BtoB向けディスプレイ広告の失敗を防ぐ戦略設計と運用のポイント7選

BtoB向けディスプレイ広告の失敗を防ぐ戦略設計と運用のポイント7選

BtoB向けのディスプレイ広告は、適切な戦略設計と運用により、潜在層からのリード獲得に大きな効果を発揮します。

しかし多くの企業では「BtoB商材のディスプレイ広告は効果が出ない」「費用対効果が見えず予算確保が難しい」といった悩みを抱えているでしょう。本記事では、BtoB向けのディスプレイ広告で成果を最大化するための具体的なポイントをご紹介します。

企業属性を活用したターゲティング設定、BtoB向けクリエイティブの最適化ポイント、そして営業チームと連携した広告改善など、ぜひ実際に試してみてください。

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尾崎 穂波

大手広告代理店にてリスティング広告やディスプレイ広告、YouTube、Meta広告の運用を中心に従事。
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目次

BtoBのディスプレイ広告とは?

BtoBのディスプレイ広告とは、特定の企業や業界担当者を対象に、自社製品やサービスの認知向上、見込み顧客の獲得・育成を目的とするWeb広告手法です。まずは以下の3つについて知識を身に付け、理解を深めていきましょう。

  • ディスプレイ広告の仕組み
  • BtoCのディスプレイ広告との違い
  • リスティング広告との違い

また、「費用対効果が見えづらい」「ターゲット設定が難しい」といった多くのBtoBマーケターが直面する課題にも触れながら、効果的な活用方法を探っていきます。

ディスプレイ広告の仕組み

ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリ内の広告枠に表示される、テキスト・画像・動画形式の広告を指します。広告主がターゲット条件を設定し、配信プラットフォームが条件に合うユーザーに広告を配信する仕組みです。

年齢・性別・興味関心・閲覧履歴などをもとに精密なターゲティングが可能で、BtoBでは特に「企業業種」「規模」「役職」といったビジネス属性を重視します。Googleディスプレイネットワーク(GDN)を利用すれば、設定条件に合ったユーザーが提携サイトやアプリを使った際に広告を表示できます。

また、一度自社サイトを訪問したユーザーに再度広告を表示する「リマーケティング」も、この仕組みを応用した代表的な手法です。

ディスプレイ広告について、基本から詳しく知りたい方は以下の記事をあわせてお読みください。

BtoCのディスプレイ広告との違い

BtoB向けのディスプレイ広告は、BtoC向けとターゲットや訴求内容、成果までのプロセスが大きく異なります。

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項目BtoBBtoC
ターゲット企業・担当者個人消費者
訴求内容課題解決、合理性、信頼性感情、嗜好、価格、限定感
検討期間長い(数ヶ月~)短い(即時~数日)
意思決定複数人関与個人または少数
最終ゴールリード獲得、商談化購入、申し込み

BtoCは個人の感情や価格訴求を重視し、短期間で購入を促すのに対し、BtoBでは企業や担当者が合理性やROIを重視し、購買までに数ヶ月以上かかることも珍しくありません。

そのため、BtoB向けの広告では即時の成約よりも、段階的な情報提供と信頼構築によるリードナーチャリングが重要となります。

リスティング広告との違い

リスティング広告

ディスプレイ広告とリスティング広告は、アプローチ方法や得意領域が異なります。リスティング広告は、ユーザーがGoogleやYahoo!などで特定キーワードを検索した際に、検索結果に表示される広告です。

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項目ディスプレイ広告リスティング広告
表示場所ウェブサイト・アプリ内の広告枠検索結果ページ
アプローチ層潜在層・準顕在層顕在層
ユーザー行動受動的(サイト閲覧中)能動的(検索中)
主な目的認知拡大、興味喚起、リマーケティングコンバージョン獲得(刈り取り)
広告形式画像、動画、テキストなどテキスト

情報収集を能動的に行う「顕在層」へのアプローチに適しており、コンバージョン獲得を直接狙いやすい特性があります。一方、ディスプレイ広告はニュースサイトやアプリ内に表示され、検索行動を伴わないユーザーにも訴求できるため、潜在層や準顕在層への認知拡大に強みを持ちます。

また、リマーケティングにより、過去にサイトを訪問したユーザーへの再アプローチも可能です。それぞれの特性を理解し、目的に応じて使い分けることが成果向上につながります。

リスティング広告について知りたい方は以下の記事もあわせてお読みください。

BtoB向けディスプレイ広告の目的・効果

顕在層と潜在層の違い

BtoB向けのビジネスにおいてディスプレイ広告を活用する際は、目的と期待する効果を明確にしておくことが重要です。主に以下3つの目的・効果について詳しく解説します。

  1. 潜在層へのアプローチと認知度向上
  2. リードナーチャリングと見込み顧客育成
  3. 特定のターゲット層への効率的なアプローチ

単なる広告配信ではなく、戦略的な意図を持って運用することで、企業間取引におけるマーケティング活動を大きく前進させられます。BtoB特有の長い検討期間や複雑な意思決定プロセスを踏まえた上で、ディスプレイ広告が果たす役割と、どのような成果につながるかを理解しておきましょう。

1.潜在層へのアプローチと認知度向上

BtoBマーケティングにおいて、ディスプレイ広告はまだ自社の製品やサービスを知らない「潜在層」へのアプローチや、企業やブランドの認知度向上に大きく貢献します。

リスティング広告がユーザーの検索行動を起点とするのに対し、ディスプレイ広告は業界ニュースサイトやブログ閲覧中など、情報探索を目的としないタイミングにも広告を表示できるのが特徴です。これにより、接点のなかった企業担当者にも、視覚的なクリエイティブを通じて自社の存在や提供価値を印象づけることが可能になります。

特に、新市場への参入時や革新的なソリューションの認知拡大には、「知ってもらう」活動が不可欠です。広告による直接的な反応だけでなく、繰り返し接触することでブランドイメージを浸透させ、将来の選択肢として想起される確率を高められるでしょう。

2.リードナーチャリングと見込み顧客育成

BtoBでは、製品・サービスの検討期間が長期化する傾向にあり、一度関心を示した見込み顧客(リード)との関係維持が非常に重要です。このリードナーチャリングにおいて、ディスプレイ広告、特にリマーケティング機能は大きな効果を発揮します。

リマーケティングを活用すれば、自社サイトを訪れたユーザーが別サイトやアプリを閲覧中にも広告を表示でき、継続的な接触が可能です。たとえば、製品ページを閲覧したユーザーには導入事例を、料金ページを見たユーザーにはホワイトペーパーを訴求するなど、関心度に応じたパーソナライズが行えます。

検討離脱を防ぎつつ、適切なタイミングで次のアクションへと誘導できるでしょう。メールマーケティングなど他施策と組み合わせることで、さらなる効果も期待できます。

3.特定のターゲット層への効率的なアプローチ

類似セグメント

BtoB向けのディスプレイ広告の大きな利点のひとつは、配信対象を非常に細かく高精度に設定できる点です。自社の製品やサービスに関心を持つ可能性が高いビジネス層へ、無駄なくアプローチできます。

年齢・性別・地域といった一般的なデモグラフィック情報に加え、業種、企業規模、役職、職務内容など、BtoB特有のターゲティングオプションが用意されています。たとえば、医療業界向けシステムの場合、医療機関勤務の特定職種に絞って広告を表示することが可能です。

これにより、広告費の無駄を抑えながら、費用対効果の高い運用を目指せます。さらに近年では、ターゲット企業をリスト化し、該当企業の従業員に集中的に広告を届ける「アカウントベースドマーケティング(ABM)」と組み合わせた活用も進んでいます。

精緻なターゲティング機能を最大限に活かすことが、BtoB向けのディスプレイ広告で成果を上げるための重要なポイントです。

ディスプレイ広告の主な種類

ディスプレイ広告と一口に言っても、配信プラットフォームは複数存在し、それぞれリーチできるユーザー層やターゲティング機能が異なります。BtoB向けのディスプレイ広告で特によく活用される3つの代表的なプラットフォームについて、それぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

  • GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)
  • YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告 )
  • Facebook広告

BtoBマーケティングを成功させるには、各プラットフォームの特徴を理解し、自社の目的やターゲットに最適な媒体を選ぶことが重要です。

GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)

GDN(ジーディーエヌ)とは、「Google ディスプレイ ネットワーク」の略称で、Googleが提供する世界最大級のディスプレイ広告ネットワークです。提携媒体は数百万サイト以上に及び、ニュースサイト、ブログ、Gmail、YouTube、スマートフォンアプリなど、幅広い場所に広告を配信できます。

GDNの主な特徴は以下の通りです。

  • 圧倒的なリーチ力(数百万以上の提携メディア)
  • Googleのビッグデータを活用した高精度ターゲティング
  • 幅広いフォーマット(テキスト、画像、動画広告に対応)

ターゲティング設定では、年齢・性別・地域といった基本属性に加え、「業界の動向に関心があるユーザー」や「特定のビジネスツールを検索したユーザー」など、興味関心・行動履歴にもとづく細かな絞り込みが可能です。

BtoB向け配信においても、特定業種や関連キーワードベースで対象ユーザーを絞り込み、効率的にリーチできます。リーチの広さと柔軟なターゲティング設定により、GDNはBtoB企業が最初に検討すべきプラットフォームのひとつと言えるでしょう。

参考:ディスプレイ広告と Google ディスプレイ ネットワークについて|Google 広告 ヘルプ

GDNについては以下の記事でも紹介しています。GDNのメリットや運用方法を詳しく記載しているので参考にしてください。

YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告 )

YDA(ワイディーエー)とは、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」の略称で、Yahoo! JAPANが提供するディスプレイ広告サービスです。Yahoo!ニュース、Yahoo!知恵袋、Yahoo!天気、Yahoo!ファイナンスなど、人気サービスや提携パートナーサイトに広告を配信できます。

YDAの主な特徴は次の通りです。

  •   日本国内における圧倒的なユーザーリーチ
  •   年齢・性別・地域などの属性ターゲティングが可能
  •   サイトリターゲティングにも対応
  •   独自の提携サイトやユーザーデータに基づく配信が可能
  •   Cookie規制に対応したデータ活用を推進

GDNと比較すると、Yahoo!独自のサービス利用者や提携サイトに強みがあり、GDNだけではリーチできない層へのアプローチが期待できます。特に、Yahoo!オークションや特定ジャンルのニュース閲覧層などに広告を届けたい場合に有効です。

また、近年注目されているCookie規制への対応も進めており、今後の運用環境にも適応しやすい点がメリットです。GDNとYDAを併用し、それぞれの特性を活かして広告効果を最大化していきましょう。

参考:Yahoo!広告ネットワークパートナーとは|LINEヤフー for business

YDAの活用を検討している方は、こちらの記事もあわせてお読みください。

Facebook広告

Facebook広告コレクション

引用:コレクション|Facebook広告ガイド

Facebook広告は、Meta社が提供する広告プラットフォームです。FacebookやInstagramなどの主要SNSに広告を配信でき、ニュースフィード、ストーリーズ、Messenger、提携アプリ(オーディエンスネットワーク)など、多様な場所で表示されます。

Facebook広告の主な特徴は以下の通りです。

  • 登録情報に基づく精度の高いターゲティング(年齢、性別、学歴、勤務先、役職など)
  • 「いいね!」やグループ参加履歴など興味関心データを活用できる
  • リード獲得に特化した広告フォーマットも用意されている
  • Facebook・Instagramを横断して配信できる

BtoBマーケティングでも、「特定企業の勤務者」や「特定役職の担当者」をターゲティングする活用が可能です。また、FacebookやInstagramはプライベート利用が中心のため、広告クリエイティブは自然なトーンや親しみやすい表現を意識することが重要です。

自社ターゲット層のSNS利用状況や費用対効果を十分に検討した上で、活用を進めましょう。

参考:Facebookのオンライン広告 | Meta for Business

BtoB向けディスプレイ広告の失敗を防ぐ戦略設計

BtoB向けのディスプレイ広告は、正しく運用すれば大きな成果につながる一方で、戦略設計を誤ると「広告費をかけたのに効果が出ない」という失敗に陥りやすい側面もあります。よくある失敗を防ぎ、効果を最大化するために押さえるべき、戦略設計の3つのポイントを解説します。

  1. ターゲット設定
  2. クリエイティブ設計
  3. KGI・KPI設計

特にBtoC向けの広告と同じ感覚で進めてしまうと、期待通りの結果が得られないケースが少なくありません。それぞれの考え方と進め方について、具体的に見ていきましょう。

1.ターゲット設定

BtoB向けディスプレイ広告の成功には、ターゲット設定が欠かせません。誰に対して広告を届けるのかを、明確かつ具体的に定義することから始めましょう。ターゲットが曖昧なままでは、製品やサービスに無関心な層や、決裁権を持たない担当者にも広告が表示され、広告予算の無駄につながります。

BtoBの購買プロセスには、以下のような複数の関係者が登場します。

  • 情報収集を行う担当者
  • 技術的な評価を行う担当者
  • 最終的な承認を行う決裁者

そのため、「〇〇業界の企業」といった大枠ではなく、「どの部署の、どの役職の、どんな課題を持つ人物に、どのタイミングでアプローチするか」まで具体化する必要があります。まずは、理想的な顧客企業像を定義しましょう。

次に、その企業内の購買者(ペルソナ)を設定します。役職、業務内容、情報収集方法、意思決定における役割などを具体的にイメージすることが重要です。

こうして明確にしたターゲット情報をもとに、業種や企業規模、役職、興味関心、リマーケティングなど、広告プラットフォームのターゲティング機能を組み合わせていきます。これにより、費用対効果の高い広告配信が実現できるでしょう。

2.クリエイティブ設計

ターゲット設定ができたら、次に重要になるのが「クリエイティブ設計」です。広告の見た目やメッセージを戦略的に設計し、ターゲットの興味を引き、資料請求や問い合わせにつなげることを目指します。

ここでいうクリエイティブとは、以下のようなユーザーに直接触れる広告要素を指します。

  • バナー画像
  • 動画
  • 広告文(見出し・説明文)

BtoB担当者は、広告に目新しさやインパクトを求めるだけではありません。重視しているのは、「自社課題を解決できるか」「導入後の具体的メリット」「情報の信頼性」 といったビジネスの成果に直結するポイントです。

効果的なクリエイティブを作るには、次の点を意識しましょう。

  • ターゲットの課題やニーズに寄り添ったメッセージを作成する
  • 「〇〇の課題を解決」「△△でコスト削減」など、具体的なベネフィットを提示する
  • 導入実績・顧客の声・受賞歴など、客観的な信頼材料を盛り込む
  • 主要メッセージとCTA(例:「無料トライアルはこちら」)を一目で伝えるデザインにする

こうしたポイントを押さえることで、BtoBならではの理性的な検討プロセスに応え、成果に直結するクリエイティブが作れるでしょう。

3.KGI・KPI設計

KPIツリーの具体例

BtoB向けのディスプレイ広告では、ターゲットを定めた後、何を達成したいのか明確な目標設定が不可欠です。目標が曖昧だと運用の方向性が定まらず、成果の評価も困難になります。

そこで重要となるのが「KGI(重要目標達成指標)」と「KPI(重要業績評価指標)」です。KGIは最終的なビジネス成果、KPIはその達成に向けた中間指標を示します。

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目標の種類具体例ポイント
KGI半年間で有効商談数75件獲得最終的なビジネス成果
KPI月間リード獲得数(例:ホワイトペーパーダウンロード)150件 リード→商談の転換率 5%商談獲得単価(CPA) 70,000円以下KGI達成に必要な中間成果プロセスの効率を示す指標費用対効果を示す指標

KGIとして「半年で商談75件獲得」、KPIとして「月間150件のホワイトペーパーダウンロード」などを設定し、プロセスごとの効率や費用対効果も指標化します。これにより改善活動の指針が明確になり、成果も正しく評価できます。

LANYでは、BtoB広告におけるKGI・KPI設定において、「広告の成果が売上にどうつながっているのか明確にしたい」「リードは獲得できるものの、営業がうまく活用できない」といったクライアント様共通の課題意識を出発点としています。そのため、単にクリック数やコンバージョン数を追うだけでなく、ディスプレイ広告を含むマーケティング活動全体が、最終的にクライアント様の「売上」というKGI達成にどう貢献しているのか、その道筋を可視化することを重視します。

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BtoB向けディスプレイ広告で成果を上げるポイント7選

BtoB向けのディスプレイ広告は、潜在顧客へのアプローチやブランド認知向上に有効な手段です。広告の効果を最大限引き出すために、意識すべき7つのポイントをご紹介します。

  1. 配信目的を明確にする
  2. BtoB特有のターゲティングを利用する
  3. リマーケティングと類似ターゲティングで確度を高める
  4. デバイス・配信時間・商圏を意識した配信設定を行う
  5. 課題解決できることを明確にする
  6. 広告クリエイティブとLPメッセージに一貫性を持たす
  7. マイクロコンバージョンを設定する

意識して運用設計を行うことで、BtoB特有の長い検討期間や多段階意思決定プロセスにも対応でき、成果につなげる確率を大きく高められます。

1.配信目的を明確にする

BtoB向けのディスプレイ広告に取り組む際、最初に明確にすべきなのは「何のために広告を配信するのか?」という目的です。この目的が曖昧なままでは、適切なターゲティングやメッセージ設計ができず、効果測定も難しくなってしまいます。

たとえば、配信目的によって戦略は大きく変わります。

配信目的重点ポイント主なKPI
認知度向上広範な潜在顧客にリーチし、印象を与えるインプレッション数、リーチ数
リード獲得興味・関心層に絞り、行動を促すコンバージョン数(CV数)、CPA

「会社名を知ってもらいたい」なら、広い層に向けた露出重視の施策が有効です。一方、「問い合わせを増やしたい」なら、具体的なニーズを持つ層に絞り、行動を促すメッセージ設計が求められます。

このように、配信目的を具体的に設定し、関係者と共有しておくことが、その後の施策設計や効果測定のブレを防ぎ、確実な成果につながる第一歩となります。

2.BtoB特有のターゲティングを利用する

ディスプレイ広告の大きな強みは、広告を届ける相手を細かく設定できる「ターゲティング機能」にあります。BtoB向けの広告で成果を上げるためには、BtoC向けの広告とは異なる、BtoB特有のターゲティング手法を積極的に活用することが重要です。

具体的には、以下のようなターゲティング手法が有効です。

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ターゲティング種類内容・例
業種ターゲティング製造業、金融業、ITサービス業など、特定の業界に絞る
企業規模ターゲティング従業員数100〜500名、売上規模10億円以上など、企業規模で絞る
役職・職種ターゲティング経営層、部長職、マーケティング担当者、エンジニアなど、役職・職種で絞る
企業リストターゲティング(ABM)ターゲット企業リストを用意し、所属社員にだけ広告を配信

これらを活用すれば、自社商材に関心の高い企業や、導入決定に関わるキーパーソンにピンポイントでアプローチできます。無駄打ちを減らし、費用対効果を高められるでしょう。

LANYの広告運用では、『ターゲットを明確にし、その人に最適な広告を届ける』という考え方を徹底しています。具体的には、クライアント様の事業内容やターゲット顧客について詳細なヒアリングを行い、『どんな企業の、どんな役職の人が、どのタイミングで意思決定に関わるのか?』を明確に整理します。その上で、これらのBtoB特有のターゲティング機能を組み合わせ、最適な配信戦略を構築します。

3.リマーケティングと類似ターゲティングで確度を高める

BtoB向けのディスプレイ広告で、コンバージョン確度の高いユーザーに効率良くアプローチするためには、「リマーケティング」と「類似ターゲティング」の活用が有効です。

それぞれの特徴は次の通りです。

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手法概要活用例
リマーケティング過去に自社サイトを訪問したユーザーに広告を再配信する手法一度サイトに訪問したものの、問い合わせに至らなかったユーザーに再アプローチする料金ページの訪問者に、導入事例や成功事例を訴求する広告を表示する
類似ターゲティング既存顧客やコンバージョンユーザーと類似した属性・行動を持つ新規ユーザーをターゲティングする手法過去に商談化・受注した顧客リストをもとに、似たユーザーを広告配信対象に設定する資料請求やセミナー申し込みなどのマイクロコンバージョン達成者をもとに拡張配信する

「すでに興味関心を持っている層」と「今後関心を持ち得る層」の両方にリーチできる手法をうまく組み合わせることで、費用対効果を高め、成果につなげやすくなります。

4.デバイス・配信時間・商圏を意識した配信設定を行う

BtoB向けのディスプレイ広告で成果を高めるには、「誰に何を見せるか」だけでなく、「どこで、いつ、どのデバイスで広告を表示するか」も重要です。

ターゲットの行動特性に合わせて、配信設定を最適化しましょう。

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配信設定項目最適化の考え方
デバイス業務中の情報収集はPC中心経営層や営業担当者はスマホ利用も考慮する
配信時間帯平日9〜18時を基本経営層ターゲットなら早朝・夜間も検討する
商圏(地域)提供サービスが限定地域の場合、対象エリアのみ配信する

このように、ターゲットの働き方や行動パターンを細かく想定し、配信設計を最適化することで、無駄な広告を防ぎ、効果を最大化できます。

5.課題解決できることを明確にする

BtoB向けのディスプレイ広告で成果を上げるには、単なる機能紹介ではなく、「顧客の課題をどう解決するか」を明確に伝えることが重要です。

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項目機能訴求の例課題解決訴求の例
表現内容多機能でカスタマイズ性抜群!顧客情報の属人化を防ぎ、営業効率を15%改善します
顧客への印象すごいけど自分に関係あるかわからない今の悩みをこれで解決できそう!
成果への影響スルーされるリスクが高い自分事として捉えてもらいやすく、行動につながりやすい

広告のキャッチコピー、説明文、バナー画像、そして広告から誘導するLP全体を通して、ターゲットが抱えているであろう「痛み(ペインポイント)」に寄り添うことが大事です。

具体的な「解決策」として自社の製品・サービスを提示するというストーリーを意識し、メッセージを構築することが、成果を上げるための鍵となります。

6.広告クリエイティブとLPメッセージに一貫性を持たす

ディスプレイ広告では、クリック後のLP(ランディングページ)との一貫性が非常に重要です。広告で興味を持ったユーザーが、違和感なく次の行動に進めるよう設計しましょう。

広告とLPの一貫性を保つことで、離脱を防ぎ、信頼を高め、広告費の無駄を防げます。

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チェック項目チェックポイント
キャッチコピー広告と同じ、または意味を揃える(例:初心者向け〇〇ガイドプレゼント!)
訴求ポイント広告で提示したメリット・オファーをLPでも繰り返し強調する
デザイン・雰囲気色使い、フォント、画像トーンを広告とLPで統一し、違和感を防ぐ
CTA(行動喚起)「無料ダウンロード」「資料請求はこちら」など、次の行動を明確に誘導する

広告はLPへの「入口」、LPはコンバージョンへの「最後の砦」です。クリック後も期待を裏切らず、ストレスなくアクションできる流れを作りましょう。

7.マイクロコンバージョンを設定する

BtoB商材は購入までに時間がかかるため、「契約」や「購入」といった最終成果だけを指標にしていると、施策の効果が見えづらくなります。そこで、以下のような検討プロセス上の「中間的な行動=マイクロコンバージョン」も設定・計測することが重要です。

  • 資料ダウンロード(ホワイトペーパー・導入事例集など)
  • セミナー・ウェビナー申し込み
  • 無料トライアル・デモ登録
  • 問い合わせフォーム送信
  • 重要ページ(料金表、機能一覧ページなど)閲覧
  • サイトでの滞在時間・ページ閲覧数の達成

これにより、リードナーチャリングへのスムーズな連携や、広告効果の多角的な評価が可能になります。単にコンバージョン数を見るのではなく、「広告がどのように商談や受注に影響したか」までを分析し、改善に活かすことが重要です。

BtoB向けディスプレイ広告の効果測定と改善方法

BtoB向けのディスプレイ広告は「出稿して終わり」ではありません。きちんと効果を測定し、改善サイクルを回し続けることが、成果を最大化する鍵です。

広告の効果測定・改善の基本ステップとして、以下の3つのポイントを解説します。

  1. CPC・CPM・CPA・ROAS・ROIなどの重要指標を可視化する
  2. A/Bテストによる継続的な効果検証・改善を行う
  3. 営業チームのフィードバックを活かした広告訴求を行う

感覚ではなく、客観的なデータに基づく判断をできるようにしましょう。

1.CPC・CPM・CPA・ROAS・ROIなどの重要指標を可視化する

BtoB向けのディスプレイ広告の効果を正しく評価し、改善を進めるためには、主要な指標を理解し、数値を常に可視化して追うことがスタートラインです。単なるクリック数やインプレッションだけでなく、「費用対効果」や「収益性」まで意識しましょう。

代表的な指標は以下の通りです。

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指標意味用途
CPC(クリック単価)1クリックあたりにかかる費用集客コストの効率を測る
CPM(インプレッション単価)広告が1,000回表示されるごとの費用認知拡大効果を測る
CPA(顧客獲得単価)コンバージョン1件あたりの費用リード獲得のコスト効率を測る
ROAS(広告費用対効果)広告費に対する売上割合(%)広告売上貢献度を評価する
ROI(投資収益率)広告費に対する利益割合(%)広告の収益性を評価する

指標の可視化には、Google広告やYahoo!広告、Google Analyticsなどの管理ツールでレポートを作成するほか、TableauやLookerといったBIツールを活用してダッシュボードを構築し、定期的にモニタリングする方法がおすすめです。

数値を「見える化」しておくことで、現状の課題や改善ポイントを迅速に発見でき、効果的な広告運用へとつなげることが可能になります。

2.A/Bテストによる継続的な効果検証・改善を行う

BtoB向けのディスプレイ広告で成果を高めるには、データに基づく改善サイクルの実践が欠かせません。その具体策の一つが「A/Bテスト」です。

これは、広告文やLPの見出し・画像・ボタンなどの要素に2パターンを用意し、どちらがより成果を出せるかを比較検証する手法です。たとえば、「機能訴求の見出しA」と「導入効果を強調した見出しB」を用意し、CTRやCVRの数値を比較します。成果が良かったパターンを今後の施策に反映することで、改善の精度が高まります。

ポイントは、一度にテストする項目を1つに絞ることです。これにより、どの変更が結果に影響を与えたかを明確に把握できます。テスト対象は、LPのボタン色や文言、フォームの入力項目数、広告のターゲティング設定など多岐にわたります。

仮説を立て、テストし、検証して次に活かす。この地道な繰り返しこそが、ROI向上に直結する最短ルートです。

CVR改善については、以下の記事で具体的な施策を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

3.営業チームのフィードバックを活かした広告訴求を行う

BtoB向けのディスプレイ広告の効果を高めるためには、マーケティング部門と営業部門の連携が欠かせません。広告運用だけで完結させず、営業現場のリアルな声を広告施策に活かすことが、質の高いリード獲得や成約率向上に直結します。

マーケティング部門は、広告の表示回数・クリック数・コンバージョン数などのデータは把握できますが、「獲得したリードの質」や「商談の進み具合」「受注・失注の理由」といった定性的な情報は、営業部門が最も詳しく持っています。

営業フィードバック例改善アクション例
A社の担当者は〇〇機能に強い関心を持っていた広告メッセージで〇〇機能を前面に出す
B業界のリードは予算感が合わないことが多いB業界への配信を抑える/別の業界に重点を置く

営業の声を取り入れて広告ターゲティングやクリエイティブを改善することで、より成果に直結する広告運用が可能になります。さらに効果を高めるには、マーケティングと営業で定期的な情報共有ミーティングを行うことも良いでしょう。

LANYのBtoBディスプレイ広告運用事例

BtoBの製造業において、ディスプレイ広告の戦略的活用により、リードの質と商談化率を大幅に改善したLANYの支援事例をご紹介します。

専門性の高い製品を提供する製造業の企業様は、ディスプレイ広告を実施するもターゲット設定が曖昧で、獲得リードの質にばらつきがあり、営業効率に課題を抱えていました 。

LANYでは、まずクライアント様の製品・顧客・意思決定プロセスを徹底的にヒアリングし、「どの業種・職種の、どのような課題を持つ担当者へ、何を伝えるべきか」というターゲットの解像度を大幅に向上させます。

その上で、明確化されたターゲットごとに「刺さる」広告訴求を設計し、ディスプレイ広告を展開。ディスプレイ広告からのリードが、単なる問い合わせ件数ではなく、「営業がアプローチしやすい」質の高いものへと変わりました。ターゲットの解像度向上と適切なコミュニケーション設計により、最終的な商談率の向上にも明確に貢献しました。

まとめ

BtoB向けのディスプレイ広告は、適切な戦略設計と運用によって潜在層からのリード獲得に効果を発揮します。記事で解説した7つのポイントを実践することで、費用対効果の高い広告運用が可能になります。

特に重要なのは、企業属性や役職に基づくBtoB特有のターゲティング設計と、ユーザーの課題解決に焦点を当てたクリエイティブです。さらに、マイクロコンバージョンを設定したリードナーチャリングプロセスにより、長期検討を前提としたBtoB商材でも着実に商談化率を高められるでしょう。

また、CPC・CPA・ROASなどの指標を可視化し、A/Bテストによる継続的な改善を行うことも欠かせません。営業チームからのフィードバックを広告訴求に反映させることで、さらなる効果向上も期待できるでしょう。

LANYでも広告の運用代行を実施しており、お客様の商品やサービスの内容をもとに、集客・成果に貢献しています。現役最前線で活躍する担当者が成果につながる広告戦略を提案しているので、広告運用に課題を感じる方はお気軽にお問い合わせください。

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※本記事の制作には生成AIを活用していますが、編集者によってファクトチェックや編集をしています。また、掲載している画像はすべてデザイナーが制作したものです。

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