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【2025年】YDAの高度なセグメントとは|サーチキーワードターゲティングとの違いを解説

YDA(Yahoo!広告)では、これまで検索履歴をもとにターゲティングできる「サーチキーワードターゲティング」が活用されていましたが、2025年7月に終了が決定しました。
その代替として登場したのが「高度なセグメント」です。検索履歴に加え、ユーザーの興味・関心、行動データなどを活用し、より精度の高いターゲティングを実現します。
この記事では、「高度なセグメント」の特徴や、従来のサーチターゲティングとの違いを詳しく解説します。YDAのターゲティング精度を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
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2025年にYDAのサーチキーワードターゲティングが終了して「高度なセグメント」にアップデート
引用:サーチキーワードターゲティング提供終了(提供終了時期とリスト移行機能について)|LINEヤフー株式会社
YDAは、2025年7月初旬に「サーチキーワードターゲティング」を終了し、新たに「高度なセグメント」へと移行します。
広告主はオーディエンスリストターゲティングを活用し、高度なセグメントを用いることで、これまで同様の精度でターゲットユーザーにリーチ可能です。このアップデートによって柔軟で高精度な広告配信が実現し、広告の最適化が進むと期待されています。
YDAについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認しておきましょう。

参照:【ディスプレイ広告】サーチキーワードターゲティングの移行と提供終了について|Yahoo!広告ヘルプ
そもそも「サーチキーワードターゲティング」とは
サーチキーワードターゲティングは、Yahoo!ディスプレイ広告のターゲティングのひとつです。特定のキーワードを検索したユーザーの検索履歴をもとに、キーワードと関連性の高い広告を配信します。
たとえば、ユーザーが「登山リュック」と検索した場合、後日そのユーザーが別のWebページを閲覧した際に「登山リュック」と関連性の高い広告が表示されます。
実際に検索行動をとったユーザーに限定して配信できるため、ターゲットの精度が高く、YDAのターゲティングのなかでも費用対効果の高い手法といえるでしょう。
サーチターゲティングについては以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

参照:サーチキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ
「オーディエンスリストターゲティング」内の「高度なセグメント」に統合される
従来別々に存在していた「オーディエンスカテゴリーターゲティング」と「サーチキーワードターゲティング」が統合され、オーディエンスリストターゲティングの「高度なセグメント」として生まれ変わります。
これまでは複数のターゲティングを活用する際、新たな広告グループを作成する必要があったり、同時に設定するとAND条件になったりと、さまざまな課題がありました。
統合後は、1つの広告グループ内でOR条件の設定が可能となり、より広範囲にリーチできるようになります。AND条件を維持したい場合も組み合わせリストを作成できるため、アカウント設計の自由度が向上するでしょう。
「高度なセグメント」とは
高度なセグメントとは、ユーザーの検索履歴や行動をもとに、機械学習によって作成されるオーディエンスリストです。従来のサーチキーワードターゲティングより、柔軟かつ広範な広告配信が可能になります。
これまでのサーチキーワードターゲティングは、候補キーワードから選択し、該当のキーワードを検索したユーザーのみに広告を配信する仕組みでした。
一方、高度なセグメントでは任意のフリーワードを登録できるだけでなく、類似の検索行動をとるユーザーにも広告を拡張配信できるため、リーチを大きく広げられます。検索期間や検索回数の指定も不要で、システムが最適なターゲットを自動で選定する点も特徴です。
高度なセグメントを活用することで、ターゲティングの幅を広げつつ、より効率的な広告配信が実現できるでしょう。
YDAのターゲティングについては以下の記事で解説しています。それぞれの特徴やメリットも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

サーチキーワードターゲティングと高度なセグメントの違い
サーチキーワードターゲティングと高度なセグメントの主な違いは以下の通りです。
項目 | サーチキーワードターゲティング | 高度なセグメント |
---|---|---|
ターゲティング方法 | 指定したキーワードを実際に検索したユーザーを対象 | 指定したキーワードをもとに機械学習でオーディエンスを生成 |
キーワードの選択 | 検索数が一定あるキーワードのみ選択可能 | フリーワード入力が可能 |
ターゲットの範囲 | 直接検索したユーザーのみに限定 | 広範囲にターゲティング可能 |
ターゲティングの組み合わせ | 単一の条件でターゲティング | 複数のターゲティングを組み合わせ可能 |
詳しく解説します。
フリーワード入力機能がある
高度なセグメントではフリーワード入力機能が追加され、検索ボリュームの少ないキーワードでも広告配信が可能です。
これまでは、Yahoo!が指定したキーワードの候補から選択する仕組みだったため、候補にないキーワードでは広告配信ができませんでした。
一方、高度なセグメントではフリーワードを自由に入力でき、ニッチなキーワードでもターゲティングできます。検索量に関係なくリスト登録できる点も大きな特徴です。
なお、設定できるキーワード数はこれまでの500個から50個に制限されるものの、広告配信の柔軟性が向上し、今までリーチできなかったユーザー層にもアプローチしやすくなるでしょう。
広範囲にターゲティングできる
高度なセグメントでは、登録したキーワードをもとに拡張ターゲティングがおこなわれ、より広範囲なユーザーに広告を配信できます。
従来は、設定したキーワードを検索したユーザーのみ広告が配信されていました。高度なセグメントでは、登録キーワードに関連する検索行動をもつユーザーにも広告が配信されるため、リーチの幅が大きく広がります。
特定のキーワードに限定されないため、ターゲティングの柔軟性と広告配信の効率が向上するでしょう。
複数のターゲティングを組み合わせられる
高度なセグメントを活用すると、登録したキーワードをもとに作成されたオーディエンスをほかのユーザーリストと自由に組み合わせられます。
従来はほかのターゲティングと組み合わせる際にAND条件のみ適用されていたため、リーチの拡大が困難でした。高度なセグメントでは、登録したキーワードをもとにオーディエンスが生成され、ほかのリストと以下の条件を 柔軟に組み合わせられます。
条件 | 特徴 |
---|---|
AND | 選択した条件をすべて含める |
OR | 選択した条件をいずれかひとつ以上含める |
NOT | 選択した条件を除外する |
これにより、特定の興味関心をもつユーザーに絞って配信したり、不要な属性を除外したりと、より細かいターゲティング設定を実現できるでしょう。
高度なセグメントの設定方法
高度なセグメントの設定方法は、以下の通りです。
- Yahoo!広告の管理画面で「ツール」から「オーディエンスリスト」を選択
- 「オーディエンスリストを作成」ボタンから「高度なセグメント」を選択
- 各項目を入力
- 作成したオーディエンスリストを紐づけて完了
高度なセグメントでコンバージョンを獲得するキーワード選定の方法
高度なセグメントでコンバージョンを獲得するには、ユーザーの検索意図を深く理解し、適切なキーワード戦略を立てることが重要です。 軸となるキーワードを設定しながら、拡張する方向や掛け合わせるキーワードを慎重に選定しましょう。
まず、過去の検索広告のコンバージョンデータを分析し、ユーザーの意図に合致しているキーワードやコンバージョンにつながったキーワードなど、目標達成を効率よく実現できるキーワードを特定します。軸となるキーワードはひとつに限定せず、拡張したい方向を決めながら関連するキーワードを組み合わせ、ターゲットを広げることがポイントです。
例として、LINEヤフー for Businessの公式の資料では人材業界と仮定し下記の様なキーワード設定が紹介されています。
引用:より最適な広告運用を目指す!オーディエンスリスト(高度なセグメント)の推奨運用手法|LINEヤフー for Business
選定後はパフォーマンスを追跡しながらABテストを実施し、最適なキーワードを見つけてより高いコンバージョン獲得につなげます。
キーワード選定の精度を高めることで、購入意欲が高く、成果を上げやすいユーザーにリーチできるでしょう。
参照:サーチキーワードターゲティング提供終了(提供終了時期とリスト移行機能について)Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)
高度なセグメントを利用する際の6つの注意点
高度なセグメントを利用する際に注意すべき点は、以下の6つです。
- 入力するフリーワードには審査がある
- 検索期間や回数は指定はできない
- サーチキーワード別の分析レポートは出せない
- 登録キーワードが少ないと配信が伸びにくい
- 設定できるキーワード数が少ない
- サーチターゲティングとANDまたはORの仕様が変わる
ひとつずつ解説します。
1.入力するフリーワードには審査がある
高度なセグメントのフリーワード入力には審査があり、Yahoo!の広告データ利用基準に抵触するワードは使用できません。
入力したフリーワードは、検索広告と同様に不正確な情報や誤解を招く表現、禁止された内容が含まれていないか審査されます。基準に違反するワードはターゲティング対象外となり、広告配信が制限されるため注意が必要です。
さらに、ユーザー体験を最適化する目的での誇張表現や、誤解を招く表現の有無もチェックされます。
高度なセグメントでキーワードを設定する際は、審査基準を確認し、適切なフリーワードを選定しましょう。
参照:1. 慎重に扱うべき個人に関するデータを利用したターゲティングの禁止|Yahoo!広告ヘルプ
2.検索期間や回数は指定はできない
高度なセグメントでは、検索期間や検索回数を指定できなくなりました。
従来は検索履歴の有効期間や検索回数を細かく指定できましたが、変更によってターゲティングがより広範囲にわたり、過去の検索行動をもとに最適化されます。
これにより、機械学習によってターゲティングの精度が向上し、ターゲット層へのリーチが自動で調整可能です。
機械学習による最適化プロセスを理解し、その特性を活かして効率的にターゲティングを進めていきましょう。
3.サーチキーワード別の分析レポートは出せない
高度なセグメントでは、検索キーワードごとの分析レポートが出力できず、細かい配信実績はオーディエンスリスト単位でしか確認できません。
これまでは、リストに登録したキーワードごとの実績を管理画面で直接確認できました。しかし、高度なセグメントでは、キーワード単位での詳細な成果を確認できなくなります。
成果を分析したい場合は、リストをキーワードごとに分けて設定することが最適です。特定のキーワードに関連する成果を間接的に把握し、より精度の高い分析が可能となるでしょう。
4.登録キーワードが少ないと配信が伸びにくい
高度なセグメントで登録キーワードが少ないと、インプレッション数が伸びにくくなる可能性があります。
ひとつのキーワードでオーディエンスリストを作成して広告配信をおこなうと、機械学習はそのキーワードに最適化され、特定のユーザーに配信が偏りがちです。コンバージョンにつながりやすいユーザーに絞り込まれるため、インプレッション数は伸びにくくなります。
一定の広告配信量を確保したい場合は、複数のキーワードを使ってオーディエンスリストを作成することが有効です。これにより、ターゲットとなるユーザー層が広がり、インプレッション数が増加しやすくなるでしょう。
5.設定できるキーワード数が少ない
高度なセグメントでは、設定できるキーワード数が従来のサーチキーワードターゲティングと比較して少なくなっています。
これまでは最大500件のキーワードを設定できましたが、高度なセグメントは50件です。しかし、ひとつのキーワードでオーディエンスリストを作成すると、機械学習がそのキーワードに関連する検索行動をもつユーザーにも自動で配信を拡張してくれます。
高度なセグメントを活用する際は50件の制限を考慮しつつ、機械学習によるターゲティングの拡張効果をうまく活用することがポイントです。
6.サーチターゲティングとANDまたはORの仕様が変わる
ターゲティング条件の組み合わせ変更により、これまでのAND設定がORになるため注意が必要です。
従来は選択したターゲティング条件がANDで組み合わされ、両方の条件に一致するユーザーに広告が配信されました。
しかし、高度なセグメントでは、オーディエンスリストターゲティング内で選択した各リストがOR条件で組み合わされるため、選択したリストのいずれかに当てはまるユーザーに広告が配信されます。
引用:サーチキーワードターゲティング提供終了(提供終了時期とリスト移行機能について)| LINEヤフー株式会社
ターゲティングの精度や配信対象を意図的に調整したい場合は、OR条件の仕様変更を理解した上で設定をおこないましょう。
参照:複数のターゲティングを設定した場合、ANDまたはORのどちらの組み合わせになりますか?【ディスプレイ広告】|Yahoo!広告ヘルプ
サーチターゲティングから高度なセグメントへの移行は「リスト移行機能」が便利
サーチターゲティングから高度なセグメントへの移行は「リスト移行機能」が便利です。
リスト移行機能を使用すると、システムがもととなるサーチキーワードリストに含まれるキーワードから最適なキーワードを選び、 高度なセグメントを自動で新規作成します。これにより、過去のターゲティング設定を活用しつつスムーズに移行可能です。
時間や手間を大幅に削減しながら、広告のターゲティング精度を向上できます。サーチターゲティングを活用している方にとって、非常に効率的なツールといえるでしょう。
YDAの高度なセグメントを活用して広告効果を最大化しよう
YDAの「サーチキーワードターゲティング」は2025年7月に提供終了し、今後は「高度なセグメント」を活用したターゲティングが主流になります。
高度なセグメントでは、検索履歴だけでなく、ユーザーの興味関心や行動データをもとにした精度の高い広告配信が可能です。これにより、より適切なオーディエンスにアプローチし、広告の成果を最大化することが期待されます。
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