ユーザー行動指標とSEO順位の関係。重要だと思う具体的な3指標も紹介。

SEOで大切な3つのユーザー行動指標

SEOでユーザー行動指標(UX指標)が重要であると言われ始めたのは、2017年あたりからだった気がします。

従来のSEOでは、

  • HTMLのマークアップ方法
  • 被リンク

この辺りのいわゆる「静的指標」がメインで、ユーザーがサイト内外でどんな行動をしたのかまでは、追いかけていない方が多かった気がします。

しかし、現代のSEOではユーザー行動指標の改善を欠かすことができなくなっています。

事実としてもコアウェブバイタルと呼ばれるページパフォーマンスに関わる指標が順位に入ってきて、Page Experience Updateなどと呼ばれるアルゴリズム変動も起こりました。

少しずつGoogleがユーザー行動指標に関わるような指標や直接的な指標を順位決定要因として利用しているとしか思えない事象が多く見受けられるようになってきております。

この記事では、ユーザー行動指標とSEOの順位の関係を自分なりに解説し、具体的にどのような指標を追いかけるべきなのかの見解について記載できればと思います。

Googleが明言していないことも多く記載しますので、一人のSEO担当者の意見として聞いていただければ幸いです。

Youtube動画でも同様の内容について解説しておりますので、動画版で理解したい方は合わせてご視聴いただけますと幸いです。

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目次

ユーザー行動指標とSEOの関係

ユーザー行動指標とは、そのまんまですがサイト内外でどのような行動をユーザーが取ったのかの指標です。

サイト内外と言っている理由は、検索結果のクリック率や、再検索などサイト内ではなく、Google検索の世界でのユーザー行動も大事だと考えているためです。

具体的な指標については後述しますが、個人的な意見としてはユーザー行動指標はSEO上極めて重要度が高くなってきていると思っています。

もちろん、キーワードの種類や領域によって重要度は異なりますので、一概に「ユーザー行動指標の改善を頑張りましょう!」とは言いません。

そこでまずは、

上記の2点を解説したいと思います。

なぜユーザー行動指標がSEOにおいて重要になってきたのか?

そもそもなぜユーザー行動指標がSEOにおいて重要になってきたのでしょうか?

SEOおたく

それは「シンプルにGoogleが賢くなってきたからだと思っています。

Googleの根元にあるのは、インターネットでの人気投票を加味した順位付けで、かつてはそれをリンクネットワークによって実現していました。

被リンクをたくさん受けているサイトは人気であるはずですし、人気なサイトから被リンクを受けているサイトはさらに人気な可能性が高いです。

そのような外的な要因によってのみランクづけをしていた時代もあり、その結果スパムが横行しました。

被リンクを売買するビジネスが生まれていましたし、被リンクを買えばどんなにコンテンツの品質が悪くても上位表示が可能な時代もあり、その結果検索結果はどんどん品質の悪いものになっていったでしょう。

よりユーザーに人気のあるコンテンツを把握するためには、実際のユーザーの行動からフィードバックを受けて、順位に反映させる方がよっぽど効率が良いです。

現在は機械学習も発達し、ユーザー行動のログから検索意図を満たせたのかどうかを判断できるでしょうし、どのようなユーザー行動が取られるサイトが優れているのかも判断できるようになったはずです。

また、かつて以上にアルゴリズムアップデートの頻度は高くなってきており、MOZによれば、2009年が検索アルゴリズムのアップデートが年間300回程度だったのに対し、2018年では3,234回(単純計算で1日に9回)行われたと言われています。

How Often Does Google Update Its Algorithm by MOZ

機械学習も使いながら、細かく細かくアルゴリズムをチューニングできるようになったからには、ユーザー行動指標も直接的か間接的かはさておき、確実にアルゴリズムの中に組み込まれているでしょう。

Googleはユーザー行動指標をアルゴリズムに組み込んでいるとは明確に述べていないのですが、同じ検索エンジンであるBingは明確にガイドラインに記載されています。

下記は、Bingの順位決定要因の説明の箇所のスクリーンショットになります。

Bingの順位決定要因の説明箇所

上記の3点目の “User engagement” の箇所ですね。

User engagement: Bing also considers how users interact with search results. To determine user engagement, Bing asks questions like: Did users click through to search results for a given query, and if so, which results? Did users spend time on these search results they clicked through to or did they quickly return to Bing?  Did the user adjust or reformulate their query? The Bing Webmaster Dashboard will provide insights into how users interact with your webpages.

Bing Webmaster Guidelines

翻訳すると、

「Bing は、ユーザーが検索結果をどのように利用するかについても考慮しています。ユーザーエンゲージメントを判断するために、Bingは以下のような質問をします。ユーザーは特定のクエリに対して検索結果をクリックしたか、クリックした場合はどの検索結果か?ユーザーはクリックした検索結果に時間をかけたのか、それともすぐにBingに戻ったのか? ユーザーは検索条件を調整したり、変更したりしたか?Bing ウェブマスター ダッシュボードは、ユーザーがあなたのウェブページをどのように操作したかについての洞察を提供します。」

上記の文章を読むだけでも、Bingがどの指標を加味してるか見えてきますよね。

BingができてGoogleにできないことはないと思いますので、基本的にはGoogleもユーザー行動指標を利用してると考えています。

ユーザー行動指標が重要なキーワードや領域は何か?

ユーザー行動指標が大切だと述べてきましたが、重要度はキーワードや領域によって異なると考えています。

結論から述べると、ユーザー行動指標が大切なのはインフォメーショナルクエリ(Knowクエリ)だというのが僕の意見です。

逆にトランザクショナルクエリ(buyクエリやdoクエリ)では、そこまで重要ではない(というよりかは相対的に重要な指標が他にある)と考えています。

なぜインフォメーショナルクエリだと、ユーザー行動指標が大切なのかの僕なりの考えを記載しますが、ニッチかつ難しいので初心者の方は読み飛ばしていただいて構いません。

SEOおたく

大前提、Googleは営利企業であり、その大半を広告収益に頼っています。

だからこそ、Googleは検索結果画面にて、可能な限りリスティング広告を踏ませて収益を得なければいけません。

広告が貼られない(オークションが発生しない)検索行動に対しては、ナレッジパネルなどで検索結果に遷移させるまでもなく検索行動を完了させようとしたりしますよね。強調スニペット系なども特に。

人々の検索行動に費やす時間は限られているため、できるだけ広告オークションが発生する検索結果画面のimpressionを増やしたい(リスティング広告が出稿されるキーワードの検索結果画面のimpressionを増やしたい)と考えるのが営利企業のGoogleとしては普通ですよね。

よって、

  • お金ににならない検索行動:速攻で終わらせたい
  • 金になる検索行動:広告面もリッチにしながら滞在時間増やしたい

だからこそ、お金にならないインフォメーショナルクエリでは、0クリックSERPなどで答えをすぐ見せて検索行動を速攻で完了させたいと考えるはずです。

1つのページを見せるだけでユーザーの悩みが解決されるのであれば、余った時間でトランザクショナルクエリの検索に転換してくれるかもしれません。

よってインフォメーショナルクエリでは、検索意図を満たせるページが上位に行きやすいと考えています。

SEO的に重要なユーザー行動指標は何か?

Googleアナリティクス

ユーザー行動指標は、Googleアナリティクスのユーザーの箇所で見られる下記の指標などです。

  • ページ/セッション
  • 平均セッション時間
  • 直帰率

他にもスクロール深度や検索結果からのクリック率、離脱率など上げ出したらキリがないですが、個人的に追いかけるべきユーザー行動指標は下記の3点だと思っています。

  • ページ/セッション
  • 平均セッション時間
  • 検索結果からのクリック率

これまで無数のサイトのSEOを見てきましたが、上記の指標を改善したタイミングで順位が伸びたケースが自分の中では統計的優位があるレベルで存在します。

各指標の改善方法はサイトごとに異なるかと思いますのでのお伝えすることはできませんが、基本的には「そのキーワードの検索において、最初に見られるページを目指し、最後に見られるページでもあることを目指す」だと思っています。

SEOおたく

サイト内行動で目指すべき方向としては、ユーザー行動を自サイトで完結させることが重要です。

よって、対策キーワードの検索意図を満たしてあげた後に、次のアクションとしてはユーザーは何を求めるのかを考えてあげて、適切な内部リンクを適切な位置に設置したりすることも有効でしょう。

また、最初のクリックになるために魅力的なタイトルをつけることも重要です。

そもそもどれくらいのクリック率になっているのかを調査するためには、下記の記事も参考になりますのでぜひ読んでみてください。

ページ内部のSEO(オンページSEO)を磨き込んだけど後一歩順位が上がらないと感じているときには、ぜひ今回ご紹介したようなユーザー行動指標にも向き合ってみてください。

SEOにユーザー行動が関わっていることを示す事例

SEOとユーザー行動が密接な関係を持っていることはご紹介してきました。

MOZの分析でも、SEOとユーザー行動の関係を示す面白い事例が出ていますのでご紹介します。

参考:The New Moz SEO Q&A: 100K URL Migration Case Study

特定のUGC系カテゴリにおいてページスピードが非常に遅く、ユーザー体験を阻害するようなスパム投稿が多かったため施策を打ったものです。

ページスピードの改善と、不適切なコンテンツの削除及び適切なコンテンツへのリンクを設置するように改善をしたところ、ユーザー行動指標が大幅に改善し、検索結果経由の流入数も19%程度上昇したそうです。

LANYのSEOコンサルティングでも、ユーザー行動指標が大きく改善したタイミングで検索流入が大きく増える事象はかなり多く見られています。

この記事で紹介したようなユーザー行動指標を改善していくことは、SEO流入を増やしていく切り札にもなるかと思いますので、ぜひ向き合ってみてください。

ユーザー行動指標とSEOの関係のまとめ

SEOにおいてユーザー行動指標が重要だと述べてきました。

中でもインフォメーショナルクエリでの重要度が高く、ユーザー行動指標を上げることで順位を上げていける可能性があることをお伝えしました。

しかし、ユーザー行動指標はハック的に改善していけるものではありません。

ユーザーの検索意図を正確に捉え、どのような情報をどのような形で提供すればいいのかを必死に考える必要があります。

より本質的なSEOに近しいと思いますので、ぜひ一度ユーザー行動指標に向き合って順位を上げる体験をしてみて欲しいです。

今回紹介したユーザー行動指標はGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleで確認することができるので、ぜひお時間があるときにまずは現状のサイトの指標がどうなっているのかをチェックしてみるところからはじめてみるのもおすすめです。

再検索させずに、ユーザー行動を高める方法については下記記事で解説しているので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。

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この記事の執筆者

竹内渓太のアバター
竹内渓太 SEOコンサルタント

株式会社LANYの代表。株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模サイトのSEOが得意。

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