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小規模チームのインサイド/フィールドセールスのオペレーション構築方法
LANYでコンサルティング事業や会社全体のオペレーションや組織作り、ノンアルコールビール事業、コーポレート全般を担当している市川(@_matchable)です。
今回は小規模チームでインサイドセールス・フィールドセールスを実施するオペレーション構築方法の話をします。
インサイドセールスやフィールドセールスでの実務でのノウハウは説明しないので、すでに専任がいるチームは参考にならないかもしれないのでそっと閉じても大丈夫です。
前提として、これまでインサイド/フィールドセールスを専門として仕事をしてきた人はおらず、コンテンツマーケティングを中心に案件獲得をしています。
やや一般的な役割や業務内容と異なる箇所があるかと思います。(そのためやや用語や役割等の概念がズレている部分もあるのでご了承ください。)
ここでは小規模チームでどのようにインサイドセールス・フィールドセールスを実施するオペレーションを組んだかを紹介します。
- インサイド/フィールドセールスのオペレーション体制と業務フロー
- オペレーション構築で抑えるべき3つのポイント
また、コンテンツマーケティングによって顧客との接点を獲得することを前提としているので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
効果的・効率的なBtoBコンテンツマーケティングを実施するオペレーション作り>>
LANYのインサイド/フィールドセールスのオペレーション体制と業務フロー
ここでは、弊社(社員3名)のインサイド/フィールドセールスのオペレーション体制と業務フローを紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
インサイドセールス/フィールドセールスの体制
専任でインサイドセールス/フィールドセールスの業務を担当している人はおらず、現状では社員のコンサルタント2名が兼任しています。
基本的に資料DLした方へのメールやお問い合わせ対応から、契約締結まで1人の担当者が最後まで行います。
基本的にそのままプロジェクト責任者としてプロジェクトに参加します。
コンサルタントを兼任しているのでファーストコンタクトから案件開始後もそのまま伴走するケースもあります。
社員3名程度の規模感であれば「兼任するしかないよね」という話で終わってしまいそうですが、弊社の場合コンサルタントが兼任した方がお客様の課題をシャープに捉えられます。
お客様にとってはSEO課題があると思っていても、実際に深掘りしてみるとCV設計やCVRに課題があったり、組織体制や業務フローに問題があったりするケースがあったり、状況によっては課題を解決する順序も考えたりする必要があります。
コンサルタントはSEOに限らず、様々なお客様の課題と向き合ってきているため、商談などの段階でより本質的な提案ができます
結局営業にも顧客の課題を解決するコンサルタント的な能力が求められるため、今後も兼任もしくはコンサルティングの経験を経てセールスを担当すると思います。
コンテンツマーケティングの注力比重が大きいので、兼任でも運用として回る部分もあります。
商談設定から受注までの業務フロー
実際に弊社では、商談設定から受注までどのような業務フローなのかを簡易的に紹介します。
- ホワイトペーパーもしくはサービス概要資料のダウンロードがあった見込み顧客に対して、アプローチすべきかどうか判断する
- 有望リードと判断した場合メールを送信して、課題感のヒアリングや商談の予約を提案する。また、お問い合わせがあった見込み顧客に対して、課題感のヒアリングや商談の予約をメールで送信する
- 商談の日時の設定する
- いただいた事前情報をもとに簡易的な分析をする
- 営業資料、議事録(アジェンダ)を作成する
- 商談の1営業日前に議事録を送付する
- 商談を実施する
- 商談後に先方へのメールやHubSpotへのログの記録、ネクストアクションの整理をする
- プランと見積もり記載の提案資料を作成して送付する
- 受注する or 失注する
- 契約書の雛形の送付、もしくは契約書の雛形をいただく
- LegalForceでレビューを実施。必要に応じて顧問弁護士による審査を追加する
- クラウドサイン等で契約書の電子締結をする
- 案件を開始する
※あくまで一例なので顧客や状況等に応じて柔軟に進めています
早い場合で1週間から10日程度で契約締結して案件開始まで行うケースもあります。
※無料お役立ち資料:「BtoB企業がコンテンツマーケティングをやるべき理由」をダウンロードする>>こちらから
インサイド/フィールドセールスのオペレーション構築のポイント
まずは、弊社が2022年6月頃にBtoBのコンテンツマーケティングでを本格的に開始して「コレが構築に大事だったな」というポイントを解説します。
インサイド/フィールドセールスのオペレーション構築のポイントは大きく3つあります。
それぞれ詳しく解説します。
ポイント①カスタマージャーニーマップの作成とCVポイントをする
1つ目は「カスタマージャーニーマップの作成とCVポイントをすること」です。
①カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップを作成する目的は、顧客を理解してCVポイントを設計するためです。
自分自身はフロントに立たないので、フロントを担当している人へのインタビューしたり商談へ同席して顧客理解を深めました。
見込み顧客や既存の顧客の情報を理解したらペルソナとしてまとめて、ペルソナをもとにカスタマージャーニーマップを作成します。
ただし作成自体は目的ではないため、完成度としては60点くらいのもので問題ありません。
②CVポイントを設計する
カスタマージャーニーマップが作成できたら、CVポイントを設計します。
お問い合わせの獲得のみをCVポイントにしても、顕在化した層しか獲得できず潜在層にアプローチできません。
そのため、下記のようなCVポイントを複数設置して、潜在層にアプローチする接点を獲得しました
- サービス概要資料のダウンロード
- 無料相談会の申し込み
- サービス説明会のウェビナーへ申し込み
LANYの場合コンテンツマーケティングで接点の獲得は、
- 強み①受動的にできやすいこと
- 強み②コンサルタントセールスを兼任している社員の課題解決やコミュニケーション
上記2つが強みだったので、潜在層でもできる限り早い段階でアプローチすることで、商談化・受注に繋がると仮説を持っていました。
そのため、お問い合わせ数を増やすことをKPIに置かず、弊社のコンサルタントと話す接点をいかに設けるかを考えました。
サービス概要資料DLのフォーム項目に、検討状況や課題・お困りごとを記載する項目を設け、その回答状況に応じてコンタクトし、必要に応じて弊社のコンサルタントが簡易な分析や商談の場の設定をしています。
LANYでは半年前まではお問い合わせフォームのみでしたが、サービス概要資料DLの設置とアプローチすることで、受注の半数以上が中間CVポイントでのアプローチから生まれています
コンテンツマーケティングで顧客との接点を可能な限り最大化し、アプローチ前後でそこまで工数負荷を増加させずにCVポイントを設計することで、最小のフローで最大限の効果を獲得できています。
オペレーション作りからはやや離れる部分がありますが、最小限の工数で最大限の効果を出すためには必須な作業であり、業務フローの設計に直結するので重要なポイントです。
ポイント②業務フローと業務マニュアルを整備する
2つ目は「業務フローと業務マニュアルを整備すること」です。
目的としては下記の3つあります。
- インサイドセールス/フィールドセールスの業務工数の削減
- 今後の人員増加のためのドキュメント整備
- 業務や品質改善をスピード感持って行う改善基盤作り
一つ目と二つ目に関しては説明するまでもないことなので省略して、三つ目の業務や品質改善をスピード感持って行う改善基盤作りに関して説明します。
いわゆる問題解決を行なっていると、多くのケースでオペレーションの問題に行き着く、もしくは打ち手としてオペレーションに組み込むことが多いでしょう。
インサイド/フィールドセールスの業務で発生した問題に対して、ショットで都度ユニークに対応するのではなく、オペレーションに落とすことで根本的な問題解決ができます。
業務フローとマニュアル・テンプレートがドキュメントとしてなければ、打ち手が属人化して抜け漏れが発生して同じ問題が繰り返される可能性があるため、できる限り早い段階で業務フローと業務マニュアルを整備するべきです。
また、ただ整備するのではなく運用に乗せることが重要です。
LANYでは毎週の定例にて下記を共有します。
- その週にあった問題や顧客によく質問されること
- 単純な業務なのに工数がかかっていることなど
問題や課題に対して、原因を深掘りして打ち手を立案し、業務フローやマニュアルに落とし込む運用をしています。
早い段階で業務フローとマニュアル・テンプレートの整備することで、今後の改善サイクルを効率良くできます。
ポイント③カンバンやパイプラインで情報の集約とステータス管理をする
3つ目は「カンバンやパイプラインで情報の集約とステータス管理をすること」です。
インサイドセールス/フィールドセールスの業務を他の業務と兼任している小規模チームでは、各自の脳内リソースの負荷をいかに下げ、抜け漏れなく運用することが重要です。
形はどうであれ、情報の集約と管理ができればどのツールを使っても問題ありません。
規模感的にそこまで数が多くないので、弊社ではサービス資料DL等から受注まで一気通貫して管理しています。
ポイントとなる運用方法は下記の3つです。
- 必須項目の設置や自動通知などを行い、抜け漏れや工数を削減する
- リサイクルと不適格セクションを設けて、必要に応じて再アプローチする
- 毎朝全員でステータスを確認する
それぞれ詳しく解説します。
①必須項目の設置や自動通知などを行い、抜け漏れや工数を削減する
1つ目は「必須項目の設置や自動通知などの設定をして抜け漏れや工数を削減すること」です。
残すべきログのやる・やらないを各自に任せると、必ず抜け漏れが発生します。
そのため、例えば商談が完了して、チケットを商談済みに移動させる際には、議事録の添付を必須としており、添付しない限り移動できません。
他にもリサイクルや不適格に移動させる際には、その理由を必ず入力する必要があります。
各自の脳内で管理するやるべきタスクから外してツールに任せて必須項目として強制することで、抜け漏れを防ぎつつ各自の負荷を下げられます。
また、商談が完了して、チケットを商談済みに移動させた際には、Slackの専用チャンネルに自動で議事録のリンクと共に商談完了の通知が飛びます。
そうすることでタイムリーに商談内容を社内で共有できます。
リサイクルと不適格セクションを設けて、必要に応じて再アプローチする
2つ目は「リサイクルと不適格セクションを設けて、必要に応じて再アプローチする運用」です。
管理サイクルの中で、商談や受注には至らなかったが、将来的に可能性がある見込み顧客をリサイクルセクションに、そもそも対象ではないユーザーを不適格に設定しています。
引用元:https://jp.marketo.com/blog/30366.html
商談の対応をしていく中で、タイミングの問題で見送りになった場合、適切なタイミングで再度アプローチできるように顧客管理します。
弊社の場合は、リサイクル理由の特定の選択肢を選んだ場合、n日後に自動的にタスクを生成するワークフローを組み込んでいます。そのため、可能性の高い顧客を逃さずに再アプローチできます。
毎朝全員でステータスを確認する
3つ目は、毎朝全員でステータスを確認する点です。
特別なことをやるわけではなく、パイプラインなどでの管理が形骸化しないように、毎朝の朝会をマイルストーンにして、各自アップデートを促すという運用の仕組みです。
毎朝の朝会でアップデートのあった箇所や各チケットのステータスを簡単に共有します。もし何か議論が必要な箇所があれば別途会議体を設定して話し合っています。
カンバンやパイプラインで情報の集約とステータス管理をして運用していくことで、小規模でもスムーズな業務が可能になりました。
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まとめ:小規模チームのインサイド/フィールドセールスのオペレーション構築方法
LANYでは、効果的・効率的なBtoBコンテンツマーケティングでアプローチする接点を受動的に獲得して、最小限の工数で最大限の効果が得られるようなオペレーションによってセールス業務を実施しています。
インサイド/フィールドセールスのオペレーション構築のポイントは大きく3つです。
小規模でBtoBのマーケティングやセールスを実施しているチームの方に参考になれば幸いです。
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- コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
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