企業がSEOをやるべきなのかの判断基準と考え方

SEOは、効果が出るまでの期間が長かったり、どのように取り組めば成果が出るのかも不明瞭なため「そもそもSEOに取り組むべきかどうか」を判断するのが難しいものです。

LANYへのお問い合わせでも「SEOをやるべきか、やらないべきかの判断から迷っている」という声もよく耳にします。

結論から言うと、最低限のSEO対策はすべての企業が取り組むべきだとは思いますが、事業フェーズや参入領域によってはSEOに注力すべきでない場合もあるのが事実です。

たとえば参入すべきではない領域でSEOに参入した場合、半年間やっても成果が出ず、途中で辞めてしまった結果、「お金と時間だけが無駄になった…」という状況になりかねません。

お金や時間を無駄にしないためにも、根拠を持って「SEOをやるべきかやらないべきか」を判断することが重要です。

そこで本記事では、100社を超える企業のSEOコンサルティングを実施してきた私が、SEOを実施するべきかの判断基準をご提供します。

この記事でわかること
  • SEOの特徴と重要性
  • SEOをやっていいケース/やるべきではないケース
  • SEOをやる場合に考えるべきこと

「SEOをやるべきか、もしくはSEOに注力すべきかどうかを悩んでいる方」は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

SEOの特徴と重要性

SEOをやるべきかどうかを判断する上で、まずはSEOの特徴を理解しましょう。

他のWebマーケ手法と比較することで、特徴が理解しやすいので、SEOと運用型広告を比較しました。

スクロールできます
SEO運用型
広告
集客費用無料集客有料集客
成果までの
期間
効果が出るのは遅い効果はすぐに出る
資産性資産性がある資産性はなし
目的中長期的にCVを獲得したい費用をかけてすぐに
CVを獲得したい

SEOの特徴として「効果は出るのが遅いが、資産化する」のがあります。

コロナショックによって日本の総広告費が大幅に減少した

SEOの「効果は出るのが遅いが、資産化する」という特徴を痛感したタイミングが、パンデミックの時期です。

 下記は、コロナショックによって日本の総広告費が大幅に減少したことを表しています。

日本の総広告費
(引用元:https://dentsu-ho.com/articles/8090

コロナによって企業の業績が悪化した際には、広告宣伝費が真っ先に削られることが多いです。

もし運用型広告に集客を頼っていた場合には、広告宣伝費を削減することで、集客数も純減していきます。

コロナ禍でもSEOは一定数の集客をしてくれた

逆に、SEOは広告宣伝費がかからないため、仮にチャネルとして成長していれば、コロナのような状況でも一定数の集客をし続けてくれる特性があるのです。

PPCとSEOのグラフ

どのくらいの時間軸でサービスやプロダクトの成長を見込むかによりますが、SEOを早いうちからコツコツと育てていくことで、将来的には大きなリターンを返し続けてくれる素晴らしい集客資産です。

資産化する性質もあるため、SEOが育った後には集客予算を他の新規事業や採用に回せるようにもなるため、事業を成長させるために初期フェーズから仕込んでおくことは重要でしょう。

SEOおたく

もちろんさらに広告宣伝費に投資をしてより多くの見込み顧客を集客できます。

SEOをどのように捉えるべきかは、次の記事でもLANYとしての意見を述べていますので、ぜひ合わせてお読みいただけますと幸いです。

SEOをやっていいケース/やるべきではないケース

SEOは、効果は出るのが遅いが、資産化し「どんな状況下でも一定数の集客をし続けてくれるチャネル」です。

事業フェーズや参入領域によっては「SEOをやるべきではない」場合もあります。

「SEOは大事だって聞いたからとりあえず始めてみよう!」という感じで、勢いで始めて失敗した場合は、お金と時間が無駄になる可能性があります。

お金や時間を無駄にしないためにも、根拠を持って「SEOをやるべきかやらないべきか」を判断することが重要です。

ここでは「SEOをやるべきか、やるべきではないかをケース」を経営資源の「ヒトモノカネ」のフレームワークを使って解説します。

経営資源SEOをやっていいケース/やるべきではないケース
カネ✕:短期的に成果を出す必要がある
〇:中長期的に投資を続けられる余裕がある
ヒト✕:担当者や部署に中長期的に取り組む意思がない
〇:中長期的に取り組む意思や熱意があるメンバーがいる
モノ△:参入領域が市場としてまだ存在しない
〇:参入領域が市場として存在している

それぞれご説明します。

①カネ:SEOに投資はどれくらいの期間できる余裕があるのか

1つ目は「カネ」。

つまり会社の資金的にSEOに対して、中長期的に「投資」できる余裕があるかどうかです。

短期的に成果を出す必要がある

短期的に成果を出す必要がある場合は、SEOがやるべきではないかもしれません。

SEOは、開始して数週間などで成果が出る施策ではありません。最低でも半年間は成果が出ないことを辛抱する覚悟を持って取り組む必要あります。

辛抱強く正しい方向に取り組み続けることで、将来的に大きなリターンを返し続けてくれる「投資」的な意味合いが強い施策です。

よって、今すぐ成果を出す必要がある場合には、SEOに予算やリソースを使うのは辞めて、運用型広告や営業などの短期的成果につながる施策に注力すべきです。

中長期的に投資を続けられる余裕がある

一方で、中長期的に投資を続けられる余裕がある場合は、SEOへ投資することをおすすめします。

市場や企業の規模などにもよりますが、期間の目安としては、半年~1年間。

運用型広告とは異なり、SEOは効果が出るのは遅い反面、コンテンツが資産化していくため、始めるのが早いほど将来的に大きなリターンを得られるWebマーケティングの手法です。

「資産化して指数関数的にサービスやプロダクトを伸ばしていきたい」「〇〇の業界でNo.1を取りたい!」という思いがあれば、SEOに早いうちから取り組んでおくのはおすすめです。

②ヒト:SEOに適任の担当者はいるのか

2つ目は「ヒト」。

中長期的にSEOに取り組み続けられる強い意思がある担当者がいるかは「SEOの成功可否」に大きく関わります。

担当者や部署に中長期的にSEOを取り組む意思がない

中長期的に辛抱強くSEOに取り組み続けられる強い意思がある担当者がいなければ、成果を出すのは難しいでしょう。

領域によって異なりますが、SEOの難易度が高くない領域でも数ヶ月、難易度が高ければ半年〜1年程度はないと、成果は上がってこないというのが個人的な肌感覚です。

とくに近年のSEOは、多くの企業が参入していて難易度が上がっており、社員が片手間にやる程度だと到底成果は出ないでしょう。

中長期的に取り組む意思や熱意がある担当者がいる

SEOは成果が出るまでにある程度の期間がかかるのと、成果が出るまでの期間は、全くと言っていいほど事業貢献しない(CVが発生しない)チャネルになるため、担当者の強い意思が必要です。

また、強い意志だけでなく「SEOを楽しむ」姿勢も意外と必要だったりもします。

実際、LANYでも週1回コンテンツを公開していますが、コンテンツが多くの人に届いたり、コツコツと続けることで数字が積み上がったりするところに楽しさを感じながら、更新を続けています。

ゲーム感覚でコツコツとSEOを取り組める担当者をアサインできれば、成果が出るのも早くなるかと思うので、適切な担当者や体制を組んだ上で取り組みましょう。

③モノ:性質・特徴的にSEOに適しているか

3つ目は「モノ」。

SEOをする上で「商品とSEOの相性」がいいかは非常に重要な要素です。

お金も人も用意していざ始めたけど、商品とSEOの相性が悪く、全く成果が出ないという事態にならないために確認しておきましょう。

参入領域が市場としてまだ存在しない

スタートアップ などでよくある課題ですが、世の中にまだない価値を提供しようとしている場合には、市場が存在していないこともあるでしょう。

SEOは「刈り取り」の意味合いの強い施策であり、ユーザーが検索をしない限りは、どれだけ良いコンテンツを作っても、サイトを整備しても、誰一人サイトへ集客できません。

よって、市場がまだない場合には「広報PR」や「営業」にリソースを割いた方が成果は得られるでしょう。

ただし、逆に市場がない中でSEOを成功できると、圧倒的なSEOシェアを獲得できるのも事実なので、SEOで参入する可能性があるかは下記の記事なども参考に判断してみても面白いかと思います。

参入領域が市場として存在している

言わずもがな、参入領域が市場として存在している場合は、積極的にSEOに取り組むべきでしょう。

ただし近年のSEOには、非常に多くの企業が参入していて難易度が上がっています。

もし参入したい領域で競合が多くいる場合は「業界の中でどういったポジションを取るのか」「どういった戦略で攻めるのか」を考える必要があります。

ここまでヒトモノカネのフレームワークに則って、SEOをやるべきかの判断基準を解説しました。

ぜひご自身の企業の状況に合わせて、SEOをやるべきかどうかを判断してみてください。

SEOをやる場合に考えるべきこと

SEOをやると判断できた場合に考えるべきことは大きく2つです。

それぞれLANYの意見を解説します。

SEOにどのように取り組むか?

SEOに取り組む方法としては、次の2つです。

  • インハウス(自分たちで取り組む)
  • 外部に委託(代理店やコンサルに依頼する)

それぞれ良し悪しがあるため、簡単に解説します。

方法特徴
インハウス・人件費のみで、予算がかからない
・専門性が足りず、正しい方向に進めているか不安になる
外部委託・予算がかかる
・専門性があるため、進みが早い

判断基準は、社内にSEOに詳しい方が一人でもいれば一旦はインハウスで実施してみるのが良いでしょう。

その中で、記事作成やテクニカルSEOなどのリソースや専門性が足りない部分だけを、スポットで外部に依頼していくなどの進め方が初期フェーズではおすすめです。

とにかく早く進める必要がある場合には、SEOコンサルティング会社をガッツリ入れて施策を回すのも良いでしょう。

もし長い目で「まずはやってみよう」という段階であればインハウス運用も悪くありません。

状況に合わせて、インハウスか外部に委託かは検討してみてください。

SEOの何から取り組むか?

SEOと一口に言っても、無数のやるべきことが存在します。

大枠としては、次の流れで進めるのをおすすめします。

  1. 対策すべきキーワードを洗い出す
  2. そのキーワードを対策するために必要なコンテンツを作りきる
  3. コンテンツを改善する

最初のうちは、細かいSEO施策を色々と実施するよりも「とにかくコンテンツを作る」ことにリソースを割いていった方が、長い目で見てもコスパが良いです。

世の中にはSEOに関する小難しい見解や施策が大量に落ちていますが、いったんは「コンテンツを作る」ことに集中することをおすすめします。

SEOの全体像については下記の記事にまとめたので、ぜひ合わせて読んでいただければと思います。

さらに、スタートアップ企業が大企業SEOに対してジャイアントキリングを起こすための戦略は下記の記事でまとめております。リソースが限られている中でどのようにSEOに取り組むべきか、ヒントが欲しい担当者の方はぜひご一読ください。

まとめ:中長期的にグロースを目指すならSEOは必須

SEOをチャネルとして育てておくことで、攻めの事業運営ができるようになるため、ぜひご自身の事業に合っていると感じた場合には、コツコツと取り組んでみてください。

経営資源SEOをやっていいケース/やるべきではないケース
カネ✕:短期的に成果を出す必要がある
〇:中長期的に投資を続けられる余裕がある
ヒト✕:担当者や部署に中長期的に取り組む意思がない
〇:中長期的に取り組む意思や熱意があるメンバーがいる
モノ△:参入領域が市場としてまだ存在しない
〇:参入領域が市場として存在している

また、取り組み方としてもインハウスや外部委託の2つがありますが、「社内にSEOに詳しい人が一人でもいるか」を判断軸に選んでみてください。

「会社としてSEOをやるのが決まったけど、中々承認が得られない…」という担当者様は多いでしょう。下記記事ではSEOをやる際の社内稟議の通し方を解説しています。

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この記事の執筆者

竹内渓太のアバター
竹内渓太 SEOコンサルタント

株式会社LANYの代表。株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模サイトのSEOが得意。

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