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【入門】リスティング広告の完全一致とは?メリットや活用事例を詳しく紹介
リスティング広告における完全一致とは、検索語句と検索キーワードが完全に一致している場合に配信されるマッチタイプを指します。
完全一致は、意図したユーザーへピンポイントに訴求できる点が特徴です。限られた広告予算内で効果的に成果を上げるためには、完全一致の仕組みを理解して活用することが大切です。
この記事では、完全一致の仕組みや使い方、ほかのマッチタイプとの違いを解説します。
完全一致は?検索語句との一致度を設定するマッチタイプの1種
完全一致とは、リスティング広告で設定できるマッチタイプの1種で、指定したキーワードと同じ文字列や意味または意図の「検索語句」に対して広告を表示できます。
引用:キーワードのマッチタイプについて|Google 広告 ヘルプ
マッチタイプには3種類ありますが、完全一致は検索語句と検索キーワードが完全に一致している場合に広告配信される最もキーワードを絞り込んだ設定です。
その他のマッチタイプの解説は、以下の記事をご参照ください。
完全一致は最もキーワードを絞り込んだ設定
完全一致は、検索語句と検索キーワードが完全に一致している場合に広告が配信されるため、広告の表示対象を最も絞り込むことができるマッチタイプです。
広告の表示対象の範囲はフレーズ一致と部分一致よりも少なくなります。
また、以下のような場合でも完全一致に含まれます。
- 表記揺れ
- 語句の入れ替え
- 誤字脱字
<完全一致のキーワードと検索語句の例>
項目 | キーワード |
---|---|
検索キーワード | 皿 プラスチック |
マッチする検索語句 | ・皿 プラスチック ・プラスチック 皿 ・ぷらすちっく 皿 ・プラスチックのお皿 ・プラスチック製 お皿 |
マッチしない検索語句 | ・皿 プラスチック 安い ・皿 プラスチック 通販 ・食器 プラスチック |
検索語句を指定して広告表示できるため、意図したユーザーにピンポイントで訴求することができます。
以下のように「類似パターン」に該当する場合も、広告配信の対象となります。
<完全一致の類似パターン一覧>
キーワードの 類似パターン | 広告が表示される検索語句の例 |
---|---|
大文字・小文字 | Facebook、facebook、FaceBook |
表記揺れ(漢字、ひらがな、カタカナ) | 鞄、かばん、カバン |
送り仮名 | 売上、売り上げ |
語順 | 「食器 通販」、「通販 食器」 |
類語、言い換え | 髪、ヘアー |
同じ検索意図 | 無料、フリー |
完全一致における類似パターンの詳細は、Google 広告ヘルプ「キーワードの類似パターン」をご参照ください。
表記揺れや語句の入れ替えでも広告が配信されますが、語句が増えた場合は対象外となります。
また、関連性がある検索語句が使われている場合でも、検索意図が違うとみなされれば配信の対象外となります。
検索語句に関しては、マッチタイプを理解する上でも重要になるので下記の記事をご参考ください。
- リスティング広告の運用の成果を左右する要素として、キーワードのマッチタイプの活用方法が非常に重要です。マッチタイプは、登録したキーワードの拡張性を設定する機能ですが、指定したキーワードをどういったユーザーに届けたいのかを意図をもって選択するのが運用者に求められる視点でしょう。
完全一致を使う3つのメリット
完全一致を使うメリットは、以下の3つがあります。
- ピンポイントに広告を配信できる
- 費用をコントロールしやすい
- 個別に専用の広告文を設定できる
それぞれ見ていきましょう。
メリット1.ピンポイントに広告を配信できる
完全一致は他のマッチタイプと比べて拡張性が低く、検索語句と設定したキーワードが完全に一致することが配信条件となります。
逆をいえば、指定したキーワードで意図したユーザーにピンポイントで広告表示できるメリットがあります。
配信の際に、成果の出ている検索語句に対してのみ広告表示対象とすることもできるため、コンバージョンの獲得効率を高めやすいというメリットがあります。
メリット2.費用をコントロールしやすい
意図していない検索語句でのクリックを減らすことができ、予算の浪費を防げます。
拡張性の高いマッチタイプ(部分一致など)の場合は、想定外の検索語句でも広告が配信されます。
興味関心の薄いユーザーからのクリックも増えてしまい、予算を浪費してしまうことが考えられます。
その点、完全一致は拡張性が低いため不要な検索語句を拾わずに済み、無駄クリックを抑えられ、費用をコントロールしやすいという点がメリットです。
限られた予算でリスティング広告を運用するのに適しています。
メリット3.個別に専用の広告文を設定できる
完全一致のマッチタイプを設定する場合、検索キーワードに合わせた広告文を設定することで、実際の検索語句と広告文の関連性が高まり、CTR(クリック率)が良くなる可能性があります。
逆に、検索キーワードと広告文が乖離していると、広告が表示されてもクリックされなかったり、広告の品質スコアが落ちてしまったりする可能性があるので注意が必要です。
ただ、検索キーワードが多い場合は、1つ1つに専用の広告文を設定するのは非常に手間がかかります。
Google 広告では、検索キーワードに応じて広告文を調整できる「広告カスタマイザ」の利用が可能です。
広告カスタマイザと完全一致キーワードを組み合わせることで、検索語句と関連性の高い、専用の広告文を配信できます。
広告カスタマイザは登録したキーワードに合わせて広告文を変更する機能なので、拾う検索語句に拡張性のあるマッチタイプ(フレーズ一致、部分一致)ですと、意図した検索語句以外の検索語句と広告文の組み合わせで配信される可能性がありますが、完全一致ですとそれが起こりにくくなります。
その結果、CTRやCPCの改善が期待できるという点がメリットです。
- 完全一致は、登録したキーワードと同じ文字列または意味や意図を持つキーワードに広告配信する設定なので、意図しない検索語句や関連性の低いユーザーに広告が表示される可能性は格段と低くなります。狙っている検索ユーザーに対して的確に広告を表示することができるのが完全一致のメリットです。
完全一致を使う3つのデメリット
完全一致を使うデメリットは、以下の3つがあります。
- 3種のマッチタイプのうちもっとも拡張性が低い
- 機会損失が起こる可能性が高い
- 新しいキーワードが発掘しにくくなる
それぞれ見ていきましょう。
デメリット1.3種のマッチタイプのうちもっとも拡張性が低い
完全一致は、3つのマッチタイプの中でもっとも拡張性が低いです。
意図していない検索語句でのクリックは防げますが、商品やサービスと関連性が高い検索語句であっても、フレーズが異なっていれば広告は配信されません。
検索キーワード | メンズ 帽子 |
---|---|
マッチしない検索語句の例 | ・メンズ ファッション ・メンズ アパレル |
不要なキーワードへの拡張配信がされないので、無駄なコストが発生せず、獲得単価の悪化を防ぐことが期待できます。
しかしコンバージョンに繋がりやすい検索語句がほかにあったとしても、登録していない限り配信されないため機会損失の可能性があります。
ただ上述のように言い換えや表記揺れ、誤字があっても広告は配信されます。
検索キーワードと同じ意図で検索しているとみなされれば、広告の配信が可能です。
デメリット2.機会損失が起こる可能性が高い
上述のように、完全一致には広告の配信範囲が狭まるという特徴があります。
関連性の高い検索語句で検索したユーザーであっても、フレーズが異なれば広告は配信されないので、機会損失につながる可能性が高くなるという点がデメリットです。
フレーズ一致は、検索語句がキーワードに含まれていれば、異なる語句が含まれていても広告は配信されます。
部分一致では、関連性のある検索語句であれば広告の配信が可能です。
完全一致にすることで、フレーズ一致や部分一致であれば取れたかもしれないコンバージョンを逃してしまう可能性もあります。
完全一致だけで広告を運用するのではなく、フレーズ一致や部分一致も並行して活用することをおすすめします。
デメリット3.新しいキーワードの発掘がしにくくなる
部分一致やフレーズ一致のマッチタイプは拡張性が高いゆえに、登録したキーワードとは少し違う語句を含む検索語句にも広告が配信されます。
この新しい検索語句へ配信されたときの実績を確認することで、運用者が想定していなかった検索語句の中からパフォーマンスが良い検索語句が発見されることがあります。
その検索語句から新しい発見があり、それが新しいキーワードの発掘につながったりクリエイティブに活かされる場合があります。
ですが、完全一致キーワードの登録割合が増えれば増えるほど、上記のようなことが起こりにくくなり、新しいキーワード発見のチャンスが少なくなっていくことがデメリットとなります。
- 完全一致は狙ったキーワードで広告配信できる便利な機能ですが、反面成果に繋がりやすい検索語句の取りこぼしが発生する可能性が高いマッチタイプです。
- 近頃ではユーザーの検索語句は多種多様になってきています。1つ1つのキーワードを完全一致で網羅しようとしても物理的に追いつけないのが実態です。確実に表示させたいキーワードは完全一致で、それ以外は他のマッチタイプを活用する等、可能性をなくさない準備をすることは必要です。
完全一致を選択すべき状況
完全一致は拡張性がもっとも低いマッチタイプのため、使うシチュエーションがわからないという場合も多いでしょう。
以下の5つの状況においては、完全一致を選択することを推奨します。
- 指名検索
- コンバージョンをした検索語句をキーワードとして追加する場合
- サジェストキーワードの関連性が低い
- 予算が限られている
- ビッグワード(1語)で出稿する
詳細を1つずつ解説します。
指名検索にピンポイントで専用の広告を出したい場合
完全一致を選択すべきなのは、指名検索したユーザーにピンポイントで広告を配信したい場合です。
指名検索とは、サービス名や会社名などの固有名詞で検索することを指します。
指名検索したユーザーは興味関心の度合いが高いことが想定されるため、クリック率をあげて獲得効率を高めたいところです。
指名検索専用の広告グループを作成し、個別の広告文や広告オプションを設定して指名検索ユーザーに訴求する等の対応をしていきましょう。
コンバージョンをした検索語句をキーワードとして追加する場合
完全一致の最大の利点は、訴求したいターゲットにピンポイントでアプローチできるところです。
ターゲット設定の方法はさまざまですが、複数のコンバージョンが獲得できている検索語句を完全一致のマッチタイプで活用するという方法もあります。
他の広告で複数のコンバージョンが獲得している検索語句があれば、完全一致のキーワード設定することで、同様の検索語句で検索したユーザーに対し、取りこぼしなく広告を配信できます。
サジェストにサービスとの関連性が低いキーワードが多い場合
検索バーに語句を入力すると表示されるサジェストの中に、商品やサービスと関連性が低いキーワードが多いと、そのサジェストで検索される可能性が高くなります。
その結果、商品やサービスに関心の薄いユーザーにも広告が表示され、広告費が余計にかかってしまう可能性があります。
サービスと関連性が低いサジェストが多い場合は完全一致を利用するのが望ましいです。
高いコンバージョン率を狙っているキーワードがある場合は、実際にその語句で検索してみて、サジェストをチェックすることをおすすめします。
できるだけ予算を抑えて配信したい場合
完全一致を利用すれば、部分一致のように商品・サービスに直接関係のない検索語句にまで配信範囲が広がってしまうことを防げます。
配信範囲を絞り込むことで無駄クリックを減らせるので、予算を抑えて広告配信したい場合におすすめです。
ビッグワード(1語)で拡張性を抑えて配信したい場合
ビッグワード(検索ボリュームの多いキーワード)1語のみで広告を出稿したい場合にも、完全一致がおすすめです。
ビッグワードかつ1語のみで広告を出稿する場合は特に、配信範囲の広がりすぎに注意が必要です。
たとえば「SEO」のようなビッグワードで広告を出稿した場合にフレーズ一致や部分一致を適用すると、サジェストも含めるとかなり配信範囲が広がってしまいます。
その場合は完全一致で運用して、配信範囲をピンポイントに絞り込むのがおすすめです。
- 指名系キーワード(ブランド名、商品名、固有名詞)は完全一致を使用するのが良いでしょう。指名系のキーワードで検索するユーザーは興味を持って検索しているため、確実に広告表示をさせたい対象となります。
- 検索ユーザーは今すぐの解決策を望んでいる場合が多いです。その際、ニーズが顕在化しているタイミングでアプローチを掛けないと他の商品やサービスに流れてしまいます。そうならないために完全一致を活用して、確実に自社サイトに誘導できるような設定を心がけましょう。
キーワードを完全一致にする設定方法
Google 広告とYahoo!広告で、キーワードを完全一致で登録する際のそれぞれの設定手順を解説します。
Google 広告の場合
- Google 広告の管理画面より、「キャンペーン」→「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」→「検索キーワード」にアクセス、「+」ボタンをクリック
- 広告キャンペーンから、キーワード登録をしたい広告グループを選択
- キーワード追加画面で、設定したいキーワードを入力。このとき、完全一致を表す記号[ ]でキーワードを囲って入力
- 「保存」をクリック
設定するキーワード数が多い場合、記号を手入力するのは非常に煩雑です。
KARABINER(カラビナー)などの無料ツールを使って効率化することをおすすめします。
Yahoo!広告の場合
- Yahoo!広告の管理画面より、「キーワード」→「+キーワード作成」をクリック
- 広告キャンペーンから、キーワード登録をしたい広告グループを選択
- キーワード欄に登録したいキーワードを入力。改行で複数登録が可能。入力画面右下の「インデントマッチ」から「完全一致」を選択。「キーワードを追加」をクリック。
- 「キーワードのみ作成して完了」をクリック
- 設定方法は、Google 広告とYahoo!広告で仕様が異なります。Google 広告では特有のマッチタイプの記号が存在しますが、Yahoo!広告で同一の記号で入力しても登録されません。Google 広告と同じキーワードとマッチタイプで、Yahoo!広告でも配信しようとして、本来の設定とは異なる設定で配信してしまわないように注意しましょう。
完全一致に関してよくある質問
この章では、完全一致についてよくある質問とその解答をまとめています。
- 大文字・小文字の違い
- フレーズ一致との違い
- 部分一致との違い
これらについて解説しているので、参考にしてみてください。
完全一致は大文字・小文字の違いはどう扱われますか
完全一致では、大文字と小文字は区別されません。どちらの表記でも広告は配信されます。
大文字・小文字だけでなく、ひらがなやカタカナ、漢字の違いも広告範囲には影響しません。
<アルファベットを含むキーワードの例>
項目 | キーワード |
---|---|
検索キーワード | Facebook広告 |
マッチする検索語句 | ・facebook広告 ・FaceBook広告 ・フェイスブック広告 |
<カタカナを含むキーワードの例>
項目 | キーワード |
---|---|
検索キーワード | カレー 出前 |
マッチする検索語句 | ・かれー 出前 ・カレー でまえ |
フレーズ一致とどのような違いがありますか
フレーズ一致は、登録したキーワードと同じ文字列が含まれていたり、同じ意味の内容が含まれている検索語句に対して広告を配信されるマッチタイプです。
語順が違っていても配信されます。
完全一致との違いは、キーワードに設定されていない語句が含まれていても広告が配信されるので、完全一致よりも拡張性が高いという点です。
<フレーズ一致の検索語句拡張例>
項目 | キーワード |
---|---|
検索キーワード | カレー 出前 |
マッチする検索語句 | ・カレー 出前 都内 ・カレー 出前 おいしい |
フレーズ一致に関してより詳しく知りたい方は下記記事をご参考ください。
部分一致とどのような違いがありますか?
部分一致は、検索キーワードと関連性のある検索語句であれば広告が表示されるマッチタイプで、3つのマッチタイプのうちもっとも拡張性が高いです。
完全一致は、商品と関連する検索語句であっても検索意図が一致しないとみなされれば広告が配信されません。
部分一致では配信範囲はかなり広くなりますが、機会損失を防げるというメリットがあります。
<部分一致の検索語句拡張例>
項目 | キーワード |
---|---|
検索キーワード | 東京 スポーツジム |
マッチする検索語句 | ・港区 ジム ・フィットネス 新宿 ・トレーニングジム 渋谷 |
部分一致についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
- 完全一致のみで配信した場合、キーワードを限定する為、コンバージョン獲得の確率は高くなりますが、配信量が少なく、コンバージョン数を拡大することが難しくなります。
- 運用の目的や商材、予算によっても状況は変わるかと思いますが、初動は部分一致で配信開始し、徐々に絞り込んでいくとよいでしょう。
- 当初想定していなかったキーワードからの獲得もあるため、部分一致やフレーズ一致といった他のマッチタイプも使い分けしながら、配信を広げて検索語句を確認して、費用対効果を高めていくことが重要です。
リスティング広告の完全一致を活用して効果的な訴求につなげよう
完全一致は、検索キーワードと検索語句が完全に一致した場合に広告が配信されるマッチタイプです。
キーワードと検索語句が異なっていたとしても、以下の場合は類似パターンとみなされ広告が表示されます。
- 表記揺れ(大文字・小文字、漢字・ひらがな・カタカナ)
- 助詞
- 言い換え
- 語順の入れ替え
- 送り仮名
- 同じ検索意図
完全一致は広告を配信するユーザーを、検索語句ベースでピンポイントに絞り込めます。
配信範囲が限定されるので、無駄なクリックを防ぎ、予算の浪費を減らす効果が期待できます。
デメリットは、配信範囲を絞ることで広告がクリックされなかったり、そもそも広告が表示されなかったりする可能性がある点です。
特徴とメリット・デメリットを把握した上で、ほかのマッチタイプと併用して運用することをおすすめします。
もしマッチタイプやキーワードの選定が難しいと感じる方は、広告運用の専門家に運用を依頼することもひとつの手段です。
LANYでは、リスティング広告をはじめとしたPR施策を、出稿から運用まで一気通貫で支援しております。商品やサービスのPRにお悩みの方は、ぜひLANYまでお気軽にご相談ください。