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【完全版】リスティング広告の競合分析の手順やポイントを徹底解説!活用方法やおすすめツールもご紹介。
リスティング広告は継続的な費用がかかる施策です。
短期間で成果を出すためには、競合を分析して掲載順位を上げる工夫が必要になります。
自社の戦略のみに注力するよりも、競合分析によって他社との差別化をはかることでリスティング広告の効果が高まる場合があります。
この記事では、効果的な競合分析の手順やポイント、結果の活用法を詳しく解説します。
リスティング広告で競合分析を行う目的
リスティング広告で競合分析を行う目的は、競合と比較することで自社の立ち位置や強み・弱みを明確に把握し、リスティング広告の運用に役立てることです。
マーケティング戦略を考える際は、以下の3つのCを分析する「3C分析」の手法を用います。
- Customer(市場、顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
リスティング広告をこれから始める、または改善を行う際には、この3つのCのうちCompetitor(競合)を調査して競合の状況や差別化の可能性を分析します。
競合分析を行う際のポイントは、以下の2つです。
- 競合の出稿状況を把握し、自社広告のパフォーマンスへの影響を把握する
- 自社広告やランディングページでアピールするべき訴求ポイントを見つける
競合の出稿状況によって自社の広告が表示された回数(インプレッション)やクリック単価、広告経由でのお問い合わせ・購入率(コンバージョン率)に変動が起きる可能性があるため、競合調査で出稿状況の分析が必要です。
また、リスティング広告は競合企業の広告と並んで表示されるため、競合他社の訴求ポイントを分析して差別化しないとクリックしてもらえない可能性があります。
クリックしてもらえたとしても、広告の誘導先ページ(以下ランディングページ)で魅力的な訴求ができないとコンバージョンしてもらうことは難しいでしょう。
競合の広告やランディングページを分析して自社の広告を改善したり、差別化ポイントを訴求したりする工夫が必要です。
- リスティング広告運用において、市場や競合環境の把握は欠かすことができません。リスティング広告の掲載結果画面は上位数社で掲載枠を競い合っているため、競合の入札状況などに非常に影響を受けやすいという特徴があります。参入する市場や競合の情報を十分に把握せずに出稿すると、ただただ広告費を活用できずに配信してしまうことになりかねないので、事前調査は必須です。
リスティング広告の競合分析でチェックする4つの項目
リスティング広告の競合分析をする際に、チェックすべき4つの項目を解説します。
- 出稿キーワードと掲載位置
- 広告の内容と訴求ポイント
- LP(ランディングページ)の内容と訴求ポイント
- 競合のインプレッションシェアなどオークション情報
1. 出稿キーワードと掲載位置
1つ目のチェック項目は、競合広告の出稿キーワードと掲載位置です。
自社の広告と同じキーワードで出稿しており、自社よりも掲載順位が高い場合は、入札単価をあげたり他のキーワードを狙うなどの施策を考える必要があります。
競合の掲載順位は、Google 広告のオークション分析や同様のツール・実際の検索結果を確認することで調査します。
Google 広告のオークション分析については、以下の記事で詳細を解説しているのであわせてご参照ください。
2. 広告の内容と訴求ポイント
チェック項目2つ目は、競合広告の内容と訴求ポイントです。
検索順位が高い競合の広告を参考にし、競合他社の強みやアピール方法、ターゲットを意識した表現方法などを調査し分析します。
例えば、検索順位が上位の競合他社の広告訴求が全て値段の安さを訴求しているとして、自社広告も同じような訴求を扱うと、他よりも圧倒的な値段の安さで売りでなければ他の広告と埋もれてしまいます。
競合他社が訴求している広告内容と”いかに差別化できるか”という視点で調査した内容を元に、自社広告の広告文改善の施策を考案します。
3. ランディングページの内容と訴求ポイント
3つ目は、ランディングページの内容と訴求ポイントです。
広告文が魅力的でも、ランディングページが魅力的でなかったり、ランディングページとクリエイティブの関連性が低かったりするとコンバージョンしてもらうことは難しいでしょう。
競合企業のランディングページを調査し、表現方法や広告との関連性をチェックして、参考にできるところは自社の広告やランディングページにも取り入れるようにしましょう。
4.競合のインプレッションシェアなどオークション情報
4つ目は、競合のインプレッションシェアなどのオークション情報です。
インプレッションシェアとは、広告の表示可能回数のうち、実際に表示された回数の割合のことです。
参照:インプレッション シェアについて|Google 広告 ヘルプ
参照:インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率について【検索広告】|Yahoo!広告ヘルプ
競合他社のインプレッションシェアのデータは、Google 広告では「オークション分析」、Yahoo!広告では「オークションインサイト」という機能で確認できます。
リスティング広告をすでに出稿している場合は、この機能を使ってインプレッションシェアを確認できます。
参照:インプレッション シェアのデータを取得する|Google 広告 ヘルプ
自社が配信しているターゲット(キャンペーン・広告グループ・キーワード単位)に対して調査を行います。
競合がどのくらいインプレッション シェアを獲得しているのか、自社広告よりも上位に掲載されている割合をどれくらいかといった数値を取得することが可能です。
- リスティング広告では、競合他社の出稿状況を把握することで自社広告のクリエイティブ戦略に活かすことができます。第一にユーザーがどのような課題を持って検索して、どのような情報を受け取りたいのか?という視点で広告を出稿することが重要ですが、自社の広告をユーザーに選んでもらうためには競合他社の状況をしっかりと把握して見せ方を区別する必要があります。
リスティング広告の競合分析をする6つの手順
リスティング広告の競合分析をする際の、6つのステップについて解説します。
- 競合他社のリストアップ
- 競合他社の訴求ポイントを調査する
- 競合他社の出稿状況を分析する
- 競合他社の広告文やランディングページを分析する
- 競合他社との差別化ポイントを把握する
- リスティング広告の戦略・設定内容に反映する
1. 競合他社のリストアップ
最初のステップは、競合他社をリストアップすることです。
自社サービスや商品に関連したキーワードで検索し、競合他社のサービスや商品をリストアップします。
自社でリスティング広告を出稿している場合は、出稿キーワードでも検索します。
まずは下記を選定基準として競合他社をリストアップします。
<選定基準>
- 出稿したいキーワードで既に広告掲載をしている
- 商品・サービス内容と価格帯が近しい
- 商品・サービス内容が類似しているが、価格帯が異なる
- 自社の商品・サービスの代替品になる可能性がある
競合をリストアップする際は、漏れがないようGoogleとYahoo!、PCとモバイル両方で検索するのがおすすめです。
また、比較サイトも確認し、リスティング広告で表示されていない競合他社もリストアップします。
2. 競合他社の訴求ポイントを調査する
2つ目のステップは、リストアップした競合他社の訴求ポイントの調査です。
以下のポイントに沿って、競合他社の強みや特徴、訴求ポイントを調査します。
- 価格
- サービスの内容
- サービスが受けられる期間
- ターゲット層
- 実績 など
上記を調査しつつ、ベンチマークした企業がどのようなユーザーを想定して広告出稿をしているのかを考えながら実施すると、自社広告の戦略に活かすことができます。
3. 競合サービスの出稿状況を分析する
3つ目に、競合サービスの出稿状況を分析します。
実際にGoogleやYahoo!で自社サービスの関連キーワードで検索して、どういった競合他社がリスティング広告を出稿しているかを確認し、掲載順位を調べます。
Googleのリスティング広告を運用している場合は、Googleのオークション分析の機能を使うのがおすすめです。
競合のインプレッションシェアや、自社広告よりも上位に表示されている割合を分析できます。
4. 競合他社の広告文やランディングページを分析する
4つ目に、競合の広告文やランディングページをチェックして、訴求ポイントや表現方法などを分析します。
2つ目のステップで調査した競合の訴求ポイントや強みを、同社の広告文やランディングページでどのようにターゲットにアピールしているのか確認します。
<チェックポイント>
- 広告見出し
- 説明文
- 広告表示オプション
- ランディングページ(内容、広告との関連性、コンバージョン獲得のための導線)など
ランディングページと広告の関連性が高いと広告の品質が高まり、掲載順位が上がる可能性があります。
5. 競合他社との差別化ポイントを把握する
次に、競合他社が展開しているサービスと自社サービスとの差別化ポイントを把握します。
自社の強みを洗い出し、上記で調査した競合他社の強みと比較して差別化ポイントを探ります。
差別化の分析に用いる主な手法が、3C分析やファイブフォース分析です。
3C分析とは、「Customer(市場、顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の3つの観点からマーケティング戦略を考案するフレームワークです。
客観的に自社のポジションを分析できるので、マーケティング戦略の立案に役立ちます。
ファイブフォース分析とは、以下の5つの脅威について分析する手法です。
- 業界内の競合
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
- 新規参入の脅威
- 代替品の脅威
自社の強みや改善点を洗い出しやすくなり、収益性を高めるための具体的な戦略を立案するのに役立ちます。
6. リスティング広告の戦略・設定内容に反映する
分析した競合との差別化ポイントを、自社のリスティング広告の戦略や設定に反映します。
広告のクリエイティブも見直し、タイトルや広告文、表示オプションを改善します。
必要に応じてLPを改善することも重要です。
- 各業界の売上上位の企業は当然のように市場・競合リサーチをして戦略策定を実施しています。トップの企業は多額の調査費用を投じて得た調査結果をもとに、次なる打ち手を判断して広告を出稿しています。そのため、どの企業を競合対象とみなして分析するかが非常に重要となります。業界トップ企業の広告表現やクリエイティブを参考にして自社広告に反映することで良いアイディアに繋がります。一度きりの調査ではなく、常日頃ベンチマークしている企業がどういう広告表現に切替えたのかをチェックする習慣を付けることも大事なことです。
リスティング広告の競合分析の活用方法4パターン
リスティング広告の競合を分析した結果は、以下の4つの施策に活用できます。
- 広告文やランディングページの訴求内容を改善する
- 出稿キーワードの拡張を検討する
- 入札戦略・入札単価を見直す
- 競合性が低い媒体の利用を検討する
競合分析の活用方法について、1つずつ解説します。
1. 広告文やランディングページの訴求内容を改善する
競合分析の活用方法1つ目は、自社のリスティング広告のアセットや、ランディングページの訴求内容を改善することです。
競合分析を行うことで、自社の強みや弱み、競合の広告やランディングページでの表現を分析できます。
その結果をもって、自社のリスティング広告やランディングページの表現方法を改善します。
広告文とランディングページの主な改善ポイントは、以下の通りです。
<広告文>
- 競合と差別化できる自社の強みをアピール
- 競合の広告表現で活用できそうなものを取り入れる(文章表現や単語のチョイスなど)
- 広告表示オプションの活用
<ランディングページ>
- 競合と差別化できる自社の強みをアピール
- 競合のランディングページ内での表現で活用できるものは取り入れる(表現やトンマナなど)
- ランディングページのUIや操作性などで、参考にできるものは取り入れる
このとき、勝てない訴求ポイントでは戦わないようにすることがポイントです。
価格やサービス内容などが競合よりも劣っている場合、可能な限り他の差別化ポイントを強く訴求するのがおすすめです。
<差別化ポイントの例>
- 実績
- オプション
- 保証期間 など
2. 出稿キーワードの拡張を検討する
2つ目は、出稿キーワードの拡張を検討する際に活用することです。
狙いたいキーワードがあっても、競合の広告のインプレッションシェアや検索順位が高い場合、同じキーワードだけで出稿するとクリック単価が高くなる可能性があります。
クリック単価が高いと顧客獲得単価(CPA)も高くなるので、費用対効果が悪化してしまうことが考えられます。
その場合は、マッチタイプの部分一致を利用したり関連キーワードを追加したりするなどして、キーワード幅を拡張するのも1つの方法です。
競合性が比較的低いキーワードで出稿すると、競合が少ない状態で広告が上位表示されやすくなり、費用は抑えたままクリック数やコンバージョン数を増やせる可能性があります。
キーワード選定方法については、以下の記事で詳細を解説しているのであわせてご覧ください。
3. 入札戦略・入札単価を見直す
3つ目は、競合分析の結果を入札戦略や入札単価の見直しに活用することです。
狙いたいキーワードで競合が強い場合は、そのキーワードでの入札単価を低くし、他のキーワードの入札単価を上げるという方法があります。
もしくは、該当のキーワードの入札単価を上げて、競合他社よりも高い順位で表示させるというのも1つの戦略です。
ただしその場合は、ユーザーから選ばれる強みや差別化ポイントがないと広告費の浪費になってしまうので注意が必要です。
また、Google 広告の目標インプレッションシェアの機能を使って、インプレッションを上げる方法もあります。
目標インプレッションシェアとは、検索ページの最上部や任意の場所に広告が表示されるよう、入札単価を設定する自動入札戦略です。
ブランドキーワードのような、常に広告表示させておきたいキーワードでインプレッションが下がっている場合は、目標インプレッションシェアを利用するというのも1つの方法です。
参照:目標インプレッション シェアに基づく入札について|Google 広告 ヘルプ
4. 競合性が低い媒体の利用を検討する
4つ目は、競合性が低い媒体の利用を検討することです。
たとえばGoogle 広告において競合が強い場合は、自社はYahoo!広告に注力するという選択肢があります。
Google 広告、Yahoo!広告ともにリスティング広告の競合性が高い場合は、以下のような媒体からの集客を検討します。
- ディスプレイ広告(GDNやYDA)
- Instagram広告
- LINE広告など
上記は一例ではありますが、競合他社が注力している媒体は避けることも戦略として必要です。
競合性の高い媒体ですと、どうしても入札競争に陥り広告予算が潤沢にあるアカウントが優位な状態になりえます。
競合調整の結果、リスティング広告ではどのキーワードでも目標とする獲得単価を目指せないのであれば、ディスプレイでキーワードベースでターゲティングができるメニューなどを活用することも検討してみましょう。
下記記事では、YDAのサーチターゲティングについて解説しておりますので、ご参考ください。
- リスティング広告の競合調査を実施したら、結果をもとに自社広告に反映して改善いきましょう。競合他社の広告クリエイティブで使用されていない表現を見いだして独自の表現に仕立てることも重要です。また、競合他社の動きも常に変動しているので、状況を随時確認して掲載順位に変動がないか、入札で負けていないかをチェックすることが重要です。競合調査を定期的に実施することで、独自性がありかつユーザーに選ばれる広告にすることができるのです。
リスティング広告の競合分析におすすめのツール3選
リスティング広告の競合分析をする際の、おすすめツールを3つご紹介します。
- オークション分析レポート、オークションインサイト
- SimilarWeb
- Semrush
- 番外編:実際に検索をする
1. オークション分析レポート、オークションインサイト
オークション分析レポートはGoogle 広告でオークションインサイトはYahoo!広告の管理画面で使える無料ツールです。
オークション分析レポートでは、主に以下の項目をレポートできます。
- 競合とのインプレッション重複率
- 自社広告より競合の広告が上位に掲載された割合
- 自社広告がページ上部に掲載された割合
参照:オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する|Google 広告 ヘルプ
2. Similar Web
Similar Webは、競合他社のURLを入力してアクセス状況を確認できるツールです。
競合の広告の出稿キーワードも調査できます。
有料ですが、無料版を利用することもできます。
参照:Similar Web
3. Semrush
Semrushは、競合の広告を分析するのに役立つツールです。
競合の入札キーワードや広告文を調査し、広告戦略を分析します。
自社広告のキーワードとのギャップも調べられるので、キーワード戦略を立てるのに役立ちます。
参照:Semrush
番外:実際に検索をしよう
競合分析に適したツールはいろいろありますが、リスティング広告の競合分析で最も重要なのは、GoogleやYahoo!で検索して検索結果画面を確認することです。
競合調査系のツールは提供されるデータが信頼できるかどうか?の見極めが難しいです。
ツール提供会社も営利目的でツールを提供しているため、利用者がデータの信頼性を見極めるしかありません。
ですが、実際に検索してみて表示される検索結果画面は一般のユーザーが見ている画面とほぼ同じであると思われますので、信頼できると言えるでしょう。
全てのキーワードで検索することは難しいと思われますので、定期的に主要キーワードで検索し、広告の表示のされ方や用いている表示オプションを確認しましょう。
また検索するときは、Google Chromeであるなら「ゲストモード」「シークレットモード」などの検索履歴などが反映されない設定で検索しましょう。
掲載順位の向上に向けて競合分析に取り組もう
リスティング広告の競合分析は、インプレッションシェアの大きい競合の広告と、自社との差別化ポイントを探るために行います。
シェアが大きい競合の強みや広告文、ランディングページを分析することで、差別化のポイントや自社広告の改善点が可視化できます。
競合分析のツールにはSimilarWebやSemrushなどがありますが、GoogleやYahoo!で実際に検索して、競合の広告がどのように表示されているのか確認するのがおすすめです。
この記事を参考にリスティング広告の競合分析を行い、自社広告を強化するための施策に、リスティング広告の競合分析を取り入れてみてください。
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