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品質スコアとは?算出要素や注意点など、10個の改善方法も合わせてご紹介!
品質スコアは、広告の評価を10段階で数値化した指標です。
数字が大きくなるほど評価が高いことを意味し、上位に表示されやすくなります。
広告は上位に掲載されると高い効果が見込まれるため、品質スコアの改善は広告運用において重要な施策です。
この記事では、品質スコアの概要や設定方法、低いときの対処法を解説します。
品質スコアとは?
品質スコアは「広告の品質の目安を数値化した指標」のことです。
品質スコアは広告出稿時に登録したキーワードごとに評価され、1~10のスコアが付けられます。
自社広告が他の広告と比べて、どれほど検索ユーザーにとって有用か比較する際の参考指標として役立ちます。
数値が高いほど自社広告が高品質であると予測でき、低い場合は広告の品質を改善する余地があると考えられるでしょう。
広告の改善の有無を診断するツールとして品質スコアは活用できます。
また、Yahoo!広告では「品質インデックス」と呼びますが、本記事では品質スコアで統一して解説します。
参考:品質スコアについて|Google 広告 ヘルプ
参考:品質インデックス【検索広告】|Yahoo!広告ヘルプ
- 品質スコア(Yahoo!では、品質インデックス)はキーワードごとに評価されます。1〜10で数値化されていて、10に近いほど媒体から高く評価されていることになります。
- 広告文や広告をクリックした後に遷移するランディングページが、ユーザーの検索意図と関連性が高いとスコアが高くなります。
- 品質スコアが高いと、クリック単価を低く設定しても広告が上位表示されるようになるので、広告運用にとって非常に重要な指標です。
品質スコアを決める3つの要素
品質スコアが決まる要素は以下の3つがあります。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディング ページの利便性
品質スコアを改善するための重要な要素になりますので、それぞれの内容を詳しく把握しておきましょう。
要素1:推定クリック率
推定クリック率とは「広告が表示されたユーザーにクリックされる確率を推定した指標」のことです。
推定クリック率が判定される要素として以下のようなものがあります。
- 過去のクリック率
- 過去のインプレッション数
- 広告の掲載順位
- 広告表示オプションの設定の有無
推定クリック率は予測値であり、実際のクリック率とは異なるので注意が必要です。
参考:クリック率とは|Google 広告 ヘルプ
参考:Google 広告の推定クリック率について|Google 広告 ヘルプ
要素2:広告の関連性
ユーザーの検索意図と広告の関連性の高さも品質スコアに大きく影響します。
以下が広告の関連性の評価材料になるため、意識して広告を作成しましょう。
- 広告文の表現とユーザーの検索語句の表現が一致している
- ユーザーの知りたい情報が広告文に記載されている
上記の項目をクリアしている広告は品質スコアが高くなる傾向にあります。
要素3:ランディング ページの利便性
ランディングページが操作しやすく、すぐにユーザーが欲しい情報を手に入れられることも品質スコアにとって重要な要素です。
ボタンの押しやすさや読み込みのスピードなど、ランディングページはさまざまな観点で評価されます。
ランディングページの利便性が高いほど品質スコアが向上するため、低い場合は改善が必要です。
なお、上記3つの要素はGoogle 広告で評価され、管理画面でそれぞれの評価を確認できます。
評価は他社広告との比較により、以下の3段階に分けて評価されます。
- 平均より上
- 平均的
- 平均より下
3つの要素のうち1つでも「平均より下」であれば、広告を見直すことをおすすめします。
参考:広告の推定クリック率について|Google 広告ヘルプ
- 品質スコアには「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディング ページの利便性」の3つの構成要素があります。それぞれの要素が他社の広告と比較され評価されます。あくまで参考ではありますが 「平均的」あるいは「平均より下」がないかチェックをして手直しのヒントにしていきましょう。
品質スコアを上げる2つのメリット
広告を改善して品質スコアを上げることで広告ランクが改善する可能性があります。広告ランクが改善することで、以下の2つのメリットがあります。
- インプレッションの機会損失が減る
- クリック単価(CPC)が安くなる
下記にて、広告ランクが上がることと、メリット2つについてそれぞれ詳しく解説していきます。
広告ランクが上がるメカニズムについて
品質スコアを改善すると広告ランクが改善する可能性があります。
品質スコアと広告ランクは別物で、「広告ランク」は広告の掲載順位を決めるときに使用される値です。
広告ランクは、以下の要素から算出されます。
- 入札単価
- 広告の品質
- 広告ランクの下限値
- オークションにおける競争力
- ユーザーが検索を行ったときの背景情報
- 広告フォーマットの見込み効果
広告ランクの算出要素に広告の品質が含まれているため、広告の品質が高いほど広告ランクが上がります。(Yahoo!ではオークションランクと呼びます。)
品質スコア自体は「広告の品質」の参考値であり、広告ランクの算定には使用されていません。
しかし、品質スコアを上げると広告の品質向上につながる可能性があるため、広告ランクのアップが期待できるでしょう。
メリット1:インプレッションの機会損失が減る
広告ランクが低いと広告を掲載されにくくなり、設定したキーワードと検索語句が一致してもユーザーに広告を配信できません。
結果、広告を見るユーザー数が減るため大きな機会損失になってしまいます。
品質スコアが上がることで、広告の品質がプラスに評価され広告ランクが上がる可能性があります。
指定したキーワードでの広告掲載順位が向上し、インプレッションシェアの向上に繋がることでクリック数の向上が見込めます。
メリット2:クリック単価(CPC)が安くなる
広告ランクが上がる要素の1つとして「1 回あたりの広告のクリックに対してお支払い可能な上限額として設定する入札単価(上限クリック単価)」があります。
広告ランクをあげるために、上限クリック単価を高く入札することで掲載順位の引き上げを図ることもありますが、広告費が増えるため広告戦略としては力技になりがちです。
広告の品質を高めることで広告の掲載順位は上がりやすくなり、クリック単価を抑えるといった本質的な施策を取ることが重要です。
クリック単価を抑えられるため、費用対効果の高い広告運用ができ、CPAの改善も期待できるでしょう。
- 品質スコアは、広告の掲載順位やクリック単価に影響してきます。品質スコアを上げることで、クリック単価を安く抑えることができ、広告費を押し下げることでCPAの改善にもつながります。
品質スコアについての3つの注意点
品質スコアの意味や活用方法を正しく理解しておかないと、間違った広告戦略を立ててしまい、思うような成果が得られないかもしれません。
以下の3つの注意点を把握して、正しく品質スコアを扱えるようにしましょう。
- 登録キーワードと完全に同内容の検索に対する評価
- KPIとして扱わない
- 広告オークションの評価材料ではない
注意1:登録キーワードと完全に同内容の検索に対する評価
品質スコアは「指定したキーワードと完全一致の検索がされた場合」に評価されます。
つまり、検索クエリと入稿キーワードが完全に一致することを前提としているため、マッチタイプを変更しても品質スコアに影響はありません。
ただし、部分一致やフレーズ一致の場合、関連性の低い検索クエリがインプレッションに含まれる場合がありますが、同一の内容ではないので影響がありません。
これらのマッチタイプの出稿を減らしたり、関連性の低いキーワードの除外をしたとしても、品質スコアが高くなることはありません。
注意2:KPIとして扱わない
品質スコアは広告の品質を改善するための診断ツールであり、KPIに活用できる指標ではありません。
広告の品質の目安を数値化した指標であるため、品質スコアを上げることが直接的に成果につながると考えるのは短絡的です。
広告運用でKPIを設定する場合は以下の数値を活用してください。
- クリック率(CTR)
- インプレッション数(imp)
- コンバージョン率(CVR)
- 獲得単価(CPA)および広告費用対効果(ROAS)
参考:改善の指針としての品質スコア|Google 広告 ヘルプ
注意3:広告オークションの評価材料ではない
Google 広告やYahoo!広告では、キーワードごとの広告ランクがオークションによって算出されます。
広告ランクは広告の品質によって算出されますが、品質スコア自体は広告ランクの評価材料ではありません。
品質スコアは改善が必要であることを知らせる指標であるため、広告ランクとは関係がないことを理解しておきましょう。
なお品質スコアは、あくまで品質改善が必要な広告を特定する手掛かりとして提供されている診断用の数値であり、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。品質スコアの数値(1~10)そのものを最適化しようとするのではなく、品質の低い広告を診断するための情報としてご活用ください。
広告の品質を測定し改善する方法
- 品質スコアは、1-10の数値で評価されていて見易くわかりやすく、かつ管理画面上で簡単に確認できるため、つい改善施策として注力しがちです。品質スコアはあくまで結果論であり、スコアの最適化が成果(売上)向上ではないことをしっかり理解しましょう。スコアを高めるための施策がかえってユーザー体験を損なうことになり、広告効果の悪化につながることもあるので要注意です。
品質スコアを改善する10の対処法
品質スコアが低い場合、原因を考えて正しく対処する必要があります。
以下の3つのパターンに分けて計10個の対処法を紹介していますので、ぜひ実践してみてください。
- 構成段階
- 関連性の向上
- 利便性を向上
構成段階
対処法1:完全一致やフレーズ一致のマッチタイプを活用する
品質スコアが正確に把握できるような構成にしておくことで、改善のスピードを早められることができます。
方法として、完全一致やフレーズ一致のマッチタイプを活用することです。
部分一致では、評価対象外の検索語句のインプレッションが多く含まれるため、品質スコアを正確に捉えられません。
完全一致やフレーズ一致のマッチタイプを活用することで、検索語句と広告文やランディングページとの関連性の精度を高めることができます。
関連性の向上
品質スコアに影響する「クリック率」と「広告の関連性」を向上する方法を4つ紹介します。
対処法2:キーワード挿入機能や広告カスタマイザを活用する
ユーザーのあらゆる検索語句に応じて広告文を変更できる「キーワード挿入機能」や「広告カスタマイザ」を活用しましょう。
それぞれの機能について表で簡単に紹介します。
機能 | 概要 |
---|---|
キーワード挿入機能 | 広告表示につながったキーワードが自動的に広告文に挿入される機能で、より検索語句に合わせた広告文を表示できる。 |
広告カスタマイザ | 登録したキーワードや地域、日時に応じて広告文を自動で変更できる機能で、ユーザーの属性に応じて細かく広告文を設定できる。 |
それぞれユーザーに最適な広告を配信できるようになり、クリック率が向上するでしょう。
参考:広告文のキーワードの挿入機能について|Google 広告 ヘルプ
参考:広告カスタマイザについて|Google 広告 ヘルプ
参考:キーワードの自動挿入の設定方法|Yahoo!広告ヘルプ
参考:アドカスタマイザーについて|Yahoo!広告ヘルプ
対処法3:広告表示オプションを活用する
広告の下に情報を追加できる広告表示オプションの活用も、クリック率向上への施策として有効です。
広告の表示面積が拡大できるためユーザーの目に留まりやすくなり、広告がクリックされやすくなるでしょう。
広告オプションを活用することで以下のようなことができます。
- 商品やサービスの説明の追加
- 広告見出しで設定したリンク以外のWebページへの遷移
- 電話番号や住所の掲載
参考:アセットについて|Google 広告 ヘルプ
参考:広告表示アセットとは|Yahoo!広告ヘルプ
広告表示オプションにはさまざまな種類があり、広告戦略に応じて有効なオプションが異なります。
広告表示オプションの種類や活用方法を詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
対処法4:自社の強みなどユニークな表現を盛り込む
クリックされる可能性を高めるためにも、自社が優位に立てる広告を作成しましょう。
自社や自社商品・サービスについて分析し、他社より優れている点を探して広告文に盛り込みます。
ターゲット層の好む表現も踏まえながら、オリジナリティのある広告文を作成してください。
広告文の作成方法についてはこちらの記事でより具体的に紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
対処法5:アカウント構成を見直す
訴求軸や表示させる広告文が同一にも関わらず、アカウント構成が複数の広告グループでまたがって運用していると、品質スコアの評価としてあまり好ましい設計ではありません。
特に、Google 広告では品質スコアの判断要素として広告グループ単位での表示回数も関係しています。
細分化しすぎて、一定の表示回数が満たされていないと評価自体がされないのです。
そのため、同じ訴求軸のキーワードは1つの広告グループに集約することで評価するための量を担保することが必要です。
参考:品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法|Google 広告 ヘルプ
利便性を向上
ランディングページの利便性が「平均より下」の場合の対処法を5つ紹介します。
対処法6:オリジナル要素のあるランディングページにする
広告文と同様、ランディングページもオリジナル要素を多く盛り込みましょう。
オリジナル性がないランディングページは評価が低くなります。
自社商品やサービスの強みや他社にない機能を記載し、ユニークなランディングページを作成してください。
同時に広告文とランディングページの関連性を高くすることも必要です。
対処法7:どのデバイスでも対応できるようにする
スマホやタブレット端末、PCなどのデバイスに対応できるようにランディングページを設計してください。
デバイスによって利表示崩れや可読性の低いデバイスが存在すると、ユーザーがランディングページから離脱する要因となるからです。
滞在時間の短いランディングページは品質スコアが低くなる原因になるので、どのデバイスでも快適に操作できるようにしましょう。
参考:品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法|Google 広告 ヘルプ
対処法8:読み込み時間を短縮する
スマホユーザーの場合、ランディングページの読み込みに3秒以上かかると離脱する可能性が非常に高くなります。
読み込み時間を短くするためにも、以下のような対策をしましょう。
- 画像ファイルの圧縮
- 不要なHTMLやCSSのコード削除
- AMPの活用
- JavaScriptの最適化
参考:Accelerated Mobile Pages(AMP)について|Google 広告 ヘルプ
PageSpeed Insightsというサイトで読み込み時間を測定できるので確認してみてください。
対処法9:信頼性を高める
広告をクリックしたユーザーが安心してランディングページを閲覧できるよう、以下のようなことを記載して信頼性を高めましょう。
- 会社情報
- 会社の実績
- 購入したユーザーからの評価
- プライバシーポリシーやセキュリティポリシー
- 専門用語の解説
情報に透明性があることでユーザーの購買意欲を高められるため、コンバージョン率の向上にもつながります。
対処法10:操作性を高める
ランディングページの見直しをするときは、ユーザーインターフェースも意識してみてください。
商品やサービス購入までの導線がわかりにくいとコンバージョン率が低くなるためです。
購入ボタンの位置や文字の読みやすさなどを確認し、ユーザーが操作しやすいランディングページを設計しましょう。
- 広告からランディングページまでがユーザーにとって有益かつ利便性の高いものになっているかどうか、というユーザーファーストの視点に立って品質スコアを改善し、ユーザーが求めている情報を適切に伝えていきましょう。
- GoogleやYahoo!の検索エンジンは「ユーザーにとって役に立つ情報(広告)」を評価し検索の上位に表示する仕様です。この背景としては、検索結果に表示される情報の質やユーザービリティーの高さがプラットフォーム自体の価値であるためです。品質スコアの改善施策を行う際は、ユーザーの視点・媒体側の視点で取り組むことを意識してみましょう。
品質スコアを確認する方法
Google 広告とYahoo!広告それぞれの品質スコアを確認する方法を紹介します。
まだ品質スコアを確認できる設定をしていない方は参考にしてみてください。
Google 広告の場合
- Google 広告にログインし、左のメニューから「キャンペーン」をクリックし、「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」から「検索キーワード」を開きます。
- 表の右上にある表示項目をクリックし、「キーワードの表示項目を変更」画面に遷移します。
- 「すべての列」から「品質スコア」を展開して、以下の項目をチェックしましょう。
・品質スコア
・ランディング ページの利便性
・推定クリック率
・広告の関連性 - 「適用」をクリックすれば設定が完了し、「キーワード」画面の表に品質スコアが表示されます。
Yahoo!広告の場合
- 広告管理ツールから「全てのキャンペーン」→「キーワード」の順にクリックします。
- 品質インデックスの3つの要素を確認したい場合は、「表示項目」→「表示項目の編集」の順に押して以下の表示項目を追加してください。
・広告の関連性
・ランディングページの利便性
・推定クリック値 - 上記をチェックして「適用」ボタンをクリックすることで、キーワード一覧に各項目が表示されます。
品質スコアを改善して広告の上位表示を目指そう
品質スコアは、広告の品質を数値化した指標です。
「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3要素で決定されます。
品質スコアを改善することで広告ランクの向上にともなう新規ユーザーの獲得や、クリック単価の低下が期待できます。
品質向上のためには、ユーザーに訴求力のある広告作成や、信頼性と操作性を考慮したランディングページの構築が重要です。
広告品質の改善には、専門的な知識と経験が必要になります。自社でカバーできない範囲の施策は、専門家へ相談するのもひとつの選択肢です。
LANYでは、広告を通じたPR施策を、出稿から運用まで一気通貫で支援しております。商品やサービスのPRにお悩みの方は、ぜひLANYまでお気軽にご相談ください。