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【現役セールスライターが伝授】セールスライティングの大原則
はじめまして、現役セールスライターのたろう(@Taro_copy7)と申します。
わたしは現在、LANYのSEOディレクターを兼務しながら、7年ほどセールスライターとして活動しています。
これまで、下記のようなコピーを作成し、累計で7,000万以上の売上に貢献してきました。
- セミナー関係のセールスレター&オプトインページ
- スクール系や物販系のLP
- Amazon物販の商品ページのライティング
- 記事LP
- 医療系の採用ページ
といっても、ある程度結果を出せるようになるまで、たくさんの失敗をくり返してきました。
そのおかげか、「このコピーは失敗しそうだな……」ということは、事前になんとなくわかるようになったのです。
そしてこの記事を作成するにあたり、失敗しないためのポイントを言語化し「セールスライティングの大原則」としてまとめました。
「この記事を見れば、絶対に売れるコピーが書けるようになる!」とはお約束できません。
しかし、大きな失敗を未然に防ぐ強力な盾にはなってくれるはずです。
なお本記事では、「キャッチコピーやボディコピーはこう書いた方が良い」などのような、具体的なノウハウはあまり記載されていません。
なぜならコピーは、見込み客の目の前に出してみないと本当の反応がわからないため「この文言を書けば必ず売れる!」とは言い切れないからです。
なので今回は、セールスライティングで大きな失敗を未然に防ぐための「重要な考え方」に軸足を置いて話を進めていきます。
それではまいりましょう!
そもそもセールスライティングとは?
まずはセールスライティングとは何か?ということについて説明します。
「そんなこと知ってるよ」という方は、この章は読み飛ばしてください。
さて、セールスライティングは人によって若干の認識の違いがありますが、わたしは「人を行動させるための文章術」と定義しています。
そのため、下記のさまざまなケースでセールスライティングのスキルが必要になってきます。
- LP
- オプトインページ
- セールスレター
- チラシ
- 記事LP
- SNS
- YouTubeの台本
- メルマガ
- Lステップ
ちなみに、同じような言葉に「コピーライティング」がありますが、今回はセールライティングに統一して話を進めていきます。
コピーライティングは、たとえば企業のスローガンや映画の広告、商品パッケージのキャッチコピーなども含まれています。
そのため、セールスライティングを「コピーライティング」と表現すると、この記事を読んでいる方々の解釈の幅が広くなり、誤解を生んでしまう可能性があると思ったからです。
では、話を先に進めていきます。
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なぜ、セールスライティングを学んだ方が良いのか?
なかには「セールスライティングなんて小手先の文章テクニックだし、もっと大切なことがあるんじゃないの?」とお思いの方もいるかもしれません。
確かにおっしゃるとおりで、セールスライティングよりも重要なことは多々あります(のちほどその点にも触れます)。
しかしセールスライティングは、文章、いや、単語ひとつで“売上に大きなインパクトを与える重要な文章術”だと、経験上わたしは断言できます。
もっと解像度をあげるとするならば、「成約率(CVR)」に大きな影響を与えるのがセールライティングの力です。
たとえばキャッチコピーを変更して、以下のように成約率(CVR)を1%から2%に改善できたとします。
- 10,000人のうち100人が1万円の商品を購入→売上100万円(CVR1%)
- 10,000人のうち200人が1万円の商品を購入→売上200万円(CVR2%)
キャッチコピーを変えただけで、2倍の売上を達成できてしまうんですね。あくまで例ですが、このようなケースはザラにあります。
では逆に、セールスライティングの知識がなかったら、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
- LPのCVRが低くなり商品やサービスが売れない。CPAも高くなる
- メルマガやLINE公式アカウントなどの登録率が低い。顧客リストを取得できない
- ホワイトペーパーがダウンロードされない
- コピーを外注したときにダメなコピーが納品されても判断がつかない
さらにいうと、「なぜ広告の反応が悪いのか?」などという、マーケティング施策における課題に対しても仮説を立てづらくなります。
そのため、これまでセールスライティングにあまり力を入れてなかったとしたら、ぜひこの機会に学んでみるとあたらしい視点が手に入るかもしれません。
マーケターのみならず、商品・サービスのマーケティングに関わっている方なら、セールスライティングの知識を学んでおいても損はありません。
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セールスライティングの大原則
長々とお待たせしました。
それではいまから、セールスライティング大原則について、以下の4つの流れでお伝えしていきます。
重要な順から説明していきますが、基本的なことも多いため「それは知ってるよ」という部分は読み飛ばしてください。
それでは詳しく説明していきますね。
1.セールスライティングの基礎を理解する
1-1.セールスライティングはマーケティングの枝葉末節
先ほども少し触れましたが、セールスライティングよりももっと重要なことがあります。
それは「事前にマーケティングの全体の流れを組み立てておく」ということです。
ザックリとはなりますが、たとえば……
- (企業/個人が)達成したい目的は何か?
- その目的を達成するためには、誰を見込み客として設定すべきか?
- 見込み客の悩んでいることや達成したい目標は何か?
- その悩みなどを満たすためには、どんな商品やサービスが必要か?
- 見込み客とはどの媒体で接点を持つことができるか?
- その媒体で、どのようなメッセージを投げかければ見込み客に振り向いてもらえるか?
などを決めて、“整合性と一貫性”をもたせたマーケティングの流れを事前に設計しておくことが重要です。
さて、上記の流れをみてお察しの方もいるかもしれませんが、セールスライティングが必要なタイミングは、(基本的に)媒体で見込み客とコミュニケーションをとりはじめるところからです。
つまりセールスライティングの出番は、マーケティングの流れにおいてかなり下流の部分であることがわかります。
なので、たとえば
- 適切な見込み客を設定できていない
- 見込み客の悩みや欲求を満たす商品、サービスが作れていない
- 見込み客がいる媒体でコミュニケーションをとれていない
などの上流の部分がバラバラだったとしたら、いくらセールスライティングだけをがんばっても、見込み客に適切なメッセージを届けることができないのです。
つまりメッセージが見込み客の心に響かず、商品やサービスがまったくといっていいほど売れません。
このようにセールスライティングは、マーケティングの枝葉末節です。
そのため、もしコピーを書く機会があったとしたら、まずはマーケティングの全体像を把握し、しっかりと流れを組み立てておくことをおすすめします。
1-2.階段を作る
高単価の商品・サービスを売りたいとお考えの方は多いかもしれません。
しかし残念ながら、セールスライティングの力をもってしても、いきなり高単価の商品を売るのはとても難易度が高いです。
そこで、見込み客リストの取得から初回購入(フロントエンド)、そしてバックエンドの購入までの階段を作ることをおすすめします。
これは皆さんご存じDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)です。
ザックリですが、DRMは以下のような流れが一般的です。
広告・SNS・オウンドメディアなどで見込み客との接点を作る
メルマガ・LINE公式アカウントなどへの登録をうながす
メルマガ内などでフロントエンド商品を売る
メルマガ内などでミドルエンド商品を売る
メルマガ内などでバックエンド商品を売る
上記はあくまで一例であり、ビジネスによっては順番が違ったり省いたりするなど、上記の流れどおりになると限りません。
ここでの重要な考え方は、
- はじめは限りなく心理的抵抗の小さい取引をして、
- 徐々に信頼感を得ることでいろんな商品に興味を持っていただく
ということです。「フットインザドア」や「一貫性の原理」を応用した手法ですね。
見込み客に階段を少しずつのぼってもらい、信頼関係を築くことができれば非常に強いビジネスになります。
1-3.4:3:2:1
「4(リサーチ):3(企画):2(ライティング):1(推敲)」
上記の数字は何かというと、わたしがセールスレターやLPを作成する際の、各工程における時間配分の比率を表しています。
上記をご覧のとおり、リサーチと企画(コンセプト・オファー決め)で、全工程の約8割を占めていることがわかると思います。
なぜなら、リサーチと企画によって、コピーの成否を分けてしまうと言っても過言ではないからです。
というのも、リサーチをしないと見込み客の悩みや欲求はわからないですし、企画も立てようがありません。
もしそのような状態でライティングをはじめたら、見込み客にとって的外れなコピーとなってしまい大コケする可能性が高いのです。
なのでとにかくリサーチと企画に比重をかけて、見込み客が魅力的だと感じるような企画になるまで、とにかく案を出して練り上げていきます。
ちなみにライティングは、リサーチをしっかりとしていれば、あとはスワイプファイル(過去に成功した広告の事例)を参考にしながらサクサクと執筆できるので、さほど時間はかかりません。
1-4.3つのNOTと5つのWHY
セールスライティングを学んでいる方にとっては常識なのですが「3つのNOT」「5つのWHY」という考え方があります。
「3つのNOT」とは、コピーに対する見込み客の心理を端的に表したものです。
- NOT Read(読まない)
- NOT Believe(信じない)
- NOT Act(行動しない)
つまり見込み客は、あなたのコピーはそもそも読まないし、信じないし、読んでも行動しない、という意味です。
そして、3つのNOTと内容が少しかぶるところがありますが、「5つのWHY」もコピーを書くときに意識することが大切です。
- Why me(なぜわたしが買う必要があるの?)
- Why you(なぜあなたから買う必要があるの?)
- Why now(なぜいま買う必要があるの?)
- Why this(なぜこの手段なの?なぜこの商品・サービスなの?)
- Why this price(なぜこの価格なの?)
これらを念頭に置いた上でコピーを書かないと反応が取れないケースが多いので、リサーチをする際に洗い出しておきましょう。
2.リサーチする
先ほどもお伝えしたように、リサーチはコピーの成否を分ける重要な作業です。
もしリサーチをせずにコピーを書くと、見込み客の悩みに寄り添うことができず、そして欲しい結果も提供できないような、販売者の独りよがりのコピーとなってしまいます。
その結果、商品やサービスが売れないという悲惨な目にあってしまいます。
そのため、コピーを作成する全行程のなかでも、リサーチはとくに時間をかけて取り組むことを強くおすすめします。
さて、具体的には以下の4つをリサーチしていきます。
以下に、実際にわたしがリサーチするときの項目を列挙しました。
時と場合によっては若干変更するケースもありますが、大体は以下のような内容をリサーチしていきます。ぜひ参考にしてください。
1.見込み客のリサーチ
- 属性(年齢・性別・職業・年収・役職・居住地・家族構成・ライフスタイル・価値観)
- 達成したい目標・夢は?
- どんなライフスタイルを送りたいか?
- いちばん悩んでいることは?
- 悩みを解決するための手段は?
- 目標や夢を達成するために壁だと感じていることは?
- 業界や商品、サービス、悩みなどに対しての思い込みは?
- どんなサービスがあったら自社の商品を買うか?
- 過去に購入した競合の商品で何か不満があったか?
- 自社の商品を購入した決め手は?
2.自社のリサーチ
- 商品の特徴は?
- その商品の特徴によって、どんな「メリット(ベネフィット)」と「感情」を得られるのか?
- そのベネフィットを証明できるデータは?
- お客さまの声はあるか?インタビュー動画は?
- あなたの商品を推薦してくれる権威者はいるか?
- メディアに露出したことはあるか?
- 販売者の経歴・実績・肩書き
- 商品を開発するにいたったストーリー(なぜ、この商品を販売しているのか?)
- 自社の強みと弱み
- 自社の商品は、商品ライフサイクルでいうとどのような位置にあるのか?
3.競合のリサーチ
- 業界にはどんな競合がいるのか?(同じニーズを満たす商品・サービスすべて)
- 競合のコンセプトは?
- 競合のオファーは?(対象・商品の内容・価格・保証・特典など)
- 見込み客は「過去」にどんな商品・サービスを買ったことがあるのか?
- 見込み客が「いま」利用している商品・サービスは?
4.トレンドのリサーチ
- 現在、世間一般でトレンドとなっていることは?
- 現在、業界内でトレンドとなっていることは?
念のためお伝えしておきますが、リサーチは情報を集めるだけではまったく無意味です。
リサーチした内容をまとめ、
「こういったコンセプトがヒットするんじゃないか?」
「見込み客が本当に欲しいサービスはこれなんじゃないか?」
などの仮説を立てるために利用することが大切です。
具体的には、以下で説明していく「企画」にリサーチの内容を落とし込んでいきます。
3.企画を立案する
コンセプトがミスるとコピーはほぼ失敗する
コンセプトは人によって定義がさまざまです。わたしの場合は「商品・サービスの特徴をひと言で表すとなに?」というものをコンセプトと定義しています。
まずは、世の中のヒットしている(していた)コンセプトをみてみましょう。
USJ | 世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ |
東京ディズニーリゾート | 夢がかなう場所 |
BALUMUDA The Toaster | 感動のトースター |
iPod | 1000曲をポケットに |
ダイソン | 吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機 |
RIZAP | 結果にコミットする |
上記をみていただくとわかりますが、良いコンセプトはとてもシンプルですよね。
さらに、短い文のなかにも、わたしたちの感情に訴えてかけてくるものを感じませんか?
このように、コンセプトが良いと見込み客の興味・関心を一気に引きつけることができます。
逆に、コンセプトが魅力的じゃないと、見向きもされない可能性があるのです。
そのため、しっかりとリサーチをした上で、コンセプトを練り上げることがとにかく重要。
では一体、コンセプトをどうやって作れば良いのでしょうか?
正解はないのですが、わたしがいつもコンセプトを作るときに使っているフレームワークをご紹介します。
「オズボーンのチェックリスト」。ブレインストーミングを考案したオズボーン氏による、アイディア発想法です。
以下の質問に答えながら、とにかくたくさんのアイディアを出していきます。
- 転用(他に使い道がないか?)
- 応用(応用できないか?)
- 変更(何かを変えてみたらどうか?)
- 拡大(大きくしてみたらどうか?)
- 縮小(小さくしてみたらどうか?)
- 代用(代用できないか?)
- 置換(入れ替えてみたらどうか?)
- 逆転(逆にしてみたらどうか?)
- 結合(組み合わせてみたらどうか?)
そして出てきたアイディアを、さらに以下のチェックリストにも照らし合わせながら、最終的にコンセプトを1つに決めていきます。
- シンプルか?
- 感情に訴えているか?
- 意外性があるか?
- ベネフィットを感じられるか?
- 他社にはない自社(販売者)だけの強みを生かせているか?
- 世の中の流れにのっているか?
- 世の中ではじめて出るコンセプトか?
(※上記はオズボーンのチェックリストではありません)
とにかくコンセプトを作るとときは量をたくさん出すことが重要です。
大変かもしれませんが、コピーの成否を分ける大切な作業なので、時間をかけて取り組むことを強くおすすめします。
オファーは“超”強力か?
オファーとは、見込み客に対する「提案すべて」を指します。
たとえば、以下のようなものが挙げられます。
- 商品の機能
- サービス内容
- 価格
- 支払い方法
- 特典
- 保証
オファーを作るときのポイントは、見込み客に「価格以上に価値を感じてもらう」ことです。
とくに高単価な商品ほど、販売者側は思い切った“超”強力なオファーを提案する必要があります。
「え?この価格でこんなにもサービスを受けられるの?」
「このサービス内容なら、自分の得たい結果を手に入れることができる!」
このような感覚を見込み客に持ってもらうことが、オファーのポイントです。
4.ライティングをする
4-1.とにかく目に留めてもらうことが重要
コピーはとにかく最初に目に留めてもらうことが肝心です。
本文にいかに良いことが書いてあっても、どんなにすばらしい商品・サービスであっても、まずはファーストビュー(DMの場合は封筒など)で見込み客の興味を引き、本文に引きずり込まなければすべてが水の泡になります。
なので、見込み客が「コピーの中身を読まずにはいられない」と思ってしまうようなアイディアをとにかく捻り出すようにしましょう。
ファーストビューの画像やキャッチコピーを工夫したり、DMだったら封筒のなかに手紙以外のなにかを入れてみたりするなどです。
キャッチコピーを作るときに意識すること
ちなみに、わたしがキャッチコピーを作るときに意識していることは「見込み客の心理状態に合わせる」ということです。
たとえば新しいiPhoneを売るときに、以下の3パターンの見込み客にキャッチコピーを見せてみたとしたら、全員が同じような反応をするでしょうか?
- Appleの信者
- iPhoneを買ったことがない人
- スマホを買ったことがない人
それぞれ違う反応が出るのは明らかですよね。これは、見込み客の心理状態がそれぞれ違うためです。
Appleの信者はすでにiPhoneの良さを知っており、新しいモデルが出たらすぐにでも欲しい心理状態の可能性があります。
iPhoneを買ったことがない人は、まだiPhoneの良さを感じていない心理状態かもしれません。なので、iPhoneの機能性だったり、他社との違い(USP)だったりを強くアピールしてみても良いかもしれませんね。
そしてスマホを買ったことがない人は、そもそもスマホの必要性を感じていない可能性があります。なのでまずは、スマホを使うことのメリットだったりを訴求して、そのあとにスマホでいちばんおすすめなのがiPhone。なぜなら〜(iPhoneのベネフィットを羅列)、という流れに持っていった方が良いかもしれませんね。
このように見込み客の心理状態がそれぞれ違う場合は、キャッチコピーの訴求内容、そして全体的な構成も大きく変わってくるのです。
4-2.コピーの構成は消費者の心理状態に合わせる
コピーの型の代表例として「QUEST(クエスト)フォーミュラ」と「PASONA(パソナ)の法則」を耳にしたことがある方も多いと思います。
上記の型に沿ってコピーを書いていけば、見込み客の悩みや欲求が刺激されて商品・サービスの購入につながりやすくなる、といわれています。
しかし実は、その型では反応が取れないケースがあることをご存じですか?
先ほども少し触れましたが、見込み客によっての心理状態の違いが大きく関係しています。
「QUEST」と「PASONA」の共通点として、
- まずは悩みに共感して
- 悩みを解決できるのは自社の商品
という流れになっていますよね。
つまり、“ある程度悩みが顕在化している人向け”の構成になっているんですね。
確かに、悩みを自覚している方々にとっては「QUEST」と「PASONA」は有効です。
しかし逆に、(自社のサービスに関係する)悩みを持っていない人が、悩みの共感文を読んでみたらどう感じると思いますか?
おそらくほとんどの方が響かないのではないでしょうか。
なので、もしマーケットの拡大を狙う目的で、悩みを持っていない顧客層にアプローチする場合は「QUEST」と「PASONA」以外の型も検討した方が良いです。
「じゃあどういった型が良いの?」と思ったかもしれませんが、ひとつのアプローチとして、セールスレターの冒頭では
- 衝撃的なニュースから話をはじめる
- 続きが気になるような面白いストーリーからはじめる
などのような話を差し込んで興味を引きつつ、徐々に商品・サービスの話に持っていく流れがおすすめです。
とはいえ正直、悩みを持っていない方の興味を引きつけるのはかなり難易度が高いです。
競合がひしめきあっていますが、やはりすでに悩みが顕在化している見込み客に向けてコピーを作った方が、結果が出やすい印象を持っています。
4-3.スワイプファイルを片手にコピーを書く
先ほどご紹介したQUESTとPASONAは、論理が破綻しにくく、コピーを書くときにおすすめの型だといえます。
しかしコピーを書く際にもっとおすすめの方法があります。
それは「スワイプファイル」を活用することです。
スワイプファイルとは「過去に成功した広告の事例」のこと。
つまり、過去に売れた広告を参考にしながら、自社のサービスに当てはめてコピーを書いていくということです(もちろん文章の丸パクリはダメです。構成やアイディアを参考にする程度です)。
一から自分で作り出すコピーよりも、過去にヒットした広告を参考にした方が、成功する確率がグッと上がります。
そのためコピーを書く際は、ぜひスワイプファイルを活用してみることをおすすめします。
とはいえ「スワイプファイルってどこにあるの?」と疑問に思う方もいますよね。
たとえば以下のような入手方法があります。
- 自分がウェブ上で商品を買ったときのページを保存しておく
- (スワイプファイルを)買う
- 目を引いた広告はふだんからコツコツ集めておく
わたしはずっと上記のようにスワイプファイルを集めてきたので、合計200本以上はあります。
そのなかから「今回作るLPは、以前の〇〇というサービスのスワイプファイルを使おう」という感じで活用しています。
お手本をみながらライティングをするようなものなので、サクサクと作業が進みます。
たとえば、下記の北の快適工房さんのLPなどはとても参考になります。
4-4.魅力的なベネフィット作る
「セールスライティングでは、特徴だけでなくベネフィットを語ろう」
ベネフィットの重要性についてはご存じの方も多いと思います。
念のためお伝えしておくと、ベネフィットとは「商品の特徴から得られるメリット」のことです。
「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」というレビット博士の格言がありますが、この上なくわかりやすくベネフィットを表していますよね。
基本的に人は、商品やサービスを購入することによって、ベネフィットを手に入れたいと思っています。
なのでコピーを書くときはベネフィットを中心に書いていくことが大切、というわけです。
そんなベネフィットの作り方はいたってシンプル(ゆえにとても奥深いものでもありますが)。
以下の4ステップでベネフィットを作ることができます。
- 見込み客を明確にする
- 商品・サービスの特徴をとにかく列挙する
- 「その特徴は見込み客にとってどんなメリットがある?どのように生活を豊かにする?」と自問して文章に肉付けしていく
- 「そのメリットは、見込み客にどんな感情を与える?」と自問して、さらに文章に肉付けしていく
そして、さらに魅力的なベネフィットを作るコツも合わせてご紹介します。
それは「LF8」や「GDT」を絡ませたベネフィットにすることです。
「どういうこと?」と疑問に感じる方もいると思うので、もう少し具体的に解説していきます。
LF8とは?
LF8とは、「Life-Force8(訳:生命の8つの躍動)」の頭文字をとったもので、「だれにでも共通する基本的な8つの欲求」のことをいいます。
このLF8をベネフィットに関連づけて書くと、見込み客の欲求が刺激されやすくなります。
欲求が刺激されるということはつまり、商品・サービスが売れやすくなるというわけです。
では、LF8とは具体的にどんな欲求なのでしょうか?
実際にみてみましょう。
- 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
- 食べ物、飲み物を味わいたい
- 恐怖、痛み、危険を免れたい
- 性的に交わりたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に勝り、世の中に後れを取りたくない
- 愛する人を気遣い、守りたい
- 社会的に認められたい
引用:現代広告の心理技術101 p29
上記をベネフィットに関連づけて書くと、より魅力的なコピーに仕上がります。
GDTの法則とは?
先ほどの「LF8」と内容が少し似ていますが、いまからお伝えする「GDTの法則」もベネフィットを書くときのポイントとなります。
このGDTの法則は、「QUESTフォーミュラ」を考案したマイケル・フォーティン氏による、人間の欲求を3段階に分類したものです。
「Goal」「Desire」「Teaser」それぞれの頭文字をとって、GDTの法則といわれています。
- G(Goal):3つの目標(1.時間をかけたくない・2.努力をしたくない・3.お金を使いたくない)
- D(Desire):3つの欲望(1.富や名誉がほしい・2.愛や性欲を満たしたい・3.快適でありたい、苦痛を避けたい)
- T(Teaser):3つの本能(1.希少性・限定性のものが気になる・2.好奇心が湧くものが気になる・3.反社会的な内容が気になる)
なお、欲求の強さは「T>D>G」の順番で強くなっています。
なので、人のいちばん強い欲求を刺激したいのなら「Teaser」を含ませたベネフィットを書けば良いというわけです。
このGDTの法則もベネフィットに関連づけて書くと、商品をより魅力的に描写することができるんですね。
ただし、ベネフィットを魅力的にしようとするあまり、誇大広告にはならないよう気をつけてください。景表法や薬機法などには絶対に違反しないようにしてください。
4-3.証拠・実績・推薦・顧客の声
セールスライティングでとくに重要なのは、見込み客から「信頼性」を獲得することです。
当然ながら、「これはどんな会社(人)が売ってるの?」「あなたが言っている主張は本当なの?」などのような見込み客の不安を、信頼性をもって証明しないといけません。
逆に、これまで買ったことがない商品でも、信頼している会社や個人が紹介していたら、ついつい買ってしまった経験はありませんか?
それほど信頼性というのは、コピーではとても重要な要素なのです。
では、信頼性を見込み客に伝えるためには、どのようなことをコピーに載せれば良いのでしょうか?
それは「証拠・実績・推薦・顧客の声」です。
以下にザッと例を挙げてみました。これらをリサーチのときに洗い出して、コピーに盛り込んでいきます。
- 証拠→主張に対して証拠となるようなデータ・デモ動画・統計・第三者試験機関による品質の証明・有識者の主張の引用・会社や販売者の資格
- 実績→クライアントの実績・販売実績・取引企業・受賞歴・メディア出演・雑誌の掲載・出版
- 推薦→権威の推薦・同業者の推薦・芸能人やインフルエンサーの推薦
- 声→顧客へのアンケートやインタビュー動画・UGC
もしリサーチしてもこれらがみつからない場合は、実際に顧客にアンケートをとったり、動画を撮らせてもらったりしましょう
最後に
今回はセールスライティングの大原則を中心にお伝えしました。
本来はここまで長くなる予定はなかったのですが、これまでの実践を通して学んできたことを棚卸しをしたら、1万文字を超えてしまいました。
本記事を執筆しながら「実はもっともっと大切なことがあるけど、本一冊分くらいになっちゃうから今回は伝えきれない……」と、もどかしさも感じていました。
そのため、結構説明を省いてしまった部分もあるかと思うので、もし分かりにくい点やご質問などありましたら、お気軽にご連絡ください。
最後に。セールスライティングのスキルは非常に強力ですが、使い方によっては消費者に不利益を与えてしまう危険性もはらんでいます。
ぜひ、商品・サービスの元々のポテンシャルを引き出すために、セールスライティングのスキルを駆使していただけたら幸いです。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
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