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コンテンツマーケティングにおけるキーワード出しと整理の考え方
はじめまして。LANYでSEOコンサルタントをしている池野(@puri950)と申します。
今回のテーマは、コンテンツマーケティングにおけるキーワード出しとその整理です。
より具体的にゴールをお伝えすると、コンテンツマーケティングで狙うSEOキーワードを洗い出し、そのキーワードをカスタマージャーニーに沿って分類するということになります。
キーワード選定の手法は多くの場所で語られていますが、サイト全体でどのような優先度でどんなキーワードを対策していくのかの「キーワード戦略」はあまり情報がないように思います。
コンテンツマーケティングにでは、どのキーワードを狙うのか、またどのような優先順位で対応するのかは、プロジェクトの成否に直結します。
そのため、メディア運用を始める前に、しっかりとその領域のキーワードを調査し、全体像を把握しておきましょう。
本記事では、具体的なツールやカスタマージャーニーの簡易的なフレームワークもご共有しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングのメリットや具体事例については下記記事で詳しく解説しています。
SEOはキーワード選定にかかっていると言っても過言ではない
SEOというと花形は、「Googleのアルゴリズムを”ハック”して、順位を上げること」ですよね。
実際に狙ったキーワードで順位が上昇したときの爽快感は誰しも感じるのではないでしょうか。
しかし、サイトごとに目的は異なるはずで、多くの場合にて「SEOで順位を上げる」ことは手段であり、目的ではないことが多いです。
例えば、サイトのコンバージョンを増やすことが目的の場合には、どのキーワードで順位を上げるのかの選定が重要なのは言うまでもありません。
だれも検索しなかったり、自サイトのコンバージョンから明らかに遠いようなキーワードで上げても意味がありません。
逆に、コンバージョンからは近いものの、検索結果において強いサイトがいない、いわゆる「お宝キーワード」を見つけたならば、「Googleのアルゴリズムを読み解く」なんてことをしなくても、簡単にコンバージョンを獲得できるわけです。
そもそも、SEOは不確実性も高い上に、実装のコストもかかります。
無駄なキーワードであげようと努力することはやめ、コンバージョンにきちんと繋がるキーワードを探すことに注力しましょう。
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SEOキーワードを洗い出す方法
では、実際にワードを探すには、どうしたら良いのでしょうか?
色々な方法があるかと思いますが、ここでは、下記の3つに分けてご紹介できたらと思います。
では順にご紹介します。
競合データから洗い出す
まずは競合データを活用したキーワードの洗い出し方法です。
競合のSEO流入データ
直接的ですが、競合サイトがどのようなキーワードで流入を獲得しているのかは確実に把握しておきたいです。
競合のSEO流入キーワードデータが確認できるSEOツールは、有料のものも多いですが多く存在します。
有名どころでは、ahrefsやSemrushなどでしょうか。
競合として現状考えているサイトを3〜10サイトほどまとめておき、それぞれの流入キーワードを合算して、重複削除します。
なおこの際、複数のサイトで流入があるワードに絞って抽出すると、ノイズの少ないデータになりやすいでしょう。
単一サイトのみで取れているキーワードは、コンバージョンから遠い例外的なキーワードであったり、サイト独自の指名検索キーワードであることが多いためです。
たとえばSemrushツールの場合は、「キーワードギャップ」機能を使います。
競合サイトのドメインを複数入力し、「比較」をクリック。
「検索順位」「競合他社」「上位50」と順に選択をしていくと、上位50位以内に表示されている競合の流入ワードを一覧で取得できます。
競合のリスティング広告データ
競合のリスティング広告データも参考になります。
リスティング広告を運用している競合サイトがあって、自社でリスティングを回していない場合などは特に有益でしょう。
リスティング広告を運用しているということは、予算を投下してでもそのキーワードでのクリックを稼ぎたいということですし、そのキーワードでの流入が投下する予算以上のリターンがあるということです。
リスティングではCPC(クリック単価)も各種ツールで確認が取れるため、それぞれのキーワードでの1流入の価値がどれくらいあるのかも把握できますし、1流入の価値が高いキーワード(≒CPCが高いキーワード)であればあるほど、SEOで対策したときのリターンも大きくなることがわかります。
抽出自体は、先程同様、ahrefsなどの有料ツールを使うことになるかと思います。
まずは、目星がついたキーワードで検索。
リスティング広告を表示し、広告配信をしているドメインを確認します。
ahrefsにて、そのドメインで検索をかけ、「リスティングキーワード」を選択。
するとキーワードを確認できます。
検索市場のデータから洗い出す
次に、検索市場のデータ、もしくはユーザーに主眼を当てて洗い出す方法です。
関連語(サジェスト)抽出ツール
メインとなる単品ワードをいくつか決めて、それらのサジェストを抽出する方法です。
無料のサジェスト抽出ツールは、検索するといくつか出てきますので、好きなものを使うと良いでしょう。
この場合は、メインとなる単品ワードの決め方も肝なので、いくつか候補を考え、検索ボリュームを見て検討するようにしましょう。
有名な無料ツールは下記などです。
- ラッコキーワード
- Keyword Tool
- サジェストキーワード一括DLツール
また有料ツールでは、「ミエルカ」や「Keywordmap」などがあります。
キーワードプランナーでの抽出
キーワードプランナーでは、検索ボリュームを取得するだけではなく、キーワードを入力すると、関連するキーワードと検索ボリュームを表示する機能があります。
表示される単語数は少ないですが、これらも参考にしても良いでしょう。
具体的には、キーワードプランナーにアクセスし、「新しいキーワードを見つける」をクリック。
メインとなるキーワードを入力し、「結果を表示」を押します。
関連するワード群と、それぞれの検索ボリュームが表示されるので、参考にしてください。
ちなみにキーワードプランナーの結果には、CPC(クリック単価)も合わせて表示されますので先ほどご説明した「CPCが高いキーワードほど、リターンが大きい」という概念を頭に入れた上で対策すべきキーワードを選定してみてください。
Googleトレンドからの抽出
Googleトレンドとは、各キーワードの検索回数の変化の推移が見られるツールです。
Googleトレンドを参考に、検索需要が伸びてきているキーワードやトピックを把握し、キーワード選定に活かすと良いでしょう。
まずは、対応予定のキーワードを検索します。
右下の「関連キーワード」ボックスに、人気が急増している関連語が表示されるので、そこからピックアップしましょう。詳細な使い方は下記の記事で解説しておりますのでぜひご一読ください。
質問サイトから抽出
yahoo知恵袋などの質問投稿サイトには、ユーザーの生々しい悩みや相談が載っています。
これらの質問からキーワード(というより検索意図)を洗い出すのは、ひとつやってみても良いでしょう。
ある特定の一人の悩みは、背後に大勢の同じ悩みを持つ人がいる悩みであることも多いです。
質問サイトとしては、「yahoo知恵袋」や「Quora(クオーラ)」、「発言小町」などが有名でしょうか。
具体的には下記の手順になります。
- 検索ボックスから、狙いたいキーワードを検索する
- 回答受付中の質問を表示する
- 質問文をざっと見ていき、想定ターゲットの悩みを知る
- 悩みから検索キーワードを書き出す
機械的に抽出するというよりは、最後は頭で考えることになりますが、ユーザー理解にも繋がるのでオススメです。
検索意図の深掘りの方法については、別記事でLANYのるーかさんが書いている記事もあるのでぜひ参考にしてみてください。
SNSから抽出
TwitterなどのSNSも、質問投稿サイトと同様の使い方ができるでしょう。
TwitterなどのSNSでは、同じ属性のユーザーどうしで、まとまりになりやすいサービスです。
あなたの対象顧客群を見つけて、彼ら・彼女らがつぶやく悩みや日常から、検索キーワードに結びつけることもできるでしょう。
まずは、コンバージョンとして売り出したいサービス・商品についてのツイートを見つけるために検索。
それらのジャンルを中心に発信していて、フォロワー数も多いようなアカウントを見つけます。
そのアカウントや、そのアカウントとリプライをしあっているアカウントの発信内容などを見ていき、悩み(SEOキーワード)を考えましょう。
こちらも検索キーワードの洗い出し以上に、検索意図を理解したりユーザーニーズの理解に役立ちますので、ぜひ実践してみてください。
自社データから洗い出す
最後に、自社サイトに関するデータからキーワードを探し出す方法です。
この方法は、特にすでに自社サイトを運用しているケースで特に使えます。
たとえば下記のとおりです。
有料広告(リスティング)データ
自社でリスティングを運用している場合は、そこから取れるデータも活用すると良いでしょう。
リスティングの管理画面から、検索語句レポートを確認すると、クリックされた検索キーワードの一覧を取得できます。
さらに、自社のCVに結びついたかどうか(CVR)も分かるので、筋の良いワードかどうかが分かりやすいです。
また、SEOで上がったあかつきには、リスティングのコスト削減にも寄与できるでしょう。
具体的には、「Google広告」にアクセスし、キャンペーンを選択します。
データビューページから、表示項目で「検索語句」を選択し、ダウンロードをします。
流入があったワードと、それぞれのクリック単価やコンバージョン率がわかりますので、一定以上のコンバージョンやクリックが発生しているワードを選びましょう。
サイト内検索データ
自社サイト内に検索ボックスがある場合は、こちらのボックスへ入力されたキーワードも参考にできます。
データが溜まっているある程度の規模のサイトでないと難しい面もありますが、自社サイトに訪れているユーザーが何を求めているのか、どんなページ(情報)を知りたいのかが、キーワードの形で分かるからです。
具体的な抽出方法として、まずはAnalytics上で設定が必要です。
- Analyticsの管理画面を開く
- ビュー設定に遷移
- サイト内検索のトラッキングを「オン」にする
- クエリパラメータに任意の文字を入れる
- 保存する
その後は、Analytics上にて、「行動」タブ内の「サイト内検索キーワード」から確認することができます。
Search Consoleデータ
すでに自社メディアの運用を始めている方のみが対象となりますが、Search Consoleにて、上位表示はできていないが、流入が生まれているキーワードを探します。
検索パフォーマンスデータにて、順位を上げたいURLでフィルタを掛けて、順位が11位〜30位程度のワードを抽出すると良いでしょう。
とくにリライト時に使える方法になりますね。
具体的な手順としては、下記になります。
- Search Consoleにアクセス
- 検索パフォーマンスに遷移
- 「新規」→「ページ」から注力したい領域のディレクトリ(カテゴリ)を入力し、フィルタ
- データをエクスポート
- 11位以降でフィルタ
なお、掲載順位を絞ったのは、すでに上位にあり対策する必要がないワードを除くための措置になります。
特に、上位表示されていないにも関わらず、クリックが生まれていたり、表示回数が多いワードは、ユーザーの悩みが深く、CVに近いことも多いです(ボリュームが大きいだけということもありますが)。
自社ユーザーへのヒアリング
自社サービスのユーザーや、顧客と直接関わりがある担当者(営業担当者やコール部門の担当者)から、ヒアリングするのも手段の一つです。
少し工数がかかりますが、ユーザーがどんな悩みを持っているのかを知ることで、思いも寄らない検索キーワードが浮かび上がってくることもあります。
自社ユーザーへのヒアリングなどが難しいという場合は、「ビザスク」などのオンラインインタビューサービスを使って、(想定)ユーザーにヒアリングするのも一つの手です。
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洗い出したキーワードを整理する方法
ここまでキーワードの洗い出しの方法をご紹介してきました。
ただ、これまでご紹介したやり方で、キーワードを洗い出しても、整理をしなければ収拾がつきません。
どのキーワードを狙えば良いのか、どこから狙うべきなのかを整理できるよう、その手順イメージをお伝えします。
ノイズを削除する
まずは、ノイズとなる、使えないワードを削除することから始めましょう。
ノイズとは下記のようなワードです。
- 検索回数が少なすぎるワード
- コンバージョンから遠すぎるワード
- サイトのコンセプトやブランド観点で対応できないワード
やり方は色々あると思いますが、まずは全ワードの検索ボリュームをキーワードプランナーなどで抽出して、足切りをしてしまうのが早いでしょう。
その後、目視でノイズとなりそうな掛け合わせワードを見つけます。
そして、その掛け合わせワードが含まれるワードを一括して除去するなどすると、早いですね。
カスタマージャーニーに沿って分類する
ノイズを削除したワード群を、カスタマージャーニーに沿って分類します。
カスタマージャーニーとは、想定ターゲット群を、コンバージョンに至るまでの過程でいくつかのグループに分けたものを言います。
たとえば、自動車購入に関するカスタマージャーニーであれば下記のようになります。
実際はもう少し細かく決めると良いですが、上記の図のように整理するとわかりやすいでしょう。
カスタマージャーニーを作成したあとは、洗い出したワードを、それぞれどの段階の人が検索するワードか分類します。
可能ならば、ひとつずつ目視でフラグ付けをしていくと丁寧ですが、まずはキーワードだけを見て分類しても良いでしょう。
キーワードだけを見て判断ができないものは、検索をし、上位ページを見ることで、分類をしてきます。
そうすることで、コンバージョンに近いグループのキーワードから、対策ができるようになります。
検索意図でグルーピングする
コンテンツマーケティングで取っていきたいワード群ができたところで、今度は同じ検索意図のワードでさらにグルーピングをしていきます。
この作業をせずに、そのままページ作成、記事執筆に入ると、同じような内容の記事が複数できてしまい、サイト全体への悪影響も考えられるうえ、記事制作コストの無駄になります。
同じ検索意図であるかどうかは、一定程度検索されているワードであれば、検索結果の類似度で測れます。
検索結果が半分以上同じワードは、同じ検索意図と考えてグルーピングをします。
こちらも目視で行うのが基本ですが、単純作業になるのでクラウドソーシングサイトで外注をしたり、タイトルを抽出するツールなどを一部活用するのも良いかもしれません。
目視で行う場合、まずは同一グループ内のキーワード群を対象に、似たような検索意図のものでフラグ付けをします。
たとえば、「〇〇 メリット」と「〇〇 利点」は同じ検索意図など。
その後、1語ずつ実際に検索をし、上位10ページのうち過半数が同じページであれば、同じ検索意図の(=同じ記事で狙える)キーワードと判断し、グルーピングしていきます。
もしくは、ツールをうまく活用することもできるでしょう。
たとえば、無料ツールであれば、「ruri-co」が使えます。
TOPページでキーワードを入力すると、検索意図の類似率(検索結果ページの重複率)が高いキーワードの一覧が表示されます。
上記は、「車 買い替え」と入力した際の結果になります。
たとえば「車 買い替え タイミング」というワードと、1ページ目で6つのページが被っており、検索結果の類似率は67%。
この場合は、同じグループでまとめたほうが良いでしょう。
ただ、「ruri-co」で表示されない重複ワードも出てきますので、一部目視は必要になります。
最後に、キーワード整理に割く工数が無いという方は、「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングサイトで作業を外注するのも一つの手段です。
作業者にキーワードリストをお渡しし、1位~3位のURLだけ抜き出して、スプレッドシートへの入力を依頼。
その後、重複しているURLがあるワードでグルーピングするというだけでも、かなり検索意図が似ているワードをまとめることができます。
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まとめ
ここまで、SEOキーワードの洗い出し方法と、整理の手順を解説してきました。
記事で紹介した作業を通して、対策すべきキーワードと優先度がわかる直接的なメリットはもちろんですが、検索ユーザーの理解や検索意図の把握にも繋がっていく間接的なメリットもあるかと思います。
コンテンツマーケティングでは、誰に、何を、どのような形で届けたいのかをきちんと理解する必要があります。
よって、ただ機械的にキーワードを洗い出すだけではなく、カスタマージャーニーにプロットしたり、SNSや質問サイトなどでのキーワード調査も含めながら、対象顧客の解像度をどんどんと上げていくことが最終的には成果につながるでしょう。
ぜひ今回の内容もご参考に、ご自身の運営するサイトでトライしてみてください。
ただ、最後に断りを入れておきたい点が、絶対的な正解は無いということです。
SEOに関わる方それぞれやり方はあるでしょうから、すべてをマネするのではなく、あくまでもあなたのやり方にはなかった視点を取り入れて貰えればと思います。
LANYでは、キーワード選定代行サービスを行っており、事業目的の達成に近いキーワード選定を行い、その後の記事作成の成果を最大化します。
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