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【LANY式】SEO目標シートの作成方法。KPI策定方法や戦略立案におすすめ。
SEOを進める中で、進んでいる方向が本当に正しいのかを悩む機会も多いかと思います。
SEOでは施策を打ってすぐに結果が出ることも少ないですし、Googleのアルゴリズムはブラックボックスなので、どうしたら評価されるかの明確な解もわかりません。
そんな中、闇雲に手を動かし続けて努力で何とかしようとする姿をよく見かけますが、正しい努力でなければ残念ながら成果には繋がりません。
これまで多くのサイトのSEOに携わってきましたが、「解像度の高い目標・戦略・戦術」があるかどうかで、中長期的な成果の出る出ないは決まっていると感じました。
そこでこの記事では、SEOコンサルティング会社のLANYでどのようにSEOの目標・戦略・戦術を立てているかの簡易バージョンをご共有します。
記事を読み進めながら実際のSEO目標シートが作成できるようにしておりますので、ぜひお手元で作成しながら読み進めてみてください。
SEOの悪い目標・戦略・戦術
サイトのSEO目標を聞くと、次のような答えが返ってくることがよくあります。
- 月間売上を100万円以上にする
- 月間お問い合わせ件数を30件以上にする
こちらは全く問題のない目標です。
しかし、「それをどのように達成する予定なのですか?」と追加で聞いてみると、
- 〇〇系のカテゴリでたくさん記事を作って・・・
- 〇〇のキーワードを上位表示させて・・・
- とにかくリライトしまくって、流入数を〇〇倍にして・・・
などと、かなり解像度の低い回答をもらうことが多いです。
これでは目標達成が運任せになってしまっており、達成する確率も非常に低くなってしまいます。
個人の意見ですが、SEOでは目標を適切に因数分解して、追いかけやすい指標を設定し、適切なPDCAを回し続けることが何よりも重要だと考えています。
先の例では、目標は存在するものの、どのようにその目標を達成するのかの戦略がないため、何をすべきかの戦術は何も決まらない状態です。
まずは、SEOの良い目標・戦略・戦術の立て方を頭に入れていただくことからはじめ、実際に【LANY式】SEO目標シートを作成しながら考え方を自分のものにしていってください。
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SEOの良い目標・戦略・戦術
良い目標・戦略・戦術に必要なのは、「何をしたら目標が達成できるかに、明確な仮説(戦略)があり、行動計画(戦術)が引けている状態」だと考えています。
多くの場合、目標はあっても、どのように達成するのかの戦略や、達成までの行動計画がない場合が非常に多いです。
この記事では、目標を戦略・戦術に落とし込むところに重点をおいて解説するため、目標の立て方については簡易的に説明させてください。
目標は次の2通りのやり方で設定することができると考えています。
- 現状を分析し、実現可能性のある数値目標を置く
- 理想の数値目標をえいやで置く
1の場合にはそのサイトが参入している市場の大きさや、自分たちのリソース(かけられる時間やお金、ドメインの強さなど)を踏まえて、どの程度の市場シェアを取りにいくのかを考えます。
企業レベルでSEO戦略を策定する場合には、1のパターンで実施すべきだと思いますが、個人レベルで言えば2で十分です。
「月に30万円稼ぎたい」などとえいやで決めてしまってまったく問題ありません。
どちらかというと、大事なのはその目標を適切にブレークダウンして追いかけられる指標まで落とし込む部分です。
ぜひここから説明する目標を戦略・戦術に落とし込んでいく方法を頭に入れてください。
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【LANY式】SEO目標シートの作成方法
今回は、「アフィリエイトで月間〇〇万円稼ぐ」系の目標の場合の戦略・戦術の立て方をご紹介します。
最終的なアウトプットは、下記のSEO目標シートになります。
主要対策キーワードごとに、どれくらいの順位につけて、いくらくらいの金額を稼ぐのかがわかるシートを作ります。
まずは目標を達成するために、どのキーワードを上位表示するのかを決めるところからはじめ、それが決まればどのようにそれらを上位表示させるのかを考えていく順番です。
これより【LANY式】SEO目標シートの具体的な作成ステップを解説します。
文章で読むだけでは理解しづらい部分もあるかと思いますので、YouTube動画で実際にデモを撮影しております。こちらも参考にしながら手元で目標シートを作成してみてください。
1. 収益記事の選定
まずはどの記事で収益を上げるのかを考えます。
アフィリエイトであれば、「〇〇おすすめ」「〇〇比較」などのキーワードを対策するまとめ記事や、「〇〇レビュー、評判、口コミ」を対策する商標記事が対象になる場合が多いです。
過去の収益発生記事をもとに考えてもいいですし、まだ収益が発生したことがなければまとめ記事や商標記事をいったんは選定するようにしましょう。
2. 収益記事の主要対策キーワードの設定
1で選定した収益記事ごとに、メインで集客したいと考えている主要対策キーワードを設定しましょう。
まとめ記事であれば「カテゴリ名 おすすめ」、商標記事であれば「商材名 評判」などになります。
1記事に対して1〜3キーワードほど設定すると良いので、まとめ記事と商標記事の場合には、次のようなイメージで設定するのが良いかと思います。
- まとめ記事:「カテゴリ名 おすすめ」「カテゴリ名 比較」「カテゴリ名 ランキング」
- 商標記事:「商材名 レビュー」「商材名 口コミ」「商材名 評判」
SEOは特性上1ページで複数のクエリを対策することになるため、上記のように主要どころのキーワードはページごとに複数洗い出すようにしましょう。
3. 主要対策キーワードの検索ボリュームを調査する
設定した対策キーワードそれぞれの検索ボリュームを調査して記載しましょう。
検索ボリュームはGoogleキーワードプランナー等を用いて調査してください。
検索ボリュームの調べ方は、下記の記事に詳しくおまとめしてますので、調査方法がわからない場合は併せて目を通してみてください。
4. サイトの順位ごとの想定CTRを算出する
「キーワードごとの検索ボリューム × 目標順位の想定CTR = 想定流入数」となるので、順位別の想定CTRを算出します。
順位別の想定CTRの算出方法は、下記の記事にまとめてありますので参考にしてみてください。
もしご自身で算出するのが面倒だという方は、上記の記事内の「検索順位とクリック率(CTR)の関係(平均値)」の箇所の数字を利用しても大丈夫です。
算出した順位別CTRは後ほど参照しますので、スプレッドシートの別シートに記載しておきます。
5. 想定のCTVR(CTR×CVR)を仮置きする
今回のケースは「アフィリエイト」なので、自サイト→広告主サイト→コンバージョンの流れになるため、
- CTR:自サイトから広告主サイトへの送客数(≒リンククリック数)
- CVR:広告主サイトでのCV数
の2つが変数として存在します。
よって、自サイトから広告主サイトへ送客するための「CTR」とその先のLPでの「CVR」を掛け合わせた数字(=
CTVR)を仮置きします。
すでに成果が一定発生している場合には、実績値を利用していただき、成果が発生していない場合には、ざっくり仮置きをしましょう(ASP管理画面などで案件ごとの平均CVRは確認できるかもしれません)
6. 承認率を仮置きする
承認率は案件ごとに大きく異なります。
こちらもCTVR同様に、過去の実績値があるのであればその実績値を参考に、なければASPの管理画面の数字などを参考に仮置きしましょう。
目標シートは一度作って終了というわけではなく、実際の数字をみながら適宜修正していけば良いので、この段階で詳細に検討し続ける理由は特段ないので頭でっかちになりすぎずにえいやで置いてしまっても大丈夫です。
7. 目標順位を設定し、想定CTRを算出する
最後に報酬額を見ながら目標順位は調整しますので、ここではざっくり目指したい順位を入れます(D列)
4で算出した順位別のCTRをVlookupで引っ張ってきてあげることで、順位ごとの想定CTRをE列に入れることができますのでそちらもこのタイミングで合わせて実施しましょう。
8. 想定流入数を算出する
検索ボリュームと想定CTRを掛け合わせることで想定流入数が算出できます。
9. 想定CV数を算出する
想定流入数と想定CTVRを掛け合わせることで想定CV数が算出できます。
これでキーワード別の想定CV数が算出できました。
10. 想定平均CV単価を仮置きする
今回のケースはアフィリエイトにしているため、商材ごとのCV単価(報酬金額)は異なります。
商標記事であれば、そこで紹介している商材の報酬金額がCV単価になりますし、まとめ記事であれば発生するであろう商材の平均単価がCV単価になります。
こちらも過去実績データがあれば過去データを用いて数字を算出し、ない場合には考えすぎずにえいやで決めてしまいましょう。
11. 報酬額を算出する
想定CV数と承認率と想定平均CV単価を掛け合わせて、報酬額を出します。
これでキーワード別の報酬金額が算出できました。
Appendix. キーワードの想定流入数ごとに係数を掛ける
出てきた数字と実績値とでどれくらいの乖離があるのかを検証したところ、上記の例ではまとめ記事のKW系では試算の4倍程度の流入数が稼げることがわかり、商標記事のKW系では試算の2倍程度の流入数が稼げることがわかりました。
そこでそれぞれ×4, ×2の係数をかけてあげて、試算の精度を上げます。
ここまでやれば、それぞれのキーワードを何位にしたらどれくらいの報酬が稼げるのかを見立てられるので、SEOの施策対象ページの優先度や注力度合いを考えやすくなります。
ここまでが目標をどのように達成するのかの戦略部分の作成になります。
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【LANY式】SEO目標シートを使ったPDCAの回し方
SEOでは目標を適切に因数分解して、追いかけやすい指標を設定し、適切なPDCAを回し続けることが何よりも重要だと述べてきました。
ここまでで目標の因数分解と追いかけやすい指標設定(目標順位の設定)は完了していますので、適切なPDCAの回し方(≒戦術)を考えましょう。
あくまで一例ですが、LANYでは下記のような目標進捗シートを用いて、週次モニタリングを実施しています。
追いかけると決めたキーワードの順位を週に1回取得して、スプレッドシートに記載しています。
進捗が非常に悪くて恥ずかしいですが、2行目の「目標達成率」が100%になると、目標収益(KGI)が達成される仕組みです。
順位モニタリングを丁寧にして、目標順位と現状順位の解離がなぜあるのかをキーワード単位で分析し、仮説を立てて施策を打っていくイメージです。
現状、順位取得を実施していない場合は、「GRC」を利用するのがおすすめです。SEOに取り組む上で順位モニタリングをしていないのは、地図なしで北海道から沖縄に向かうくらい無謀です。
世の中にはいろいろな順位取得ツールが存在しますが、コスパと自由度を考えるとGRCの右に出るものはありません。LANYでもGRCを用いて順位取得を実施したり、カニバリ調査や各種SEO分析をゴリゴリ実施しています。
月額2万円もするようなSEO順位取得ツールも多数存在しますが、基本的にGRCを上手く使いこなせば多くのSEO分析を代用することができますので、まずはGRCを利用してみるのが圧倒的におすすめです。
PDCAを回す際のSEO施策は、下記のnoteや記事が参考になりますのでぜひ合わせて読んでみてください。
まとめ
適切な目標と戦略・戦術を立てることで、施策のPDCAが非常に回しやすくなります。
この記事で紹介した方法は、あくまでも一例です。基本的な目標・戦略・戦術を立案する際の概念はご理解いただけたかと思いますので、ご自身のサイトに合わせて調整しながら実施してみてください。
多くの方の適切な目標・戦略・戦術の立案にお力添えできていたら幸いです。
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