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BtoB企業はサービスの導入事例が重要!作り方を4つのステップで紹介
導入事例の作成や活用に悩んでいませんか?BtoBマーケティングにおいて、導入事例は信頼性を高め、商談の成約率を向上させる強力なツールです。
しかし、顧客インタビューの方法や事例のフォーマット、公開のタイミングなど、実際には悩むことが多いのも事実です。
本記事では、そんな課題を抱えるマーケティング担当者の方に向けて、導入事例の作成から活用までを成果につなげる4つのステップでご紹介します。
LANYでは、さらに踏み込み「顧客のミッション」にフォーカスを当てた導入事例も作成しています。企業の深い理念や姿勢を伝えたいとお考えの方は、ぜひLANYへご相談ください。
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BtoB企業の導入事例の作り方【4ステップ】
BtoB企業が効果的な導入事例を作成するためのステップを、4つの段階に分けてご紹介します。
- 事例に適した顧客の選定と依頼
- インタビュー準備と質問設計
- インタビューの実施と深掘り
- 情報の整理・編集と活用
単なるインタビュー記事ではなく、信頼性と説得力のある導入事例を作成するためには、戦略的なアプローチが不可欠です。

1.事例に適した顧客の選定と依頼
質の高い導入事例をつくるためには、適切な顧客を見極めて選定することが重要です。
すべての顧客が事例化に適しているとは限らないため、以下のような観点をもとに絞り込みましょう。
- 顕著な成果と成功体験がある
- 共感を呼ぶような課題を乗り越えている
- 多様な業界や企業規模に対応できる
- インタビュー協力に積極的である
- ブランド力や業界での認知度が高い
- 長期的に製品・サービスを継続利用している
営業チームやカスタマーサクセス部門と連携しながら、顧客満足度調査の結果や製品の利用状況などをもとに、候補を絞り込むと良いでしょう。
インタビューを依頼する際には、顧客にとってのメリット(広報効果・業界内での認知向上など)を丁寧に伝えることがポイントです。
加えて、事例の目的や流れ、所要時間、事前確認の有無なども明確にすることで、顧客側の不安を和らげ、協力を得やすくなります。
2.インタビュー準備と質問設計
効果的な導入事例をつくるためには、事前準備と質問設計が成功の鍵となります。
準備が不十分なままインタビューに臨むと、表面的な情報しか得られず、説得力のある導入事例にはつながりません。
まずは、以下のような顧客情報を丁寧に調べ、背景を把握しておきましょう。
- 顧客の事業内容・業界特性
- 導入前に直面していた課題
- 製品・サービスの利用状況
- 社内での導入プロセスや活用体制
これらを踏まえたうえで、「課題 → 解決策 → 成果」という流れに沿った質問を構成するのが効果的です。
質問例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 「導入前に抱えていた最大の課題は何でしたか?それはビジネスにどのような影響を与えていましたか?」
- 「他のソリューションと比較して、なぜ当社の製品・サービスを選ばれたのでしょうか?」
- 「導入後、具体的にどのような効果が得られましたか?可能であれば数値も教えてください」
- 「特に価値を感じた機能や特徴は何でしたか?その理由も含めてお聞かせください」
インタビュー前には、こうした質問をまとめた質問票をあらかじめ共有しておくと、顧客側でも回答の準備がしやすく、当日はスムーズで実りのある対話につながります。
また、定量的な成果だけでなく、担当者のリアルな声や現場のエピソードを引き出すことも重要です。そのためには、Yes/Noで答えられる質問よりも、自由に語ってもらえるオープンエンド形式を中心に設計しましょう。
LANYでも「質の高い導入事例に共通するのは具体性があること」と感じています。さらに、読者が「自社ごと」として捉え、具体的なアクションを検討したくなるような深い示唆や共感を生むためには、「課題の解像度を高めること」「ふわっとさせないこと」が特に重要です。
3.インタビューの実施と深掘り
インタビュー本番では、顧客の本音やリアルなエピソードを引き出すための対話スキルが求められます。単なる質疑応答ではなく、顧客の感情やストーリーに触れる貴重な時間として向き合いましょう。
代表的なテクニックには以下のようなものがあります。
- 5つのなぜ:同じテーマについて「なぜ?」を繰り返し、根本原因を深掘りする
- 具体例のリクエスト:「そのお話、具体的なエピソードで教えていただけますか?」と促すことで、ストーリー性のある内容を得る
- 沈黙の活用:無理に話をつなげず、考える時間を相手に与えることで深い回答を引き出す
たとえば「導入後、業務効率が上がった」といった曖昧な表現に対しては、「どのくらい効率が上がりましたか?」「それはどうやって測定しましたか?」と掘り下げてみましょう。これにより「月間作業時間が30%(約500時間)削減された」といった、説得力のあるデータが得られることもあります。
インタビュー中は、あらかじめ用意した質問リストにこだわりすぎず、相手の回答に応じて臨機応変に掘り下げる姿勢が大切です。特に、導入の決め手や印象に残ったエピソード、数字で示せる成果などは重点的に引き出しましょう。
なお、顧客の言葉はできる限りそのまま記録しておくと、後に「リアルな声」として事例に活かしやすくなります。
4.情報の整理・編集と活用
インタビューで得られた情報は、そのままでは十分に活かしきれません。
内容を整理・分析したうえで、目的やターゲットに応じた形式に落とし込むことで、導入事例の価値を最大限に引き出せます。
整理したデータは、以下のような形で展開が可能です。
- 書面によるケーススタディ
- 顧客インタビューの動画コンテンツ
- 成果やプロセスを視覚化したインフォグラフィック
- ソーシャルメディア投稿
- 営業用プレゼンテーション資料
- ポッドキャストやウェビナー など
コンテンツの形式は、見込み顧客の購買ステージに応じて使い分けることが効果的です。
認知段階 | SNSや動画など視覚的に伝わりやすい形式が最適 |
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比較・検討段階 | 課題・解決策・成果がわかりやすく整理されたケーススタディや事例資料が有効 |
意思決定段階 | 定量データを含むプレゼン資料や具体的な導入プロセスの説明が後押しになる |
このように、顧客のフェーズごとに適切なコンテンツを提供することで、購買プロセス全体をスムーズに支援でき、営業・マーケティング活動の成果にもつながります。
LANYでも特に動画事例の有効性に注目しています。温度感や顧客との向き合い方がより一層伝わりやすいためです。
BtoB企業の導入事例を効果的に活用するための戦略
導入事例は、BtoB企業にとって信頼構築・リード獲得・商談促進を支える重要なマーケティング資産です。作成するだけでなく、適切なチャネルで戦略的に発信・活用することで、その効果はさらに高まります。
ここでは、導入事例を最大限に活かすための主な施策を紹介します。
- Webサイトへの効果的な掲載
- プレスリリースやSNSを活用した情報発信
- 営業資料や提案書への展開
これらの施策をうまく組み合わせることで、導入事例が見込み顧客の信頼獲得や、営業活動の後押しにつながります。
Webサイトへの効果的な掲載
BtoBにおける導入事例は、掲載の工夫次第で影響力を大きく高められます。
特にWebサイトでは、導入事例が見込み客の意思決定を後押しする重要な要素といえるでしょう。多くのユーザーは、自社の課題解決に役立つかどうかを判断するため、まずWebサイトの事例を確認します。
購買プロセスの中盤〜終盤にある見込み客にとっては、導入事例が「導入の決め手」となることも少なくありません。
効果的な掲載のポイントとしては、以下が挙げられます。
- 導入事例専用ページの設置
- 業種やサービス別にフィルタリングできる構成にすることで、関心度の高い事例へスムーズにアクセスできます。
- 製品・サービスページとの連携
- 製品紹介ページ内に事例リンクを設置することで、製品の具体的な効果を裏付けとして示すことが可能です。
- 多様なフォーマットでの展開
- PDF、1ページ要約、動画、インフォグラフィックなど、閲覧者の情報収集スタイルに応じた形式を用意します。
- 明確なCTA(行動喚起)の設置
- 「資料請求」「デモ申込」など、次のアクションを明示し、スムーズな導線を設けましょう。
導入事例は単なる実績紹介ではなく、営業・マーケティングを支える強力なコンテンツです。Webサイト上で「どこに、どのように、どのフォーマットで掲載するか」を戦略的に設計することで、成果につながる導線をつくることができます。
プレスリリースやSNSを活用した情報発信
導入事例は、Webサイトに掲載するだけでなく、プレスリリースやSNSを通じて外部に向けて積極的に発信することで、その価値と影響力をさらに高められます。
特に、顕著な成果や革新的な取り組みを含む事例は、業界メディアの関心を集めやすく、記事として取り上げられることでブランド認知の向上にもつながります。
プレスリリースを配信する際は、単なる導入報告にとどめず、業界全体への示唆や、ニュース性の高い要素を盛り込むことがポイントです。たとえば「A社がB製品を導入し、C業界で前例のない30%の生産性向上を実現」といった具体的な成果を見出しに据えることで、メディアの注目を集めやすくなります。
また、SNSを活用した発信も有効です。各SNSプラットフォームの特性に合わせて投稿内容を最適化し、業界に関連するハッシュタグを活用することで、情報の拡散力を一層高められるでしょう。
営業資料や提案書への展開
導入事例は、営業資料や提案書に効果的に組み込むことで、商談の進行をスムーズにし、成約率の向上を後押しする強力なコンテンツになります。
営業の現場では、見込み客が「本当に課題解決につながるのか」「導入に見合うリターンが得られるのか?」といった不安を抱くことが一般的です。このような疑念に対して、導入事例は具体的な成果を示す“証拠”として機能し、意思決定の後押しとなります。
営業資料で導入事例を活用する際は、見込み客の業種・企業規模・抱える課題を十分に把握し、それに最もマッチする事例を選定することが重要です。
導入事例は単なる参考情報ではなく、営業戦略の一部として組み込むべき重要なコンテンツです。戦略的に活用することで、提案力と信頼性を飛躍的に高められるでしょう。

BtoB企業における導入事例の効果検証と次への施策
導入事例は公開して終わりではなく、公開後の反応やパフォーマンスを把握し、継続的に改善・展開していくことが重要です。
次の施策を考えるうえで、特に注目すべきポイントは以下のとおりです。
- 事例公開後の反応をチェックする
- アクセス数、問い合わせ数など効果測定のKPI設定
- 反響の大きかった事例の傾向を分析する
- 事例のパフォーマンスを分析し、コンテンツを最適化する
このように、データをもとにした振り返りと改善を繰り返すことで、導入事例はより強力なマーケティング資産へと成長していきます。
事例公開後の反応をチェックする
BtoB企業の導入事例を公開したあとは、その反応や効果を適切に測定することが不可欠です。これは、限られたマーケティングリソースを有効に活用し、投資対効果(ROI)を最大化するための重要なプロセスです。
導入事例の制作には、顧客へのインタビュー、原稿作成、デザインといった多くの工程と時間がかかります。そのため、公開後の成果を把握しないままにしておくのは、大きな機会損失につながりかねません。
特に、成果の大きかった事例に共通する要素や反応の傾向を分析することで、今後の事例制作やコンテンツ全体の方向性を見直すヒントが得られます。
アクセス数、問い合わせ数など効果測定のKPI設定
BtoB企業における導入事例の成果を正しく評価するには、実際の行動につながったかどうかをKPI(重要業績評価指標)として明確に設定し、継続的にモニタリングすることが重要です。
特にBtoBでは、購買サイクルが長く、複数の意思決定者が関与するケースが多いため、事例コンテンツがどの段階で、どのような行動を生み出しているかを可視化する必要があります。
行動ベースでKPIを設計する場合、以下のように分類すると、成果の把握と改善点の発見がしやすくなります。
- トラフィック指標:導入事例ページの訪問者数、滞在時間
- エンゲージメント指標:スクロール深度、CTAのクリック率
- コンバージョン指標:資料請求数、問い合わせ件数、資料ダウンロード数
- 営業指標:事例を活用した商談数、成約率 など
KPIを設定する際は、短期的な行動(例:問い合わせ)と、長期的な成果(例:商談・受注)を両軸で追うことがポイントです。
たとえば「月間ページビュー1,000件以上」「PDFダウンロード率10%以上」「導入事例経由での月間リード数30件以上」など、具体的な数値目標をあらかじめ設定しておくと進捗管理もしやすくなります。
また、Google Analyticsやマーケティングオートメーション(MA)、CRMなどのツールを連携させることで、KPIの一元管理と効果測定の精度向上が可能です。
リソースが限られている場合、MAツール等で事例を閲覧している方の問い合わせ率が高まっているか等を見てみるのもおすすめです。特にお問い合わせの引き上げに貢献している事例などが見えてくれば、その要因と仮説を出し、類似する事例や他に必要な事例を作っていくことにつなげるのも良いでしょう。
このように、ユーザーの行動データを起点にKPIを設定・追跡することで、導入事例の価値を明確にし、マーケティング全体の改善にもつなげていけます。
反響の大きかった事例の傾向を分析する
導入事例の閲覧データや行動データを深く分析することで、次のマーケティング施策へと戦略的につなげることが可能になります。
これらのデータには、ターゲットの関心や抱える課題、購買プロセスにおける思考の傾向といった、的確なメッセージ設計や施策の最適化に直結する示唆が含まれています。
業種別・課題別・サービス別など、複数の切り口でデータをセグメント化し、パターンを見出す分析アプローチが有効です。
特に、成果が高い事例とそうでない事例を比較することで、成果を左右する要因を明らかにできる可能性があります。
分析から得られた示唆をもとに、コンテンツ戦略の見直し、ターゲティングの精度向上、メッセージングの再設計、リソース配分の最適化など、次の施策を具体化していきましょう。
また、全体を一気に変えるのではなく、小規模なテストを通じて効果を検証しながら、成果の出たパターンを横展開する「テスト&ラーニング」の手法も非常に有効です。

事例のパフォーマンスを分析し、コンテンツを最適化
導入事例は「作って終わり」ではありません。公開後のパフォーマンスデータを分析し、継続的に改善していくことで、より高い成果を引き出すことができます。
特にBtoBマーケティングにおいては、数値による効果測定と改善アクションの実行が、施策全体の成功を左右します。
コンテンツ最適化を行う際は、ヒートマップやスクロール深度などのアクセス解析データを活用し、ユーザーがどこに関心を持ち、どこで離脱しているのかを把握することが重要です。
次に、A/Bテストを通じて、タイトル・構成・ビジュアル・CTA(行動喚起)のパターンを比較・検証し、効果の高い要素を特定します。
特に見直しが必要なポイントとしては、以下の4点が挙げられます。
- タイトルの訴求力強化
- 導入文(リード)のわかりやすさ向上
- ビジュアル要素の再設計
- CTAの配置や表現の改善
さらに、定期的な情報のアップデートも忘れてはなりません。
事例内の数値や成果が古くなっていないかを確認し、新たな成果や長期的効果を補足することで、コンテンツの鮮度と信頼性を保つことができます。


まとめ:BtoB企業の導入事例に悩んだらLANYにご相談を!
導入事例は、BtoB企業にとって信頼構築・商談促進・リード獲得を支える重要なマーケティング資産です。
成果を最大化するには、適切な顧客選定や深掘りしたインタビュー、そして目的に応じたチャネルでの展開が欠かせません。
「何から始めたらいいのか分からない」「自社に合った見せ方が分からない」と感じている方は、ぜひ一度LANYへご相談ください。
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