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効果的・効率的なBtoBコンテンツマーケティングのオペレーション構築方法
LANYでコンサルティング事業や会社全体のオペレーションや組織作り、ノンアルコールビール事業、コーポレート全般を担当している市川(@_matchable)です。
この記事は「BtoBコンテンツマーケティングをこれから立ち上げる人」や「施策は転がっていても実際どんな体制でやればいいのかわからない人」に向けて書いています。
実際にLANYでは、6月頃にBtoBのコンテンツマーケティングを本格的に開始し、そこから体制づくりやツールの導入等をゴリゴリと進めてきました。
結果として、制作する社員2名しかいない中で、直近の1ヵ月で下記の本数のコンテンツを公開できています。
- オウンドメディアブログ:5記事
- YouTube動画:5本
- メルマガ:16本
- ホワイトペーパー:3本
- ウェビナー:3回
- 事例コンテンツ:6記事
- Tweet:たくさん
どうしたらもっと効果的・効率的にコンテンツマーケティングができるのか、というやや企画・制作担当者とは異なった観点を持ってコンテンツマーケティングを推進してきた自分ならではの考え方や方法を紹介します。
- コンテンツマーケティングを立ち上げる際のポイント
- 立ち上げから最速で成果を出すための手順
コンテンツマーケティングにもっと注力したいけどリソースが潤沢になかったり、質を担保しようとしてなかなかコンテンツ量や公開頻度を担保できない、といった悩みを仕組み側から解決する手助けになればと思います。
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- コンテンツマーケティングとは
- 実施するメリット・デメリット
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なお、BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの考え方や手順は下記の記事で解説しています。
BtoBのコンテンツマーケティングの立ち上げで大事なこと
まずは、弊社が2022年6月頃にBtoBのコンテンツマーケティングを本格的に開始して「コレが大事だったな」というポイントを紹介します。
BtoBのコンテンツマーケティングの立ち上げで大事だと思うことは、以下の2つです。
それぞれ詳しく解説します。
①質よりも量を重視する
1つ目は、質よりも量を重視することです。
いざコンテンツ制作をするとどうしても質にこだわりたくなることがあるでしょう。
会社や事業の状況、競合などにもよりますが、デジタルマーケティングにおいてある一定のレベルまでは量をこなすことでそれなりに成果が出ます。
質×量 | 見込める成果 |
---|---|
質(70点)×量(多い) | 〇 成果が出やすい |
質(100点)×量(少ない) | △ 成果が出にくい |
一方で、いくら質が高いコンテンツでも数が少ないと、そもそもの土俵に立てません。
また、量が少ないと、細かい分析をしてもインパクトが出ず、コンテンツのインプレッションも出ないので検証しづらい側面もあります。
そのため、早い段階で量産できるオペレーション構築に注目し、一定基準に到達してから面で施策を打って検証したほうが検証の効率が高いのです。
最低限世の中に出すために品質だけは担保した上で、まずは量をこなすことを意識することが必要でしょう。
②中身と同じくらいデリバリー(公開・発信・告知)にこだわる
2つ目は、中身と同じくらいデリバリーにもこだわることです。
デリバリーとは「公開・発信・告知」の届け方の部分です。
コンテンツマーケティングを実施していると作成するまでは頑張れるが、制作側の負荷が高いためその後の届け方の部分をないがしろにしてしまうケースがあります。
せっかくいいコンテンツを制作したにも関わらず、ラストワンマイルが頑張りきれないために、効果が半減してしまう可能性があるのです。
そのため、コンテンツ作成者とデリバリー担当者を分けるなど、徹底的にデリバリーにもこだわりましょう。
前提となるコンテンツマーケティングが重要という話は、下記記事を参考にしてください。
※無料お役立ち資料:「BtoB企業がコンテンツマーケティングをやるべき理由」をダウンロードする>>こちらから
BtoBコンテンツマーケティングで立ち上げから最速で成果を出すための手順
では、実際にコンテンツマーケティングをどのように行っていけばいいかと疑問に思っているでしょう。
個人的に思うコンテンツマーケティングで立ち上げから最速で成果を出すための手順は下記です。
- とりあえず自ら手を動かしてやってみる
- 世の中の勝ちパターンを当てつつ、70点レベルのコンテンツ制作マニュアルを作成する
- 最重要ポイントだけ自ら手を動かし、他の部分は全て仕組みで動く体制を整える
- コンテンツを量産する
- 振り返りや分析を行って、マニュアルや業務フローの改善を繰り返す
- メソッド化して横展開する
4の量産開始までの1,2,3のステップが今回の記事の話になります。
ここからは各ステップで具体的にどういったことを実施しているかを説明していきます。
大前提として全てのコンテンツがこの通りの順番で進められるわけではなく、各社のリソースや各自が持っているスキルで変わるので、あくまで一つの進め方として捉えてください。
STEP1.とりあえず自ら手を動かしてやってみる
1つ目のステップが「とりあえず自ら手を動かしてやってみること」です。
とりあえず手を動かすべき理由は2つです。
- 施策の費用対効果の検証するため
- 後工程で効果的・効率的なオペレーションを設計するため
どれくらいの「工数がかかるか」「効果があるか」「施策として見合うのか」を肌感として把握するために自分でやることが重要です。
実際に1、2個のコンテンツを出した程度では正確な検証は難しいですが、工数、インパクト、難易度などは感覚として「この施策を続けるべきか」かが判断できます。
また、実際に自分でやることで、各プロセスで何が求められるかを把握でき、後工程で量産体制を作る時に最適な業務フローを描けます。
いわゆる生みの苦しみがありますが、ここで向き合わないと後々で手戻りが発生して結局苦しむため頑張りどころです。
「STEP1.」でのポイントは2つあります。
それぞれ詳しく解説します。
ポイント①質よりも量と実行部分のスピードにフォーカスして取り組む
1つ目のポイントは「質よりも量と実行部分のスピードにフォーカスして取り組むこと」です。
ここのステップの目的はあくまで効果があるかどうか検証することなので、あまりに時間をかけ過ぎても検証するに至りません。
また、時間をかけることで自分たちの期待値が上がってしまい、効果が出なかった時の気持ちの部分での落差が大きくなるためおすすめしません。
量やスピードにこだわる | 〇 いち早く施策効果を検証できる |
質にこだわる | △ サンクコスト的な観点で引き下がれなくなる 気持ちの部分での落差がある |
よっぽど手戻りが発生しない場合を除いて、ここではとにかく前へ進めることだけを考えます。
ポイント②ツールは早めに課金し、カスタマーサポートは積極的に利用する
次にツールは早めに課金することです。
コンテンツマーケティングを実施する上では、下記の様々なツールの利用の選択肢があります。
- メール配信ツール
- ウェビナー配信サービス
- MAツール
はじめは今後も継続するかがわからない施策なので、ツールに課金するかを迷うでしょう。
しかしツールの比較検討時間はもったいなく、無理に自分たちで手を動かそうとすると、物理的にも心理的にも負担が大きいです。
そのため、よほどの金額でない限り投資と思って課金することをおすすめします。
また、ツールのカスタマーサポートは積極的に利用しましょう。
自分のケースで言うとツール課金後は、検索して5サイトくらいの情報を見てわからなかったらすぐにカスタマーサポートに聞いていました。
自分以外の時間も活用することでスピードを上げることを意識します。
STEP2. 世の中の勝ちパターンを当てつつ、70点レベルのコンテンツ制作マニュアルを作成する
数回施策を実施して、これは効果がありそうと判断できたら、すぐに他の人でもできる体制を整備します。
コンテンツ制作は負荷がかかる業務なので、できるだけ早い段階で他の人でも同じ品質で制作できる状態を目指します。
ここのマニュアルや仕組みの速さと精度を出すために1で自分の手で動かすことが大事になってきます。
ポイントは下記3つです。
それぞれ詳しく解説します。
ポイント①世の中の勝ちパターンを当てること
世の中の勝ちパターンを当てる目的は「シンプルに時間短縮」です。
いわゆる車輪の再発明を行わないことを目的としていて、コンテンツマーケティングの各種施策は世の中に最善の方法とされている情報がかなり落ちています。
初めから自ら個別の施策を最適化するのではなく、それらを取り入れて70点レベルのマニュアルを作成します。
信頼できる方法があればそのまま利用し、そうでなければ検索して3つのケースを探してその最適解を探る形がベストでしょう
たとえば、メールの制作マニュアルの作成した際には、下記のような実際に世の中に出ているベストプラクティスを入れ込んで作成し、作業者によってアウトプットがずれないようテンプレートに落とし込みました。
- 件名はできる限り具体的な内容を前の方に持ってくる
- 何かしら知識や情報を得られそうな件名にする
- CTAボタンはなるべく上部(ファーストビュー)に配置する
- 「人」感を出すために送信名を会社名+個人名にする
わざわざこのタイミングで自社で検証して最適解を探す必要はなく、立ち上げ期は個別最適に向かうよりもある程度正解と言われるものを真似して、実行スピードと量に重きを置いて進めるべきです。
個別最適していると実行部分が疎かになり、実行量が担保できなくなります。
ポイント②70点レベルのコンテンツ制作マニュアルを作成すること
2つ目のポイントは、マニュアル作りで100点は狙わないことです。
コンテンツマーケティングを実施していると、そもそも運用に乗せてみないとわからない部分は多くあります。
そのため、最初から100点のマニュアルを目指すのではなく、ポイントを押さえたマニュアルを作成し、実際に運用に乗ってからを振り返って改善し続けることが重要です。
マニュアルを作ることはしんどい作業なので敬遠しがちですが、マニュアルに落とすことで自分以外でもできるのはもちろん、改善の基盤になります。
立ち上げ期のアウトプット(マニュアル)は、70点レベルを意識してみてください。
ポイント③マニュアル段階でデータを計測できるようにすること
量産後に分析が開始できるように、マニュアル段階で計測をできるようにしておくと後々の改善が動かしやすくなります。
弊社では、様々なデータをHubSpotとGoogle Analyticsをメインに蓄積しています。
たとえば、メルマガやウェビナーのデータは全てHubSpotに接続して、メルマガを開封したか、ウェビナーをどれくらい視聴したかがわかります。
実際にサイトの各種フォームをHubSpotのフォームと連携して、下記のようなデータをGA4上でモニタリングしています。
- メルマガ申し込み数
- ウェビナー申し込み数
- ホワイトペーパーDL数
お問い合わせ種別や資料ダウンロードの種類、イベント・セミナーの種類もGTMのイベントパラメータで取得しておくことで、GA4上で効果的な分析ができます。
STEP3. 最重要ポイントだけ自分達が手を動かし、他の部分は全て仕組みで動く体制を整える
ここは実際に頭から綺麗に行くのは難しいため、量産開始しながら徐々に実現可能性を検討していくのがいいかと思います。
ここでは下記2点を説明していきます。
それぞれ詳しく解説します。
①コンテンツのデリバリー体制
コンテンツを作るところで終わらないように、制作 → 公開・告知までを一連の流れで行うことが重要です。
実際に弊社では、企画から配信(告知)までを下記表のように割り振って運用しています。(LANY=インターン+業務サポート)
デリバリー部分は単純な業務が多いこともあり、LANYではコンテンツ制作者とデリバリー担当者を分けて業務サポートの方に依頼しています。
いつ公開していつ配信・告知するか、どのチャンネルで配信・告知するかをカレンダーで決めています。
あらかじめ配信・告知まで組み込んで運用することで、企画・制作だけではなく、公開・告知等のデリバリーまでを網羅的にやり切れます。
②コンテンツの再利用
次にコンテンツの再利用の話ですが、コンテンツによって媒体やフォーマットが違うだけで中身自体はほとんど変わらないことがあります。
たとえば、ブログからエッセンスのみ抽出して、スライドに落とし込めばホワイトペーパーやYouTubeで使用するスライドとして再利用できます。
またブログ執筆時に制作した図解は様々なところで使い回せます。
他にもウェビナーの登壇資料をホワイトペーパーに、ウェビナーの録画データを動画コンテンツとして配信できます。
弊社では、コンテンツの最重要ポイントのみ社員が介入して制作することで、最小限の工数で最大数のコンテンツ制作を実現しています。
ここまでで業務フロー、マニュアル、体制を整備したらいよいよ量産体制に移行します。
はじめからうまくいくことはほとんどないので、量とスピードを意識しながら徐々に運用に乗せられると良いでしょう。
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まとめ:効果的・効率的なBtoBコンテンツマーケティングのオペレーション構築方法
効果的・効率的なBtoBコンテンツマーケティングのオペレーション作りについて説明しました。
実際にLANYでも量産体制を組み、制作する社員2名しかいない中で、結果として、直近の1ヵ月で下記のような頻度でコンテンツの公開ができています。
- オウンドメディアブログ:5記事
- YouTube動画:5本
- メルマガ:16本
- ホワイトペーパー:3本
- ウェビナー:3回
- 事例コンテンツ:6記事
- Tweet:たくさん
LANYでもコンテンツ量産体制に乗って様々な施策を進行中です。実際の具体的な施策やナレッジはまたどこかでお話できればと思います。
また、本編の続きとして「小規模チームでインサイド/フィールドセールスを実施するオペレーション作り」を近日公開予定です。
コンテンツマーケティングで顧客接点を多く獲得することを前提としたセールスのオペレーション作りについて説明するのでぜひご一読ください。
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【無料】BtoB企業がコンテンツマーケティングをやるべき理由
- コンテンツマーケティングとは
- 実施するメリット・デメリット
- 成功させる上で重要なこと
コンマケを始めるべきか迷っている/進め方がわからない方はぜひお使いください。
\コンマケで悩んでいるあなたへ/