SEOコンサルティング・Webマーケティング支援
【事例付き】BtoB企業がSEOに取り組むべき理由と対策手順4ステップ

プロダクトやサービスを運営するBtoB企業の担当者の方へ。
顧客数やユーザーを増やしたいから「とりあえず法人営業部門の人数を増やそう」「テレアポで顧客を獲得しよう」という状態に陥っていませんか。
インターネットが普及した今、さらに売上や受注数を伸ばしたいと考えているなら、デジタルマーケティングを活用したインバウンドマーケティングに取り組むのは必要不可欠でしょう。
そしてインバウンドマーケティングの中で、SEOが発揮する効果は大きいです。会社の資産となり、継続的に顧客を獲得し続けてくれます。
実際弊社は、SEOコンサルティングを提供するBtoB企業ですが、オウンドメディアをはじめとするSEOを育ててきたことによって受注数を伸ばすことに成功しています。
SEOに取り組むことで見込み顧客の方々のリード獲得や認知獲得が達成でき、他の施策と掛け合わせて取り組むことによって、受注までの道のりを作れます。
本記事では、100社を超えるBtoB企業のSEOコンサルティングを実施してきた私が下記を解説します。
- BtoB企業がSEOに取り組むべき理由
- BtoB企業のSEO対策4ステップ
- BtoB企業のSEOの成功事例
BtoB企業のデジタルマーケティングに取り組む方に届き、少しでも成果貢献できれば嬉しいです。
BtoB企業がSEOに取り組むべき理由
BtoB企業がSEOに取り組むべき理由は、顧客の購買行動においてオンラインでの検索が占める重要度が高く、そのタイミングで自社を認知してもらわなければ、検討の選択肢に入るのが難しくなるためです。
とくにアフターコロナ時代は、リモートワークが基本となりつつあるため、営業が飛び込んでいって自社のサービス・プロダクトを売り込むことができなくなりました。
だからこそ見込み顧客のオンラインでの購買行動プロセスで接点を持ち続けることが重要です。
BtoBマーケティングの大枠のステップは下記です。
- リードジェネレーション(見込み顧客のリードを獲得する)
- リードナーチャリング(見込み顧客を教育・育成する)
- 受注・契約
※インサイドセールスやフィールドセールスの領域は割愛
要は、見込み顧客リストを取得し、その方々が潜在的に持っている「課題」を顕在化させ、自社のサービス・プロダクトならその課題が解決できると教育していきます。

最終的な受注・契約を増やすためには、リード獲得数を増やすことが最重要課題です
BtoBの購買行動においては、企業の担当者はオンラインで情報収集を実施しています。オンラインでの情報収集時に顧客との接点を獲得することで「検討の選択肢」に入り、その際に与える情報が適切であれば選択肢の中でも「好意的に捉えてもらえる」はずです。
その中でSEOの守備範囲は、見込み顧客が何かを調べよう・解決しようと思って “検索した際” に自社のコンテンツを届ける部分(認知や見込み顧客の獲得)です。


見込み顧客が検索するタイミングで、自社Webサイトを見てもらって認知を獲得したり、サービス資料やお役立ち資料をダウンロードしてもらってリードを獲得していったりする必要があります。
見込み顧客が検索するであろうキーワードを網羅的に洗い出し、より受注・契約意欲が高いであろうキーワードから優先的に対策していくのがBtoBマーケティングにおけるSEOの正攻法です。
BtoB企業のSEO対策のステップ
BtoB企業のSEO対策は以下のステップで進めましょう。
それぞれどのように実行するべきかを解説します。
STEP1.対策キーワードを洗い出す
自社・競合・市場の3つの観点から、対策キーワードを洗い出します。
- 自社が提供できる
- 競合が提供している
- 市場のニーズがある


キーワードの見つけ方は、SEMRushやAhrefsなどの「競合が取得しているキーワード」が調査できるツールを利用すると洗い出しやすいです。




キーワードは、次の順に対策していくと良いでしょう。
対策① | 自社が提供できる×競合が提供できる×市場のニーズがある |
対策② | 自社が提供できる × 市場のニーズがある |
対策キーワードを決める際の最終的なアウトプットは、下記の表形式でスプレッドシートにまとめるのがおすすめです。
まずは網羅的にキーワードを洗い出し、その後のカスタマージャーニーマップの作成やコンバージョンポイントの設計も進めながら、精査していきましょう。
STEP2.カスタマージャーニーマップを作成する
BtoBサービスやプロダクトの特性として「検討期間が長い」ことがあります。
そのため、キーワードごとに見込み顧客が検討のどの段階にいるのかを考えて、適切な出口設計(コンバージョンポイントの設計)をするのが大切です。
カスタマージャーニーマップを作成することで、見込み顧客が求めるコンバージョンに至るまでにどのようなニーズを持って、どんなキーワードで検討するのかが可視化されます。


カスタマージャーニーマップを作成したら、なるべくコンバージョンに近いセグメントからコンテンツを作っていきましょう。
ただしコンバージョンに近いキーワードは、競合も本気で対策していて競合性が高く対策難易度が高かったり、検索ボリュームが大きくない場合が多いです。
コンバージョンに近いキーワードを書き切ったら、徐々に潜在層向けのキーワードを作成していき、コンバージョンポイントをずらす形で対策していきましょう。
STEP3.コンバージョンポイントを設計する
BtoBのSEOで最重要になるのが、コンバージョンポイントの設計です。
適切な出口設計ができれば、最終的な総コンバージョン数は多くなります。
コンバージョンポイントには下記が考えられます。
- お問い合わせ
- サービス資料のダウンロード
- ウェビナー参加申し込み
- ホワイトペーパーのダウンロード
- メールマガジンへの登録
いわゆるリードジェネレーションの領域ですが、可能であればすべて「お問い合わせ」や「サービス資料ダウンロード」をしてもらうのが良いです。
しかし、カスタマージャーニーのフェーズによっては、見込み顧客の課題が顕在化していなかったり、サービス導入をするまでに長い時間がかかったりする場合が多いです。
そのタイミングの見込み顧客にお問い合わせやサービスダウンロードを訴求していても、コンバージョンしてくれません。



その場合は、見込み顧客の役に立つホワイトペーパーのダウンロードを訴求したり、ウェビナー開催するなどして、まずは「コンタクトリスト」を増やすことを意識した方が良いです
SEOだけで捉えてしまうとホワイトペーパーをダウンロードしてもらうことが受注につながるイメージは湧きづらいでしょう。
その後にメール施策やインサイドセールスによる電話などがあれば、見込み顧客の課題を顕在化させ商談を設定できるかもしれません。
カスタマージャーニーマップを用いて、どのフェーズにはどのコンバージョンポイントを設計するのかを丁寧に考えて、総量としてコンバージョンを積み重ねていくようにしましょう。
STEP4.コンテンツを作成する
対策キーワードとコンバージョンポイントが決定したら、実際にコンテンツを作成しましょう。
コンテンツには下記があるでしょう。
- サービス紹介ページ
- 事例ページ
- 記事コンテンツ
コンテンツが足りないのであれば、まず「サービス紹介ページ」や「事例ページ」を作成すべきだと考えます。
なぜなら、SEO経由の流入獲得目的だけでなく、コンテンツがあることによって見込み顧客のCVRを高めることにつながるページだからです。
記事コンテンツの方が作成をしやすいため先に走り出したくなりますが、まずは足りない本体サイト側のページを作成してしまいましょう。
その後に、記事型コンテンツを敷き詰めていくのが効率的だと思います。
BtoB企業のサイトのSEO対策で意識すべきポイント3選
BtoBのSEOで意識すべき点は下記です。
それぞれ解説します。
ポイント①検索ボリュームに捉われすぎない
BtoBサイトのSEOでは、検索ボリュームに捉われすぎない方が良いです。
検索ボリュームがないキーワードの中に、コンバージョンに繋がるお宝キーワードが眠っている場合があります。
検索ボリュームだけを見てキーワード選定するのではなく、下記の情報も加味してキーワードや記事のテーマを選ぶのがおすすめです。
- お問い合わせの内容
- ウェビナーやメールマガジンなどのアンケート情報
- TwitterやYouTubeなどのコメント
- 営業ヒアリング
とくにお客様と対峙している営業部門の方が、キーワード選定をするのに貴重な情報を持っている場合も多いのです。直接的に「サービスを比較検討する際に、どのようなキーワードで検索しますか?」と営業に聞いてもらっても良いでしょう。
BtoB領域では、流入数よりもコンバージョンするかが重要になってくるので、検索ボリューム以外の情報も参考にしながら適切なキーワードを選んでいきましょう。
ポイント②使えるリソースを適切に使いながらコンテンツを作成する
BtoBのSEOでは、社内に転がっている各種資料や情報を利用しながらコンテンツを作成しましょう。
たとえば次の資料や情報です。
- ホワイトペーパー
- サービス資料
- 事例コンテンツ
- 営業ヒアリング
- お客様アンケート
独自性を出すことでSEO評価が高くなるのはもちろん、その先にあるコンバージョンレートを高めるためにも、自社にしか作れないコンテンツを作ることが重要です。
その際に、リッチに作り込んでいるホワイトペーパーの図解を入れたり、自社の事例コンテンツの内容を含めて内容に信頼性を持たせるなどは行うべきです。
使えるリソースを洗い出した上で、コンテンツ作成部隊と足並みを揃えてコンテンツを作成しましょう。
ポイント③集客用コンテンツと教育用コンテンツを分けて考える
オウンドメディア戦略に近しい話ですが、集客用コンテンツと接客用コンテンツを分けて考えるのがおすすめです。
BtoBのSEOでは「検索キーワードにはなっていないけれども、見込み顧客が悩んでいること」は多く存在します。
その悩みを解消する「教育用コンテンツ」を適宜作成し、見込み顧客に届けることができると大きくコンバージョンを増加させられるでしょう。



また、検索キーワードになっていない悩みは、他社サイトにも存在しないケースが多いため、サイトとしての価値も高めてくれます
ただし教育用コンテンツは、SEO経由だけでは検索キーワードがなくて見込み顧客にコンテンツを届けることが難しいため、サイト内回遊導線を組んだり、メルマガ施策と組み合わせたりするのがおすすめです。


集客用コンテンツだけを敷き詰めて行っても、見込み顧客が本来知りたいことや解決したい悩みが解決しきれない可能性が高いのです。
そのため、集客用コンテンツ(認知用コンテンツ)と教育用コンテンツを分けて考えて発信していきましょう。
BtoB企業のSEO対策の成功事例
BtoB企業のSEO対策の成功事例を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
事例①株式会社Resily|リード獲得数の増加・第一想起の獲得
オウンドメディア経由のリード獲得数の増加と、OKR関連サービスでの第一想起の獲得の2点を目的にSEOコンサルティングを実施させていただきました。
内容 | ・カスタマージャーニーマップを作成して適切なコンバージョン設計をしたこと ・BIGワードの順位上昇のためにトピッククラスターモデルを構築したこと |
結果 | ・オウンドメディア経由のリード獲得数が250%増加 ・「OKR」単一キーワードで圏外→5位を獲得(最高3位を獲得) |
CVポイントを適切に設定したり、トピッククラスターモデルを構築したりしたことで結果を出すことができました。
株式会社Resilyの詳細な施策事例は下記に記載されているので、BtoB企業の担当者の方はぜひ読んでみてください。


事例②株式会社LANY|広告宣伝費なし、少人数での多くのリード獲得
LANYは、広告宣伝費なし、社員3名(内2名がコンサルティング事業)の状況で、下記画像のリード獲得件数を達成しております。


SEO経由のみでなく、SNSやプレスリリースなど別施策も実行していますが、コンテンツマーケティングの文脈での事例としてご紹介させてください。
意識してきた点としては下記です。
- 集客用コンテンツと教育用コンテンツを分ける
- SEO単体だけで考えない
集客用コンテンツと教育用コンテンツを分ける話は下記のスライドの通りです。


SEO単体だけで考えないというのは次のスライドの通りです。


LANYは「良質なコンテンツを発信し続けていれば、見込み顧客の方がSEOに困った際の第一想起になれる」という仮説を持ってコンテンツマーケティングに注力をしています。
少しずつ結果も出てきているので、ぜひBtoBマーケティングにお困りの方がいらっしゃいましたらお問い合わせいただけますと幸いです。
まとめ|購買行動のオンライン化が進む今、BtoB企業はSEOに取り組むべき
BtoB企業がSEOに取り組むべき理由は、顧客の購買行動がオンライン化しており、そのタイミングで認知されていないと比較検討対象に入ることが難しくなるからでした。
BtoB企業のSEO対策のステップは下記です。
- 対策キーワードを洗い出す
- カスタマージャーニーマップを作成する
- コンバージョンポイントを設計する
- コンテンツを作成する
また、BtoB企業のSEOで意識すべき点も下記です。
- 検索ボリュームに捉われすぎない
- 使えるリソースを適切に使いながらコンテンツ制作をする
- 集客用コンテンツと教育用コンテンツを分けて考える
本記事で紹介した内容や事例も参考にしていただき、BtoBマーケティングの中でも重要度の高いSEOを成功させていきましょう。
「BtoBマーケティングにお困りの方」「SEOに課題を抱えている企業様」がいらっしゃいましたら、弊社で何かサポートできる点がないかをご提案させていただくこともできるので、まずはお気軽にお問い合わせください。