoB ECサイトの導入ステップ

BtoB ECサイトの導入ステップを、フェーズごとに解説します。

導入前の準備導入目的を明確にし、どのような機能が必要かを洗い出す
導入後の運用社員全員が使えるように研修をおこない、効果測定をする
分析と改善導入後も、定期的に分析と改善を繰り返す

導入前の準備

BtoB ECサイトは、導入から実際に使い始めるまでに、いくつかのステップがあります。目的・機能・プラットフォームの関係性を表にまとめると、以下のようになります。

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検討事項詳細具体例
目的の明確化なぜBtoB ECサイトを導入するのかを明確にする。・受発注業務の効率化
・新規顧客の開拓 など
機能の洗い出し必要な機能をリストアップする。・顧客別価格設定
・基幹システム連携
・見積もり機能 など
プラットフォームの選定自社の目的・機能に合ったプラットフォームを選ぶ。・Shopify
・futureshop
・楽楽B2B など

まず、何のためにECサイトを導入するのか、目的をはっきりさせることが重要です。目的があいまいでは、「本当に効果があったのか?」とあとで疑問が生じる可能性があります。

次に、ECサイトに必要な機能を洗い出します。「お客様ごとに値段を変えたい」や「既存システムと連携させたい」など、要望を具体化しておくとよいでしょう。

そして、自社に合うEC構築サービスを選びます。比較検討する際は、機能だけでなく、費用やサポート体制も考慮しましょう。

導入後の運用

BtoB ECサイトの導入後は、社内のメンバーがスムーズに使えるように、教育や研修をおこなう必要があります。

研修では、操作方法だけでなく、ECサイト導入の目的やメリットも伝えましょう。部署ごとに必要な機能が違う場合は、部署別の研修も効果的です。

導入初期は、手厚くサポートすることが大切です。不明点が質問しやすい体制を構築しましょう。

分析と改善

BtoB ECサイトの導入後は、費用対効果を定期的に分析することが大切です。効果が把握できれば、改善点の特定や運用方針の見直しにつなげられます。

たとえば、売上がどれだけ増えたか・コストがどれだけ削減できたか・お客様の満足度は上がったかなど、数字で客観的に評価することが重要です。

定期的に効果測定をし、改善を繰り返すことで、BtoB ECサイトの効果を最大限に引き出せるでしょう。

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BtoB ECサイトの構築手法

BtoB ECサイトの構築方法は、主に以下の4つに分類され、各タイプで特徴や費用感が異なります。状況や用途に応じて選択しましょう。

  • ASP
  • パッケージ
  • クラウド
  • フルスクラッチ

ASP

ASP型は、クラウド上で提供されるサービスを利用し、ECサイトを構築する方法です。サイト構築に必要な基本機能やテンプレートが用意され、専門的な知識がない方でも導入しやすい点がメリットです。

導入までの期間も短く、数万円程度の低コストでECサイトを構築できます。リリース後のバージョンアップやセキュリティ対応も、ベンダー側でおこなってもらえます。

一方で、ほかの構築方法に比べてカスタマイズ性が低く、拡張性に欠ける点がデメリットです。システムの仕様に合わせてECサイトを構築する必要もあり、独自性を高めたい場合は不便に感じる可能性があるでしょう。

パッケージ

パッケージ型も、ECサイトに必要な機能が標準搭載されている構築方法です。自社の要件に合わせてECサイトを構築でき、足りない部分のカスタマイズも可能です。

一方で、自動でアップデートできず、システムを3〜5年程度でリニューアルする必要があります。リニューアルごとに、都度コストがかかる点もデメリットです。

また、標準搭載機能やカスタマイズ性能は、システムを提供するベンダーによって異なります。事前に自社ECサイトで実現したいことに対応できるかを確認しておきましょう。

クラウド

クラウド型は、クラウド上のプラットフォームを利用し、ECサイトを構築する手法です。システムは常に最新の状態にアップデートされるため、リニューアルが不要で中長期的にコストを抑えられます。また、ASP型と比べて拡張性やカスタマイズの自由度が高いことも特長です。

しかし、ソースコードが公開されない点には注意が必要です。オープンソースを活用して自社で柔軟に開発したい場合には不向きといえるでしょう。

フルスクラッチ

フルスクラッチ型は、必要な機能やデザインなどの要件に合わせて、ゼロからオーダーメイドでECサイトを構築する方法です。

ほかの構築方法に比べて、開発期間が長くコストもかかりますが、高度な要件を満たすECサイトを実現できます。

デメリットは、ECサイト構築後の改修やセキュリティ対策が自社で対応する必要がある点です。コストやリソースを確保したうえで、導入を検討しましょう。

BtoB ECサイトを成功させるポイント

BtoB ECサイトを成功に導くためのポイントは、以下のとおりです。

  • セキュリティ対策
  • SEOとWebマーケティング
  • 基幹システムとの連携とデータ管理

セキュリティ対策

BtoB ECサイトを運営するうえで、セキュリティ対策はもっとも重要な要素です。万が一、情報漏洩が発生すると、顧客の信頼を失いかねません。

BtoB取引では、企業間の重要な秘密情報や、取引に関する大量のデータを扱います。不正アクセスやサイバー攻撃の標的になりやすく、対策を怠ると会社の存続を揺るがす問題に発展しかねません。

具体的な対策は、以下のとおりです。これらは確実に実行しましょう。

対策説明
SSL/TLS暗号化通信を暗号化することで、データの盗み見や改ざんを防ぐ。
ファイアウォール外部からの不正なアクセスを遮断し、ネットワーク全体を保護する。
WAF (Web Application Firewall)Webサイトの脆弱性を狙った攻撃から、サイトを守る。
二段階認証IDとパスワードにくわえて、別の認証方法を組み合わせることで、セキュリティを強化する。
定期的な脆弱性診断システムに脆弱性がないか定期的に検査し、問題があればすぐに対策する。
セキュリティポリシーの策定と従業員教育セキュリティに関する規定を明確に定め、全従業員にルールを理解させ、守らせるように教育する。

セキュリティ対策は、継続的に取り組む必要があります。上記の対策を組み合わせて実施しつつ、常に最新のセキュリティ情報を入手しましょう。

専門家のアドバイスを受けながら、自社に最適なセキュリティ体制を構築することが重要です。

参考:総務省|国民のためのサイバーセキュリティサイト

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン

SEOとWebマーケティング

BtoB ECサイトで集客し、売上を伸ばすためには、SEOとWebマーケティングが欠かせません。適切な戦略を実行することで、潜在顧客に必要な情報を届けられます。

BtoB ECサイトは、一般消費者向けのECサイトとは異なり、ターゲットとなる顧客が明確で、より専門的な情報を求めている場合が多いです。

そのため、検索エンジンで上位に表示されることや、ターゲット顧客に合わせた情報を提供することが重要になります。具体的な施策は、以下のとおりです。

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施策内容
キーワード調査ターゲット顧客が検索するキーワードを洗い出し、キーワードをWebサイトのコンテンツに適切に含める。
コンテンツマーケティング顧客課題を解決できるように、質の高いコンテンツを作成し、継続的に発信する。
タイトルタグ、メタディスクリプションの最適化検索結果でクリックされやすいように、タイトルタグとメタディスクリプションを魅力的な内容にする。
内部リンク最適化サイト内の関連ページ同士をリンクでつなぎ、検索エンジンのクローラーがサイト内を巡回しやすくする。
外部サイトからの被リンク獲得信頼できる外部サイトからリンクを貼ってもらうことで、自社サイトの評価を高める。
ヒートマップ分析ツールの導入Microsoft Clarityなどのツールを使って、ユーザー行動を分析し、サイトの改善点をみつける。

SEOは、効果が出るまでに時間がかかるため、長期的な視点で取り組むことが大切です。

SEOを網羅的に知りたい方は以下の記事・動画をご確認ください。

ECサイトのSEOについては、無料ホワイトペーパー「ECサイトのSEOガイドブック」で詳しく解説しています。

以下は資料のスライド例です。

コンテンツマーケティングと並行して、Web広告やSNSなど、ほかの手法も組み合わせましょう。多角的にアプローチすることで、より効果的に集客と売上アップを期待できます。

基幹システムとの連携とデータ管理

BtoB ECサイトを効率よく運営し、お客様の満足度を高めるためには、基幹システムとの連携と適切なデータ管理が重要です。

受注・在庫・顧客情報などを基幹システムと連携させることで、手作業による業務を自動化でき、人的なミスも減らせるでしょう。

また、さまざまなデータを一元的に管理することで、より効果的なマーケティング施策を実行できます。具体的には以下のとおりです。

受注管理システムとの連携ECサイトからの注文情報を自動で受注管理システムに取り込むことで、在庫確認や出荷処理をスムーズにできる。
在庫管理システムとの連携ECサイトの在庫情報を常に最新の状態にし、在庫切れによる販売機会の損失を防ぐ。
顧客管理システム(CRM)との連携顧客情報をまとめて管理し、一人ひとりに合わせた情報提供やサポートを実現できる。
会計システムとの連携売上データを自動的に会計システムに連携することで、経理の業務負担を軽減できる。
データ分析購入履歴やアクセス履歴などのデータを分析して顧客ニーズを把握し、商品開発やマーケティング施策に役立てる。

システム連携には、ある程度の導入費用がかかります。しかし長い目でみると、業務の効率化・コスト削減・顧客満足度の向上に大きく貢献するでしょう。

自社業務の流れやシステム環境を考慮し、最適な連携方法を検討することが大切です。データ分析基盤を構築し、データにもとづいた経営判断をおこないましょう。

BtoB ECサイトでリピート顧客を増やす方法

BtoB ECサイトで長期的に安定した売上を確保するためには、リピート顧客を増やすことが重要です。効果的な戦略は、以下のとおりです。

  • 顧客ロイヤルティプログラム
  • メールマーケティング

顧客ロイヤルティプログラムとは、顧客の企業やブランドに対する愛着や信頼を高め、リピート購入を促進する施策です。たとえば、購入金額に応じたポイント付与や、会員ランクの提供があります。

一方で、メールマーケティングは顧客との関係性を維持・強化し、リピート購入を促進する施策です。たとえば、顧客の属性や購買履歴にもとづいて、関連商品やクーポン情報の配信をおこないます。

これらの戦略を組み合わせることで、長期的な顧客接点を構築できます。リピート顧客を増やすことで、ECサイトの売上を安定的に伸ばせるでしょう。

BtoB ECサイトの導入で業務全体を効率化しよう

BtoB ECサイトの導入によって、注文受付の自動化や担当者の負担軽減、人的ミスの防止といった効果が期待できます。

また、基幹システムと連携することで業務の一元管理が可能となり、企業の競争力も強化できるでしょう。さらに、蓄積されたデータを活用することで、より効果的なマーケティング施策も実行可能です。

LANYでは、経験豊富なコンサルタントによる成果重視のサポートを実行しています。ECサイトの制作から運用支援まで、ワンストップでご支援可能です。ぜひ一度ご相談ください。

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※本記事の制作には生成AIを活用していますが、編集者によってファクトチェックや編集をしています。また、掲載している画像はすべてデザイナーが制作したものです。

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