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オウンドメディアのリニューアル|手順と成功させるポイントを解説
自社のオウンドメディアに対して、コンテンツの情報が古くなっている、サイト構造が複雑で使いにくいといった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
オウンドメディアは継続的な運営と定期的な効果測定が欠かせません。成果や情報の鮮度に課題があれば、リニューアルを検討する必要があります。最新のトレンドに対応したコンテンツ作成とサイト全体の最適化を進めることで、SEO評価の向上にもつながるでしょう。
本記事では、オウンドメディアのリニューアルについて解説します。リニューアルをする主な理由や成功させるためのポイントも紹介するので、オウンドメディアのリニューアル方法について悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
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オウンドメディアをリニューアルする理由
オウンドメディアをリニューアルする主な理由は、以下の通りです。
- コンバージョン率(CVR)を向上するため
- 企業イメージとデザインを統一するため
- Webの最新トレンドに対応するため
- サイト構造の複雑化を改善するため
自社のオウンドメディアと照らし合わせて、リニューアルを検討していきましょう。
コンバージョン率(CVR)を向上するため
PV数に対してコンバージョン率(CVR)が低い場合、ユーザーにとってサイトが使いにくい仕様になっている可能性があります。
CVRとは、サイトを訪れたユーザーが購入や問い合わせなど実際に目的のアクションをおこなった割合のことです。PV数が多くてもCVRが低いときはボタンの位置やリンク切れなどを確認し、誘導設計を見直したリニューアルが必要になります。
CVRが伸びない原因や改善方法については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
URLをクリックしてもページが表示されない「リンク切れ」について、以下の記事で紹介しています。SEOへの影響も詳しく解説しているので、あわせて確認しておきましょう。
企業イメージとデザインを統一するため
サイトデザインが企業のイメージとあっていない場合、ユーザーが購入や問い合わせに進まない可能性があります。また、競合サイトがデザインを刷新したり、自社のオウンドメディアがトレンドにあっていなかったりする場合も、ユーザーのアクションを引き出せていない要因になっている場合があり、リニューアルの検討が必要です。
トレンドを取り入れることは必須ではありませんが、古いデザインはよりユーザーのトレンドに対応した競合サイトへの流出を引き起こし、申し込みやCVRの低下を招くため、リニューアルを検討していきましょう。
Webの最新トレンドに対応するため
インターネットのトレンドは急速に変化しており、オウンドメディアも対応する必要があります。具体的には、検索エンジンの最適化やCMSの機能追加などです。
検索エンジンは日々アップデートを繰り返しており、コンテンツのSEOに大きな影響を及ぼします。とくにGoogleは頻繁にアルゴリズムを調整し、検索結果の精度やユーザー体験を向上させるためにさまざまな変更を加えているため、最新の動向を把握し、柔軟に対応することが重要です。
また、機能や仕様が常に進化しているインターネットの世界では、ユーザーが使いやすいよう、機能改善や構造の見直しを継続的におこなうことが欠かせません。サイトを制作して終わりではなく、定期的な見直しとアップデートをしていきましょう。
検索エンジンのアップデートについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
サイト構造の複雑化を改善するため
サイト公開から時間が経つと、リンクが増えたり階層が深くなりすぎたりして、構造が複雑化するケースがあります。複雑な構造では、ユーザーが目的のページにたどり着けず、離脱する可能性が高まるので、リニューアルの検討が必要です。
検索エンジンもページを検知しにくくなるため、検索順位が下がるリスクもあるでしょう。すべてのページが3クリック以内でアクセスできるよう、ユーザビリティを意識してサイト構造を整理しなくてはなりません。
サイト内の構造を最適化するコツは以下の記事で解説しています。内部リンクの重要性や設置ポイントも詳しく解説しているので、あわせて確認しておきましょう。
オウンドメディアのリニューアル手順【9ステップ】
オウンドメディアをリニューアルするときの手順は、以下の9ステップになります。
- 現状分析をおこなう
- 目的を明確にする
- 要件定義をおこなう
- サイト設計をおこなう
- サイトマップを設計する
- デザインを作成する
- SEO要件を設計する
- コンテンツを制作する
- 公開・効果測定をおこなう
手順をしっかり把握して、スムーズにオウンドメディアをリニューアルしていきましょう。
サイトのリニューアルに関しては以下の記事でも詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
1.現状分析をおこなう
まずは現状を分析し、問題点を抽出しましょう。以下のツールを活用して分析をおこないます。
- Googleアナリティクス
- サーチコンソール
- マーケティングオートメーション(MA)
ユーザーの行動を把握することで、リニューアルで解決すべき課題が明確になります。ページごとのPV数やユーザーの年齢層、性別を確認し、リニューアルが必要かどうかを検討しましょう。
リニューアルはマーケティング施策の一環であり、必ずしも実施する必要はありません。ほかの施策で解決できる場合もあるため、慎重に判断しましょう。
分析ツールについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。
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2.目的を明確にする
リニューアルの目的を明確にし、プロジェクトメンバー全員で共有していきます。具体的な目的は以下の通りです。
- 売上をアップさせたい
- 問い合わせや資料請求などコンバージョンを増やしたい
- SEOによる流入を増やしたい
目的によって、優先すべき導線や構造が変わります。たとえば、問い合わせや資料請求などコンバージョンを増やしたい場合は、CTAを目立たせ、入力しやすい簡潔なフォームを提供することが重要です。お客様の声や成功事例を掲載して、企業の信頼性を高めることも効果的でしょう。企業の戦略やサイトの目的を明確にしたうえで、リニューアルを進めましょう。
3.要件定義をおこなう
要件定義とは、課題や目的を踏まえたうえで、サイト構造やシステム要件を整理するプロセスです。必要なリソースや時間を正確に見積もり、予算とスケジュールを適切に管理して作業を効率化し、プロジェクトをスムーズに進行できるようにします。
要件定義は、予算オーバーの防止や潜在的なリスクへの対策も可能です。リニューアルを実施するための体制やスケジュール、運用保守の方針もあわせて決定していきましょう。
4.サイト設計をおこなう
サイトの目的にもとづき、どのように構築と運営をしていくのかを設計します。まずは、ターゲットユーザーのペルソナを設定しましょう。具体的には、以下の項目を考慮します。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 家族構成
- 興味関心
ユーザーを明確にしたあとは、サイトに掲載すべき情報を整理し、コンテンツを設計します。このとき、カスタマージャーニーマップを作成しておくとユーザーの心理状態にあったコンテンツ設計ができ、メンバー間での共通認識をもちやすくなるでしょう。
カスタマージャーニーマップについては以下の動画で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアで重要なペルソナ・ターゲットの設定方法は以下の動画で解説しています。設計する意味や活用例など詳しく知りたい方は、あわせてチェックしておきましょう。
5.サイトマップを設計する
オウンドメディアに必要な機能や導線を整理したら、次にサイトマップとして構造を組み立てます。どのページをどこに配置するか、必要なページがそろっているかを確認しながら進めましょう。
サイトマップでは、すべての階層をツリー形式で表現し、全体を俯瞰できるようにすることが重要です。オウンドメディアの設計図として、階層が複雑化しないように注意し、しっかりと設計をおこないましょう。
6.デザインを作成する
デザインの作成は、ワイヤーフレームが完成してから取りかかります。ワイヤーフレームとは、各ページのテキストやCTAボタンの位置など、レイアウトを示した概略図です。各コンテンツの配置が可視化され、必要な要素の抜け漏れを防げます。
デザインのイメージが固まったあとは、Webデザイナーに依頼するのが一般的です。自社にリソースがない場合や専門スタッフがいない場合は、制作会社に依頼することも検討しましょう。
7.SEO要件を設計する
オウンドメディアのSEO評価を向上させるために、タグやメタタグを適切に設定していきます。重要なタグ・メタタグは以下の通りです。
タグ | 特徴 | 役割 |
---|---|---|
titleタグ | 記事のタイトルを示すタグ | クリック率の向上につながるページの内容を識別しやすくなる |
altタグ | 画像の内容をテキストで説明するタグ | クローラーに画像の情報を伝える音声で画像の内容を認識できる |
hタグ | 記事の見出しを示すタグ | コンテンツの階層や構造を明確にするユーザーエクスペリエンスが向上する |
meta description | 記事内容の概要をあらわすタグ | ページの内容を簡潔に説明できるユーザーの興味を引き、CTRを高める |
各タグの役割を把握し、適切に設定することで検索エンジンの評価を高め、上位表示されやすくなります。ユーザーもコンテンツ内容を把握しやすくなるので、ユーザー体験の改善も見込めるでしょう。
SEO対策に欠かせない「内部対策」については以下の記事で解説しています。検索結果上位に表示するためのポイントも紹介しているので、あわせてチェックしておきましょう。
8.コンテンツを制作する
サイトデザインが完成したら、オウンドメディアのリニューアルに進みます。決定した要件や設計にもとづいてコーディングをおこない、サイト全体のパフォーマンス向上を目指しましょう。
並行して、コンテンツの制作や修正、整理もおこないます。制作したコンテンツは複数のブラウザやデバイスで表示確認をし、エラーや表示崩れがないか動作チェックをしましょう。
ユーザーのニーズを満たしたコンテンツを作る手順は以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
9.公開・効果測定をおこなう
オウンドメディアを公開したあとは、効果測定をおこないます。効果測定とは、サイトやコンテンツのパフォーマンスを評価し、改善点を特定するプロセスです。主に以下の指標を測定します。
- セッション
- ページビュー
- コンバージョン
- 売上
収集したデータをもとに目標達成度を評価し、リニューアル後のサイトやコンテンツのパフォーマンスを正確に把握します。機能していない部分や問題点に対して改善をおこない、ユーザーの満足度向上やオウンドメディア運用の目的達成を実現しましょう。
オウンドメディアのリニューアルを成功させる6つのポイント
オウンドメディアのリニューアルを成功させるためのポイントは、主に以下の6つです。
- ユーザビリティを意識する
- SEO評価を維持させる
- 既存ページの削除は慎重に検討する
- ページの読み込み速度を改善する
- コンテンツをリライトして品質を上げる
- リニューアルすること・したことを周知する
ひとつずつ詳しく解説していきます。
オウンドメディアの成功事例については以下の記事で紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
ユーザビリティを意識する
オウンドメディアでは、ユーザーが目的のコンテンツに迅速にアクセスできるよう、ユーザビリティを意識することが重要です。ユーザビリティが向上すれば、ユーザーの満足度も高まり、オウンドメディアの目標達成が容易になります。
具体的には、購入や問い合わせなどユーザーにアクションを促すボタンや関連する記事のリンクを目立たせ、わかりやすく配置することが大切です。サイトの滞在時間も延び、コンバージョン率の向上にもつながります。デザイン面でもユーザビリティを意識し、回遊性や視認性を高めていきましょう。
SEO評価を維持させる
オウンドメディアのリニューアルでもっとも注意すべき点は、SEO評価への影響です。リニューアルにともなってドメインを変更すると、築き上げたSEO効果を失う可能性があります。
また、カテゴリーやディレクトリの構造を大幅に変更することも、SEOに悪影響を与える恐れがあるため注意が必要です。サイトマップの更新や内部リンクの見直しなどSEOへの影響を最小限におさえた改善をおこない、自然検索からの流入を維持しましょう。
LANYでは、サイトリニューアル時のSEO施策や要件定義などを提供しております。細かな設計をするリソースがなく、リニューアル要件にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
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既存ページの削除は慎重に検討する
セッション数が少ないという理由だけで既存のページを大量に削除すると、CVRの低下を招く恐れがあります。リニューアルの目的に反する結果になりかねないため、慎重に検討することが重要です。
とくに、閲覧数が少なくても一定のセッション数をもつページは、削除せずに残しておきましょう。CVRが高いコンテンツも含まれている可能性があるため、むやみに削除しないよう注意してください。
ページの読み込み速度を改善する
ページの読み込みスピードはSEO評価に大きな影響を与えるため、適切なツールを使って改善しましょう。表示速度が遅いままだと、ユーザーの離脱や直帰率の増加など、ユーザビリティが低く評価されてしまいます。
表示速度を確認する際には「PageSpeed Insights」の活用が効果的です。もし読み込みスピードがGoogleの推奨基準を下回っている場合は、画像や動画のデータを圧縮するなど、改善策を講じましょう。
PageSpeed Insightsについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、ページの読み込み速度の改善には、コアウェブバイタルのLCP指標が大きく関係します。以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
コンテンツをリライトして品質を上げる
制作したコンテンツの情報が古くなっていないか確認し、必要に応じてリライトをおこないましょう。最新情報を提供することで、ユーザーが適切な情報を得られるだけではなく、オウンドメディアの信頼性も高まります。
インターネットのトレンドや社会のニーズは常に変化しています。現在のニーズに合った情報を提供するためにも、定期的にコンテンツをリライトしましょう。
コンテンツのリライト方法については、以下の記事で解説しています。具体的なリライト方法を知りたい方は、こちらも確認してみましょう。
リライトすべき判断基準は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
リニューアルすること・したことを周知する
オウンドメディアをリニューアルする際は、サイトのトップやお知らせなど、目立つ場所で告知をおこないましょう。とくにデザインが大幅に変更される場合、訪れたユーザーが戸惑ってしまう可能性があります。
事前にSNSやメールマガジンを活用して周知し、ユーザーがスムーズに適応できるようにすることが重要です。また、リニューアルの周知は新規ユーザーの獲得や自社のアピールにもつながり、マーケティング施策としても効果的でしょう。
オウンドメディアをリニューアルする際の注意点
オウンドメディアをリニューアルする際には、いくつかの注意点を考慮する必要があります。事前にポイントを把握しておくことで、問題への対策を講じやすくなるでしょう。
ここでは、オウンドメディアリニューアルにおける注意点について詳しく解説します。
サイトの検索結果順位が下がるケースがある
オウンドメディアのリニューアルでは、検索順位が下がることがあります。主な要因は以下の2つです。
- ドメイン(URL)の変更
- コンテンツ内容の変更
ドメイン変更をおこなうと、検索エンジンが再インデックスするまでに時間がかかり、SEOに悪影響を与える可能性があります。ドメインパワーがリセットされると、検索順位が下がり、自然検索からの流入も減少するでしょう。
ただし、SEO評価が低い既存サイトの場合、新しいドメインを取得するのもひとつの選択肢です。現状の状態をしっかり見極めたうえで、慎重にリニューアルを進めましょう。
また、リニューアルにともなってコンテンツが大幅に変更された場合、検索エンジンが新しいコンテンツを評価するまでに時間がかかることがあります。既存のページに比べて検索エンジンからの信頼性や権威性も低いため、リンクやトラフィックを増やすなど改善を加え評価を高めていきましょう。
ロイヤルユーザーが離脱する可能性がある
オウンドメディアを大幅にリニューアルすると、長期的に利用しているロイヤルユーザーが離脱する可能性があります。新しいデザインや仕様に慣れず、使いにくいと感じてしまうことが主な原因です。
離脱を防ぐには、段階的な変更やユーザビリティを考慮したデザインにすることが大切です。リニューアルの意図や使い方をユーザーにしっかり伝えることも重要になるでしょう。
オウンドメディアのリニューアルでは、新規ユーザーの獲得や現状の改善が重視されがちですが、ロイヤルユーザーの期待にも応えることが求められます。ユーザーの意見を取り入れ、誰もが満足できるオウンドメディアを目指しましょう。
オウンドメディアのリニューアルにかかる費用相場
オウンドメディアのリニューアルにかかる費用の相場は以下の通りです。
規模 | 費用 |
---|---|
ミニマムな予算 | 20万円程度 |
デザイン性のあるメディア制作 | 100万〜300万円 |
SEO集客を前提としたメディア制作 | 300万円以上 |
コンテンツ記事の更新を目的としたオウンドメディアであれば、比較的小さな予算で制作可能です。コンテンツSEOを強化したい場合は、キーワード戦略やペルソナ設計など、さまざまな工程が必要になるため費用は高くなります。
リニューアルにかかる費用はプロジェクトの規模や内容によって異なるので、自社のオウンドメディアに最適なリニューアルを検討しましょう。
オウンドメディアのリニューアルにかかる費用については以下の記事で解説しています。リニューアルのタイミングや手順も紹介しているので、こちらもチェックしておきましょう。
オウンドメディアをリニューアルして効果的に運用しよう
オウンドメディアのリニューアルは自社のイメージを強化し、ブランディングに役立ちます。
オウンドメディアをリニューアルする際は、明確な目的を設定することが大切です。良質なコンテンツを作ることや分析・改善を繰り返すことで、ユーザビリティの向上にもつながります。
自社でオウンドメディアのリニューアルが難しいときは、支援会社に依頼するのもひとつです。最新の分析結果にもとづいたリニューアルをおこなえるほか、SEO対策にも期待できるでしょう。
LANYでは、サイト制作から記事制作代行まで包括的なマーケティング支援サービスを提供しております。オウンドメディアのリニューアルでお悩みの方は、ぜひ一度LANYへご相談ください。