データベース型サイトのロングテールキーワード戦略 – 自動生成コンテンツで戦う

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データベース型サイトのSEOにおいて、ロングテールキーワードをどこまで獲得し切れるかは勝負の鍵を握ります。

ロングテールキーワードとは「3語や4語のキーワードの掛け合わせで生成される複合キーワード」です。

リストページ(一覧ページ)で細かいユーザーの検索ニーズを拾い切れるところまで広げ、適切にインデックスさせることで、大きなトラフィックを獲得できます。

ロングテールキーワードとは

しかしながら、データベース型サイトでロングテールキーワードを狙うのは簡単なことではありません。

記事型SEOのように1ページずつライティングをして作っていくのは効率が悪く、マスタ(データ処理を行う時の基礎データ)に検索軸を追加していくのも現実的ではありません。

結論からいうと、データベース型サイトでロングテールキーワードを狙うなら自動生成ページを用いるのがおすすめです。

本記事では、国内最大規模のHRサービスのインハウスSEO担当者として4年間に渡って、大規模データベース型サイトを中心にコンサルティングをしてきた私が下記を解説します。

この記事で読めば分かること
  • データベース型サイトでロングテールキーワードを対策する理由
  • 自動生成ページを作成する際のポイント
  • 自動生成ページに対するSEO施策事例

私自身が、自動生成ページの仕組みを用いてデータベース型サイトのSEOを伸ばすのが得意なこともあるので、ニッチなテーマではありますが参考になる部分も多いかと思います。

データベース型サイトのSEO担当者でトラフィックが伸びないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

データベース型サイトでロングテールキーワードを対策する意義

データベース型サイトの基本的な構造は下記の図の通りです。

データベース型サイトでは「一覧ページ」と「詳細ページ」でトラフィックを獲得していきます。

一覧ページと詳細ページ
データベース型サイトの基本構造

本記事のテーマのロングテールキーワードは「一覧ページで獲得していくべきキーワード」になります。

一覧ページは、マスタに含まれている検索軸の掛け合わせで作られるため、マスタに含まれていないページが生成されません。

マスタの作り方
マスタの作り方

そのため、ロングテールキーワードを対策するための一覧ページを生成するには、「マスタ」に獲得したいキーワードを追加すれば良いと考えますが、ここが難しいポイントです。

大規模データベース型サイトを運営したことがあればわかるかと思いますが、下記2点の問題点があります。

  • マスタは影響範囲が大きすぎて気軽に変更できない
  • マスタに追加すると大量の掛け合わせページも同時に生成されてしまう
SEOおたく

サイトの規模が大きいと、マスタ追加はプロジェクトを立ち上げるレベルで動かす必要があり、気軽に追加できるものではないですね。

後者の「マスタに追加すると大量の掛け合わせページも同時に生成されてしまう」については、たとえばタピオカに関連するページを作ろうとします。

「職種マスタ」に「タピオカ」の項目を入れたとすると、「タピオカ × エリア」や「タピオカ × エリア × 条件」などの大量のページが生成されてしまいます。

タピオカのアルバイトが存在しない田舎のエリアなどに大量の無駄ページが生成されてしまうでしょう。

職種マスタ一覧ページ
タピオカタピオカ×エリア
タピオカ×エリア×東京
タピオカ×エリア×金沢
タピオカ×エリア×…

大量の低品質ページが生成されてしまうことはSEO的にはネガティブに働くため、無駄ページが生成されてしまうのは避けたいです(もちろんnoindexに設定しておくことで一定のダメージは防げますが)

だからこそ、特定の検索条件だけのページを作りたければ「自動生成ページ」を利用するのがおすすめです。

ここからはデータベース型サイトの自動生成ページ施策を詳しく解説します。

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データベース型サイトで自動生成ページを作成する際のポイント

データベース型サイトの一覧ページは、データベースに格納されている商品や物件、求人などのアイテムを特定の検索ロジックで抽出し、一覧として並べて作成しています。

その仕様はスタンダードであり、GoogleがNGと見なす自動生成ページには当てはまりません。

Googleガイドライン
Googleガイドライン|自動生成されたコンテンツ

そのため、特定のロングテールキーワードに対してデータベースに格納されているアイテムを抽出して一覧ページを動的に生成することは問題ありません。

SEOおたく

検索結果からの流入を獲得するためだけの中身のコンテンツやただのテキスト羅列などのページはNGです

著名なデータベース型サイトの自動生成ページをいくつかご紹介します。

著名なデータベース型サイトの自動生成ページ
サイトディレクトリ(site:付き)
食べログsite:https://tabelog.com/keywords/
HOME’Ssite:www.homes.co.jp/chintai/ltag
価格コムsite:https://search.kakaku.com
バイトルsite:https://www.baitoru.com/kw/

世の中の多くの大規模データベース型サイトは、自動生成ページの仕組みを保有しています。また、外部ツールなどで確認するとわかりますが、SEO流入シェアとしてもかなり大きく、鉄板の施策です。

私の経験上、通常の一覧ページと比較するとCVRは50%〜80%程度に下がりますが、事業貢献度合いはかなり大きいでしょう。

ここからは自動生成ページを生成する際にSEO観点で意識すべき3つのポイントを解説します。

それぞれ詳しく解説します。

ポイント①検索需要と供給アイテムがマッチするクエリで生成する

自動生成ページは、無闇に増やしていくべきものではありません。

「検索需要」と「自社サイトで供給できるアイテム」がある場合にのみ、ページ生成を行うようにしましょう。

  • 需要:生成するページの対策キーワードの検索ボリューム
  • 供給:生成キーワードでページに表示できるアイテムの数

私個人の経験として、需要と供給を考えずに、思いつくキーワードで大量にページ生成をしようと思って準備をしていましたが、大量の低品質ページが生まれてしまうため辞めた経験があります。

よくある間違いとして、競合の流入獲得キーワードや自社のサイト内検索のキーワードをとにかく集めて、自動生成マスタに入れている会社もありますが、一度立ち止まるべきです。

サイトのクロール数やインデックス数にはある程度の上限があります。無闇にページを増やすと、通常の一覧ページや詳細ページにも悪影響が出て、サイト全体としてのトラフィックやコンバージョンが毀損してしまいます。

生成する場合には、需要と供給を見極めて丁寧にクエリを精査しましょう。

ポイント②クロール・インデックスのコントロールを丁寧に行う

自動生成ページは、あくまでも「マスタで対応できないクエリの補佐ページ」としましょう。

マスタ追加するよりも自動生成ページで作成した方が楽だから、どのクエリであっても自動生成ページに突っ込んでいくのは良い考えではありません。

基本的には、通常の一覧ページの方が下記の観点で優れています。

  • 検索精度が高く、ユーザーニーズにあったアイテムを並べやすい(CVRが高くなる)
  • サイト構造的に内部リンクが集まりやすく、リンクジュースが溜まりやすい(順位が高くなる)

基本的にはマスタ制御の通常一覧ページを優先的にインデックスさせたり、検索結果上での表示させてあげるべきです。

そのため、一覧ページと内容が重複する自動生成ページは作るべきではなく、大量に作りすぎた結果、通常の一覧ページのクロール・インデックスが進まない状態は避けましょう。

あくまでも補助的なページとして、自動生成ページにクロール・インデックスを割り当てすぎないように注意してください。

ポイント③検索結果の品質を可能な限り高める

自動生成ページは、生成ロジックの精度にもよりますが、基本的には検索ニーズにぴったりと合うアイテムを完璧に並べるのは難しいです。

通常の一覧ページはマスタで制御をしているため、データベースへの登録が丁寧に行えていればページの精度は高くなります。逆に自動生成ページは、全文一致検索などを用いて生成することが多いため、制度としては微妙になりがちです。

一覧ページの表出するアイテムの精度が下がることで、次のマイナス影響もあります。

  • ユーザー行動が悪化する
  • クエリとページのマッチ度が下がり、SEO評価が落ちる

自動生成ページの仕組みを導入する際には、ヒットロジック(アイテムページを抽出するロジック)を磨き込むようにしましょう。

SEOおたく

データサイエンス領域になるかもしれませんが、検索ロジックを磨き込むことでSEO的にもUX的にも良くなることは間違いないでしょう

ある程度のSEO流入が獲得できる状態になったら、検索ロジックを得意とする方を入れて、作り込んでいっても良いかもしれません。

LANYのSEOコンサルティング
サービス概要資料

LANYのサービス導入事例

NTTドコモ 様

株式会社NTTドコモ 様
(ご利用サービス:SEOコンサルティング)
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自動生成ページに対してのSEO施策事例

自動生成ページに対してどのようなSEO施策を実施していくかのイメージを事例を用いて解説します。

実際に自動生成ページに多くの施策を実行してきた経験があるため、皆様の参考になるかと思います。

施策①内部リンクロジックの最適化

自動生成ページは、サイトのツリー構造に含まれないページ群になるため、自然と内部リンクを受けられません。

自動生成ページ同士などで適切にリンクを繋いであげないと、クロール・インデックスが進まなかったり、順位が上がりづらかったりもします。

最低でも自動生成ページ同士での内部リンクは結んであげましょう

たとえば、次のようなリンク導線を設置します。

リンク導線の種類目的・狙い
関連リンク導線リンクジュースを受け渡し、順位を上げる
新着リンク導線新着の自動生成ページへのクロールを促進する
ランダムリンク導線ランダムに自動生成ページのクロールを促進する

関連リンク導線の「関連度」は、生成クエリベースで作るのがおすすめです。磨き込みの余地はありますが、基本的にはクエリの距離の近さで作っていくのが良いでしょう。

自動生成ページは、サイトの中でも孤立したディレクトリになり、クロール・インデックスが進みづらいので、適切な量の内部リンクをで張り巡らせることで、インデックスを促進させましょう。

施策②低品質コンテンツの整理・削除

自動生成ページを作る際には、ある程度のフィルタリングをして低品質ページは作らないようにします。

しかしながら、どうしても低品質ページはできてしまうのが現実です。自動生成ページを作成した後には、きちんと経過観測をして定期的にページの整理をしましょう。

具体的には次のページは削除を検討します。

  • クロール済み – インデックス未登録のステータスになっているURL
  • インデックスはされているが、一定期間トラフィックがないURL

前者は、sitemap.xmlを自動生成ページだけでまとめて送信しておけば確認ができるので、定期的に確認をしてクロール済み – インデックス未登録のURLがあれば削除を検討しましょう。

後者については、サーチコンソールやGoogleアナリティクスを用いて分析をして、不要であると判断した場合には削除を検討しましょう。

施策③ページ生成ロジックの磨き込み

ページ生成ロジックを磨き込むのもおすすめです。

特定のクエリでの検索結果のヒット件数が0件の場合には、クエリを削って(たとえば、「A B C」で0件だったら「A B」で検索結果を出すなど)ページを表出するなどもすると、インデックス数は増えます。

この辺りは、ロジックを丁寧に詰め切る必要があるので、SEO担当者の専門性からは外れる部分かもしれません。

ただエンジニアやデータサイエンティストと協力をして、適切な生成ロジックを組めると一気にSEOもグロースさせることができるでしょう。

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まとめ:自動生成ページを用いれば、データベース型サイトで大きなグロースが狙える

自動生成ページを作る上で押さえておきたいポイントは以下の3点です。

  • 検索需要と供給アイテムがマッチするクエリで生成する
  • クロール・インデックスのコントロールを丁寧に行う
  • 検索結果の品質を可能な限り高める

また、具体的な施策としては次のような方向性があります。

  • 内部リンクロジックの最適化
  • 低品質コンテンツの整理・削除
  • ページ生成ロジックの磨き込み

データベース型サイトにおいて、自動生成ページを用いてロングテールキーワードを獲得しにいくことができると大きなグロースが見込めます。

テクニカルな部分も必要になる施策ではありますが、ポテンシャルも高い施策かと思いますので、ぜひご検討してみてください。

LANYでは、データベース型サイトのSEOを得意とするコンサルタントも多く在籍しておりますので、データベース型サイトのSEOに課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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この記事の執筆者

竹内渓太のアバター
竹内渓太 SEOコンサルタント

株式会社LANYの代表。株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模サイトのSEOが得意。

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