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Product-Led GrowthなSEO被リンク獲得戦略
SaaS時代の新戦略として注目されている “Product-Led Growth(PLG)” をご存知でしょうか。
Product-Led Growthとは「顧客の獲得やマーケティング活動をプロダクト内に取り込む事業モデルのこと」です。
ZoomやSlack、Shopifyなどの急成長を見せるプロダクトの成長戦略になっており「プロダクトでプロダクトを売ること」を基盤とする戦略です。
SaaSプロダクトに限らず、SEO戦略においても参考になる部分があると考えたので、本記事ではSEOでも重要になる被リンク獲得戦略をPLGの観点から考えました。
小手先のSEOではなく、本質的なSEOを実行していくための一つのアイデアとなるかと思いますので、ぜひ多くのSEO担当者の方に届くと嬉しいです。
PLG(Product-Led Growth)とは「プロダクトがプロダクトを売る事業モデル」
PLG(Product-Led Growth)とは「顧客の獲得やマーケティング活動をプロダクト内に取り込む事業モデルのこと」です。
端的に言うと「プロダクトがプロダクトを売る事業モデル」のことです。
ZoomやSlackなどの急成長しているプロダクトサービスで取られている戦略です。
「セールスがプロダクトを売る」仕組みのSLG(Sales-Led Growth)と、PLG(Product-Led Growth)を比較するとその違いがわかりやすいかと思います。
PLGは、プロダクトが働いてくれるため、顧客獲得にかかるコスト(CAC)が低かったり、労働集約にならなかったりといった事業グロースの上でのメリットが多いです。
また、営業がプロダクトグロースに関わらず「非言語でプロダクトを伸ばしていくこと」もできるため、グローバル展開を目指しやすい性質もあります。
※無料お役立ち資料:「被リンク獲得の手法」をダウンロードする>>こちらから
プロダクトが勝手にSEOをする仕組みができれば、勝ち筋が見えてくる
PLGの仕組みを見たときに「SEOでも同様の仕組みを作れているサービスやプロダクトは強いな」と感じました。
プロダクトが勝手にSEOをする仕組みを構築できれば、事業に向き合うだけでSEOが成長していく好循環が作れます。
とくにSEOでも重要になる被リンク獲得をPLG的に実行できれば、競合に模倣されることのない勝ち筋が見えてくるでしょう。
具体的には下記図のような「PLGな被リンク獲得戦略」で好循環ができれば、指数関数的にSEOを伸ばすことができます。
- 被リンクが増えることで、SEO流入数が増える
- SEO流入数が増えることで、プロダクトやサービスの利用者が増える
- プロダクトやサービスの利用者が増えることで、さらに被リンクが増える
- 被リンクが増えることで・・・
上記のようなサイクルを作れるのがPLGな被リンク戦略をしているプロダクトやサービスになります。
要は、プロダクトやサービスが伸びるにつれて勝手に被リンクが増えていく仕組みがあれば、SEOをPLG的に伸ばしていくことができるのです。
PLG的なSEO成長はパッとは理解しづらいかと思いますので、具体的な事例をご紹介させていただきます。
PLGな被リンク獲得戦略の事例
PLG的に被リンク獲得をうまく行って、SEOを伸ばしているサイトを3つご紹介いたします。
どのサイトもSEOを非常に綺麗に伸ばしているのでPLG以外の観点でも参考になるかと思いますので、SEOを愛する方はぜひくまなく分析をしてみてください。
engage | 無料の求人作成サービスの提供によって被リンク獲得に成功
engageは「無制限の求人掲載・自社採用ページ作成、応募者管理、採用まで、0円からカンタンに使える新しい求人サービス」です。
無料で採用サイトが作れて、Indeedなどにも掲載できることもあり、多くの企業が利用しています。
engageのPLGな被リンク獲得の流れは下記です。
- 企業が求人サイトを作成する
- 企業がコーポレートサイトに求人サイトの導線を作る(被リンク獲得)
- 被リンクが増えてSEOが強くなり、さらに多くの企業が採用サイトをengageで作るようになる
engageのSEO的に優れた点は、求人サイトをengageのサブディレクトリで作成させている点です。(UX観点はいったんおいておく)
https://en-gage.net/企業ごとのパス
採用サイトをengageのサブディレクトリに作成する仕組みにしていることにより、採用サイトの性質上、企業のコーポレートサイトにリンク導線が設置されるたびにengageドメインに被リンクがつく仕組みです。
また、基本的に共通フッターやグローバルナビゲーションから被リンクを受けられるため、TOPページなどの評価の高いページからの被リンクも受けられるため、SEO的には高価値なリンクと考えられます。
狙って設計されたかどうかはさておき、PLGな被リンク獲得の仕組みになっている良い事例といえます。
実際に、Ahrefsでengageの獲得している被リンクを確認してみると「採用サイト」のアンカーテキストでもらっている被リンクが200本近くありました。
プロダクトの成長にSEOを絡めた良事例だと思います。
WantedlyやWixなどのサイト制作やCMSを提供するようなサイトはengageのようなPLGを達成できているので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
Ubie(ユビー) | 医療機関向けのサービスで病院からの被リンク獲得に成功
質問に答えるだけで参考病名や受診先が調べられるユビーも、参考になる被リンク獲得を実施しています。
ユビーはYMYL領域の難易度の高いSEOで大きくコンディションを上げており、下記のようなクエリでも高い順位を獲得しています。
- お腹痛い(87,000):1位
- 子宮内膜症 症状チェック(33,000):1位
- 左胸が痛い(33,000):1位
- 背中の痛み(90,000):2位
- 眠れない(60,000):3位
- 足の甲が痛い(27,000):2位
※()内は月間検索ボリューム
ユビーはサービスが素晴らしいだけではなく、サービスグロースに合わせて被リンクが増える仕組みも設計されていました。
ユビーのPLGな被リンク獲得の流れは下記です。
- 病院とユビー(医療機関向けのサービス)が提携する
- 病院のサイトからユビーにリンクを貼られる(被リンク獲得)
- 被リンクが増えてSEOが強くなり、さらに多くの企業がユビーと提携するようになる
ユビーは、ユビーAI問診という「患者さんが来院前にユビーを利用して問診をすることができる医療機関向けの業務支援ツール」を提供しており、病院からの被リンクを多く集めることに成功しています。
詳しくは、下記のスライドをご確認ください。
病院の「外来受診の流れ」のページの中などから、ユビーが提供しているユビーAI問診へのリンクが貼られる形になっており、利用院数が増えるにつれて、被リンクも増える仕組みとなっています。
またサービス特性上、病院というE-A-Tの権化のようなドメインからの被リンクが増えていくため、ユビーは難易度の高いYMYL系のクエリでも上位表示を獲得できているのでしょう。
プロダクトの利用者数を増やしながら被リンクも増やせている高事例です。
求人ボックス | 保有している統計コンテンツを出すことで被リンク獲得に成功
複数の求人サイトの情報をまとめて提供しているアグリゲーション型求人サイトの求人ボックスも、被リンク獲得をPLGな形で成功させています。
求人ボックスは、大規模データの取り扱い方法に非常に長けており、保有している求人データを用いた統計コンテンツも充実しております。
求人ボックスのPLGな被リンク獲得の流れは下記です。
- メディアが統計コンテンツを使って記事を作成する
- メディアが求人ボックスに対して引用リンクを付ける(被リンク獲得)
- 被リンクが増えてSEOが強くなり、さらに多くの企業が求人ボックスの統計コンテンツで記事を作成するようになる
統計データをまとめて世の中に提供することによって、多くのサイトで引用され、被リンクが付きやすくなります。
ブログメディアやニュースメディアが、職種別の時給情報やエリア別の給与や年収の推移などの参考ソースとすることで、多くの被リンクがついています。
そもそも被リンクとは、情報ソースとなることで増えていくべきものであるため、シンプルではあるものの、正攻法な形でグロースさせられている良い事例でしょう。
求人ボックスのSEO成長に背景は、被リンク以外の要素も多く存在するものの、このようなPLGな被リンク獲得もその一因となっているでしょう。
まとめ
「サイトにSEOをさせる」のが、SEOにおけるProduct-Led Growthです。
その中でも被リンク獲得の仕組みはPLG化させやすいです。
SEOを伸ばしていくために、本記事で紹介したengage、Ubie、求人ボックスのPLGな被リンク獲得の仕組みも参考にしつつ、ご自身のサイトで被リンク獲得のPLGの仕組みを構築できないかを考えてみても良いかと思います。
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