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LPOとは?タイミングや手順、改善施策のポイントとおすすめツールまで解説
Web広告を運用している担当者であれば一度は耳にしたことがあるLPO(ランディングページ最適化)は、Web広告の費用対効果を最大化させるためには必須の施策と言えます。
しかし、
「LPOで本当に効果が出るのかわからない」
「どのタイミングでLPOに取り組めばいいかわからない」
「LPOの進め方が知りたい」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではLPOコンサルティングを提供するLANYの知見を踏まえ、LPOを行う目的ややり方、CVRを改善するコツやツールまで詳しく解説します。
なお、SEOに取り組んでいるものの、CV数が伸び悩んでいる担当者向けにホワイトペーパーもご用意しております。本記事とあわせてぜひご活用ください。
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LPOとは?
LPO(ランディングページ最適化)とは、LP(ランディングページ)のCVR(コンバージョンレート)を改善するための施策です。
CVRを改善することで、広告をクリックした人がLPで紹介した商品やサービスを購入してくれる可能性が高くなり、売上につながります。
LPOで重要なのは、LPを読んでいる途中で、いかにユーザーの離脱を防ぐかという点です。離脱される理由を発見し、対策することで、離脱率の低下につながり、CV獲得数増加が見込めます。
LPとは
LP(ランディングページ)とは、検索結果画面やSNS、広告など様々な経路から流入したユーザーが最初に訪問するページのことです。ただし、これは広義的な意味で、Webマーケティングで使われているランディングページとは少し異なります。
Webマーケティングの場合は「レイアウトが縦長で、CV獲得に特化した構成になっているページ」のことを指します。
広告をクリックしたユーザーに対し、LPで商品やサービスを紹介して、CVを促進するのが大きな役割です。CVの獲得数を高めるためには、LPOにおいてさまざまな施策が求められます。
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CRO・EFO・SEOとの違い
LPOと似た言葉として、以下の3つがあります。
- CRO
- EFO
- SEO
それぞれ詳しく紹介します。
LPO・EFO・CROの違いは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
CROとは
CRO(コンバージョン率最適化)は、Webサイトの視認性や操作性を改善してCVRの改善をする施策のことです。ユーザーのサイト内での行動を分析・検証し、購買意欲を高めるようなWebサイトを作成します。
LPOの違いとして、CROの対象となるページはWebサイトであるという点です。ECサイトや企業サイト、LPなど幅広い種類のサイトが施策の対象になります。
つまり、LPOはCROの一環として捉えるとよいでしょう。
EFOとは
EFO(入力フォーム最適化)は、お問い合わせや商品購入などで使用される入力フォームを改善する施策のことです。
入力フォームでの離脱を下げ、入力完了率を高めるために最適化します。
EFOの対象ページは企業のホームぺージやECサイトなどさまざまです。CVまでの導線をスムーズにするために重要で、LPOの施策としても重視されます。
SEOとは
SEO(検索エンジン最適化)とは、主にGoogleで自社のWebサイトが検索上位に掲載されるための施策のことです。
検索エンジンで流入数を獲得することがSEOの大きな目的です。主にWebサイトで記事を作成する「コンテンツSEO」と、検索エンジンに記事の情報を理解してもらうためにサイト構造を見直す「テクニカルSEO」などがあります。
LPOがCVRの改善に向けた施策に対し、SEOは自然検索での流入数増加に向けた施策となっており、それぞれ目的が異なります。
LPOとSEOの違いは、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
LPOを行うタイミング
LPOを実施するタイミングには、主に以下の2つがあります。
- CVRが業界平均と比較して低い
- Web広告のターゲティングやクリエイティブを変更した
それぞれ読むことで自社にLPOが必要かどうかを判断しやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
CVRが業界平均と比較して低い
自社でLPのCVRの基準値を有していない場合、業界平均と比較してLPOを実施すべきか判断しましょう。
業界の平均値より低い場合は、LPOの実施を検討しましょう。
各業界のリスティング広告、ディスプレイ広告におけるCVRの目安は以下のとおりです。
業界 | コンバージョン率(リスティング広告) | コンバージョン率(ディスプレイ広告) |
---|---|---|
BtoB | 3.04% | 0.80% |
消費者サービス | 6.64% | 0.98% |
EC | 2.81% | 0.59% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
金融・保険 | 5.10% | 1.19% |
健康・医療 | 3.36% | 0.82% |
人材・サービス | 5.13% | 1.57% |
家庭用品 | 2.70% | 0.43% |
不動産 | 2.47% | 0.80% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
旅行・娯楽 | 3.55% | 0.51% |
このように業界や配信する広告によってCVRが異なります。
CVRが業界平均より低い原因として、LPの訴求がターゲット層に刺さっていなかったり、表示速度が遅くユーザビリティが低かったりなどが考えられます。
CVRを改善する際は原因を把握し、適切なLPOの施策を実施することが重要です。
Web広告のターゲティングやクリエイティブを変更した
Web広告で変更した点がある場合は、LPOを実施しなくてもよいか確認しましょう。
とくにターゲティングやクリエイティブを変更した場合は、注意が必要です。
ターゲティングを変更した場合、広告とLPのターゲティングがずれる可能性があります。訴求軸が広告とLPとで変わってしまうため、せっかく広告をクリックしてもらったとしても、LPの訴求が刺さらず離脱される現象が起きるでしょう。
また、クリエイティブのトンマナが広告とLPで異なると「違うサイトを開いてしまった」とユーザーが勘違いするかもしれません。結果、すぐにページを閉じてしまい、広告費だけが発生するといった状況になってしまいます。
Web広告からLPへ集客するうえで、一貫性のあるアプローチを行うためにもターゲットや訴求軸、クリエイティブなどを変更したら、必ずLPを見直しましょう。
LPOの手順5ステップ
LPOは主に以下の手順で進めます。
- 広告クリックからLP上でCVするまでの導線を分析する
- 課題点を洗い出す
- 仮説を立てて改善施策を決定する
- 施策を実行する
- 効果検証
それぞれの工程で何をするか解説しますので、LPOを本格的に始めたい方はぜひ参考にしてみてください。
広告クリックからLP上でCVするまでの導線を分析する
はじめに現状確認として、広告がクリックされてからCVされるまでのユーザーの行動を確認しましょう。
ユーザーの行動は、主に以下のような指標を確認します。
- LPの滞在時間
- ページごとの離脱率
- スクロール到達率(ページのどこまで読んだかがわかる指標)
- CTAごとのクリック数やクリック率
- CTAごとのCVR
- ユーザー属性別のCVR
このような数値を把握することで、どこに課題があるかが明確になり、改善策を検討しやすくなります。
それぞれを確認し、数値が極端に低いところがあれば改善をしましょう。
課題点を洗い出す
現状分析で数値が低かった箇所に対し、なぜ低いか課題を洗い出しましょう。
たとえば、ページの3割までのスクロール到達率が50%に対し、5割までのスクロール到達率が10%だった場合、3割から5割までの箇所に課題があると考えられます。
また、入力フォームページの離脱率が多かった場合は、入力フォームに何かしらの問題点があると考えられるでしょう。
このようにCVまでの導線を分析するなかで見えてきた「離脱したユーザーが多い箇所」をベースに課題を洗い出しましょう。
仮説を立てて改善施策を決定する
離脱したユーザーが多い箇所がわかれば、原因を考えて改善策を考えましょう。
以下のように仮説を立て、改善策を立案します。
仮説 | 改善策 |
---|---|
ユーザーが求める情報が掲載されていない | ・情報を削除、または別の情報に差し替える ・その情報の上にCTAを設置して入力フォームにすぐ飛べるようにする |
文字が読みづらい | ・背景色と文字色を変更する ・文字のサイズを大きくする |
内容が理解しづらい | ・図解や写真、動画を挿入する |
CTAボタンがわかりにくい場所にある | ・CTAボタンのデザインを変更する ・CTAボタンのサイズを大きくする |
このようにできるだけ多くの仮説を立て、改善策を考えましょう。
施策を実行する
改善策を考えたら実行しましょう。
改善策が複数ある場合は、優先順位を付けてひとつずつ施策していくことをおすすめします。ひとつずつ進めることでどの改善策が効果的だったかが明確になり、今後別のLPを最適化する際にも応用できます。
施策の優先順位は企業によって方針が異なるかと思いますが、以下の観点で考えるとよいでしょう。
- 改善の効果が大きいかどうか
- 施策の実行しやすいかどうか
- 緊急性が高いかどうか
各項目を以下のように点数付けして、点数の高いものから順に施策することもおすすめです。
改善策 | 改善効果 | 実行にかかる工数 | 緊急性 | 合計 |
---|---|---|---|---|
訴求内容の変更 | 2 | 2 | 3 | 7 |
背景色と文字色の変更 | 1 | 3 | 2 | 6 |
動画の作成・設置 | 3 | 1 | 1 | 5 |
このような表をマトリクス図と呼びます。マトリクス図を作成することで、俯瞰的に優先順位をつけやすくなるでしょう。
なお、具体的な施策はこの後の「LPのCVR改善のために取り組みたいLPO施策9つの方法」で紹介しますので、ぜひ読んでみてください。
効果検証を行う
改善策を実施して一定期間置いたらどのくらい効果があったかを検証しましょう。
現状分析でのCVRと比較して、CVRが改善してればその改善策が効果的だと判断できます。
一方、CVRが変わらない、または下がっている場合は、再度検証が必要です。さらなる改善のためにPDCAを回して、CVRが改善されるまで効果を検証しましょう。
LPOに効果的な9つの改善施策
LPOに効果的な改善施策として、以下の9つがあります。
- ターゲットを再設計する
- ランディングページを出し分ける
- 一目で訴求ポイントが伝わるファーストビューにする
- ページ構成・コンテンツを見直す
- CTAを最適化する
- CVまでの導線を改善する
- ページのユーザビリティを改善する
- 入力フォームの最適化(EFO)を行う
- 検索結果で上位表示を目指す
それぞれ改善策がうまく思いつかない場合は、これらの施策を試してみましょう。
ターゲットを再設計する
現状分析した際にターゲットにしていたユーザーのCVRが低かった場合は、再度ターゲットを見直しましょう。
ターゲットの設定はコンバージョンを獲得する際にもっとも重要です。ターゲットによって訴求内容やLPのデザイン、提供すべき情報、使う言葉などが大きく変わるためです。
たとえば、ランニングシューズのLPを作成したとしましょう。この場合、ランニング初心者向けには「足に負担がかかりにくく、ランニングが楽しくなる」といったランニングが継続できることを主体とした訴求がいいでしょう。一方、上級者向けのランニングシューズであれば「スピードを追求した最軽量モデル」といったスピードを重点的に置いた訴求をしたほうが望ましいと考えられます。
CV獲得の戦略としてターゲットがどのような悩みを抱えているかを考えて、LPの方向性を決めましょう。
ランディングページを出し分ける
ターゲットが複数想定されるような商材・サービスを扱っている場合、遷移先のLPを出し分けすることが大切です。
訪問した人ごとに最適化されたLPを表示させることで、その人が興味をもちやすくなり、購入につながる可能性が高まります。
出し分けの方法として、主に以下のようなパターンがあります。
出し分けのパターン | 概要 |
---|---|
商品・サービス | 「商品A」「商品B」などのキーワードで検索した際に商品ごとにLPを出し分ける |
訴求軸 | 「子育て中の主婦向け」「独身男性向け」などの想定ターゲットに応じて、冷凍宅配弁当の訴求軸を変えたLPを用意 |
エリア | 「大阪発○○行きの飛行機」「東京発○○行きの飛行機」のようにユーザーの現在地ごとに出し分ける |
年齢 | 「10代向け○○」「20代向け○○」のように年代ごとに出し分ける |
自社の商品・サービスの利用者の属性を細分化・グループ化し、グループごとにあったLPを作成しましょう。
一目で訴求ポイントが伝わるファーストビューにする
LPを開くと最初に表示されるファーストビューで離脱率が高い場合は、改善しましょう。
ファーストビューは、主に以下の4つで構成されています。
- メインビジュアル
- キャッチコピー
- 権威づけ
- CTA
それぞれの要素について改善ポイントを紹介します。
メインビジュアル
メインビジュアルは、ファーストビューで表示される写真や動画のことです。LPの顔になる重要な役割をもっています。
メインビジュアルでは、商品やサービスを利用するシーンがイメージしやすいものを採用しましょう。
より情報量を伝えたい場合は、画像よりも動画のほうが効果的です。写真だけでは伝わらない細かな利用方法やストーリーがわかるようになります。
動画を作成する際はターゲットに合った人物を起用し、その人が利用する場所や時間帯なども意識しましょう。
メインビジュアルを作成したら、LP全体も同じようなテイストで作成します。
キャッチコピー
キャチコピーについては、商品・サービスの特徴をコンパクトに伝えられるようなものを設定しましょう。さきほどのランニングシューズのように「毎日のランニングが楽しくなる」「スピードを追求した最軽量モデル」のようにターゲットにあったコピーを目に留まる位置に設置しましょう。
権威付け
権威付けは商品やサービスに付加価値を付ける手法のひとつです。
たとえば、以下のようなものが権威付けに該当します。
- 商品やサービスの販売実績・シェア率
- 導入社数
- 導入後の成果
- 導入企業のロゴ
- 購入した有名人・インフルエンサー
- 購入した人たちの満足度
商品・サービスのベネフィットや実績を定量的に表すことで信頼性を高められます。たとえば「○○が推薦」といったコピーを挿入したら「その有名人が買ったなら安全だ」と信用してもらいやすくなるでしょう。
CTA
確度の高いユーザーが流入した場合に、すぐコンバージョンできるようCTAを設置することも大切です。スクロールの手間なくファーストビューだけで入力フォームに遷移できるようにしましょう。
また、よりCVを促進させるには、限定感のある訴求もすることも効果的です。「期間限定」「数量限定」のようにCTAボタンの周辺に記載しておくことで、購入意欲をより高められるでしょう。
ページ構成・コンテンツを見直す
LPをスクロールしている途中で離脱が著しく多い場合は、ページ構成や内容も確認しましょう。
LPは「結・起・承・転」の順になるように構成し、ストーリーをつくることが基本です。大きく分けて3つの要素から成り立っており、それぞれの要素で役割が異なります。
- ファーストビュー:興味関心を惹きつける
- ボディ:商材の詳細を事例やベネフィットに基づき説明し、購買意欲を高める
- クロージング:コンバージョンを促す
ターゲットと構成の役割を照らし合わせ、既存LPの訴求内容や発信している情報の内容や順序を見直しましょう。適切な内容や順序にすることで、ユーザーの思考の流れに対応した形で訴求できるようになり、確度を高められます。
なお、コンテンツを見直す際は、以下の内容を改善したり追加すると効果的です。
- アンケート機能を埋め込む
- UGCを活用する
- よくある質問(FAQ)を用意する
- CVの後押しになる理由を最後に提示する
それぞれどのような効果があるか詳しく解説します。
アンケート機能を埋め込む
アンケート機能は、潜在ユーザーのニーズを顕在化させることに効果的です。
たとえば「あなたは今、自身の身体で悩んでいることはありますか?」「ダイエットのために運動はしていますか?」などのようなアンケートをします。このような質問をすることで、ユーザーの悩みが明確になります。
また「この商品がダイエットに効果的な成分が効果的なのを知っていますか」「この商品の特徴のうち、どれが一番魅力的に感じますか?」といった質問で、悩みに対する解決策を提示しつつ、商品をアピールすることが可能です。
ニーズの顕在化によってアンケート前よりも商品が魅力に感じ、購買意欲を高められるでしょう。
UGCを活用する
お客様の声として、UGC(User Generated Contents)をボディで掲載することも効果的です。
UGCはSNSや口コミサイトなどでユーザーが掲載したコンテンツのことを指します。
UGCを活用することで、LPの内容の信憑性を高められるのがメリットです。また、商品やサービスに対し疑う人がリアルなレビューを検索するために離脱することを防げます。
よくある質問(FAQ)を用意する
CV獲得のためにはユーザーの悩みや不安をLP内で払拭させる必要があるため、よくある質問については、あらかじめ回答を掲載しておきましょう。
ユーザーの悩みをLPだけで解決できるようにすることで、検討の保留や離脱を防げます。カスタマーセンターのお問い合わせデータを活用し、これまでにどのような質問があったかを確認しましょう。また、悩みをすぐ解決できるようチャットボットを導入して、リアルタイムでユーザーが質問できるサイトにするのもひとつの手です。
CVの後押しになる理由を最後に提示する
クロージングではCVを後押しするような動機を与えましょう。
たとえば、以下のようなことを記載します。
「○人限定で割引適用」
「○月末まで限定の特典」
「今」申し込むメリットを提示することで、ユーザーは「今のうちに購入しないともったいない」という心理になり、CVにつながりやすくなります。
CTAを最適化する
クリックしたくなるようなCTAを作成し、入力フォームに遷移できるようにしましょう。
CTAを最適化するには以下の方法があります。
CTAを最適化する方法 | 概要 |
---|---|
ターゲットにあったCTAをつくる | 「資料請求」なのか「購入」なのかターゲットの行動に合わせて文言を決める |
ユーザーのハードルが下がる文言を選ぶ | 「無料で体験」「1分でユーザー登録」のように気軽にアクションできるような文言を選ぶ |
マイクロコピーでクリックするメリットを伝える | CTAボタン内に入れられなかったメリットを記載することで、よりクリックするハードルを下げられる |
リンク先に遷移した後のアクションを想定する | クリックしたあとに遷移される入力フォームを最適化する |
フローティングボタンを表示させる | スクロールしても同じ場所にCTAが表示されるフローティングボタンを活用して、いつでもすぐにボタンをクリックできるようにする |
CTAの改善方法ついては以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
CVまでの導線を改善する
離脱のリスクを抑えるため、最短で行動を促せる導線を設計しましょう。
導線を最短にするコツとして、ユーザーの購買意欲が高まりやすいところにCTAを置くのがポイントです。
商品概要パートの後、「お客様の声」の後、FAQの後など、自社のLPでよく閲覧されている箇所を調査し、随所に設置しましょう。
ユーザーによって、興味関心が高まるポイントが異なるため、複数の箇所にCTAを設置することが大切です。
また、導線から外れないよう、CTA以外のリンクは設置しないようにしましょう。
ページのユーザビリティを改善する
どれだけデザインやコンテンツの内容がよくても、LPを読み進める上でストレスとなる要素が残っていると、CVにはつながりません。
とくに離脱の原因となりやすいのが、表示速度とデバイスによる視認性の悪さです。
ユーザーが見やすい操作しやすいLPを制作するためにも、以下の改善策を試してみましょう。
離脱の原因 | 改善方法 |
---|---|
表示速度 | ・画像や動画のサイズを軽量化する ・JavaScript・HTML ・CSSなどで使用していないコードを削除する |
視認性の悪さ | ・スマホ対応になっているか確認する ・レスポンシブ対応のサイト制作ツールを活用する |
表示速度の改善方法については、ほかにも方法があります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
入力フォームの最適化(EFO)を行う
入力フォームでの離脱を防ぐためにEFOを実施しましょう。
EFOで活用される施策として、以下の方法があります。
EFOの施策 | 概要 |
---|---|
入力項目の削減 | 名前、メールアドレスや会社名など目的に合わせて入力項目を絞る |
フリガナや住所の自動入力機能 | ・名前を入力した際にタイピングしたとおりのフリガナが自動入力される ・郵便番号を入力するだけで住所が自動で入力され、番地や建物名を記入するだけで済むようにする |
半角・全角の自動変換機能の実装 | 半角入力必須の入力箇所で全角入力しても、自動で変換してくれる |
エラー箇所のアラート機能 | 入力に間違いがある場合に、どこが間違っているかを知らせてくれる |
入力進行状況の可視化 | どのくらいまで入力が完了したか視覚的に教えてくれる |
視認性の高いデザインの実装 | 一目見てすぐに入力が終わりそうと思えるデザインにする |
プライバシーポリシーの記載 | プライバシーポリシーを入力フォームのページに挿入する |
ラジオボタンやプルダウン、チェックボックスの設置 | アンケートで質問したいことがある場合は、ラジオボタンやプルダウン、チェックボックスなど選択式にする |
これらの施策をすることで、最後まで入力項目を埋めてくれるようになるでしょう。
フォーム一体型LPも有効
EFOをする際に、入力フォームへの遷移をなくし、LP内でフォーム入力まで完了するフォーム一体型LPの導入も効果的です。
複数ページを遷移させる手間を減らせるため、コンバージョンまで到達しやすくなるでしょう。
また、フォームに記入している途中で商品について不明な点があれば、スクロールするだけで情報を探せる点もメリットです。
検索結果で上位表示を目指す
一般的なペライチLPの場合はSEOとの相性はよくありませんが、サイト型LPの場合はSEOも有効です。
SEOでサイトを上位表示できると、広告費をかけずにサイトへの流入を増やせるため、ターゲット層を集客できればCV増加が期待できます。
ただし、検索結果1位と2位以下ではCVRが大きく変わる点に注意が必要です。一般的に1位のサイトのみ訪問し、2位以下のサイトを見ないユーザーが多いためです。
また、SEOで上位に達成するには、時間がかかります。狙うキーワードによっては数ヶ月以上かかるケースも少なくありません。
SEOで上位に掲載されるまでは、できるだけWeb広告でCVの獲得を目指しましょう。
なお、Googleで検索上位に掲載される方法については、以下の記事で紹介しています。
LPOのよくある5つの失敗例
LPOでよくある失敗例として、以下の5つがあります。
- サービス・商材がWeb広告&LPと相性がよくない
- 適切なコンバージョンを設定できていない
- 広告の訴求とファーストビューの訴求に一貫性がない
- LPのユーザービリティが悪い
- CVまでの導線設計が弱い
思うようにLPOの成果が出ない場合、これらの課題があるかもしれません。見直すポイントについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
サービス・商材がWeb広告&LPと相性がよくない
そもそもサービスや商材がWeb広告やLPのアプローチに向いていない場合、CVにつながりにくい可能性があります。
たとえば、BtoBの商材をアプローチする際は、向いていない傾向にあります。BtoBの商材はリードタイムが長く、ユーザーの購入意欲を高めたからといってすぐに購入するわけではないためです。
BtoBの商品は合理性で選ばれるため、購入意欲を高める構成になっているLPで集客するのはおすすめできません。
ほかにも、ターゲットがインターネットをあまり使用していない80代以上の高齢者に向けた商材であれば、そもそもLPを見てもらえないでしょう。
そのため、LPを作成する前に「自社のターゲット層にリーチするためにWeb広告は効果的か」「LPが商材の単価やターゲットの意思決定フローに適しているか」などを見直しましょう。
適切なコンバージョンを設定できていない
商品・サービスによっては設定しているCVが向いていない場合があります。たとえば、食品のサブスクリプションサービスにCVとして「購入」を設定したときです。
LPで定期購入を促進しても、その商品を知らないユーザーにとっては「いきなり長期で購入するのは不安」と思う可能性があります。そのため、購入に一歩踏み出せず、離脱してしまうことがあるのです。
このようなサービスは、定期購入の前に「食品サンプルの提供」や「資料請求」など購入の一歩手前の段階をCVとしたほうがいいでしょう。
また、LPに流入してくるユーザーは基本的に以下の「3つのNot」が当てはまります。
- 読まない
- 信じない
- 行動しない
これらのユーザーに向けていきなり「定期購入」を進めるのはハードルが高いため、CV獲得につながりにくい傾向にあります。
CVをうまく獲得できていない場合は、一度自社商品やサービスと設定しているCVの相性がよいか見直しましょう。
ファーストビューの訴求が適切ではない
ユーザーはファーストビューでLPを読み進めるかどうか、3秒くらいで判断すると言われています。3秒見て興味を抱いたら読み進めてくれるでしょう。一方で、訴求が刺さらなければ、すぐ離脱される原因になりかねません。
LANYが提供するLPOコンサルティングにおいては、商材によって左右されるもののファーストビューでの離脱率は50%ほどとなっており、ファーストビューが重要であることがわかります。
もしファーストビューで離脱されている場合は、以下の要素を見直しましょう。
- メインビジュアル
- キャッチコピー
- 権威づけ
- CTA
それぞれの要素を最適化することで、CVRの改善につながります。
LPのユーザービリティが悪い
どれだけLPに掲載している情報の質が高くても、ユーザーが「使いにくい」「見にくい」と感じると思うようにCVにつながらない可能性があります。
たとえば、ページの読み込みに10秒以上かかる場合、その間にモチベーションが下がり、ファーストビューすら見ずに離脱されるおそれがあります。
また、スマホに対応していないLPだと、画面を拡大表示させて読まなければならず、途中で操作が面倒になってしまうケースもあるでしょう。
操作性や視認性が悪いとストレスに感じやすいため、改善が必要です。
CVまでの導線設計が弱い
広告をクリックしてからCVまでの導線が適切に設計できておらず失敗するケースがあります。
たとえば、ページ外へのリンクが多い場合は離脱される可能性が高くなります。また、以下のようにCTAの配置やデザインが適切でないケースも、CV獲得が難しくなるでしょう。
- CTAの設置数が少ない
- CTAボタンとサイトの背景が同化している
- クリックしたくなるページ構成になっていない
離脱を防ぐには、できるだけCTA以外のリンクを挿入せず、ユーザーの行動心理に適したLPを設計することが大切です。
LPOに役立つ7つのツール
LPOを効率的かつ効果的にするにはツールも活用しましょう。
LPOに役立つツールとして、以下の7つがあります。
- アクセス解析|Google Analytics(GA4)
- LPOツール|Ptengine
- LPOツール|SiTest
- LPOツール|dejam
- ヒートマップ|Microsoft Clarity
- A/Bテスト|Optimize Next
- A/Bテスト|VWO
それぞれどのような用途で活用できるか詳しく紹介します。
アクセス解析|Google Analytics(GA4)
サービス名 | Google Analytics(GA4) |
---|---|
機能・できること | ・訪問者の数や属性の確認 ・コンバージョンに関するデータの把握 ・ページごとの離脱率の確認 |
費用 | 無料 |
Google Analytics(GA4)はGoogleのアクセス解析ツールです。
LPと連携することで、以下のようなデータを把握できます。
- ユーザー属性(性別や年齢など)
- ページビュー数
- 新規ユーザー数 など
- LPを見る前に閲覧したサイト
- 流入したチャネル
- ページの滞在時間
- コンバージョン数
また、リアルタイムでアクセスしたユーザーの情報を確認でき、何かしらの施策をした直後の影響を確認することも可能です。Google Analyticsは、幅広い指標を確認でき、改善点の発見に役立ちます。
LPOツール|Ptengine
サービス名 | Ptengine |
---|---|
機能・できること | ・ヒートマップによる改善点の可視化 ・ノーコードによるサイトのカスタマイズが可能 ・A/Bテストでの検証が可能 |
費用 | 無料~ |
Ptengineは株式会社Ptmindが提供するLPOツールで、改善点の発見からクリエイティブの検証までが可能です。
ヒートマップ機能があり、LPのどの部分で離脱されているか色で表示されており、直観で改善すべき場所を見つけられます。ユーザーの属性や流入別でのレポートも閲覧できるため、ターゲティングしたユーザーがCVにつながっているかどうかの把握も可能です。
また、A/Bテストをツール内で実施できます。ノーコードで検証できるため、プログラミングに関する専門知識が不要な点もメリットです。
LPOツール|SiTest
サービス名 | SiTest |
---|---|
機能・できること | ・ヒートマップ機能による課題発見 ・多変量解析によるLPの最適化 ・ユーザー属性に合わせたLPの出し分けが可能 |
費用 | 無料~ |
SiTestはLPのデータ解析やサイト改善、レポート作成などを効率的にできるLPOツールです。
ヒートマップ機能でユーザーがどこで離脱したかや、どこにマウスポインタを立てていたかなど詳しく確認できます。
改善したいところがあれば、ノーコードでサイトを編集して、A/Bテストや多変量テストを実施できます。多変量テスト機能を活用することで、一度に複数のパターンの効果を検証できるため、短期間でCVにつながりやすいLPを構築できるようになるでしょう。
無料プランがあり、実際に試してから有料プランの導入を検討することも可能です。
LPOツール|dejam
サービス名 | dejam |
---|---|
機能・できること | ・AIによる改善点の提案 ・競合サイトの分析機能 ・改善 ・デザインデータベースによる施策の効率化 |
費用 | 要問い合わせ |
dejamはLPのCVR改善に必要な機能が揃っているLPOツールで、以下のような機能があります。
- ヒートマップ
- ポップアップ・Web接客機能
- A/Bテスト
- AI相談機能
- UIの競合分析機能
AI相談機能を活用することで、改善案を見つけやすくなります。クリエイティブやキャッチコピーのアイデアを創出してくれるため、改善案の考案に行き詰った際におすすめです。
また、改善データベース機能もあり、読むだけで具体的な改善案を見つけられます。参考となるデザインやコードも提供されているため、クリエイティブやコーディングの改善を簡単にできるようになっています。
ヒートマップ|Microsoft Clarity
サービス名 | Microsoft Clarity |
---|---|
機能・できること | ・完全無料でヒートマップ機能の利用が可能 ・AIによる分析情報の確認 ・幅広いサービスと連携可能 |
費用 | 無料 |
Microsoft Clarityは、Microsoftが提供しているヒートマップツールです。一般的にLPOツールでヒートマップを確認する場合、選択したプランによって確認回数に制限があります。しかし、Microsoft Clarityでは確認できる回数の上限なく、無料で利用できるのがメリットです。
連携できるサイトの種類も多く、WordPressやWix、Shopifyなどで構築したLPにも活用できます。
機械学習を利用した分析機能から、ユーザーが離脱する場所を検出してくれるため、予算を抑えながら改善点を発見したい人におすすめです。
A/Bテスト|Optimize Next
サービス名 | Optimize Next |
---|---|
機能・できること | ・A/Bテストを無料で無料で検証 ・ノーコードでのテスト実施 ・テスト結果のレポート作成が可能 |
費用 | 無料~ |
Optimize Nextは、PROJECT GROUP株式会社のA/Bテストツールです。無料で回数制限なしにABテストを実施できます。
UIも機能もシンプルで操作しやすいのが特徴です。A/Bテストはノーコードで利用でき、直観的にクリエイティブやテキストなどを編集できます。
また、Optimize Nextは有料版である「プレミアムプラン」もあります。プレミアムプランにすることで、課題の立案やABテストの施策案の提案もしてもらえるのが特徴です。
導入時は無料版を使用し、より効果的な施策が必要になった場合は、プレミアムプランに切り替えるといいでしょう。
A/Bテスト|VWO
サービス名 | VWO |
---|---|
機能・できること | ・A/Bテストを無料で実施可能 ・HTML/CSSの知識がなくてもテストの設定が可能 ・有料プランで多変量テストも可能 |
費用 | 無料~ |
VWOはインドの企業であるWingifyが提供しているA/Bテストツールです。基本的に無料でA/Bテストを実施できます。
テストしたいページにJavaScriptのタグを挿入するだけでテストを実施できるため、HTML/CSSの知識がなくても問題ありません。
無料プランの場合は、月間最大計測人数が5万人と制限があり、大規模サイトの場合は有料プランへの加入が必要です。ただし、有料プランにすることで多変量テストもでき、より効果的なLパターンを見つけやすくなります。
LPOの費用相場
LPOにかかる費用相場を、自社で実施する場合と代行会社に依頼する場合の2つに分けて紹介します。
費用を把握して、どちらのパターンで実施するとよいか考えてみましょう。
ツールを活用し自社で対応する場合
自社で対応する場合は、使用するツールの費用だけがかかります。
無料のツールを活用すれば費用は一切かかりません。
ただし、無料ツールでは性能に上限があるため、管理するLPの数やLPのPV数に応じて有料ツールを導入することもあるでしょう。
有料ツールを導入する場合は、一般的に月額費用がかかります。たとえば、Ptengineを導入した場合は、月額4,980円以上の支払いが必要です。プランによっては月額10万円以上超えることもあります。
PV数や検証回数の上限によっても異なりますので、自社のLPの成果を見ながら有料ツールを導入しましょう。
LPO代行会社に依頼する場合
LPOは代行会社にも依頼でき、以下のような業務をサポートしてもらえます。
- LPの分析
- LPOの内製化への支援
- 改善施策の提案
- LPOの戦略プランの立案
- LPO以外のマーケティング施策に関する提案
- LP施策の効果検証・モニタリング
自社の要望や目的に合わせてLPOの専門知識をもったコンサルタントが、最適なプランを提案し、CVR改善へと導きます。
一例として、LANYにLPOコンサルティングサービスを依頼いただく場合は、3ヶ月以上のサポート期間で月額30万円以上の費用がかかります。
LANYでは、高度なマーケティングDXツール「DEJAM」を提供する株式会社LeanGOと協力し、ランディングページ最適化(LPO)支援サービス「LANY LPO-Boost」を提供しております。以下の動画では、サービスの概要を解説させていただいているので、気になる方はぜひご視聴ください。
LPOを推進してWeb広告の成果を最大化しよう
LPOはWeb広告の成果を最大化するために重要な施策です。
CVを増加させるためにも、まずは現状を分析して、課題を見つけましょう。課題が明確になったら改善策を立案・実施し、検証します。このサイクルを繰り返すことでCVRが改善されるでしょう。
また、LPOの改善策としては、以下が効果的です。
- ターゲットを再設計する
- ランディングページを出し分ける
- 一目で訴求ポイントが伝わるファーストビューにする
- ページ構成・コンテンツを見直す
- CTAを最適化する
- CVまでの導線を改善する
- ページのユーザビリティを改善する
- 入力フォームの最適化(EFO)を行う
- 検索結果で上位表示を目指す
課題や目的に合わせて、自社に必要な改善策を実施しましょう。
なお「自社でLPOを実施するノウハウやリソースが不足している」という方もいるでしょうか。その場合は、LPOの代行会社に依頼することも検討しましょう。
LANYでは、LPOのサポートをするコンサルティングサービスを提供しています。少数精鋭のコンサルタントが、お客様のLPを入念に分析し、最適なプランを提案してCVR改善へと導きます。
LPOの施策をどのようにすればいいかわからない方は、お気軽にお問い合わせください。
なお、SEOに取り組んでいるものの、CV数が伸び悩んでいる担当者向けにホワイトペーパーもご用意しております。本記事とあわせてぜひご活用ください。