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【指標解説】インプレッション シェアとは?指標の種類や見方、活用・改善方法もご紹介!
インプレッション シェアは、広告の改善をするのに活用できる指標です。数値が低いほど広告表示の機会損失があることがわかり、予算や広告ランクを改善する検討材料として活用できます。
ただし、インプレッション シェアには種類がいくつかあるため、どのように扱えばいいかわからない方もいるでしょう。本記事では、インプレッション シェアの概要や種類、確認方法を紹介します。活用方法や改善方法も紹介しますので、インプレッション数を増やして認知拡大・購入促進をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
インプレッション シェアとは
インプレッション シェアとは「広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に何回表示されたかを表す割合」のことです。
以下の計算式で表します。
<計算式>
インプレッション シェア(%)=(広告の表示回数[インプレッション数] / 広告が表示可能だった合計回数)× 100
計算例として、表示回数が400回、広告表示可能だった合計回数が1,000回とした場合のインプレッション シェアを見てみましょう。
(400回 / 1,000回)× 100 = 40%
インプレッション シェアは40%となり、予算や広告ランクを改善することで残り60%の分だけ広告を表示できる余地があると判断できます。
インプレッション シェアが高いほど機会損失を少なく抑えられた状態で広告露出が図れており、反対に低いほど機会損失が大きく発生していることになります。
広告が表示可能だった合計回数は推定値で、自社広告の広告ランクをもとに算出しています。
自社広告に関連したキーワードの検索回数ではないため注意しましょう。
参考:インプレッション シェアとインプレッション シェア損失率について
- インプレッション シェアとは、広告が表示される可能性のあった回数のうち、実際に広告が表示された回数が占める割合です。検索連動型広告の場合、入稿したキーワードを実際にユーザーが検索したとしても、予算や広告ランクが競合に比べて劣っていると、広告が表示されない可能性があります。インプレッション シェアという考え方を知れば、広告表示に関してどれくらい機会損失を発生させていたのかがわかるようになります。
インプレッション シェアの種類と算出方法
インプレッション シェアの種類には以下の4つがあります。
- 検索広告のインプレッション シェア
- 検索広告の完全一致のインプレッション シェア
- 検索広告のページ上部インプレッション シェア
- 検索広告のページ最上部インプレッション シェア
それぞれの計算式や意味について詳しく紹介します。
検索広告のインプレッション シェア
検索広告のインプレッション シェアは、検索で広告が表示された合計回数を表示可能だった回数で割った値です。
計算式は以下のように表せます。
<計算式>
検索広告のインプレッション シェア(%)=(検索画面で表示された回数 / 検索広告で表示可能だった合計回数(推定値))×100
ショッピング広告のインプレッション シェアの算出方法も検索広告と同じです。
ただし、ショッピング広告のインプレッション シェアでは、自社広告が同時に複数表示されることが加味されています。
自社のショッピング広告が複数表示された場合、表示回数のカウントが重複しないようもっともランクの高い広告のみがインプレッション シェアの対象になります。
2つ目以降の広告はインプレッション シェアに反映されないため、注意しましょう。
検索広告の完全一致のインプレッション シェア
検索広告の完全一致のインプレッション シェアは、キーワードのマッチタイプを部分一致に設定している広告の改善に用いられる指標です。
登録キーワードと完全に一致した検索クエリで検索されたときに表示可能だった合計回数のうち、実際に表示された回数の割合のことを指します。
計算式は以下のとおりです。
<計算式>
検索広告の完全一致のインプレッション シェア(%)=(登録キーワードで表示された回数 / 登録したキーワードで表示可能だった合計回数)×100
ただし、完全に一致したキーワードでも「家電」「かでん」のように表記ゆれや誤字についてはインプレッション シェアの対象に含まれます。
検索広告の完全一致のインプレッション シェアを活用することで以下のように判断できます。
- すべてのキーワードでのインプレッション シェアが低いのか
- 部分一致のキーワードだけインプレッション シェアが低いのか
上記の判断によって除外キーワードの設定やキーワードの見直しができるようになります。
検索広告のページ上部インプレッション シェア
検索広告のページ上部インプレッション シェアは、どれだけの割合をページ上部で配信できたかがわかる指標です。
ページ上部は、自然検索結果より上部に位置する部分です。
計算式は以下のように表せます。
<計算式>
検索広告のページ上部インプレッション シェア(%)=(検索結果上部に表示された回数 / 上部に表示される可能性のあった回数(推定値))×100
検索広告のページ上部インプレッション シェアが低いほど、競合より広告ランクが低く上位表示の改善の余地があると考えられます。
参考:「検索結果ページの上部インプレッション」と「最上部インプレッション」指標
検索広告のページ最上部インプレッション シェア
検索広告のページ最上部インプレッション シェアは、検索結果画面の一番上に広告を表示割合を把握できる指標です。
ページ最上部は、検索結果で一番上に掲載されている部分となります。
計算式は以下の通りです。
<計算式>
検索広告のページ最上位インプレッション シェア(%)=(検索結果で最上部に表示された回数 / 最上部に表示される可能性のあった回数(推定値))×100
検索広告において最上位に表示されるのと2番目に表示されるのではクリック率が大きく異なるため、重要な指標として扱われます。
- インプレッション シェアは、その日に運用が行われた広告オークションを対象として、そのオークションに参加した他の広告主の広告の品質などのさまざまな要素に基づいて算出されます。算出する際は、広告が表示可能だったすべてのオークションが対象となります。そのため、入札単価が現在の2倍であれば広告を表示できたオークションは対象となるが、入札単価を数十倍にしないと表示ができないオークションについては対象外となります。
インプレッション シェアの損失理由がわかる指標
広告が表示される機会を損失していることと損失の理由がわかる指標として、以下の3つがあります。
- インプレッション シェア損失率(予算)
- インプレッション シェア損失率(ランク)
- 検索広告のページ上部・最上部インプレッション シェア損失率(ランク)
それぞれの指標の活用方法について把握できますので、ぜひお読みください。
参考:インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率について
インプレッション シェア損失率(予算)
インプレッション シェア損失率(予算)は、予算が足らないことで広告が表示されなかったインプレッションの損失率を示す指標です。
設定している予算が低いほど、「予算不足」が起因となりインプレッションの機会損失が発生し、安定した広告配信ができていないことを表しています。
具体的には、1日の日予算上限を午前の時点で使用して午後は予算上限に達して配信されなかった場合などは予算による損失としてカウントされます。
また、近年の広告アカウントは日予算の上限に達しそうだと判断された場合は、自動で1日の前半で使い切ることは少なく、なるべく全ての時間帯でまんべんなく予算を利用するよう調整されます。
なので、日予算が上限に達しているかを確認するときは時間帯レポートを見るのではなく、この指標を確認しましょう。
この項目はキャンペーン単位でのみ確認することできます。
インプレッション シェア損失率(ランク)
インプレッション シェア損失率(ランク)は、「広告ランクの低さが原因で表示機会を損失していることがわかる指標」です。
シェア損失率(ランク)の数値が大きければ大きいほど改善の余地があるということがわかるため、広告の改善をする必要があります。
広告のランクが低下する要因としては次のようなものが考えられます。
- 広告のクリエイティブの質が低い
- キーワードと広告の内容の関連性が低い など
インプレッション シェア損失率(ランク)は、競合他社と広告の質で入札負けをした一因でもあるため、数値を見て改善の余地がないか確認するようにしましょう。
また、自社広告の広告でどこが悪いのか原因を見つける場合は品質スコア(品質インデックス)を参考にすることをおすすめします。
下記の記事で品質スコア・品質インデックスの見方や広告ランクの改善方法を知ることができますので、ぜひご覧ください。
検索広告のページ上部・最上部インプレッション シェア損失率(ランク)
検索広告のページ上部と最上部のインプレッション シェアの損失率も、Google 広告やYahoo!広告で閲覧できます。
インプレッション シェア損失率(ランク)と同様、損失率が高いほど広告ランクが低く改善の余地があると判断できます。
- インプレッション シェアは、広告の表示機会をどのくらい損失をしているか判明するための指標です。機会損失している要因としては、予算と広告ランクの2つがあります。インプレッション シェア指標の改善だけを実施すればよいというわけではないですが、この指標を正確に理解することで予算を正しく活用でき、広告のパフォーマンスがいまいちの場合などにも改善を図ることができます。
インプレッション シェアの3つの活用方法と改善策
インプレッション シェアの活用方法として以下の3つがあります。
- 予算による機会損失の把握
- 広告ランクによる機会損失の把握
- 競合他社の出稿状況の把握
それぞれの活用方法とともに改善策についても紹介しますので、自社広告のパフォーマンスに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
1.予算による機会損失の把握
インプレッション シェア損失率(予算)を確認することで、設定している1日の予算による要因がどれだけあるかを把握できます。
インプレッション シェア損失率(予算)が高い場合、本当はもっと広告を配信できるのに、予算が足りずに配信できていないと判断できます。
広告の配信が停止されて表示機会を損失しないよう、以下の3つの対策を実施しましょう。
- キャンペーン予算を引き上げる
- 入札単価や自動入札の目標値を引き下げる
- ターゲットを見直す
以下で詳しく紹介します。
改善策1:キャンペーン予算を引き上げる
予算に余裕のある場合は、1日の予算を引き上げることでインプレッション シェア損失率(予算)の改善を図ってみましょう。
キャンペーン単位で1日当たりに使用する広告予算の上限を設定すると、広告費が指定した上限金額に達した際に広告は一時配信が中断されたり、予算上限を超えないように、1日の途中で抑制がかかったりします。
そのため、広告の日予算を引き上げると、予算不足により広告が表示されなくなる可能性が減るため、インプレッションシェア(予算)は改善されやすくなります。
改善策2:入札単価や自動入札の目標値を引き下げる
広告予算が決まっていて増額が難しい場合は、入札単価や自動入札の目標値を下げることでインプレッション シェア損失率(予算)が改善することもあります。
クリック単価を下げることで、1日の途中で予算の上限に達するのを防ぐことができるためです。
ただし、入札単価の低下により広告ランクが下がり、インプレッション シェア損失率(ランク)が悪化する可能性があります。
また、曜日や時間帯別での広告配信効率を確認して、入札の調整比率を設定することも一手です。
改善策3:ターゲットを見直す
意図しないターゲットに広告が配信されないようにすることで、無駄クリックの発生を無くすことに繋がります。
自社商材に関心の高いユーザーに絞った配信ができるため、クリック率やコンバージョン率も改善する可能性があります。
ターゲットの見直しでは、以下の設定を変更してみましょう。
- 登録キーワード
- キーワードのマッチタイプ
- 除外キーワード
- オーディエンス
オーディエンスについては地域や年齢・性別など様々な設定が可能です。
詳細な概要については下記記事で解説していますので合わせてご覧ください。
2.広告ランクによる機会損失の把握
インプレッション シェア損失率(ランク)では、広告ランクの低さが原因でインプレッションが損失していることを数値で把握できます。
インプレッション シェア損失率(ランク)の改善には広告ランクを上げることが重要で、改善策として次の3つがおすすめです。
- 入札単価や自動入札の目標値を引き上げる
- 広告文の改善や広告アセットの活用
- アカウント構成の見直し
以下で広告ランクが上がる要素も踏まえて解説します。
改善策1:入札単価や自動入札の目標値を引き上げる
広告ランクが上下する要因の1つとして、入札単価や自動入札の目標値があります。
入札単価を上げることで広告ランクの改善に寄与することも考えられ、それにより広告が表示される可能性が高まります。
とくに入札単価はキーワードごとに設定でき、特定のキーワードで表示されやすくなる方法として有効です。
ただし、予算が低いとインプレッション損失率が高くなるので、同時に予算を増やす必要があります。
改善策2:広告文の改善や広告アセットの活用
広告ランクが決まる要素の1つに広告の品質があります。
広告の品質は広告の関連性やランディングページの利便性などで評価されるため、有用性があるとGoogleが判断できる広告を作ることが大切です。
検索広告の場合、検索キーワードと関連性のある広告を作成するために広告タイトルや説明文にキーワードを挿入しましょう。
また、広告アセット(広告表示オプション)によっても広告ランクが決まります。
電話番号や住所など関連する情報を追加することで広告の品質が高まるため、できるだけ多くの情報を盛り込みましょう。
改善策3:アカウント構成の見直し
キャンペーン内や広告グループ内に関連性の弱いクリエイティブが複数ある場合は、アカウント構成を見直しましょう。
アカウント構成の関連性が向上することで広告アカウント構成の変更により、キーワードと広告文の関連性を向上することができれば、広告の品質が改善し、広告ランクが高まるためです。
たとえば、「イヤホン」という広告グループで以下のようなキーワードと広告文を登録しているとしましょう。
- キーワード:「イヤホン」「イヤホン 安い」
- 広告文:「おすすめの音楽機器10選」
極端な例ですが「イヤホン」で検索している人に対して、音楽機器と広告文で訴求するのは遠回りで非常にわかりにくいです。
音楽機器でくくったキーワード群を同じ広告グループ内で設計して広告文を出すと、キーワードと広告文でミスマッチが生まれ、関連性も低くなり広告ランクは下がってしまいます。
この場合、広告文を「おすすめのイヤホン10選」に修正することで関連性が高まり、インプレッション シェア損失率(ランク)が改善するでしょう。
3.競合他社の出稿状況の把握
Google 広告ではオークション分析という機能で競合のインプレッション シェアの状況を確認できます。
時系列でインプレッション シェアの変化を見られるため、自社広告のパフォーマンスの変化が他社の広告の影響によるものかを判断することが可能です。
ただし、競合のインプレッション シェアはターゲット設定が考慮されていません。
競合が自社よりも狭いターゲットで配信している場合、競合のインプレッション シェアが実際よりも低く表示されるため取り扱いに注意してください。
なお、オークション分析の活用方法や確認方法については以下の記事で紹介しています。
競合より広告が表示されやすくなる方法も知ることができますので、ぜひお読みください。
- インプレッション シェアの3つの活用方法と改善策について解説しました。ただし、インプレッション シェアを改善すべきかどうかは配信状況によって変わってくるでしょう。広告の出稿目的がコンバージョンを最大化で、そのためにインプレッション シェアの改善が必要であれば施策を実施することが求められます。ただ単に、インプレッション シェアの改善すればコンバージョン最大化に繋がらないため、現状の課題を照らし合わせて適切な施策を実施する判断が必要でしょう。
インプレッション シェアの確認方法
Google 広告とYahoo!広告でインプレッション シェアを確認する方法について、以下で詳しく解説します。
Google 広告の場合
- 左メニューから、以下の3つのいずれかをクリックします。
・キャンペーン
・広告グループ
・キーワード - 「表示項目」を押します。
- 競合指標を展開すると各種インプレッション シェアが表示されますので、自社で確認したい指標をチェックしてください。
- 適用を押すと各アカウント構造のトップ画面で確認できるようになります。
Yahoo!広告の場合
- 管理画面から以下の4つのいずれかをクリックしましょう。
・キャンペーン
・広告グループ
・キーワード
・広告 - グラフの上にある4つのどれかをクリックします。
- インプレッションに関わる項目を選択することでデータを確認できるようになります。
参考:インプレッション シェアとインプレッション シェア損失率について
インプレッション シェアについてよくある質問
インプレッション シェアについて以下のような質問をよくいただいております。
- インプレッション シェアは100%になりますか?
- インプレッション シェアの平均はどれくらいですか?
- ページ上部・最上部のインプレッション割合との違いは何ですか?
以下で質問に対する回答をしていますので、ご参考ください。
インプレッション シェアは100%になりますか?
以下の条件下であれば、インプレッション シェアを限りなく100%にできる可能性があります。
- 競合が入札していないキーワードを登録している
- 特定のターゲットに絞り込んでいる
- ターゲットと訴求内容の関連性が高い
また、自動入札の設定を「目標インプレッション シェア」にすることで、インプレッション シェアを100%に近づけらるように入札額を調整できます。
ただし、通常のキャンペーンでは競合の存在もあるため、100%にするのは非常に困難です。
インプレッション シェアの平均はどれくらいですか?
インプレッション シェアは広告予算によって大きく変わるため、参考になる平均値はありません。
そもそもインプレッション シェアは平均値と比較して活用するのではなく、表示機会の余地や機会損失の要因を確認するために用います。
自社のインプレッション シェアが競合より高いかを判断する場合は、オークション分析を活用することをおすすめします。
ページ上部・最上部のインプレッション割合との違いは何ですか?
ページ上部・最上部のインプレッション シェアと似た指標に、ページ上部・最上部のインプレッション割合があります。
ページ上部・最上部のインプレッション割合は「検索広告が表示された回数のうち、上部・最上部に表示された回数の割合」を指します。
計算式は以下の通りです。
<計算式>
ページ上部・最上部のインプレッション割合(%)=(上部・最上部の表示回数 / 表示回数) × 100
表示回数が1000回で600回広告が上部に表示された場合、ページ上部のインプレッション割合が60%となります。
ページ上部・最上部のインプレッション割合は、広告効果の高い配信面にどれだけ表示できているかを把握できます。
一方、ページ上部・最上部のインプレッション シェアは「上部・最上部に表示可能だった回数のうち、実際表示された回数の割合」を指す指標です。
計算式は以下のようになります。
<計算式>
検索広告のページ上部・最上部インプレッション シェア(%)=(上部・最上部に表示された回数 / 上部・最上部に表示される可能性のあった回数)× 100
それぞれ違う分母を活用して算出されているため、区別できるようにしましょう。
参考:「検索結果ページの上部インプレッション」と「最上部インプレッション」指標
インプレッション シェアを改善して広告の表示機会をさらに増やそう
インプレッション シェアを活用することで表示機会の損失や改善の余地を把握できます。
インプレッション シェアの損失率が高い場合は予算の引き上げやクリエイティブの見直しを行い、品質の高い広告が1日中表示されるようにしましょう。
また、弊社でもインプレッション シェアの損失を減らし、自社の目標を達成できる広告運用を行っています。
広告運用に関するご相談を承っていますので、運用代行を検討している方はお気軽にお問い合わせください。