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【カニバリ対策/無料ツール使用】注力ページへ流入を集めるためのリライト法
狙ったキーワードで上位表示、注力ページへの流入増加、CVR上昇によるCV増加。
これらはサイトを運営している方のすべてが掲げている指標ではないでしょうか。指標を達成するために新規記事を作成したりリライトをしているかと思いますが、カニバリゼーション(カニバリ)のチェックはしていますか?
サイト運営が長くなってる場合や定期的に担当者が交代している場合は、特にカニバリの発生が多く見られています。
もしかするとカニバリが理由で、注力したいページの検索順位が上がらず、流入も増えないのかもしれません。
本記事では、数十社のサイトを支援させていただいた筆者が、無料ツールだけを使ったカニバリの見つけ方と解決策を紹介します。
- カニバリの見つけ方
- カニバリが発生しているページの解決策
- カニバリを発生させないための対策
注力ページの改善ができていないすべての方に届くことを願っています。
カニバリの解消に限らず、LANYのリライト手法を網羅的におまとめした記事も下記にご用意しておりますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
筆者プロフィール:讃岐勇哉
出版社、広告代理店、制作会社、事業会社で雑誌や広告、Webメディアの編集や運用、デジタルマーケティングに携わる。主にSEOやCRO、収益改善による「事業の成果につながる施策」を提案しクライアントを支援。
編集長経験は4メディア、支援社数は数十以上。得意な領域はファッションや人材、不動産、法律、BtoBマーケティング。現在は編集者・コンテンツマーケター・SEOコンサルタントとして活動中。
Twitterアカウント:https://twitter.com/koenjishimesaba
カニバリゼーション(カニバリ)を解消しなければいけない理由
SEOにおけるカニバリゼーションとは、同じサイト内の複数のページで同じキーワードで競合している(検索結果に表示されている)状態のことを表します。(以下、カニバリといいます)
ではなぜカニバリを解消しなければならないかというと、以下の2つの観点があります。
- ユーザー観点:どのページを読むべきか判断できない
- 検索エンジン観点:どのページを上位表示させるべきか認識できない
つまり、カニバリが発生すると検索エンジンからの評価が分散してしまい、意図したページが上位に表示されにくくなった結果、流入が集められないだけでなく、ユーザーの満足度も下がってしまいます。
この状態では集客はもちろん、集客したユーザーからのコンバージョンも見込みづらくなるため、メディア運営者にとってカニバリは解消すべき課題です。
キーワードカニバリゼーション(カニバリ)が引き起こすSEO的なネガティブ影響>>
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カニバリゼーション(カニバリ)が発生してしまう理由
カニバリが発生する理由は以下の2つが考えられます。
要因 | 概要 |
---|---|
①メタデータ | 同一のキーワードでhタグを作成してしまう |
②ページ | 同一の本文内容、検索意図でページを作成してしまう |
クライアントのメディアを調査して多かったのは①でした。
その要因の一つとして、残念ながらページを作る前にどのキーワードでどんなページを作っていくのか、キーワード選定とページ作成の戦略がなかったことが挙げられます。
また、記事を作成後、どんなキーワードで流入しているかの調査をしていないことも要因でした。
また、ページを作る際に「1キーワード1ページ(コンテンツ)」という原則があります。
しかし、これでは①の対応はできたとしても②の対応はできない場合があるのです。なぜなら「ランキング」と「おすすめ」のように検索意図は似ているものの、ユーザーが求めているものが違うからです。
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キーワードカニバリゼーション(カニバリ)の見つけ方
では無料のツールだけを使ったカニバリの見つけ方をご紹介します。
調査をする前にそのサイトの「ページの一覧」と「ページごとに流入を狙っているキーワード(対策キーワード)」のリストがあればより効率的かつ精度の高い調査が可能です。
有料ツールを使っている方は以下もご参照ください
https://lany.co.jp/seo/blog/cannibalization/#index03
1.Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
無料のツールの中で最も詳細に調査できるのはGoogle Search Consoleでしょう。
見つけ方の手順を解説します。
①サイトのページ一覧と想定流入キーワードのリストを用意する
「コーヒー」で流入を獲得したいサイトを例とし、以下の図のようなリストを用意しました。
私はとにかくコーヒーさえ飲んでれば仕事が進むと言い聞かせて生きてきました。
多くの場合、ページを作成する前に、そもそもどんなキーワードがあるのか、そのキーワードはどれくらいの検索ボリュームなのか、といった事前調査をしているかと思います。そのリストを用いると網羅的な調査が可能です。
リストがなくても調査は可能です。その場合は特に対策したいキーワードを確認しましょう。
- ①事業ドメイン
- ②流入が多いページのキーワード
- ③コンバージョンが多いページのキーワード
これらのキーワードは注力ページに紐づいていると考えられます。リソースや予算がない場合はこれらのキーワードを対策するだけでも事業へのインパクトはありますので、必ず対策キーワードを用意しましょう。
②Google Search Consoleで調査したいキーワードかページを入れる
私のサイトを例として使っているのですが、流入が少なくて恥ずかしい限りです…。
- Google Search Consoleにログインする
- 検索パフォーマンスをクリックする
- ページごとに調査したい場合は①にURLを入れる
- キーワードごとに調査したい場合は②にキーワードを入れる
今回は、特に対策したいキーワードを調査するパターンで進めていきます。ですので②に対策したいキーワードを入れて結果を確認します。
グルメブロガーに憧れましたが険しき道で、このサイトはそんな夢の跡です…。
結果から、同一のキーワードで3ページにカニバリがあることがわかりました。
ただしTOPページには対策したいキーワードを入れていません。対策したいキーワードに対して検索エンジンがTOPページを関連性のあるページと認識しているため、表示されていると考えられます。
こういった場合は、そのキーワードが事業ドメインであればあるほど関連性のあるサイトと認識していると思われ、ポジティブな結果と考えていいかと思います。
2.Googleのコマンド
Googleの検索画面で以下のコマンドを入力して検索すると、カニバリを確認できます。
site:example.com(確認したいページのURL) 確認したいキーワード
このコマンドを用いた検索結果では以下のことがわかります。
- カニバリが発生しているページ
- 確認したいキーワードにおけるページの順位
ただし、あくまで簡易的な確認法になるので、より詳しく確認するために①のSearch Consoleを用いた方法をおすすめします。
3.サイト内検索
確認したいサイトにサイト内検索があるなら、カニバリを確認したいキーワードで検索してみましょう。
もしページが存在するのであればカニバリの可能性があります。詳細に調査する必要がありますので①のSearch Consoleを用いた方法を試されることをおすすめします。
カニバリゼーション(カニバリ)の解決策とリライト
Google Search ConsoleでページのURLを入れて調査をした結果、現状の流入キーワードが確認できたとします。
今回の場合、対策キーワードと流入キーワードを照らし合わせると以下の4パターンに分類できました。
種類 | 概要 | 対策の有無 |
---|---|---|
①青印 | カニバリが発生している | 対策が必要 |
②黄色 | 対策キーワードと流入キーワードが合っていない | 対策が必要 |
③赤色 | 対策キーワードにプラスしてキーワードがある | 対策が必要 |
④無印 | 対策キーワードと流入キーワードが合っている | 対策は必要なし |
では対策が必要な①〜③を見ていきましょう。
①青印:カニバリが発生している
「スタバ コーヒー」が2と6でカニバリを起こしています。
これは6のページ内でスタバも取り上げているため流入が発生しているようです。
注力ページは2にも関わらず、6に流入を意図しないキーワードを含めてしまった結果、2の上位表示を阻害してしまいました。
この場合の対策は、主にhタグで使っているキーワードを見直し、カニバリを起こしているキーワード(スタバ)を削除しましょう。
②黄色:対策キーワードと流入キーワードが合っていない
3の対策キーワード「コーヒー おすすめ」
3の対策キーワード「コーヒー おすすめ」に対して、流入キーワード「コーヒー ランキング」は、どちらも「コーヒーについて知りたい」という検索意図は同じだと考えられます。
「コーヒーについて知りたい」という検索意図の中でも「コーヒー おすすめ」と「コーヒー ランキング」の違いは下記が考えられるでしょう。
KW | 違い |
---|---|
コーヒー おすすめ | そのサイトや執筆者におすすめしてもらいたい |
コーヒー ランキング | 何かの調査結果によるランキングが知りたい |
この場合、ページの作り自体は「サイトや執筆者によるおすすめ」でしたので、上で取り上げたカニバリの対策と同様、流入を意図しないキーワード(ランキング)を削除しましょう。
9の対策キーワード「足がつる コーヒー」
9の対策キーワード「足がつる コーヒー」に対して、流入キーワード「スポーツ コーヒー」でした。
どちらの検索意図もスポーツ時の利用が想像できますが、「足がつる コーヒー」はスポーツの中でも限定的、「スポーツ コーヒー」はスポーツとコーヒーの関係を知りたい検索意図だと考えられます。
この場合、ページを「スポーツ コーヒー」で大幅にリライトをすればさらなる流入を見込める可能性があります。
ただし、「スポーツ コーヒー」が事業に貢献できるキーワードなのかを判断し対策を検討する必要があります。
③赤色:対策キーワードにプラスしてキーワードがある
対策キーワードに付随して新たなキーワードがある場合の多くは、ページを作成したときには存在しなかった検索意図の可能性が高いです。
新たな検索意図を汲み取りリライトすることは重要なので、②と同様、事業に貢献できるキーワードなのかを判断して対策するかを考えましょう。
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リライト以外のカニバリゼーション(カニバリ)対策
カニバリの対策にはリライトが効果的な場合が多いのですが、リライトをする前に「そのページが本当に必要かどうか」を判断する必要があります。
もしリライトをする必要のないページでしたら削除や非公開をするだけでもカニバリ対策ができます。
削除・非公開を検討する場合の観点は以下です。
- 被リンクがない
- 情報が古い(更新されていない)
- 流入が少ない
- コンバージョンが発生していない
上記に当てはまる場合は、下記のような対策がおすすめです。
- カニバリを起こしているページの削除・統合する
- 上位表示をさせたいページに内部リンクを集める
- 301リダイレクトを設定する
- Canonical(カノニカル)を設定する
- noindexを設定する
それぞれ詳しく解説します。
対策①カニバリを起こしているページの削除・統合する
カニバリが発生している場合の最も簡単な対策は、どちらかのページの削除・非公開です。
また、カニバリが発生しているページ同士を統合する方法もあります。これも単純な話で、キーワードやページの内容が1ページにまとまるためカニバリの解消になります。
もう一方のページには「301リダイレクト」設定をしましょう。
対策②上位表示をさせたいページに内部リンクを集める
そのキーワードに対して、より上位表示をさせたいページに内部リンクを集めます。
反対に、上位表示させたくないページへの内部リンクを削除する手法もあります。
内部リンクを設定する理由は、検索エンジンが内部リンクを参照してページの重要度を判断しているからです。
つまり、内部リンクが集まっているページほど重要なページ(=注力ページ)として認識されます
これはカニバリ対策としてだけでなく、そもそも注力ページに流入を集めるための効果的な手法であるため、積極的に取り入れていきましょう。
ただし、どんなページにでも内部リンクを設置していいわけではありません。あくまでページとの関連性や検索意図と合っているページだけにしましょう。
また、何らかの理由でページの削除や統合ができなく、301リダイレクトの設定もできない場合は内部リンクを設定しましょう。
対策③301リダイレクトを設定する
カニバリが発生しているページで、統合・削除・非公開ができない場合、どちらかのページに301リダイレクトを設定しましょう。
基本的には301リダイレクトを用いるのがいいと言われていますが、301リダイレクトを使うべきでないケースもあります。
よく見るのは、対象ページにトラッキング用のパラメータが振られている場合で、この時は301リダイレクトではなくcanonicalを設定しましょう。
対策④Canonical(カノニカル)を設定する
カニバリが発生しているページで、統合・削除・非公開ができない場合、canonicalで検索エンジンに伝えたいURLを設定する方法もあります。
301リダイレクトと似ていますが、いくつか違いがあります。
Canonical | 評価が引き継がれない(諸説あり) 検索エンジンに伝えたいURLを設定する(あくまで提案) 元のページが閲覧可能である |
301リダイレクト | 評価が引き継がれる 強制力がある |
まずCanonicalはといわれています。さらに、Canonicalは検索エンジンに対する提案でしかないため、301リダイレクトとは異なり強制力はありません。また、元のページが閲覧可能な点も301リダイレクトとの違いです。
Canonicalが有効と考えられるのは、「サーバー側の設定で301リダイレクトが使用できない」「元ページにパラメータが振ってある」場合です。
対策⑤noindexを設定する
noindexを設定しておけばクローラーが回らないため、検索エンジン側には認識されません。そのためカニバリを解消できます。
検索流入は意図していないが公開しておきたいページがある場合はnoindexを設定しておきましょう。
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- サービス・料金プランの詳細
- 提供内容のアウトプットイメージ
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カニバリゼーション(カニバリ)を発生させないための事前対策
カニバリはページを作る前の準備とページを作った後の定期的なチェックで防げます。状況に応じて最適な対策は変わってきますので、各ページの調査をしてからどの対策を用いるか判断しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
事前対策①ページを作る前にキーワードを選定する
まず、ページを作るためのキーワードを選定しましょう。さらに、どのキーワードでページを作ったかを管理するのがベストです。
カニバリを起こさない最も効果的な対策は、同一のキーワードで複数のページを作らないこと。一つのキーワードで一つの高品質なページを作ることが、ユーザー観点でも検索エンジン観点でもベストでしょう。
事前対策②定期的にページへの流入キーワードを確認する
定期的に流入しているキーワードを調査することで、カニバリを見つけられるだけでなく、新しい検索意図に気づける可能性があります。
定期的にページ作成後のメンテナンスをしましょう。
2023年はカニバリゼーション(カニバリ)対策から始めましょう
カニバリ対策は、定期的に以下のサイクルを回すことで解決できます。
- Google Search Consoleで見つける
- カニバリが発生している記事は主にリライトで解決する
- カニバリが発生しないよう仕組み化して運用する
このサイクルで注力ページに流入を集め、成果を出していきましょう。
ですが、ページ数が多くなってくると、専業の方でない限り対策は難しくなります。
また、全記事のカニバリ調査や最適な対策を検討・実施されたい方は専門家に依頼するのがベストでしょう。費用はかかりますが、その分、効果の出るスピードは早く確度も高くなるため、結果として事業への貢献に繋がります。
特にSEOの施策は効果が出るまで一定の時間が必要なため、早めの対策が肝心です。
2023年のサイト運用は、カニバリ対策から始めてみるのはいかがでしょうか。
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