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リスティング広告の競合分析や戦略立案の手順|活用方法やツールも紹介
リスティング広告は多くの競合が参入しており、短期間で成果を出すためには競合分析が欠かせません。
競合分析を行うことで、自社の強みを具体的に把握でき、より広告効果の得られる戦略を立てられるようになります。
本記事では、競合分析の手順やチェックするポイント、分析結果の活用方法を紹介します。効率良く競合分析できるツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
以下の動画では、「ぶっちゃけ集客ならSEOじゃなくてWeb広告でいいのでは?」というテーマで、SEOと広告について対談形式で語っています。SEOと広告運用のどちらに注力すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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リスティング広告で競合分析を行う目的は広告戦略に役立てるため
リスティング広告で競合分析を行う目的は、競合と比較することで自社の立ち位置や強み・弱みを明確に把握し、広告戦略に役立てるためです。
リスティング広告はマーケティング施策のひとつで、戦略を立てる際に「3C分析」というマーケティング手法を用います。
3C分析とは、以下の3つのCを分析する手法です。
- Customer(市場、顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
3つのCのうちCompetitor(競合)を把握して自社の立ち位置や強み・弱みを把握するために、リスティング広告で競合分析を実施します。
競合分析のポイントは、以下の2つです。
- 競合の出稿状況を把握し、自社広告のパフォーマンスへの影響を把握する
- 自社広告やランディングページでアピールするべき訴求ポイントを見つける
リスティング広告では、競合の出稿状況によって自社広告の表示回数やクリック単価、コンバージョン率などが変化する可能性があります。自社広告のパフォーマンスの変化を把握する手段として、競合の出稿状況の分析が有効です。
また、リスティング広告は競合の広告と並んで表示されるため、競合の訴求ポイントを分析して差別化しないとクリックしてもらえない可能性があります。
広告をクリックしてもらえても、競合よりランディングページ(LP)やホームページが魅力的でないと、コンバージョンにつながりにくいおそれがあります。
リスティング広告で成果につなげるには、競合の広告やLPを分析して自社の広告を改善したり、差別化ポイントを訴求したりすることが重要です。
- リスティング広告運用において、市場や競合環境の把握は欠かせません。リスティング広告の掲載結果画面は上位数社で掲載枠を競い合っているため、競合の入札状況などに影響を受けやすい特徴があります。参入する市場や競合の情報を十分に把握せずに出稿すると、ただ広告費が消化されてしまうことになりかねないので、事前調査は必須です。
また、BtoBに特化したリスティング広告の運用方法については以下の記事でも徹底解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご確認ください。

リスティング広告で競合分析から戦略立案までの手順
リスティング広告の競合分析は、以下の手順で行いましょう。
- 競合のリストアップ
- 競合の訴求ポイントを調査する
- 競合の出稿状況を分析する
- 競合の広告文やランディングページを分析する
- 競合との差別化ポイントを把握する
- リスティング広告の戦略・設定内容に反映する
6つの手順によって分析から戦略立案をスムーズに行えるようになるので、ぜひ参考にしてください。
1. 競合のリストを作成する
はじめに自社と類似した商品・サービスを提供している競合や、出稿したいキーワードで参入している可能性がある競合をリストアップしましょう。
自社サービスや商品に関連したキーワードで検索し、競合のサービスや商品をチェックします。
すでにリスティング広告を出稿している場合は、登録しているキーワードでも検索しましょう。
検索したら以下の選定基準から競合か判定します。
<選定基準>
- 出稿したいキーワードで既に広告掲載をしている
- 商品・サービス内容と価格帯が近しい
- 商品・サービス内容が類似しているが、価格帯が異なる
- 自社の商品・サービスの代替品になる可能性がある
競合をリストアップする際は、漏れがないようGoogleとYahoo!、PCとモバイル両方で検索するのがおすすめです。競合によって利用している広告媒体や配信しているターゲットが異なるためです。
ほかにも多数の商品・サービスをまとめた比較サイトを確認することで、リスティング広告で表示されていない競合を見つけられるのでぜひ活用しましょう。
2. 競合の訴求ポイントを調査する
リストアップが完了したら以下のポイントに沿って、競合の強みや特徴、訴求ポイントを調査します。
- 価格
- 商品・サービスの内容
- 商品・サービスを利用できる期間
- ターゲット層
- 実績 など
上記を調査しつつ、ベンチマークした企業がどのようなユーザーを想定して広告を出稿しているのかを考えながら実施すると、自社広告の戦略立案に活かせます。
3. 競合の出稿状況を分析する
GoogleやYahoo!で自社サービスの関連キーワードを検索し、リスティング広告を出稿している競合や、競合の掲載順位を調べます。
すでにリスティング広告を運用している場合は、Google 広告のオークション分析レポートやYahoo!広告のオークションインサイトを活用しましょう。
競合のインプレッション シェアや、自社広告よりも上位に表示されている割合を分析できます。
4. 競合の広告文やランディングページを分析する
競合の広告文やLPをチェックして、訴求ポイントや表現方法などを分析します。
2つ目のステップで調査した競合の訴求ポイントや強みを、広告文やLPでどのようにターゲットにアピールしているのか確認します。
<チェックポイント>
- 広告見出し
- 説明文
- 広告表示オプション
- LP(内容、広告との関連性、コンバージョン獲得のための導線)など
LPと広告の関連性が高いと広告の品質が高まり、Google 広告のアルゴリズムから評価され、掲載順位が上がる可能性があります。
5. 競合との差別化ポイントを把握する
競合と自社の商品・サービスで差別化できるポイントを把握しましょう。
自社の強みを洗い出し、競合の強みと比較して自社の立ち位置を客観的に把握します。
差別化の分析でよく用いられる手法は、以下の2つです。
分析手法 | 概要 | メリット・活用方法 |
---|---|---|
3C分析 | 以下3つの要素を分析する手法 ・Customer(市場、顧客) ・Company(自社) ・Competitor(競合) | 客観的に自社のポジションでき、マーケティング戦略を立案しやすくなる |
ファイブフォース分析 | 以下5つの脅威を分析する手法 ・業界内の競合 ・買い手の交渉力 ・売り手の交渉力 ・新規参入の脅威 ・代替品の脅威 | 自社の強みや改善点を把握でき、収益性を高めるための具体的な戦略を立案できる |
リスティング広告だけではなく、ほかのマーケティング施策にも反映できるので、フレームワークを活用して分析しましょう。
6. リスティング広告の戦略立案の参考にする
分析した競合との差別化ポイントを、自社のリスティング広告の戦略や設定に反映しましょう。
広告のクリエイティブも見直し、タイトルや広告文を改善します。
広告にあわせてLPの訴求内容やデザインも見直し、一貫性のある内容にしましょう。
- 各業界で売上上位の企業は市場・競合リサーチを入念にして戦略を策定しています。トップの企業は多額の費用を投じて得た調査結果をもとに、次なる打ち手を判断して広告を出稿しています。よい広告クリエイティブを作成するには、業界トップの企業や検索結果画面の上位に掲載されている企業など、広告に力を入れている企業を調査することが大切です。業界トップ企業の広告表現やクリエイティブを参考にして自社広告に反映することでよいアイディアにつながります。一度きりの調査ではなく、定期的にベンチマークしている企業を調査し、どのような広告表現に切り替えたのかをチェックする習慣をつけることも大切です。
なお以下の資料では、期待通りの成果が得られていない企業の担当者向けに具体的な対応方法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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リスティング広告の競合分析でチェックする4つの項目
リスティング広告の競合分析をする際に、チェックすべき4つの項目を解説します。
- 出稿キーワードと掲載位置
- 広告の内容と訴求ポイント
- LP(ランディングページ)の内容と訴求ポイント
- 競合のインプレッション シェアなどオークション情報
それぞれどのポイントをチェックすればよいかわかる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
1. 出稿キーワードと掲載位置
競合広告の出稿キーワードと掲載位置をチェックし、必要に応じて施策を講じましょう。
たとえば、自社の広告と同じキーワードで出稿しており、自社よりも掲載順位が高い場合、以下のようなことが考えられます。
競合のほうが掲載順位が高い原因 | 対策 |
---|---|
自社の方が入札単価が低い可能性がある | ・予算に余裕がある場合は入札単価を上げるか目標値を緩くする ・予算が不足している場合は別のキーワードを探す |
広告の品質がよい | 広告文やLPを改善する |
競合の掲載位置は、オークション分析レポートやオークションインサイト、広告分析ツールなどである程度把握できます。
Google 広告のオークション分析については、以下の記事で詳細を解説しているのであわせてご参照ください。

2. 広告の内容と訴求ポイント
検索順位が高い競合の広告を参考にし、競合の強みやアピール方法、ターゲットを意識した表現方法などを分析します。
たとえば、検索順位が上位の競合の広告訴求がすべて値段の安さを訴求しているとしましょう。もし自社広告も同じような訴求内容だった場合、競合よりも圧倒的な値段の安さで訴求できないとほかの広告と埋もれてしまいます。
同じ訴求方法で競合より優位に立てない場合は、ほかの訴求方法に変えることが大切です。
競合調査でわかった自社商品・サービスの強みをもとに、差別化につながる訴求文を作成しましょう。
なお、広告文の作成方法については以下の記事でも詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。

3. LP(ランディングページ)の内容と訴求ポイント
コンバージョンにつなげるには、LPの訴求内容を改善しましょう。
広告文が魅力的でも、LPが魅力的でなかったり、クリエイティブの関連性が低かったりするとコンバージョン率は低下するおそれがあります。
競合のLPを調査し、表現方法や広告との関連性をチェックして、参考にできるところは自社のLPにも取り入れましょう。
4.競合のインプレッション シェアなどオークション情報
競合のインプレッション シェアなどのオークション情報も参考にすると、改善策が見つかる可能性があります。
インプレッション シェアとは、広告の表示可能回数のうち、実際に表示された回数の割合のことです。
参考:インプレッション シェアについて|Google 広告 ヘルプ
参考:インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率について【検索広告】|Yahoo!広告ヘルプ
競合のインプレッション シェアのデータは、Google 広告ではオークション分析レポート、Yahoo!広告ではオークションインサイトで確認できます。
リスティング広告をすでに出稿している場合は、インプレッション シェアの確認が可能です。
参考:インプレッション シェアのデータを取得する|Google 広告 ヘルプ
あわせて自社が配信しているターゲット(キャンペーン・広告グループ・キーワード単位)のインプレッション シェアを確認しましょう。
競合がどのくらいインプレッション シェアを獲得しているのか、自社広告よりも上位に掲載されている割合がどれくらいかといった数値が確認できます。
競合のほうがインプレッション シェアが高い場合は、クリエイティブを見直したり予算を増やしたりしましょう。
自社のインプレッション シェア損失率も確認することで、インプレッションが少ない原因が広告ランクか予算か確認できます。
インプレッション シェアについては以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

- リスティング広告では、競合の出稿状況を把握することで自社広告のクリエイティブの改善に活かせます。ユーザーがどのような課題を持って検索し、どのような情報を受け取りたいのかという視点も重要ですが、自社の広告をユーザーに選んでもらうには競合の状況をしっかりと把握して見せ方を区別することも大切です。
リスティング広告の競合分析の活用方法4パターン
リスティング広告の競合を分析した結果は、以下の4つの施策に活用できます。
- 広告文やLPの訴求内容を改善する
- キーワードを拡張する
- 入札戦略・入札単価を見直す
- 競合性が低い媒体の利用を検討する
分析結果によってよりよい広告を作成するためにも、ぜひ参考にしてください。
1. 広告文やLPの訴求内容を改善する
競合分析はリスティング広告のアセット(広告見出しや説明文、広告表示オプションなど)や、LPの訴求内容を改善するのに活用できます。
競合分析を行うことで、自社の強みや弱み、競合の広告やLPでの表現の分析が可能です。
分析結果をもとに、広告文やLPの表現や訴求ポイントを改善できます。
広告文とランディングページの主な改善ポイントは、以下のとおりです。
<広告文>
- 競合と差別化できる自社の強みを広告文に反映させる
- 競合の広告表現で活用できそうなものを取り入れる(文章表現や単語のチョイスなど)
- 広告表示オプションの活用する
<LP>
- 競合と差別化できる自社の強みをLPに反映させる
- 競合のLP内での表現で活用できるものは取り入れる(表現やトンマナなど)
- LPのUI(ユーザーインターフェース)や操作性など、参考にできるものは取り入れる
改善をする際、競合に勝つのが難しい訴求ポイントでは戦わないようにすることが大切です。
価格やサービス内容などが競合よりも劣っている場合、ほかの切り口を考え、自社に優位性のあるポイントを強く訴求しましょう。
<差別化の例>
- 実績
- お客様満足度
- オプション
- 保証期間 など
なお、LPの具体的な改善策は以下の記事で紹介しているので、あわせてお読みください。

2. キーワードを拡張する
競合分析はキーワードを新しく登録する際にも活用できます。
狙いたいキーワードがあっても、競合の広告のインプレッション シェアや検索順位が高い場合、同じキーワードだけで出稿するとクリック単価が高くなるおそれがあります。
クリック単価が高いと顧客獲得単価(CPA)も高くなるので、費用対効果の悪化につながりかねません。
また、複数の競合が同じキーワードで参入している場合、競合より広告ランクが低くそもそも表示されないリスクもあります。
クリック単価の高騰や広告が表示されないリスクを抑えるには、マッチタイプをインテント マッチ(部分一致)にしたり関連キーワードを追加するのが効果的です。
インテント マッチは登録したキーワードに関連した語句であれば、広告を表示できる機能です。幅広い検索語句で配信でき、レポートでどの語句でクリックやコンバージョンにつながったか確認できるので、キーワード選定の参考資料として活用できます。
競合性の低いキーワードを見つけて配信したら、広告が上位表示されやすくなり、費用を抑えたままクリック数やコンバージョン数を増やせるのがメリットです。
キーワードの選定方法については、以下の記事で詳細を解説しているのであわせてご覧ください。

3. 入札戦略・入札単価を見直す
競合分析の結果は入札戦略や入札単価の見直しにも活用できます。
狙いたいキーワードで競合が強い場合は、そのキーワードでの入札単価を低くし、ほかのキーワードの入札単価を上げる方法があります。
もしくは、該当のキーワードの入札単価を上げて、競合よりも高い順位で表示させるのもひとつの戦略です。
ただし、ユーザーから選ばれる強みや差別化できるポイントがないと広告費の浪費になってしまうので注意が必要です。
また、Google 広告の目標インプレッション シェアの機能を使って、インプレッションを上げる方法もあります。
目標インプレッション シェアとは、検索ページの最上部や任意の場所に広告が表示されるよう入札単価を設定する、自動入札機能の戦略です。
ブランドキーワードのような常に広告を表示させたいキーワードでインプレッションが下がっている場合は、目標インプレッション シェアの利用も検討しましょう。
参考:目標インプレッション シェアに基づく入札について|Google 広告 ヘルプ
4. 競合性が低い媒体の利用を検討する
同じ広告媒体で競合の配信が著しく強い場合に、競合性が低い媒体を利用すべきかの判断にも競合分析を活用できます。
たとえばGoogle 広告において競合が強い場合は、自社はYahoo!広告やMicrosoft広告に注力するという判断が可能です。
Google 広告、Yahoo!広告ともにリスティング広告の競合性が高い場合は、以下のような媒体からの集客を検討します。
- ディスプレイ広告(GDNやYDA)
- Instagram広告
- LINE広告
- アフィリエイト広告 など
上記は一例ですが、競合が注力している媒体を避けることも戦略として必要です。
競合性の高い媒体は、入札単価の競争に陥りやすく、予算が潤沢にあるアカウントが優位になりやすい傾向があります。
競合調査の結果、リスティング広告ではどのキーワードでも目標とする入札単価を目指せないのであれば、ディスプレイ広告にあるキーワードベースでのターゲティング機能を活用することも検討してみましょう。
下記の記事では、GDNのターゲティング方法や、YDAのサーチターゲティングについて解説しているので、参考にしてください。


- リスティング広告の競合調査を実施したら、自社広告に反映しましょう。競合の広告クリエイティブで使用されていない表現を見出して独自の表現に仕立てることも重要です。また、競合の動きも常に変動しているので、状況を随時確認して掲載順位に変動がないか、入札で負けていないかをチェックしましょう。競合調査を定期的に実施することで、独自性がありかつユーザーに選ばれる広告を作成できます。
リスティング広告で競合分析や戦略立案を行うポイント
リスティング広告で競合分析や戦略立案を行う際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 広告運用の目的や目標を明確にする
- 定期的に競合と市場の分析をする
- 成功している企業を参考にする
- 競合が自社に関するキーワードに参入している場合は直接相談する
リスティング広告で売上を伸ばすためにも、ぜひ参考にしてください。
広告運用の目的や目標を明確にする
広告戦略を立てる際に、リスティング広告を運用する目的や目標を明確にしましょう。
目的や目標を設定しておかないと、広告戦略の方向性があいまいになり、集客を伸ばしにくくなります。目的が決まれば競合分析に必要なデータが明確になり、戦略を立てやすくなるので、設定することが大切です。
「商品Aの売上を伸ばしたい」「短期間で集客につなげたい」など目的を明確にしましょう。
目的が決まれば「1年で商品Aの売上を10%増加」といった期限や売上額などを数値化した目標を設定します。
目標を決める際にはKPI(Key Performance Indicator)も設定しましょう。
KPIは重要業績評価指標と呼ばれ、最終的な目標を達成するための中間目標となる指標です。
たとえば、リスティング広告で商品Aの売上を10%増加させる場合、以下のような項目を指標で決めます。
- 商品の購入率
- 広告のクリック数
- コンバージョン単価 など
最終的な目標を達成するために必要な要素を細分化し、KPIを設定することで進捗管理が行いやすくなります。
定期的に競合と市場の分析をする
継続的に競合分析を行い、競合と市場の状況にあわせて広告戦略を変更することも大切です。
リスティング広告は参入しやすく、新しい競合や新商品を販売する企業が出稿することが少なくありません。定期的に分析しておかないと、競合の広告のほうが上位に掲載されるおそれがあるため、必ず定期的に確認しましょう。
市場分析も3C分析を通して行い、商品やサービスの市場や競合の変化から自社の立ち位置を把握してください。
競合と市場がわかれば自社の強み・弱みがリアルタイムで把握でき、ニーズのある広告を作成しやすくなります。
成功している企業を参考にする
競合が上位に掲載されている原因を分析することで、広告の改善につながる可能性があります。
同じ業界や同じ商品を販売している企業の広告を確認し、広告文やランディングページを調査しましょう。
訴求内容が価格の企業や、品質の企業など、成功している広告の基準をいくつか考えて、ベンチマークする企業を選ぶのがおすすめです。
競合が上場企業であればIR資料にも市況や戦略が記載されていることがあるので、参考にしてみましょう。
広告のクリエイティブや選定しているキーワードを参考にすることで、効果的な広告を作りやすくなります。
競合が自社に関するキーワードに参入している場合は直接相談する
リスティング広告では自社商品や社名、ブランド名などのキーワードに競合が参入するおそれがあります。
自社関連のキーワードが使われていた場合、商標の侵害にあたる可能性があるので、該当アカウントへの対策を講じましょう。
対応策として、競合へ直接問い合わせする方法と、GoogleやYahoo!に申請する方法があります。
競合間で相互のブランド名や商品名などで広告を表示しないように決めることで、競合が自社関連のキーワードで参入するリスクを減らせます。
リスティング広告の競合分析におすすめのツール5選
リスティング広告の競合分析をする際の、おすすめツールを5つご紹介します。
- オークション分析レポート、オークションインサイト
- SimilarWeb
- Semrush
- Keywordmap
- Ahrefs
効率良く競合分析を行うためにも、自社にあったツールを選んで有効活用しましょう。
1. オークション分析レポート、オークションインサイト
オークション分析レポートはGoogle 広告で、オークションインサイトはYahoo!広告の管理画面で使える無料のツールです。
オークション分析レポートやオークションインサイトでは、主に以下の項目を確認できます。
- 競合のインプレッション シェア
- 競合とのインプレッション重複率
- 競合の広告のほうが自社広告より上位に掲載された割合
- 自社広告が上位および最上位に掲載された割合
それぞれキャンペーンや広告グループ単位で閲覧できます。
確認方法は以下のとおりです。
<Google 広告の場合>
左メニューの「分析情報とレポート」を展開し「オークション分析」をクリックすることで、レポートを閲覧できます。

<Yahoo!広告の場合>
右上の「ツール」から「オークションインサイト」をクリックすることで、指標を確認できます。


オークション分析の活用方法は以下の記事でより詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

2. Similar Web

Similarwebは、リスティング広告やSEOなどの競合サイトの調査・分析ができるWebマーケティングツールです。毎日100億ものデータがSimilarwebで収集されており、AIアルゴリズムによって精度の高い分析を行えるのが特徴です。
リスティング広告においては、競合の出稿キーワードとクリエイティブについて詳細に調査でき、自社が狙うキーワードの競合状況を瞬時に把握できます。パフォーマンスの高いキーワードや広告を特定でき、戦略の立案に有効です。
LPの内容も分析可能で、分析結果をもとに自社のぺージに反映できます。コンバージョン率の改善案も提示してくれるので、広告効果を伸ばしたい方におすすめです。
料金は年額225,000円(月額18,750円)で、1週間の無料トライアルが設けられているので、ぜひ試してみましょう。
参考:Similar Web
3. Semrush

Semrushは、SEO・広告・SNS対策など幅広いWebマーケティングに活用できる競合分析ツールです。全世界1,000万以上のユーザーが利用しており、G2.comのSEOツール部門で世界No.1の満足度と人気度を獲得しています。(2025年1月時点)
リスティング広告では出稿キーワードの調査や広告文の分析が可能です。分析結果より広告文のアイデアを提案してくれる機能もあり、クリエイティブ考案にかかる時間や手間を軽減できます。
競合と似ている広告やサイトがあれば、ドメインを取得することも可能です。これまで想定していなかった競合を見つけられ、ベンチマークすることで広告戦略の見直しがしやすくなるでしょう。
Semrushは月額約21,000円から利用可能で、7日間の無料トライアル期間があります。
参考:Semrush
4.Keywordmap

Keywordmapは、SEOやWeb広告に特化したツールで、キーワード選定や競合の分析に活用できます。
指定したサイトのリスティング広告のキーワードやクリエイティブを抽出できるだけではなく、広告費や配信量などの推定値も確認できるのが特徴です。
キーワードを軸にした競合調査も可能で、予算の多い競合やキーワードの傾向なども把握でき、広告戦略の立案を立てやすくなります。
7日間の無料トライアルができるので、ぜひ試してみましょう。
参考:Keywordmap
5.Ahrefs

Ahrefs(エイチレフス)は、SEOやリスティング広告のキーワード調査ができるマーケティングツールです。35兆のリンクデータと3,840億ページ以上のURLを保有しており、膨大なデータをもとに競合分析を行えます。
リスティング広告においては競合サイトのキーワードを調査でき、キーワード選定や広告戦略の参考資料として活用できます。
SEOに特化した機能が多いため、SEOとリスティング広告を並行して運用したい方におすすめです。月額21,890円から利用できます。
参考:Ahrefs
Ahrefsの使い方は以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

番外:実際に検索をしよう
競合分析に適したツールはいろいろありますが、リスティング広告の競合分析で重要なのは、実際にGoogleやYahoo!の検索結果画面を確認することです。
競合調査系のツールは提供されるデータが信頼できるかどうかの判断が困難です。
ツール提供会社も営利目的でツールを提供しているため、利用者がデータの信頼性を見極めるしかありません。
一方で、検索結果画面は一般のユーザーが見ている画面とほぼ同じのため、ツールより信頼できるでしょう。
すべてのキーワードで検索することは難しいので、定期的に主要キーワードで検索し、広告の表示のされ方や用いられている広告表示オプションを確認しましょう。
また検索するときは、Google Chromeであるなら「ゲストモード」「シークレットモード」などの検索履歴やユーザー情報が反映されない設定で検索しましょう。
パソコン・スマートフォンそれぞれ別の設定をしている可能性もあるので、どちらのデバイスも検索して違いがないかも確認してみてください。
掲載順位の向上に向けて競合分析に取り組もう
リスティング広告の競合分析は、インプレッション シェアの大きい競合の広告を確認し、自社が差別化できるポイントを探るために行います。
競合の強みや広告文、ランディングページを分析することで、差別化のポイントや自社広告の改善点が可視化できます。
競合分析のツールにはSimilarWebやSemrushなどがありますが、GoogleやYahoo!で実際に検索して、競合の広告がどのように表示されているのか確認するのがおすすめです。
6つのステップでリスティング広告の競合分析を行い、より成果が得られやすい広告を作成しましょう。
ただし、はじめてリスティング広告を運用する人の場合、競合分析を適切に行えない場合があります。もし自社で広告を運用するのが不安でしたら、リスティング広告の運用代行会社に依頼するのもひとつの手です。
LANYでは、リスティング広告をはじめとしたPR施策を、出稿から運用まで一気通貫で支援しています。成果にこだわった広告運用をしてお客様の課題を解決しますので、広告運用にお悩みの方はお気軽にご相談ください。