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CTR(クリック率)とは?計算式やWeb広告/SEOの平均CTRを解説
広告運用やSEOを行うなかで避けて通れないのがCTR(クリック率)の改善業務です。CTRとは、広告やSEOコンテンツがクリックされた回数を表示回数で割った数値のことを指します。
クリック率が低いと、工数に対しあまり自社サイトに流入できておらず、改善が必要であることがわかります。しかし、広告運用やSEOをはじめたばかりの人の場合、そもそもCTRについてあまり知らず、どのように活用すればいいかわからない方もいるでしょう。
本記事ではCTRの計算式や低い場合の改善方法について解説します。CTRの平均値も紹介していますので、自社の広告運用やSEOの現状把握にもご活用ください。
CTR(クリック率)とは?求め方がわかる計算式も解説
CTRは、「Click Through Rate」の略でクリック率のことを指します。
広告やSEOの流入効果の指標になる重要な数値の1つです。
CTRは以下のような数式で定義されます。
実際に計算してみましょう。
広告が5000回表示されたときに、200回クリックされた場合、
(200÷5000)×100=4%
計算により、CTRは4%になります。
CTRは最小値が0%、最大値が100%です。
数値が高いほど、多くのユーザーが広告に関心をもっていることがわかります。
リスティング広告のCTRは、検索結果画面で上位に掲載されるほど高くなる傾向にあります。
CTR(クリック率)の平均・目安は?
CTRの平均や目安は広告の種類や配信される場所、デバイスによっても異なります。
また、SEOとリスティング広告でも変動要因が異なります。
SEOでは検索順位やタイトルによって変化します。
一方、リスティング広告は、ユーザーから見た広告文の魅力や出稿するキーワードも変動要因です。
それぞれクリック率を高めるために、戦略を練らなければなりません。
以下に、SEOとリスティング広告のCTRと目安を紹介します。
SEOのCTR(クリック率)と目安
SEOでのCTRは主に検索結果の表示順位によって異なります。
検索順位ごとのCTRを表で見てみましょう。
検索順位 | PC | モバイル |
---|---|---|
1位 | 40.3% | 43.6% |
2位 | 14.3% | 12.6% |
3位 | 10.2% | 8.1% |
4位 | 6.1% | 4.3% |
5位 | 4.8% | 3.4% |
6位 | 3.2% | 2.9% |
7位 | 2.4% | 3.1% |
8位 | 2.6% | 2.4% |
9位 | 2.5% | 2.2% |
10位 | 1.9% | 2.4% |
表を見ると、PCとモバイル両方とも上位に掲載されているほど、CTRが高い傾向にあります。
リスティング広告のCTR(クリック率)と目安
リスティング広告のCTRは広告の業種によって異なります。
業種ごとの検索広告とディスプレイ広告のCTRを以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
業種 | 検索広告 | ディスプレイ広告 |
---|---|---|
擁護団体 | 4.41% | 0.59% |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
B to B | 2.41% | 0.46% |
カスタマーサービス | 2.41% | 0.51% |
出会い系 | 6.05% | 0.72% |
eコマース | 2.69% | 0.51% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
求人サービス | 2.42% | 0.59% |
金融・保険 | 2.91% | 0.52% |
健康・医療 | 3.27% | 0.59% |
家庭用品 | 2.33% | 0.49% |
産業機器の保守サービス | 2.61% | 0.50% |
法律 | 2.93% | 0.59% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
技術 | 2.09% | 0.39% |
旅行・接客業 | 4.68% | 0.47% |
あくまで参考程度となりますが、上記数値を図で表現したものが下記となります。
参考:Word Stream|Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
CTRが変動する要因は、業種以外にも広告を配信するデバイスや掲載順位などで変わります。
変動する要因が複雑かつ要素が多いので、CTRの目安はどの数値も決して正しいとは言い切れません。
上の表に記載されている数値もあくまでも参考として扱いましょう。
ディスプレイ広告のCTRが検索広告より低くなる理由
ディスプレイ広告は検索広告よりCTRが低くなる傾向があります。
理由は、ディスプレイ広告と検索広告ではリーチできるユーザー層が異なることが挙げられます。
検索広告の場合、特定のキーワードを検索した人に対し、そのキーワードに関連した広告を表示できるため、クリックされやすいです。
しかし、ディスプレイ広告はブログなどのWeb上のページや動画、アプリなどを使用している時に表示されます。ターゲティング機能によって可能な限りユーザーのニーズに沿った広告が表示されてはいますが、タイミングとしては意図してユーザーが情報を望んでいないときにも広告が表示されるため、ディスプレイ広告はCTRが低くなる傾向にあります。
CTR(クリック率)を高める改善方法
SEOとリスティング広告でCTRを高めるための改善方法を紹介します。
以下に、今回紹介する改善方法と効果のある広告の種類について表でまとめましたので参考にしてみてください。
改善方法 | SEO | リスティング広告 |
---|---|---|
キーワードと広告文(タイトル)の関連性を高める | ||
広告文(タイトル)を見直す | ||
広告文(タイトル)でのアピールポイント(訴求)を変える | ||
ターゲットを調整する | ||
検索結果を目立たせる | ||
広告が出稿されている検索クエリを確認する |
それぞれの改善方法について、以下で詳しく解説します。
キーワードと広告文(タイトル)の関連性を高める
キーワードと広告文(タイトル)の関連性を高めるように改善しましょう。
特にキーワードが広告タイトルに入っているとクリックされやすい傾向があります。
Googleでは、キーワード挿入機能や広告カスタマイザによってキーワードを広告文に含めることができます。
キーワード挿入機能とは、ユーザーの検索したキーワードに沿った広告タイトルを自動で表示できます。
広告カスタマイザとは、広告のテキストをキーワードごとにカスタマイズできる機能です。特定のキーワードで検索したユーザーに最適な広告文を提示できるため、CTRを高められます。
参考:広告文のキーワードの挿入機能について
参考:広告カスタマイザについて
SEOでは、ユーザーが検索するキーワードを記事タイトルに盛り込むことが大切です。
タイトルや記事の内容がユーザーの検索意図に沿うことで上位に記事が掲載されるためです。
キーワード選定ツールで月間の検索ボリュームを調べ、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを調査しましょう。
検索ボリュームとSEO難易度のバランスを考えてキーワードを選定し、タイトルにキーワードを入れます。そうすることで、SEOに強い記事タイトルを作成できます。
広告文(タイトル)を見直す
広告文のタイトルを見直すことも大切です。
特にユーザーは広告のタイトルでクリックするかを決めることが多いため、いかに興味がわくようなタイトルを作成するかが重要になります。
もし競合と同じような広告文(タイトル)だった場合、検索した人の印象に残りにくく、クリックされにくいです。
できるだけ広告文が多くの人の目に留まるよう、あえて違うキャッチコピーにしてみるのもCTRを高める一つの方法です。
数字や記号を使えば広告が目立ちやすくなります。
ただし、記号によっては広告の審査が通らないこともあるので注意しましょう。
具体例を以下に紹介します。
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数値を入れることで、「どれくらい効果があるのか」や「いかに貴重な機会か」が明確になります。
ユーザーの印象に残りやすくなり、CTRが向上できるのです。
ただし、自社商品の強みと広告タイトル(記事タイトル)の内容が乖離しないように気を付けましょう。
また、SEOの場合、記事タイトルの文字数やキーワードの位置も見直しましょう。
Googleの検索結果では、記事タイトルの32文字以降は表示されない仕様になっています。
そのため、32文字以内で記事の内容が伝わるタイトルに変更しましょう。
同時に、ユーザーの検索したキーワードがすぐ目に入るよう、キーワードをタイトルの最初の方に入れることをおすすめします。
広告文(タイトル)でのアピールポイント(訴求内容)を変える
広告文のアピールポイントを変えてみましょう。
検索キーワードを含めたまま、訴求内容の切り口やアピールポイントを変えてみることも効果的です。
アピールポイントをずらしてCTRを上げるコツは、ユーザーの検索意図に適した訴求は何か再考することです。
たとえば、「ヘッドホン 音質」で検索しているユーザーであれば、「高音質のヘッドホンが欲しい」という意図が予測できます。
つまり、高音質のヘッドホンであることをアピールした広告を出稿すれば、CTRが上がりやすくなるのです。
ユーザーに訴求できる広告を作成するために、まずはユーザーが何に困っていて、何を求めているのかを考えましょう。
検索意図を予測したら、自社製品やサービスの強みを考慮して広告文の作成をしてください。
ターゲットを絞り込む
ターゲットを絞り込むことも大切です。
想定していないターゲットに広告が配信されている場合、CTRが低くなります。
たとえば、20代の男性に向けて、女性用の化粧品の広告を配信してもクリックする人は少ないです。
東京にしかない店舗の広告を大阪の人に配信した場合も、広告の効果は薄いでしょう。
CTRを高めるためには、広告をクリックした人たちのデータを活用して、ターゲットを絞ることがおすすめです。
広告を作り直すために、まず地域・性別・年齢・興味などでターゲットを絞り込みます。
ターゲットを絞り込んだら、どのような切り口にすればクリックされやすくなるのかを考えて、広告文を作成しましょう。
SEOのタイトル変更の面では、キーワードを検索しているユーザー属性を想定しタイトルの一部に「▲◇向け / 0からわかる」といったように誰向けの記事なのかわかるようにタイトルに含めることでCTR向上が見込めます。
検索結果での表示を目立たせる
検索結果で自分の広告が表示された際により目立つようにすることも大切です。
目立たせる方法として、広告アセットの設定があります。
広告表示アセットは広告の下に情報を追記できる機能です。
商品についてより詳しく紹介できるだけでなく、広告の表示範囲が大きくなるため、ユーザーの印象に残りやすいです。
主に以下の情報を記載できます。
- 店舗の住所
- 電話番号
- コールアウト表示(商品のキャッチコピーや詳細)
- サイトリンク
とくに、コールアウトで自社のメリットを伝えることでクリック率が上がります。
SEOでは、構造化マークアップが検索結果を目立たせるのに有効です。
構造化マークアップは、GoogleやYahoo!でテキストの意味を理解してもらいやすくするための記述方法です。
構造化マークアップによって、検索結果にサービス内容や会社概要などの複数のリンクを記事の下に表示できます。検索結果での表示範囲が広くなることで記事が目立つようになり、クリックするユーザーが増えるのです。
また、ディスクリプションの設定も検索キーワード部分を目立たせられる効果があるため、CTRを向上できます。
参考:アセットについて
広告が出稿されている検索クエリを確認する
広告が出稿されている検索クエリを確認することも大切です。
リスティング広告では、登録したキーワードのマッチタイプを設定する必要があります。
マッチタイプは指定したキーワードの類似度に応じて、広告配信の対象となるキーワードの範囲を決められる仕組みのことです。
マッチタイプは完全一致と部分一致、フレーズ一致の3つがあります。
それぞれ以下のような特徴があります。
- 完全一致:登録したキーワードと検索ワードがまったく同じ意味または意図の検索ワードに対して、広告が配信されます。
- フレーズ一致:登録したキーワードと同じ意味の内容・同じ解釈ができる検索ワードに対して広告が配信されます。
- 部分一致:ユーザーの検索キーワードが登録したキーワードと関連する場合、広告が配信されます。
部分一致やフレーズ一致を選ぶと、幅広いユーザーに広告を配信できます。
しかし、想定した検索意図と違うキーワードでも広告の出るおそれがあるのです。
たとえば、「ヘッドホン 価格」を部分一致でキーワード設定すると、「スピーカー 安い」の検索でも広告が配信される場合もあります。
スピーカーが欲しい人にヘッドホンの広告を掲載しても、広告をクリックする人やスピーカーを購入する人はほとんどいません。
クリックされた分だけ広告費が増え、ムダな出費になります。
検索クエリを確認し、除外キーワードの設定やマッチタイプの変更を行うことで、クリック率の低下を抑えられます。
マッチタイプについては下記でも詳しく解説しておりますので、ご参考ください。
リスティング広告ではCTRだけを高めないよう注意
リスティング広告のCTRを高めるのは重要ですが、CTRだけを高めても意味がありません。
広告をクリックする人が増えたとしても、そのクリック数の増加がコンバージョン(商品やサービスを購入する人)の増加や売上増加に繋がらなければ意味がありません。
広告経由でアクセスされるランディングページ(通称:LP)に魅力がなかったり、商品自体のニーズが違っていたりしたら、ユーザーは商品やサービスを購入しません。
また、広告費はクリック数に応じて決まります。
もしクリック数が多くて売上が少ない場合、広告費による利益損失のリスクもあるのです。
利益を獲得するためにも、ランディングページの改善やターゲットを変更することが大切です。
広告をクリックしたユーザーが商品を購入するよう、コンバージョンを上げる仕組み作りを心がけましょう。
CTRを意識してして費用対効果の高い広告運用を目指そう
CTRはクリック数を表示回数で割った指標で、検索順位や業種、使用するデバイスによって目安にすべき数値が異なります。
数値が低い場合は流入数が少ないため、改善が必要です。キーワードや広告文を見直したり、ターゲットを絞り込んだりなどの対策をしてCTRを高めていきましょう。
ただし、コンバージョンが最終的な目的のため、CTR向上だけではなくランディングページや自社サイトの改善にも向けることが大切です。
広告やSEOをより効果的にするために、コンバージョンも意識しながら継続的にCTR改善の施策を実施していきましょう。
なお、はじめて広告運用やSEOをする場合、CTRを意識した広告文やコンテンツの制作は難しいかもしれません。もし自社にノウハウが不足している場合は、外注することも検討しましょう。
LANYでは、SEOコンサルティングやリスティング広告の運用代行をしております。お客様の課題解決となるよう、集客をサポートしますので、SEOや広告運用でお悩みの方はお気軽にご相談ください。