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【2025年最新】Yahoo!広告の自動入札機能とは?種類やメリット、注意点を解説
Yahoo!広告には、入札単価を自動で調整する「自動入札機能」があります。この機能は検索広告とディスプレイ広告の両方で活用でき、広告運用の効率化につながります。
ただし、自動入札の種類を理解して適切に運用しないと、期待した効果が得られない場合もあるため注意が必要です。
本記事では、Yahoo!広告の自動入札機能について、その種類やメリット、注意点を詳しく解説します。設定方法もあわせて紹介していますのでので、ぜひ参考にしてください。
Yahoo!広告の自動入札機能とは
Yahoo!広告の自動入札機能とは、広告の目的や目標に応じて自動で入札単価を調節する機能です。
去の実績や予測データをもとに最適な入札単価を算出し、効率的な広告運用をサポートします。
自動入札機能は、Yahoo!の検索広告およびディスプレイ広告で利用できるほか、Google 広告にも同様の機能が備わっています。
詳細は以下の記事で解説していますので、併せてご参照ください。

「自動入札」と「手動入札」の違い
Yahoo!広告の「自動入札」と「手動入札」の主な違いは以下の通りです。
自動入札 | 過去の配信実績をもとに入札額が自動で設定・調整 |
---|---|
手動入札 | 希望する入札額を手動で入力して設定 |
「自動入札」は設定した目標を達成するために、システムが自動的に入札額を調整する仕組みです。
日々の調整はシステムに任せられるため、手間が少なく効果的な運用ができます。ただし、過去の実績や予測をもとに調整するので、新しいアカウントでの利用や実績が少ない場合には推奨されません。
一方「手動入札」では、希望する入札額を手動で入力し、それに応じてインプレッションやクリックが獲得される入札方法です。
予算を詳細にコントロールできるため、予算に限りがある場合に適しています。ただし、競争の激しいオークションにおいて、手動での調整には時間と労力が必要です。
自社の目的や状況に応じて、最適な方法を選択していきましょう。
Yahoo!広告は「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類
Yahoo!広告には、「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類があります。
検索広告 | ユーザーの検索キーワードに応じて検索結果画面に表示される広告広告文・説明文・URLで構成されたテキスト広告 |
---|---|
ディスプレイ広告 | Yahoo! JAPANのトップページや提携パートナーサイトに表示される広告「運用型」と「予約型」の2種類がある |
「検索広告」は、ユーザーがYahoo! JAPANで特定のキーワードを検索した際に、検索結果の上部や下部に表示される広告です。ユーザーの検索意図にもとづいて表示されるためニーズと関連性が高い広告になります。
一方「ディスプレイ広告」は、Yahoo! JAPANのサイトや提携サイトにバナーやテキスト形式で表示する広告です。ユーザーの興味関心にもとづいて広告を配信されるため、より広範囲のユーザーにアプローチできます。
Yahoo!広告の種類や特徴については、以下の記事をご覧ください。

- 自動入札とは、事前に設定した目標や広告予算に応じて自動で入札価格を調整する機能です。広告出稿する際の入札価格が自動で最適化されるため、入札価格の管理や運用コストの削減が見込めます。自動入札では配信した過去のデータをもとに入札単価を調整するので、一定期間の学習期間が必要になります。一定期間は手動で配信をおこない、データ量が溜まったタイミングで自動入札機能を活用することをおすすめします。
【Yahoo!検索広告】自動入札の特徴
Yahoo!広告の自動入札には、「Yahoo!検索広告」と「YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)」があり、それぞれで利用できる入札戦略は異なります。
まずはYahoo!検索広告について解説します。
Yahoo!検索広告の仕組み
Yahoo!検索広告は、ユーザーがYahoo! JAPANの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、検索結果ページに表示される広告です。広告主は、選定したキーワードに対して広告を出稿し、ユーザーがそのキーワードを検索すると、広告が表示されます。
広告の表示順序は、主に「入札額」と「広告の品質」にもとづいて決まる仕組みです。入札額は、広告主が設定したクリック単価(CPC)に影響し、品質スコアは広告の関連性やランディングページの質など、ユーザーの体験にもとづく指標によって評価されます。
また、Yahoo!検索広告では「クリック課金制」を採用しており、広告がクリックされるごとに費用が発生します。これにより、広告主は実際に広告がクリックされた分だけ費用を支払う仕組みとなっており、費用対効果を意識した広告運用が可能です。
Yahoo!検索広告の自動入札が使える入札戦略
Yahoo!検索広告では、以下の自動入札を利用できます。
- 拡張クリック単価
- クリック数の最大化
- コンバージョン数の最大化
- コンバージョン単価の目標値
- コンバージョン価値の最大化
- 広告費用対効果の目標値
- ページ最上部掲載
参照:キャンペーンにおける入札戦略の設定について【検索広告】|Yahoo!広告ヘルプ
上記の自動入札について、1つずつ解説します。
1. 拡張クリック単価
「拡張クリック単価」は、コンバージョン(広告経由での購入や問い合わせ)獲得を最大化することを目的とした自動入札タイプです。
手動で設定した入札単価をもとに、コンバージョン数を最大化するために入札単価を自動調節します。
ユーザーのクリックが発生した際、コンバージョンの可能性が高い場合は入札単価を引き上げ、コンバージョンの可能性が低い場合は入札単価を引き下げます。
コンバージョンの可能性は、以下のユーザー情報にもとづいて予測されます。
- 端末
- ブラウザ
- 地域
- 時間帯 など
参考:自動入札タイプ「拡張クリック単価」について|Yahoo!広告ヘルプ
2. クリック数の最大化
「クリック数の最大化」は、1日の予算内でクリック数を最大化することを目的とした自動入札タイプです。この戦略は、サイトへのアクセス数を増やしたい場合に利用します。
キャンペーン内の予算にもとづき、オークションごとにリアルタイムで入札単価を調整するのが特徴です。この入札戦略により、予算を効率よく活用しながら、できる限り多くのクリックを獲得できるでしょう。
参考:自動入札タイプ「クリック数の最大化」|Yahoo!広告ヘルプ
3. コンバージョン数の最大化
「コンバージョン数の最大化」は、1日の予算内でコンバージョン獲得数を最大化することを目的とした自動入札タイプです。予算内で可能な限り多くのコンバージョンを獲得できるよう、リアルタイムで入札単価を調整します。
「拡張クリック単価」との違いは、以下の通りです。
- 拡張クリック単価:手動で設定した入札単価を元に自動調節
- コンバージョン数の最大化:1日の予算内で入札単価を自動調節
「コンバージョン数の最大化」では、機械学習を活用して幅広いデータを分析し、効果的にコンバージョン数を最大化します。
参考:自動入札タイプ「コンバージョン数の最大化」|Yahoo!広告ヘルプ
4. コンバージョン単価の目標値
「コンバージョン単価の目標値」は、平均コンバージョン単価を維持しながらコンバージョン数を増やすことを目的とした自動入札タイプです。
入札単価は、広告キャンペーンの過去の情報をもとに計算し、目標とするコンバージョン単価を達成しながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるよう調整されます。
この入札タイプは、一定のコンバージョン単価を維持しながら、コンバージョンを獲得したい場合に最適です。
参考:自動入札タイプ「コンバージョン単価の目標値」|Yahoo!広告ヘルプ
5. コンバージョン価値の最大化
「コンバージョン価値の最大化」は、1日の予算内でできるだけ価値の高いコンバージョン(利益率が高い、売上金額が高いなど)を獲得することを目的とした自動入札タイプです。
1日の予算内でコンバージョンの価値を最大化し、ROAS(広告の費用対効果)を高めたい場合に適しています。
入札単価は、機械学習によってリアルタイムで調整され、オークションが発生する度に最適な入札をおこなう仕組みです。
とくに、売上単価や利益率が異なる商品やサービスを提供している場合に効果的でしょう。
参考:自動入札タイプ「コンバージョン価値の最大化」|Yahoo!広告ヘルプ
6. 広告費用対効果の目標値
「広告費用対効果の目標値」は、目標となる広告の費用対効果(目標ROAS)を維持しつつ、コンバージョンの価値を最大化することを目的とした自動入札タイプです。
目標ROASが決まっており、かつ商品やサービスごとに利益率が異なる場合、全体のコンバージョンの価値を最大化するのに適しています。
入札単価は、設定されたROASを維持しながらコンバージョンの価値が最大化されるよう調整されます。
参考:自動入札タイプ「広告費用対効果の目標値」|Yahoo!広告ヘルプ
7. ページ最上部掲載
「ページ最上部掲載」は、検索結果ページで広告を最上部に表示するために、入札単価を自動で調節する機能です。
ユーザーの目に留まりやすい位置に広告を表示させることにより、クリック数増加や認知度向上を目指したい場合に適しています。
広告がページ最上部に掲載される割合(ページ最上部のインプレッションシェアの目標)を設定し、その目標にもとづいて入札単価が自動で調整されます。
参考:自動入札タイプ「ページ最上部掲載」|Yahoo!広告ヘルプ
「ポートフォリオ入札」とは
「ポートフォリオ入札」とは、アカウント単位で入札方法を作成し、複数のキャンペーンに設定できる自動入札です。
キャンペーンごとに自動入札戦略を設定する必要がなく、作業負荷の軽減につながります。
Yahoo!広告では、以下の4つの自動入札タイプがポートフォリオ入札で使用可能です。
- クリック数の最大化
- コンバージョン単価の目標値
- 広告費用対効果の目標値
- ページ最上部掲載
ただし、「コンバージョン数の最大化」と「コンバージョン価値の最大化」は、ポートフォリオ入札では使用できません。
参考:ポートフォリオ入札設定をあらかじめ作成、設定する|Yahoo!広告ヘルプ
ポートフォリオ入札の設定方法
ポートフォリオ入札の設定方法は、以下の通りです。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示し、画面右上の「ツール」から「ポートフォリオ入札」をクリック
- 「ポートフォリオ入札の作成」ボタンをクリックし、作成したい自動入札タイプをクリック
ポートフォリオ入札の設定方法は、以下の通りです。
参考:ポートフォリオ入札設定をあらかじめ作成、設定する|Yahoo!広告ヘルプ
【YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)】自動入札の特徴
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)の自動入札は、広告主が設定した目的に応じて、システムが最適な入札額を自動的に調整する機能です。これにより、手動で入札額を管理する手間が省け、効率的な広告運用が可能になります。
自動入札の特徴は、デバイスや場所などの「シグナル」をもとに最適な入札価格を決定し、ターゲットユーザーへのアプローチを最適化する点です。設定した広告の目的に応じてパフォーマンスを自動調整し、効果的な広告配信を実現します。
この仕組みにより、広告主は運用負荷を軽減しながら、データにもとづいた精度の高い広告戦略を展開できるでしょう。
YDAについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

YDAの仕組み
引用:Yahoo!広告 ネットワークパートナーの特長 | LINEヤフー for Business
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)は、Yahoo!JAPANの提携先サイトやアプリに広告を配信できます。
<主な広告プラットフォーム>
- Yahoo! JAPANのポータルサイト
- Yahoo!知恵袋
- Yahoo!ニュース
- Yahoo!ショッピング
- LINE
- 提携している外部のWebサイト など
幅広い配信ネットワークにより、広告主は多様なオンラインメディアを活用し、ターゲットユーザーに効果的にアプローチできるでしょう。
YDAの自動入札を設定できるキャンペーン
YDAの自動入札に対応している主なキャンペーンは、以下の通りです。
- アプリ訴求
- コンバージョン
- 商品リスト訴求
自動入札を活用することで入札単価を効率的に調整し、限られた予算内で最大限の成果を狙えます。
一方で、動画再生やサイト誘導といったキャンペーンでは自動入札に対応しておらず、手動入札による調整が必要です。キャンペーンの目的に応じて適切な入札方法を選択しましょう。
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告 運用型)の自動入札が使える入札戦略
YDAで利用できる、以下の7つの自動入札について解説します。
- コンバージョン数の最大化 目標値あり
- コンバージョン数の最大化 目標値なし
- クリック数の最大化
- 動画再生数の最大化
- ビューアブルインプレッション数の最大化(β版)
- 友だち追加数の最大化(目標値あり)
- 友だち追加数の最大化(目標値なし)
1. コンバージョン数の最大化 目標値あり
「コンバージョン数の最大化 目標値あり」は、CPA(コンバージョン単価)の目標値を維持しながらコンバージョン獲得数を最大化する自動入札タイプです。
一定のコンバージョン単価を保ちながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できます。
設定後、過去30日間のコンバージョン実績にもとづき、目標CPAに近づけるよう入札単価を自動的に調整します。とくに、目標CPAを設定する際には、直近7日間のCPAデータを基に調整することが推奨されています。
コンバージョン数の最大化を目指しつつ、CPAを一定の範囲に抑えるため、安定した成果が期待できる戦略です。
参考:自動入札「コンバージョン数の最大化 目標値あり」|Yahoo!広告ヘルプ
2. コンバージョン数の最大化 目標値なし
「コンバージョン数の最大化 目標値なし」は、1日の予算内でできるだけ多くのコンバージョン数を獲得することを目的とした自動入札タイプです。
この設定は、直近7日以内にコンバージョン数が20件以上獲得できると見込まれるキャンペーンでの利用が推奨されています。
直近7日以内にコンバージョンが20件以上発生していないキャンペーンに設定する場合、最初はコンバージョン数を最大化するのではなく、一定のコンバージョン数に達するように配信がおこなわれます。7日間で20件以上のコンバージョンが発生すると、コンバージョン数最大化の目標に向かって入札調整が開始される仕組みです。
このタイプは目標CPAを設定せず、純粋にコンバージョン数を増やしたい場合に適しています。
参考:自動入札「コンバージョン数の最大化 目標値なし」|Yahoo!広告ヘルプ
3. クリック数の最大化
「クリック数の最大化」は、予算内でできるだけ多くのクリック数を獲得することを目的とした自動入札タイプです。
オークション発生時に、より低いクリック単価での広告配信が見込める場合のみ入札するよう自動で調整されます。これにより、限られた予算内で最大限のクリック数を得ることができ、効率的にサイトへのトラフィックを増加させられるでしょう。
4. 動画再生数の最大化
「動画再生数の最大化」とは、予算内で動画再生数を最大化することを目的とした自動入札タイプです。
「クリック数の最大化」同様、より低い動画再生単価での配信が見込める場合にのみ入札がおこなわれるよう、自動で調整されます。これにより、限られた予算を最大限に活用し、より多くの動画再生を獲得できるでしょう。
5.ビューアブルインプレッション数の最大化(β版)
ビューアブルインプレッション数の最大化(β版)は、YDAの新しい入札戦略です。指定したキャンペーンの1日の予算内で、ビューアブルインプレッション数を最大化するように自動的に入札価格を調整します。
この戦略では、広告が実際に画面上に表示された場合のみインプレッションとしてカウントされるため、より効果的に予算の使用が可能です。現在はβ版として提供されており、広告効果を最大化するために最適な入札調整がおこなわれます。
6.友だち追加数の最大化(目標値あり)
友だち追加数の最大化(目標値あり)は、LINE公式アカウントにおける友だち追加を最大化するための入札戦略です。設定した友だち追加単価の目標値を維持しながら、できるだけ多くの友だちを獲得できるよう、Yahoo!広告が自動的に入札価格を調整します。
この戦略を活用することで、予算内で効率的に友だち追加数を増やすことが可能です。目標値の範囲内で広告効果を最大化するため、リソースをムダにせず最適な結果を狙えます。
7.友だち追加数の最大化(目標値なし)
友だち追加数の最大化(目標値なし)は、LINE公式アカウントの友だち追加数を最大化するための入札戦略です。友だち追加単価の目標値を設定せず、キャンペーンで指定した1日の予算内で、友だち追加数が最大になるよう自動的に入札価格を調整します。
目標値を設けないことで、柔軟にリソースを活用できるのが特徴です。これにより、広告主は設定した予算内で可能な限り多くの友だちを獲得し、効率的に成果を上げられます。
注意:キャンペーンの目的ごとに設定可能な自動入札が異なる
キャンペーンの目的ごとに設定可能な自動入札タイプを、一覧表にまとめました。
目的 | 重視する点 | 自動入札の種類 |
---|---|---|
コンバージョン数を増やしたい | コンバージョン | コンバージョン数の最大化 |
クリック数 | クリック数の最大化 | |
アプリ訴求したい | コンバージョン | コンバージョン数の最大化 |
クリック数 | クリック数の最大化 | |
サイトのアクセス数を増やしたい | クリック数 | クリック数の最大化 |
動画再生数を増やしたい | 動画再生数 | 動画再生数の最大化 |
商品リスト訴求したい※一部ユーザーのみ | コンバージョン | コンバージョン単価の目標値コンバージョン数の最大化 |
クリック数 | クリック数の最大化 | |
PayPayギフト訴求をしたい※一部ユーザーのみ | コンバージョン | コンバージョン単価の目標値コンバージョン数の最大化 |
クリック数 | クリック数の最大化 |
- Yahoo!検索広告とYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)で利用できる入札戦略について解説しました。広告出稿の目的に応じて活用する自動入札タイプを選択して広告効果をより高めるよう調整しましょう。また、Google 広告でも類似の自動入札機能はありますが、目的を達成するための挙動が多少異なるため注意しましょう。
自動入札の設定方法
キャンペーンごとに自動入札を適用する方法は以下の通りです。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示
- キャンペーンをクリックし「+キャンペーンを作成」を選択
- 「キャンペーン目的」を選択
- 設定したい入札戦略を選択
- 設定内容を確認
- 「作成」をクリック
この手順によって指定したキャンペーンに自動入札が適用され、入札戦略にもとづいた最適な入札調整がおこなわれます。
参考:キャンペーンにおける入札戦略の設定について|Yahoo!広告ヘルプ
Yahoo!広告で自動入札を使う2つのメリット
Yahoo!広告運用時に自動入札を使うメリットを、2つ解説します。
- 入札作業の手間を省ける
- Yahoo!が持つさまざまなシグナルを利用した入札が可能
1. 入札作業の手間を省ける
Yahoo!広告で自動入札を使うメリットの1つ目は、入札単価が自動で調整されるので入札作業の手間が省けるという点です。
手動入札の場合はキーワード単位で、成果を見ながら定期的に入札単価を調整する必要があります。
自動入札の活用で入札単価調整の手間が大幅に軽減され、その分ビジネス課題の理解やクリエイティブの見直しなど、他の重要な作業に時間を使うことができます。
2. Yahoo!が持つさまざまなシグナルを利用した入札が可能
2つ目のメリットは、以下のようなさまざまなシグナルを考慮して、オークション発生ごとにリアルタイムで入札単価を調整できるという点です。
- ユーザーの所在地
- 曜日
- 時間帯
- デバイス など
手動入札の場合でも考慮できるシグナルもありますが、都度設定する必要があり、過去実績を随時考慮しながら設定を変更することは現実的ではありません。
自動入札の機能を利用することで、手動入札より精度の高い入札が可能になるケースが多くなります。
検索広告とYDAで使用されるシグナルについて、一覧表にしました。
<使用されるシグナル>
検索広告 | YDA |
---|---|
・デバイス ・所在地 ・地域への関心 ・曜日、時間帯 ・ターゲットリスト ・広告の特性 ・ブラウザ ・OS ・実際に検索されたキーワード | 【ユーザーに関する情報】 ・プレイスメント情報 ・年齢 ・性別 ・デバイス ・興味、関心のあるカテゴリー ・アクセス時間(週・時間帯) ・地域 ・サイトへの訪問履歴 ・過去の検索キーワード ・広告配信実績 ・オーディエンスリスト 【広告配信に関する情報】 ・広告タイプ ・広告配信実績 |
- Yahoo!広告で自動入札を使用することのメリットは、手動による入札調整の手間を省くことができ、より効率的な入札調整が可能になる点があげられます。自動入札を導入することで運用工数を節約でき、より高度な入札戦略の策定にリソースを割けるようになります。また、さまざまなユーザーのシグナルを考慮するため、より精度の高い入札調整が期待できます。
Yahoo!広告で自動入札を使う際の3つの注意点
Yahoo!広告で自動入札を使う際の、以下の3つの注意点について解説します。
- 最適化が進むまでに一定期間・データ量が必要である
- 急激な変化がある場合、うまく機能しないことがある
- 入札価格調整率による細かな調整ができない
1. 最適化が進むまでに一定期間・データ量が必要である
注意点1つ目は、最適化が進むまでに一定の期間とデータ量が必要という点です。
自動入札は、過去のデータから機械学習を行い、入札単価を調整します。
配信を開始したタイミングでは最適な入札をすることができないため、成果にブレが生じたり一時的に悪化したりする可能性があります。
手動入札や「クリック数の最大化」を用いたり、マイクロコンバージョンを活用したりして配信データを蓄積してから、自動入札に移行することをおすすめします。
また、配信を長期間続けてもコンバージョンデータが少ない場合は、自動入札の成果が出にくいこともあります。
YDAの場合は、自動入札を用いる際は以下のコンバージョン数が見込めるキャンペーンで使用することを推奨しています。
- 「コンバージョン数最大化 目標値あり」の場合:
広告グループ単位で、直近30日間に40件以上のコンバージョンが見込めるキャンペーン - 「コンバージョン数最大化 目標値なし」の場合:
キャンペーン単位で、直近7日間に20件以上のコンバージョンが見込めるキャンペーン
参考:自動入札「コンバージョン数の最大化 目標値あり」|Yahoo!広告ヘルプ
参考:自動入札「コンバージョン数の最大化 目標値なし」|Yahoo!広告ヘルプ
2. 急激な変化がある場合、うまく機能しないことがある
2つ目の注意点は、データに急激な変化がある場合、自動入札がうまく機能しないことがある点です。
自動入札は過去のデータをもとに機械学習をおこない、入札調整を調整します。そのため、大幅な設定変更をおこなうと最適化が追いつかず、一時的に成果が不安定になることがあります。
年末年始やセール期間など、ユーザーの行動が通常と異なるタイミングでは、過去のデータが参考にならず、最適な入札ができないケースも考えられます。
急激な変化が予想される場合は、事前に手動で調整するか、一時的に手動入札へ切り替えるなどの対応を検討しましょう。
3. 入札価格調整率による細かな調整ができない
3つ目は、自動入札機能を利用すると、入札価格調整率の調整がほぼできなくなる点です。
手動入札ではターゲティングごとの入札単価調整率を設定できますが、自動入札では一部の入札タイプを除き、入札単価調整率を設定できません。
入札価格調整率の利用可否について、自動入札タイプ別に一覧表にしました。
自動入札タイプ | 入札価格調整率 | |||
---|---|---|---|---|
デバイスごと | 地域ターゲティング | 曜日・時間帯ターゲティング | ターゲット リスト | |
クリック数の最大化 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
コンバージョン数の最大化 | × ※1 | × | × | × |
ページ最上部掲載 | × ※1 | × | × | × |
コンバージョン単価の目標値 | ◯ ※2 | × | × | × |
広告費用対効果の目標値 | × ※1 | × | × | × |
コンバージョン価値の最大化 | × ※1 | × | × | × |
※1 「引き下げ率:100%」に設定した場合のみ有効となり、該当のデバイスには広告配信しない。
※2 調整率は「入札価格」ではなく「コンバージョン単価の目標値」に適用される。
また、YDAの場合はすべての自動入札タイプで、入札価格調整率の設定ができません。特定のターゲット層への配信を強化したい場合は、広告グループの細分化や配信設定の工夫が求められます。
- 自動入札を使用する際には、広告出稿の目的に応じた自動入札タイプを使い分けた上で、目標を明確に設定することも重要です。自動に任せきりにならず常時パフォーマンスを監視して挙動を確認するように注意しましょう。うまく自動入札が機能しない場合は手動に切替えて運用するのも大事な判断です。
Yahoo!広告の自動入札を利用する際の6つのポイント
自動入札を利用する際の、以下の6つのポイントについて解説します。
- アカウント構造をシンプルにする
- 自社の目的に合った入札戦略を選択する
- 過去実績に近い目標値から始める
- 一定の学習期間を設ける
- 検索クエリが広がりやすいマッチタイプを使う
- レスポンシブ広告を使う
1. アカウント構造をシンプルにする
1つ目のポイントは、アカウント構造をシンプルにすることです。
自動入札では、キャンペーンや広告グループの過去実績をもとに入札単価が調整されます。そのため、過度な分割はせず、十分な配信データが蓄積される構造にすることが重要です。
たとえば、性別や年齢別でキャンペーンや広告グループを細かく分けている場合、それぞれのデータが分散して学習が進みにくくなります。ターゲットを統合し、アカウント構造を整理することで、自動入札の効果を最大限に引き出せるでしょう。
2. 自社の目的に合った入札戦略を選択する
2つ目のポイントは、自社の目的に合った入札戦略を選択することです。
自社の目的に合う入札戦略を適用するためには、事前準備が必要な場合もあります。
たとえば「コンバージョン数の最大化」を利用したくても十分なデータがない場合は、まずは「クリック数の最大化」を選択してデータを蓄積する必要があります。
最終的な目標をそのまま自動入札戦略に適用するのではなく、目標達成までの段階を考慮しながら戦略を選ぶことが大切です。
コンバージョン経路の各ポイントを計測しておくことで施策の幅が広がるため、マイクロコンバージョンについても抑えておくとよいでしょう。

3. 過去実績に近い目標値から始める
3つ目のポイントは、過去の実績に近い目標値から自動入札の運用を始めることです。
コンバージョン単価(CPA)を下げたいからといって、目標値を現実的なラインより低く設定すると、かえってコンバージョン単価が上昇し、成果が悪化する可能性があります。ここでは現実的な目標値を設定し、徐々に調整していくことが重要です。
とくに、以下の自動入札タイプを適用する場合は、過去の実績や直近30日のCPAなどをもとに、近い値を目標値を設定しましょう。
過去実績に近い目標値を設定すべき自動入札タイプ
- 検索広告の場合:「コンバージョン単価の目標値」、「広告費用対効果の目標値」
- YDAの場合:「コンバージョン数の最大化 目標値あり」
4. 一定の学習期間を設ける
4つ目のポイントは、自動入札の効果が出るまで一定の学習期間を設けることです。
自動入札は機械学習によって最適化されるため、設定後約2週間は大きな変更を加えずに配信実績を確認することが推奨されます。
ただし、YDA「コンバージョン数の最大化 目標値あり」を設定しした場合、直近7日間の配信状況によっては調整が必要です。
自動入札設定後の挙動 | 対処法 |
---|---|
挙動が安定している | 7日間を目安にコンバージョン単価(CPA)を確認し、コンバージョン単価の目標値を調節する |
インプレッション(表示回数)減少 | 2週間ほど続く場合は、コンバージョン単価の目標値を約+20%の範囲内で引き上げる |
CPA(1コンバージョンあたりの獲得単価)が悪化 | 2週間ほど続く場合は、コンバージョン単価の目標値を約−20%の範囲内で引き上げる |
目標値を大きく変更するほど機械学習の動きも大きくなり悪影響が出やすくなるため、目標値の設定変更は慎重に行いましょう。
参考:自動入札「コンバージョン数の最大化 目標値あり」|Yahoo!広告ヘルプ
5.検索クエリが広がりやすいマッチタイプを使う
検索クエリの幅を広げるために「部分一致」や「フレーズ一致」を使用しましょう。
マッチタイプの種類 | 配信条件 |
---|---|
部分一致 | 設定したキーワードの一部がユーザーの検索した検索クエリと一致・意義・関連する場合に広告を表示 |
フレーズ一致 | キーワードと同じ意味・クエリを含む検索クエリに対して広告を表示 |
ただし、「部分一致」は検索範囲が広がる分、意図しないクエリにも広告が表示される可能性があります。そのため、運用が安定してきたあとに徐々に導入するのが効果的です。
検索クエリが広がりやすいマッチタイプを適切に使い分け、ターゲットの拡大と安定した運用の両立を目指しましょう。
6.レスポンシブ広告を使う
現在、検索広告において新たに広告文を作成する場合、レスポンシブ広告が必須の形式となっています。以前は「拡大テキスト広告」という広告フォーマットが存在しましたが、現在は廃止され、すべての新しい広告はレスポンシブ広告の形式で作成する必要があります。
レスポンシブ広告は、広告主が複数の見出しや説明文などの要素を組み合わせて、最適な広告を表示する形式です。自動入札機能との相性も良く、広告が多様な検索クエリに柔軟に対応できるため、より高いパフォーマンスを期待できるでしょう。
- 自動入札が安定的に機能するためには、一定量のコンバージョンデータが必要です。また、コンバージョンデータの蓄積方法も、キャンペーンや広告グループをむやみに分けて作成するとデータも分散してしまうためシンプルなアカウント構造になるようにも注意しましょう。不安定な挙動が続く場合には広告グループ単位でコンバージョン数が確保できるように調整することも媒体では推奨されています。
Yahoo!広告の自動入札機能で費用対効果を高めよう
Yahoo!広告の自動入札は、さまざまな目的に応じて入札単価を自動調整する機能です。
設定した目標値や過去実績などをもとに、機械学習を活用して入札価格が最適化されます。
自動入札機能を利用することで、運用負荷の軽減と入札精度の向上が期待できます。
Yahoo!広告の検索広告とYDAではそれぞれ7つの自動入札タイプが利用可能です。
自動入札を使う際はぜひこの記事を参考に、目的に応じたタイプを選択して運用してみてください。
また、LANYでも広告運用の代行をおこなっています。広告戦略の立案から運用まで一貫してサポートしていますので、成果の上げる広告運用を実現したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。