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【指標解説】クリック数とは?増やすメリットや改善方法、主要広告媒体のクリック定義の違いも解説!
Web広告で認知拡大を目指すには、多くのユーザーに広告をクリックしてもらうことが重要で、多くの企業でクリック数という指標を用いて計測しています。
クリック数が増えることで、サイトの訪問者数が多いことを把握でき、よいクリエイティブを制作できていると考えられます。一方で、クリック数が思うように伸びない場合はクリエイティブの改善が必要ですが、どのような点に気を付けて作り直せばいいかわからない方もいるでしょう。
本記事では、クリック数について増やすメリットや、改善方法などを解説します。主要広告媒体のクリックの定義の違いも紹介しますので、クリック数の意味を適切に把握して広告運用をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
広告運用におけるクリック数ってどんな指標?
クリック数は広告運用で重要な基本指標の一つで、広告がクリックされた回数のことです。
広告からWebサイトへの集客数を確認する指標や、広告がユーザーの興味関心を引きつけた度合いとして、クリエイティブを評価する指標にもなります。
すべてのクリックがカウントされるわけではなく、広告媒体が無効と判断した場合は除外される可能性があります。
<除外される可能性があるクリック(Google 広告の場合)>
- 広告主様の費用や、広告を掲載するサイト運営者の収益を意図的に増やすために手動で行われるクリック
- 自動クリック ツールやロボットなどの不正なソフトウェアによるクリック
- ダブルクリック時の 2 番目のクリックなど、広告主様にとって価値のない余分なクリック
引用:無効なクリック: 定義
<除外される可能性があるクリック(Yahoo!広告の場合)>
- 正常なサイト訪問、購買につながらないクリック
- ユーザーによる誤クリック
- 悪意があると判断されるクリック
手動や自動で故意におこなわれた悪質なクリックや、うっかりダブルクリックしたときの2回目のクリックは除外され、純粋なクリックだけが集計されるようになっています。
広告媒体ごとのクリックの定義とは
クリックは、広告媒体によって定義が異なります。
Google 広告 | ・広告のクリック ・テキスト広告の青い見出しや電話番号のクリック |
Yahoo!広告 | ・広告のクリック、タップ ・動画広告の場合、リンク先へ遷移するまでが1クリック(動画再生のためのクリックは除外) |
Facebook(Instagram)広告 | ・広告の画像やURLのクリック ・広告の他の部分のクリック (例) – 投稿への「いいね」、コメント、シェア – プロフィールのクリック – 画像、動画の拡大ボタンのクリック |
Twitter広告 | ・フォロワー獲得広告:ユーザー名またはプロフィール画像のクリック ・プロモ広告:プロモ広告のクリック (URL、プロフィール画像、表示名、ユーザー名、詳細、ハッシュタグ、いいねへのクリック) |
参考:Google 広告のクリック数の定義 | Google公式ヘルプ
参考:Yahoo!広告のクリック数の定義 | Yahoo!公式ヘルプ
参考:Facebook(Instagram)広告のクリック数の定義 | Facebook公式ヘルプ
参考:X(旧Twitter)広告のクリック数の定義 | Twitter公式ヘルプ
クリック数とクリック率(CTR)の違い
クリック数と似た用語で、クリック率(CTR)というものがあります。
「Click Through Rate」の略で、広告が表示された回数のうち、クリックされた割合を表す指標です。
計算式:(クリック数÷広告や記事の表示回数または配信数(インプレッション数))×100
(クリック率の計算例)
・広告の表示回数:10,000回
・CTR=10%
・CTRが高いほど、広告に興味関心を抱いたユーザーが多いという指標になります。
業界によって目安となるCTRは違います。
詳しい業界ごとの平均CTRは下記の記事にて解説していますのでチェックしてみて下さい。
- クリックは、広告表示したユーザーの興味・関心を確認する要素となります。広告がクリックされたということは、少なくとも興味・関心を抱いている証拠です。クリックの指標は広告運用において重要となるのでしっかり理解していきましょう。
- クリックの定義は媒体によって異なります。それは媒体によっての広告仕様が異なるためです。どの媒体がどのような広告仕様なのかも併せて確認しましょう。
- CTRは広告が表示されてからクリックされた割合です。CTRの指標がクリエイティブの良し悪しを判断する指標にもなります。
広告のクリック数を増やすメリット
「クリック数を増やしたい」と考えている方は多いですが、具体的にどのようなメリットがあるのか把握した上で運用することで方向性が定まり、成果が出やすくなります。
広告のクリック数を増やすメリットは下記です。
- 見込み客のサイト訪問者数が増える
- 分析データがたまりやすくなる
- オーディエンスリストの母数が増える
1つずつ解説します。
見込み客のサイト訪問者数が増える
クリック数が増えるということは、Webサイトへの訪問者数が増えるということです。訪問者数を増加させることで、自社商品やサービスに対する見込み客も獲得することができます。
問い合わせや購入といったコンバージョンを増やし広告の成果を高めるためには、そもそもの母数となるクリック数を増やすことが重要です。
分析データがたまりやすくなる
Webサイトへの訪問者数が増えれば、サイト内でユーザーがどういう行動を取る傾向にあるのかといった統計的な分析がしやすくなります。
- エンゲージメント率
- 離脱ポイント
- 問い合わせフォームや購入ページへの到達率
- ABテストのレポート結果
これらの項目について、ユーザーが取る行動の傾向を把握できます。
コンバージョン率が上がらなかったとしても、ユーザーの行動を分析しコンバージョン率が上がらない理由を推測することで、サイト設計の改善が可能です。
また、集客に効果のある広告と効果がない広告を比較・分析できるので、クリエイティブやターゲティング、配信スケジュールなどの改善に役立てられます。
オーディエンスリストの母数が増える
広告の役目は、Webサイトに新規ユーザーを集客することだけではありません。リマーケティング広告を活用することで、一度Webサイトに訪問したユーザーに広告を配信し、再訪問を促せます。
広告をクリックしたユーザーがWebサイトに訪問すると、オーディエンスリストにデータが蓄積されます。
リマーケティング広告は、一定数リストが溜まってからでないと配信できませんので、クリック数を増やしてWebサイトへの集客を強化することも必要になるでしょう。
オーディエンスリストの母数を増やしリマーケティングに活用すれば、コンバージョン数の増加が期待できます。
- クリック数を増やすと見込み客のサイト訪問が増えるので、お問い合わせなどのコンバージョンが増える可能性があります。
- 広告運用の成果改善のためにクリックを貯めることでデータ分析もしやすくなります。まだコンバージョン数が少ない商材の場合は、まずはクリック(もしくはCTR)を指標として分析することを考えてもいいでしょう。
- コンバージョン(商品購入や資料請求、問い合わせなど)を達成するためには、クリック数を増やすことが非常に重要です。自社サイトの訪問からコンバージョンに至るまでの歩留まりを意識して、十分なクリック数を確保していきましょう。
広告のクリック数を増やすデメリット
広告のクリック数が増えることで、デメリットも生じます。メリット・デメリット両方を把握した上で、広告を作成・管理・運用することをおすすめします。
広告費が増える
Web広告の料金体系は、基本的にクリックに対して課金がされるクリック単価制です。
<広告費の計算式(クリック単価制)>
クリック単価×クリック数=広告費
クリック数が多ければその分広告費は増えます。
Google 広告やYahoo!広告では、日予算を設定するので、単日で予算を超えることはあっても、平均すると日予算内に収まるように調整がかかり、広告が露出しなくなったりします。
限度額以上に費用が発生しない仕組みになっていますが、予想以上にクリック数が多いと配信期間が短くなってしまいます。
そのため、広告予算を引き上げるなどの対応が必要です。
参考:Google 広告ヘルプ「費用の上限について」
参考:Yahoo!広告「広告の料金・費用」
リスティング広告の費用発生の仕組みについては下記もご参照ください。
リマーケティングリストの質が落ちる可能性がある
リマーケティング広告では、オーディエンスリストの母数が多い方が効果がよい傾向があります。
ただ、むやみに母数を増やそうとして見込みの薄いユーザーの広告クリックを誘発してしまうと、リストの中に見込みの薄いユーザーの割合が増えます。
そうなると、リマーケティング広告を配信しても見込みの薄いユーザーに広告が出る割合が高くなり、コンバージョンに繋がりにくくなる可能性があります。
リマーケティング広告で成果を出すには、見込み客となりうるターゲットの広告クリックを増やし、リストの質を高めることが前提です。
- クリック数を多く獲得する広告が一概に良いとは言い切れません。それは誇大広告であったり、誤認されるようなクリエイティブであることも少なくないためです。
- CTRが高すぎる広告もターゲットを絞れていないことにもなるため、無意味なクリックを獲得して不必要な予算消化に繋がっている可能性もあります。
- 無意味なクリックを獲得しないようにするためにも、見込み客となりうるターゲットを定め、クリエイティブに反映させることで良質なクリックを増やしていきましょう。
広告のクリック数を増やす方法
広告のクリック数がなかなか増えず、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この章では、広告のクリック数を増やす方法を紹介します。
基本的な考え方や具体的な手法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
広告文を見直す
広告のクリック数を増やすには、広告クリエイティブを改善してみましょう。
改善のポイントとしては下記です。
- 商品やサービスの特徴がわかりやすい
- メリットや魅力が伝わりやすい
- 配信サイトや検索キーワードとの関連性が高い
これらの点に沿って広告文を見直し、広告の質を高めていきましょう。
さらに成果を出すためには、検索結果画面や配信サイトの広告枠の中で、他社の広告よりも目立つ必要があります。
他社が類似の商品サービスで広告を出している場合は必ずチェックして、差別化のために参考にしてみてください。
ターゲットを絞って広告を出す
広告を配信する際、ただ広範囲に広告を配信しても効果は良くなりにくいです。
ターゲット(ペルソナ)を絞り込み、どのようなユーザーに広告を見てほしいかを考える必要があります。
ターゲット(ペルソナ)を絞り込むと、以下の点で役立ちます。
- 配信ユーザーの絞り込み
- 訴求力の高いクリエイティブ作成
- 配信サイトの選定
- 配信スケジュールの決定
さらに、適切なターゲット(ペルソナ)を設定する上での考え方やポイントは下記を参考にしてみましょう。
<ターゲット(ペルソナ)を作る時のポイント>
- 年齢
- 性別
- 年収
- ライフスタイル
- どのような悩みを持っているか
- 広告を見るタイミングや、商品サービスを必要とするタイミングはいつか
これらの項目に沿ってターゲットを絞り込んだうえで、配信計画を作成することをおすすめします。
入札戦略を変更する
Google 広告では、「自動入札戦略」の機能を利用できます。
目的に応じて異なる入札戦略を選んで設定することができます。
<主な入札戦略>
- クリック数の最大化
- コンバージョンの最大化
- インプレッションの最大化
- 視聴回数の最大化
クリック数を最大化したい場合は、「クリック数の最大化」機能を利用します。
1日の平均予算を設定しておけば、クリック数が最大になるよう自動でクリック単価を設定してくれる機能です。
クリック数を増やすために、1日の平均予算を高めに設定するのもおすすめです。
使える予算が増え、クリック数も増える可能性が高まります。
最大限のクリック数を得るため、クリック単価の上限を指定せず利用することも可能です。
広告アセットを設定する
リスティング広告(検索広告)では、広告アセットを利用できます。
以下で一部の広告アセットを紹介します。
- 広告文以外の補足テキスト
- 電話番号や住所
- 特定のページへのリンク
これらのオプションが利用でき、クリック数を増やすために組み合わせて活用することも可能です。
それぞれの特徴やメリットを把握し、クリック数を上げるため積極的に活用することをおすすめします。
- 広告のクリック数を増やす方法を4つご紹介しました。
- Web広告では、ユーザーに見てもらい、クリックされて初めて集客につながります。クリックの総数を増やすためには、クリエイティブの改善・ターゲットの見直し・媒体機能の活用・ユーザーへの表示機会の拡大などさまざまな視点で工夫することが重要です。
クリック数以外にも広告の運用で知っておきたい基本用語
広告運用において、クリック数以外にも数々の基本用語が登場します。
なんとなく意味を知ってはいても、詳細は知らなかったり、混同したりしてしまいがちです。
広告運用で頻出する基本用語を解説しますので、ぜひ辞書がわりに活用してみてください。
クリック単価(CPC)
クリック単価(CPC)とは、1クリックあたりの広告費を指す用語です。
<CPCの意味>
・Google 広告やYahoo!広告などのクリック単価制の広告において、1クリックあたりの費用のこと
・クリック単価制の広告そのものを指してCPCという場合もある
CPCと似た用語で、CPMというものがあります。CPMは「Cost Per Mill」の略で、日本語では「インプレッション単価」といいます。広告が1,000回表示されるごとにかかる費用や課金形式を指す用語です。
インプレッション課金制の場合は、クリック単価(CPC)を設定することはできませんが、広告費とクリック数からクリック単価がいくらかかったか計算することができます。(計算式:広告費÷クリック数)
インプレッション数(IMP)
インプレッション数(IMP)は、広告が表示された回数を表す用語です。
厳密にいうと、Webページ内に広告が読み込まれた回数を指しますので、実際にユーザーが見ている画面に表示されたかどうかは関係なくカウントされます。
ユーザーの画面に実際に広告が表示された回数が知りたい場合は、Google 広告の「視認範囲のインプレッション」、もしくはYahoo!広告なら「ビューアブルインプレッション」の項目を管理画面で確認できます。
<インプレッション数(IMP)の意味>
・Webサイトの広告枠に広告が読み込まれた回数
・SNS(Twitter、Facebook)のタイムライン上に広告が表示された回数
・YouTubeで動画広告のサムネイルが表示された回数
コンバージョン数(CV)
コンバージョンとは、Webサイト上で購入したり問い合わせしたりなど、webサイト上での成果と定義したアクションのことをそう呼びます。
コンバージョン数(CV)は、コンバージョンした数を指す用語です。
何をもってコンバージョンとするかは、自由に設定できます。
Webサイト上で購入や問い合わせに到達するのが難しい場合は、マイクロコンバージョンという考え方で設定することが可能です。
マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンに至るまでの中間地点を指します。
<マイクロコンバージョンの例>
・問い合わせはしていないが、問い合わせページにたどり着いた
・購入していないが、商品をカゴに入れた
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(CVR)は、サイト訪問者のうち、何人のユーザーがコンバージョンに到達したかという割合を指す用語です。
「Conversion Rate」の略で、日本語では「顧客転換率」と言います。
<コンバージョン率(CVR)の計算式>
コンバージョン数÷セッション数(サイトへの訪問数もしくはクリック数)×100
クリック数を増やして見込み客を獲得しよう
クリック数はユーザーに広告がクリックされた際にカウントされる指標です。悪質なクリックやダブルクリックの2回目のクリックなどは除外される可能性があり、純粋な訪問数が集計されるよう媒体側でも調整が図られます。
クリック数を高めるには、広告文やターゲットの設定を見直しましょう。入札戦略の変更や広告アセットの設定も効果的です。
なお、広告運用は専門用語を覚えるだけでなく、オーディエンスリスト作成やタグに関する知識も必要になります。ノウハウやリソースの不足で自社で広告を運用するのが難しい方は、広告運用の知見のある業者に代行することも考えましょう。
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