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BtoBの新規顧客開拓を成功に導くためのプロセスを徹底解説
BtoBの新規顧客開拓を成功させる鍵は、ターゲットとなる企業へ効率的にアプローチし、高い成約率と継続率を維持することです。
この記事では、新規顧客開拓の必要性や効果的なアプローチ方法、成功事例もあわせて解説します。BtoBの新規顧客開拓の仕組みを理解し、企業から信頼を得ることで、継続的な事業成長と市場拡大を実現しましょう。
また、LANYでは、BtoBビジネスを展開する企業のマーケティング担当者や経営層向けに、BtoB企業のSEOで意識すべき点を解説しています。
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BtoBの新規顧客開拓を成功させるためのポイントとは?
BtoB企業が成長していくうえで、新規顧客開拓は欠かせません。
しかし、なぜ新規顧客開拓が必要なのか、具体的にどのような活動を指すのかわからない方も多いでしょう。
本章では、以下について解説します。
- BtoBの新規顧客開拓とは?
- BtoBの新規顧客開拓がなぜ必要なのか
- BtoBにおける営業とマーケティングの違い
BtoBの新規顧客開拓とは?
BtoBにおける新規顧客開拓とは、自社の商品やサービスに興味をもちそうな企業にアプローチし、関係構築から契約を結んでもらうまでの一連のプロセスを指します。
BtoBの取引は、個人向けの取引(BtoC)と比べて、成約までに時間がかかる場合があります。その理由として、商品やサービスの価格高騰、複数の担当者や上司の承認がないと契約できないからです。
まずは、ターゲットとなる企業に、自社の商品やサービスに興味をもってもらうことからはじめます。次に、メールマガジンや資料の提供などを通じて、ターゲット企業と信頼関係を深め、自社の商品やサービスへの関心を高めていくのが効果的です。
十分に自社への興味が高まった段階で、具体的な商談へと進み、契約を目指します。このように、段階を踏んで計画的に進めるアプローチがBtoBの新規顧客開拓の基本となります。
BtoBの新規顧客開拓がなぜ必要なのか
会社が安定して成長し続けるためには、新規顧客を開拓していくことが非常に重要です。なぜなら、既存の顧客だけに頼るとリスクがあるからです。
たとえば、市場の状況が変わったり新しい競合が現れたりすると、既存の顧客との取引が減ってしまうかもしれません。また、顧客側の事情で契約が終了することも考えられます。
一方で、新規顧客開拓を行えば、既存の顧客との取引に変化があっても、売上の影響を最小限に抑えることが可能です。
また、新規顧客との出会いは、これまでに気づかなかった市場のニーズや、自社の商品やサービスを改善するためのヒントを与えてくれます。世の中の変化に対応し、ビジネスチャンスを広げていくためにも、継続的な新規顧客開拓への取り組みが不可欠といえるでしょう。
BtoBにおける営業とマーケティングの違い
BtoBの新規顧客開拓で成果を上げるためには、営業部門とマーケティング部門がそれぞれの役割を理解し、協力し合うことが非常に重要です。両者は目指すゴール(会社の売上向上)は同じですが、担う役割が異なります。
マーケティング部門の主な役割は、自社の商品やサービスを知らない顧客に、広く情報を届け、興味をもってもらうことです。
そして、Webサイトからの問い合わせや資料請求、セミナー参加などを通じて、見込み客(リード)の情報を獲得します。さらに、獲得したリードに対して、継続的な情報提供を通じて、購買意欲を高めるナーチャリング(育成)を行います。

一方、営業部門の主な役割は、マーケティング部門が育成した、購買意欲の高い見込み客を引き継ぎ、アプローチや具体的な商談を進め、最終的に契約に結びつけることです。
以下の表に、それぞれの主な役割と活動例をまとめました。
部門 | 主な役割 | 主な活動例 |
---|---|---|
マーケティング | 見込み客の創出と育成 | Web広告、SEO、コンテンツ作成、メール配信、セミナー開催 |
営業 | 商談、受注 | 電話・メールでのアポイント獲得、訪問・オンライン商談、提案書作成 |
マーケティング部門が見込み客を効率的に集め、営業部門がアプローチすることで、新規顧客開拓全体のプロセスがスムーズに進み、成果につながりやすくなります。
お互いの活動内容を理解し、情報を共有しながら連携することが成功の鍵となります。
LANYではさらに一歩進んで、「マーケティングがセールスの現場を、セールスがマーケティングの意図を深く理解し合う」ことを重視しています。たとえばマーケターの商談同席やセールス担当者のコンテンツ企画会議への参加などを通じ、相互理解を促進することが重要です。これにより各部門が連携し、「The Model」のような分業体制の効果を最大化できます。
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BtoBの新規顧客開拓を成功させるためのステップ
この章では、BtoBの新規顧客開拓を成功させるステップについて、順番に紹介します。しっかりとした計画に基づき、段階的に取り組むことが、成果を出すための近道です。
新規顧客開拓を成功させるためには、主に以下のステップがあります。
- どのような顧客にアプローチするのか(ターゲット)を明確にする
- その顧客が本当に求めていること(ニーズ)を深く理解する
- 他社ではなく自社が選ばれる理由(強み)をはっきりさせる
- 活動の成果を測り、改善していくための仕組み(KPIとPDCA)を整える
それぞれ解説していきます。
①ターゲットを明確にする
最初に取り組むべきステップは、どのような企業に自社の商品やサービスを使ってほしいのか、ターゲットを具体的に定めることです。
ターゲットが曖昧なまま活動をはじめてしまうと、誰に向けて情報を発信すれば良いのか、どのようなアプローチが効果的なのかがわからず、労力やコストが無駄になる可能性があります。
ターゲットを明確にしておくことで、効果的に業務を行うことができ、顧客の心に響くメッセージを届けられます。
また、ターゲットを定める際には、以下を具体的に掘り下げていくことが大切です。
- 業種
- 企業規模
- 所在地
- 担当者の部署・役職
- どのような課題を抱えているのか
既存の顧客のデータを分析したり、市場の動向を調査したりすることで、よりリアルなターゲット像を描くことができます。
②顧客のニーズを深く理解する
ターゲットを明確にしたあと、顧客が「何を課題と感じ、何を求めているのか」ニーズを深く理解することが重要です。
BtoBの取引において、顧客は自社の課題を解決したり、目標を達成したりするために商品やサービスを購入します。そのため、顧客のニーズを正確に把握せずに、自社の商品がいかに優れているかを説明しても、なかなか興味をもってもらえません。
「この会社は自分たちのことをよくわかってくれている」と感じてもらうためには、顧客の立場に立って、その声に真摯に耳を傾けることが不可欠です。
顧客のニーズを理解する方法は、主に以下のとおりです。
- 既存の顧客に直接ヒアリングする
- 営業担当者が日々接する中で得た情報を集める
- Webアンケートを実施する
- 業界レポートなどの市場調査データを参考にする
- 競合他社がどのようなニーズに応えようとしているか分析する
- SNSやニュースサイトで顧客の動向を探る
顧客の顕在ニーズはもちろん、潜在ニーズまで掘り下げられると、より価値の高い提案ができます。得たニーズは、ウェブサイトで発信する情報や、営業での提案内容に反映させていきましょう。
LANYでは顧客ニーズの解像度を高めるため「CEP(Category Entry Point:ブランドを想起するきっかけ)」と「KBF(Key Buying Factor:購買決定要因)」の発見を重視します。たとえば、自社で「SEO」という広範なマーケティングから、「データベース型サイトのSEO」「BtoB企業のためのSEO」といった具体的なCEPを特定し訴求を絞った結果、受注数を大きく伸ばしました。
このような顧客理解は、マイクロCV(中間コンバージョン:資料DLやウェビナー申込など最終CVに至る前の行動)の設計といったBtoB特化のCRO(Conversion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)戦術にもつながり、成果向上に貢献します。
③自社の強みを明確にする
顧客のニーズに対して、競合他社ではなく、なぜ自社の商品やサービスを選ぶべきなのか、理由や強みを明確にすることが重要です。
多くの場合、顧客は複数の選択肢を比較検討しています。その中で自社を選んでもらうためには、他社にはない「独自の価値」をわかりやすく伝える必要があります。自社の強みを明確にすることで、自信を持って顧客に提案できるようになり、価格競争にも立ち向かうことが可能です。
自社の強みを見つけるためには、自社商品やサービスの特徴、機能、価格設定、サポート体制などを客観的に分析し、取引先の声を集めたり、競合他社の動向を調査したりすることが有効です。
また、社内のさまざまな部署から意見を聞くことも大切です。「3C分析」や「SWOT分析」といったフレームワークを使うと整理しやすくなります。
ここで大切なのは、単なる製品の機能を伝えるだけでなく、顧客にとってどのようなメリットをもたらすのかという視点で、表現することです。競合には真似できない、独自の売り方(USP:Unique Selling Proposition)として打ち出すことが、顧客に選ばれるための鍵となるでしょう。
④KPIとPDCAサイクルを明確にする
自社の強みを活かしたアプローチを計画したあと、この活動が実際の成果につながっているかを測り、継続的に改善していく必要があります。特にBtoBの新規顧客開拓では、最終的な「受注」から逆算した戦略設計が鍵です。
LANYでは、MAツール等で受注に至る顧客プロセスを分析し、「どのコンテンツやプロセスが受注につながるか」という“勝ち筋”を特定します。その上で、単にリード数を増やすのではなく、受注につながる「キーアクション」の増加を重視してKPI(重要業績評価指標)を設定し、施策を最適化します。
ただし、市場や顧客の状況は常に変化するため、一度立てた計画がずっと最適であるとは限りません。PDCAサイクルを回すことで、活動内容を常に見直し、より効果的な方法へと改善し続けることができます。設定するKPIの例としては、以下のようなものが考えられます。
フェーズ | KPIの例 |
---|---|
マーケティング | ウェブサイト訪問数、資料ダウンロード数、問い合わせ件数、有効リード数 |
営業 | アポイント獲得数、商談化率、受注数、受注率、顧客獲得単価 |
これらのKPIを設定し、PDCAを回していくことが、新規顧客開拓を成功させるためのポイントです。
BtoBの新規顧客開拓のための営業手法や戦略
この章では、BtoB企業が新規顧客を開拓するために、代表的な営業手法やマーケティング戦略についてご紹介します。
どのようなアプローチがあるかを知ることで、自社の状況や顧客に合った戦略を立てるためのヒントが見つかります。
以下の3つの戦略について、それぞれ見ていきましょう。
- 企業側から積極的にアプローチする「アウトバウンド(プッシュ型)」戦略
- 顧客側から見つけてもらう「インバウンド(プル型)」戦略
- オンラインとオフラインの手法を組み合わせた戦略
アウトバウンド(プッシュ型)マーケティング戦略
アウトバウンド(プッシュ型)戦略は、企業からターゲット顧客へ積極的に働きかける、従来型の新規顧客開拓手法です。テレアポやダイレクトメール(DM)、展示会出展、特定のWeb広告などが代表的な手法として挙げられます。
比較的短期間での成果や、狙った相手への直接的なアプローチが期待できる点がメリットです。ただし、アプローチが一方的になりがちなため、顧客に敬遠されたり、企業のイメージダウンにつながったりするリスクがあります。また、人件費や広告費などのコストがかかる点も考慮が必要です。
ターゲットとなる企業が明確な場合や、新製品やキャンペーン情報を迅速に届けたい場合は、目的と状況に応じて対応しましょう。
「刈り取り」に頼らないBtoB広告の長期的戦略
Web広告は即効性から多用されますが、LANYは「BtoB広告は“刈り取り”ではない」と考えます。短期的な成果のみを追うと、BtoBの長い購買プロセスではコスト増を招きがちです。
LANYでは、短期的な成果を求めるお客様にも、中長期的な購買ジャーニー全体を意識し、「本当に買ってくれる顧客」を定義し育成するアプローチの重要性をお伝えします。たとえば、初期接点では課題解決に役立つホワイトペーパーや学びの多いウェビナーを提案し、関係を構築することが重要です。これは、最終的に質の高いリード獲得とLTV/CACの最適化につながると考えています。
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インバウンド(プル型)マーケティング戦略
インバウンド(プル型)戦略は、顧客に役立つ情報を提供することで、顧客側から自社への興味をもってもらう方法です。
現代の顧客は自ら情報を収集するため、売り込みではなく、価値ある情報の提供が信頼と質の高いリードの獲得につながります。
顧客との良好な関係を築きやすい点や、作成したコンテンツが、企業の資産として機能し続ける点がメリットです。一方で、成果が出るまでに時間がかかり、質の高い情報を継続的に発信する努力が必要という点には注意が必要です。
オンラインとオフラインを組み合わせた戦略

BtoBの新規顧客開拓で成果を上げるには、オンライン施策(Webサイト、SNS、広告など)とオフライン施策(展示会、対面営業、セミナーなど)の連携が非常に重要です。
オンラインとオフラインを組み合わせることで、顧客の多様な行動パターンにあわせたサービスを提供できます。
具体的な連携例としては、以下が挙げられます。
- Web広告(オンライン)で集客し、自社開催セミナー(オフライン)へ誘導する
- 展示会(オフライン)で出会った顧客の名刺情報をMAツール(オンライン)に入力し、メールでフォローアップを行う
- Webサイト(オンライン)からの問い合わせに、インサイドセールスが電話(オフライン/オンライン)でヒアリングし、必要に応じてフィールドセールスが訪問(オフライン)する
- ウェビナー(オンライン)開催後、参加者に個別相談会(オフライン/オンライン)を案内する
このように、顧客の行動にあわせてオンラインとオフラインの接点を戦略的に設計し、連携させることが、成功の鍵となります。

顧客の開拓から商談成立までのプロセス
この章では、購入意欲の高い顧客(リード)を、どのようにして自社のサービスを利用してもらうか、商談成立までのプロセスと具体的なポイントについて解説していきます。
購入意欲の高い顧客の開拓には以下の4つのステップが重要です。
- 顧客との最初のコミュニケーションを大切にする
- MAツールを活用する
- 顧客の状況にあわせて、心に響くメッセージを届ける
- オンラインツールで商談・契約プロセスを最適化
LANYでは、BtoB企業のSEOで意識すべき点を解説したガイドブックも提供しています。顧客(リード)獲得に向けた戦略も記載しているので、ぜひ参考にしてください。
①顧客との最初の接点をつくる
Webフォームからの問い合わせや資料請求などで顧客との接点をもつ際、ファーストコンタクトは、その後の関係性を築くうえで非常に重要です。
なぜなら、顧客が自社の商品やサービスに対して最も関心をもっている状態だからです。丁寧に対応することで、顧客に良い印象を与えます。
顧客と接点をもったあとは、顧客に対してどのような情報提供やステップが考えられるかを提示しましょう。この段階では売り込むのではなく、顧客に寄り添う姿勢を示すことが大切です。
最初の接点をつくり、順序よく丁寧に対応を行うことが、購買意欲の高い顧客を逃さないための第一歩です。
②MAツールを活用する
多くの顧客に対して、継続的に適切なアプローチを行うのは大変な労力が必要です。
そこで役立つのが「MA(マーケティングオートメーション)」ツールです。MAツールは、顧客情報の管理から、メール配信の自動化、Webサイト上での行動履歴の追跡、見込み度合いの点数化(スコアリング)まで、さまざまなマーケティング活動を効率化・自動化してくれます。
MAツールを導入することで、マーケティング担当者の作業負担を軽減できるだけでなく、データにもとづいて、顧客に必要な情報を提供することが可能です。
リード育成の質を高め、結果として商談につながりやすくなります。ただし、ツールを導入するだけでは成果は出ません。どのような顧客に、どのような情報を、どのタイミングで届けるかという「シナリオ設計」と、そのための「コンテンツ作成」が成功の鍵となります。
③顧客の状況にあわせて、心に響くメッセージを届ける
顧客は、関心度合いやサービス利用の検討段階が一人ひとり異なります。そのため、全員に同じメッセージを送っても、効果は期待できません。
重要なのは、顧客を共通の特徴でグループ分けし、それぞれのグループにあわせて最適化されたメッセージや情報を提供することです。グループ分けは、属性情報やMAツールで得た行動データなどを基に作成しましょう。
顧客の状況にあわせたアプローチは、「自分に向けた情報」と感じさせ、興味関心を引きつけ、問い合わせや商談といった次のアクションを促します。
「誰に、何を、どのように伝えるか」を突き詰めることが、顧客の心に響く提案となり、商談獲得率を高める鍵となります。
特にBtoBでは検討期間が長期に渡るため、リード獲得後の継続的なコミュニケーションが重要です。たとえば、新規リード向け施策で作成したメール、ウェビナー、ホワイトペーパーなども、既存リードにとって有益な場合が多いです。LANYでは、これらを活用し定期的な情報提供を続けることで、顧客との関係を深め、長期的な価値を感じていただけるよう工夫しています。
④オンラインツールで商談・契約プロセスを最適化

商談から契約に至るプロセスは、効率化と顧客体験の向上が成約を左右します。従来の対面商談や紙ベースの契約書は、移動コストや時間、煩雑な手続きが双方の負担となりがちでした。
そこで活用したいのがオンラインツールです。ZoomやMicrosoft Teams等などのWeb会議システムを用いたオンライン商談は、場所を選ばず行えます。画面を共有すれば、資料や製品デモもわかりやすく提示できるでしょう。
さらに、電子契約システム(クラウドサイン等)を導入すれば、契約書の署名から保管までオンラインで完結します。契約締結までのスピードが格段に向上し、印紙代などのコスト削減やコンプライアンス強化にも有効です。
オンラインツールで商談・契約プロセス全体を最適化し、スムーズで快適な体験を提供することが、顧客満足度と最終的な成約率の向上につながります。
長期的な顧客関係構築と満足度を向上させる方法
BtoBビジネスにおいて、新しい顧客を獲得することは大切ですが、契約した顧客と良好な関係を築き、満足度を高めていくことは非常に重要です。
顧客に長くサービスを使い続けてもらい、その価値を最大限に引き出すための方法を見ていきましょう。
この章では、主に以下の3つの方法について解説します。
- 顧客の成功を支援する「カスタマーサクセス」との連携
- 顧客の声やデータから得られる気づき(インサイト)を製品・サービス改善に活かす
- 満足度の高い顧客から新しい顧客を紹介してもらう(リファラル)仕組みづくり
顧客の成功を支援する「カスタマーサクセス」との連携
カスタマーサクセスとは、顧客を成功に導くためにサポートすることです。導入初期のオンボーディング支援から、活用促進のための情報提供、定期的な利用状況の確認・サポートなどを行います。
たとえば、SaaSのような継続利用が前提のビジネスでは、契約後のサポートが大切です。なぜなら、顧客は成果を求めており、契約後に大したサポートもなく放置されると、「この契約を続ける価値がない」と契約解除に至るリスクがあるからです。
顧客満足度が高まれば、契約を継続してもらうことができ、収益拡大にもつながります。顧客の成功を組織全体で支援する体制が、長期的な関係構築の鍵といえるでしょう。
顧客インサイト分析と製品開発へのフィードバックを行う
顧客との対話や製品・サービスの利用データには、ビジネス成長のためとなるヒント、すなわち顧客インサイト(深層心理や潜在ニーズ)が隠されています。
顧客満足度を向上させるには、顧客インサイトを理解することが重要です。顧客の声や満足度調査、社内フィードバックなど、多様な情報源からインサイトを収集しましょう。
また、収集した情報を分析し、その結果を製品開発やサービス改善へ定期的にフィードバックを行うことが重要です。
顧客の声に耳を傾け、データに基づいた改善を行うことが、長期的な信頼関係と顧客満足度の向上において不可欠です。
既存顧客からの紹介(リファラル)を促進する
満足度の高い既存顧客からの紹介(リファラル)は、質の高い見込み客を効率的に獲得するために有効な手段です。
たとえば、既存顧客からの紹介は、情報の信頼性が高く、受け入れられやすいです。商談に進みやすく成約率も高い傾向があります。また、広告費がかからない点もメリットです。
既存顧客からの紹介を促進するために、紹介者・被紹介者双方への特典提供、高評価顧客への個別依頼、紹介用ツールの整備、導入事例の活用などが挙げられます。
依頼時は相手への配慮が重要ですが、顧客満足を前提に仕組みを整えることで、新たな顧客獲得の柱となります。
BtoBの新規顧客開拓の成功事例とステップ
ここまでBtoBの新規顧客開拓の重要性や、具体的な手法について解説してきました。
この章では、実際の企業がどのようにして新規顧客開拓に成功しているのか、具体的な事例もあわせて見ていきましょう。 そのほか、陥りやすい失敗例や、他社の成功事例を自社に取り入れるためのステップについても紹介します。
以下の内容を読むことで、より理解できるでしょう。
- さまざまな業種における新規顧客開拓の成功パターン
- 企業の規模に応じた成功事例の違い
- 新規顧客開拓でよくある失敗とその原因
- 成功事例を自社の戦略に活かすための具体的な手順
【事例】SEO×BtoBマーケ連携でウェビナー集客5倍!エレクトロラックス社の成果
コインランドリー向けの洗濯機を製造・販売している、エレクトロラックス・プロフェッショナル・ジャパン株式会社の事例を紹介します。
同社は、自社でのWebサイト改善や広告運用に行き詰まり、集客数が伸び悩んでいました。SEOのノウハウも不足しており、具体的な施策が見えない状況で、LANYへコンサルティングを依頼されたことがはじまりです。
LANYでは、SEO設計、サイト移管サポート、コンテンツ作成支援に加え、メルマガやウェビナー運用といったBtoBマーケティング全体の改善も支援しました。
その結果、サイト流入数は増加し、主要キーワードでの上位表示も達成しています。とくにウェビナーの参加者数は、従来の10人未満から1回あたり40〜50人へと、前年比5倍にまで増加しました。
SEO施策に留まらず、リード獲得後のフロー改善を含む、包括的なマーケティング支援が、具体的な数値成果につながった事例といえます。
事例の詳細を知りたい方は、以下のリンクから確認できます。

BtoBの新規顧客開拓においてよくある失敗パターン
BtoBの新規顧客開拓では、成功事例だけでなく失敗した要因から学ぶことも成功への近道です。
よくある失敗パターンは以下のとおりです。
- ターゲットが曖昧
- 顧客ニーズを把握していない
- 短期間で成果を出そうとする
- 効果測定を行わない
- 部門間の連携不足
BtoBの新規顧客開拓が失敗する要因として、ターゲットや顧客が求めているニーズを正確に把握できていなことが挙げられます。
また、成果を急ぐあまり、短期間で結果を出そうとしたり、施策を実行しても効果測定を行わず、改善につながらないケースも少なくありません。さらに、営業やマーケティングといった関連部門間の連携が不足していることも、失敗を招く典型的なパターンです。
上記で挙げた失敗パターンをあらかじめ押さえておくことで、新規顧客開拓がうまく進む確率が高まります。
成功事例を自社に応用するためのステップ
他社の成功事例は新規顧客開拓の参考になりますが、企業独自の状況やタイミングが成功要因となっているため、そのまま真似しても必ずうまくいくとは限りません。
成功事例から学ぶ際は、まず自社の課題と目標を明確にすることが重要です。次に関連性の高い事例を集めて成功理由を深く分析し、自社で応用可能な要素を見つけ出して具体的な計画を立てます。
計画はいきなり大規模に行うのではなく、小さく試して効果を検証し、効果測定と改善(PDCAサイクル)を繰り返しながら本格展開を目指しましょう。
成功事例は地図と捉え、自社の状況にあわせて最適な戦略を探る姿勢が大切です。
まとめ
ここまで、BtoBの新規顧客開拓について解説してきました。
新規顧客開拓の成功には戦略が不可欠です。まずは、ターゲット・顧客ニーズ・自社の強みを明確にし、KPI設定とPDCAで改善の基盤を築きましょう。
次に、アウトバウンド、インバウンド、オンラインとオフラインの組み合わせといった多様な手法から、自社の状況に最適なものを選択・実行します。これが成果を出すための重要なポイントです。
さらに、MAツールを活用したリード管理やメッセージ最適化、契約後のカスタマーサクセス連携による関係構築も欠かせません。成功・失敗事例から常に学び、継続的にプロセスを改善していくことが重要です。
この記事で解説したステップや手法を参考に、ぜひ貴社の具体的な行動計画へとつなげてください。
LANYは「価値あるモノをインデックスさせる」というミッションのもと、本質的に価値ある製品やサービスが、それを真に必要とする企業や担当者に届くよう、マーケティングの力で支援することに情熱を注いでいます。特にBtoB領域においては、その価値が埋もれてしまいがちなケースも少なくありません。この想いが、私たちの新規顧客開拓支援サービスの根底にあり、お客様のビジネス成長への貢献を目指す原動力となっています。
LANYではBtoBの新規顧客開拓のために、自社サイトの改善やSEO対策など、数多くサポートしております。ぜひお気軽にご相談ください。