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【必読】BtoBサイトのCVR倍増!CVR平均やLP改善策を解説

「サイトのCVRが思うように上がらない…」とお悩みではありませんか?
本記事では、BtoB特有のCVR改善策と業界別のCVR平均を徹底解説します。
LPの最適化や顧客導線の見直しなど、限られたリソースで効果を出せる具体的な方法も紹介していきます。マーケティングと営業の連携強化から、データ駆動型の改善施策まで、自社サイトで即実践できる内容です。
記事を読み終えた後には、コンバージョン数を向上させるための明確な道筋が見えているはずです。成約を生み出す強力な営業ツールへと、自社サイトを変えていきましょう。
また、LANYでは「CVR改善 / CROコンサルティング」を提供しており、データ分析が得意なコンサルタントが効果的な施策をご提案させていただきます。CVRを高めるために何から取り組めばよいかお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
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BtoBマーケティングにおけるCVRとは?
この章では、BtoBマーケティングにおけるCVRの基本や重要性、ビジネス成果との関連性について、以下の内容を紹介します。
- コンバージョン率の定義と計算方法
- BtoBビジネスにおけるCVRの重要性
- BtoBとBtoCのCVRの違いと特有のプロセス

CVR(コンバージョン率)とは?計算方法と指標の定義

CVR(コンバージョン率)は、ウェブサイトの訪問者のうち、望ましい行動を取った人の割合を示す重要な指標です。この数値はマーケティング活動の効果を測定する上で欠かせません。
CVRの計算式は「コンバージョン数÷サイト訪問数×100」と非常にシンプルです。たとえば、月間1,000件の訪問に対して30件の資料請求があった場合、CVRは3.0%となります。
BtoBサイトにおけるコンバージョン行動は多岐にわたります。以下のようなものが代表例です。
- 資料請求
- ホワイトペーパーのダウンロード
- 問い合わせフォームの送信
- セミナー登録
- 会員登録
これらの行動がどの程度発生しているかを数値化することで、マーケティング活動の効果を客観的に把握できるようになります。
自社のCVRを測定する際には、まず計測環境を整え、Googleアナリティクスといったツールで現状を把握することから始めましょう。また、複数のコンバージョンポイントを設定し、それぞれの段階でのCVRを測定することで、改善すべき箇所をより詳細に特定できます。
BtoBビジネスでCVRが重視される理由
BtoBビジネスでCVRが重視される最大の理由は、取引単価の高さと意思決定プロセスの複雑さにあります。
BtoBマーケティングは一般的に長期的な顧客関係構築を目指すため、顧客獲得コストも相応に高額になる傾向があります。そのため、限られた予算の中で最大の成果を上げるために、CVRを通じてマーケティング活動のROI(投資利益率)を正確に評価することが不可欠です。
CVRが1%向上するだけでも、年間売上は数百万円から数千万円増加する可能性があり、その影響は決して小さくありません。
効果的なCVR改善のためには、業界の平均値を把握した上で現実的な目標を設定し、定期的に成果を測定することが重要です。
また、オンラインでリード情報を獲得し、適切にナーチャリングを行った上で、インサイドセールスやフィールドセールスに受け渡していく「The Model」が現代のBtoBにおける顧客獲得プロセスの定石です。The Modelにおけるマーケティングは、リード(見込み客)の獲得を最大化することを目的としており、CVRの向上が重要な要素のひとつとなります。
BtoBとBtoCのCVRの違い:BtoB特有の検討プロセスを理解する
BtoBとBtoCのCVRには、検討プロセスの複雑さや意思決定期間の差から生まれる特徴的な違いがあります。
BtoCが即時購入に焦点を当てるのに対し、BtoBのコンバージョンは長期的な関係構築プロセスの一部として位置づけられます。BtoBでは複数の意思決定者が関与し、社内調整や承認フローが存在するため、コンバージョンまでの道のりがより複雑です。
また、コンバージョンの定義自体も異なります。BtoCでは、主に購入が最終目標となります。しかし、BtoBでは資料請求や問い合わせ、デモ依頼など、さまざまなアクションがコンバージョンとして設定されるのが一般的です。
BtoBの購買プロセスは認知から購入までに平均3〜6ヶ月を要し、その間に複数のステークホルダーが関与します。そのため、BtoBのCVR改善には、以下のようなマーケティングファネルの各段階に適したアプローチが必要です。
段階 | 概要 | おすすめコンテンツ |
---|---|---|
TOFU(Top of the Funnel) | 潜在顧客が商品やサービスに興味を持ち、認知が始まる段階 | 情報提供型コンテンツ |
MOFU(Middle of the Funnel) | 興味を持った顧客が、商品の詳細を検討し始める段階 | 事例、比較コンテンツ |
BOFU(Bottom of the Funnel) | 顧客が購入を検討し、購入直前の段階 | 具体的な提案、見積もり |
また、単一の指標だけでなく、ファネル全体のコンバージョン率を総合的に評価することが重要になります。
【業界・広告タイプ別】BtoBにおけるCVR平均値・目安は?
この章では、BtoBビジネスにおけるCVR(コンバージョン率)の平均値について、業界別・広告媒体別に解説します。
BtoBマーケティングにおいてCVRを改善するためには、まず平均値を知ることが重要です。
- BtoB業界別のCVR平均値と特徴
- 広告タイプ別のCVR平均値と各媒体の特性
【業界別】BtoBサイトのCVR平均値
BtoBサイトのCVRは業界によって大きな差があるため、自社サイトの評価には業種別の平均値を参考にすることが重要です。
2025年にWordStream社が行った調査によると、Google広告におけるBtoBサイトのCVRは0.8~3.0%ほどになっています。その他の業界のCVRは以下のようになっています。
業界 | 平均CVR(リスティング広告) | 平均CVR(ディスプレイ広告) |
---|---|---|
BtoB | 3.04% | 0.80% |
BtoC | 6.64% | 0.98% |
自動車 | 6.03% | 1.19% |
工業製品 | 3.37% | 0.94% |
金融・保険 | 5.10% | 1.19% |
ヘルスケア・医療 | 3.36% | 0.82% |
法律 | 6.98% | 1.84% |
不動産 | 2.47% | 0.80% |
旅行 | 3.55% | 0.51% |
家庭用品 | 2.70% | 0.43% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
EC | 2.81% | 0.59% |
人材派遣サービス | 5.13% | 1.57% |
教育サービス | 3.39% | 0.50% |
出会い系サービス | 9.64% | 3.34% |
出典:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
自社のCVRを評価する際には、まず同業種の平均値をベンチマークとして把握し、現実的な目標設定を行いましょう。
業界平均より著しく低い場合は改善の余地があり、逆に平均を大きく上回っている場合は、その成功要因を分析して他の施策にも活かすことが可能です。
【広告タイプ別】BtoBサイトのCVR平均値(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など)
業界だけでなく、広告のタイプによってCVRに大きな差があります。
リスティング広告(検索広告)は高いCVRを示し、ディスプレイ広告はそれより低い傾向です。2022年のWordStream社の調査によると、広告タイプごとの平均CVRは以下のようになっています。
広告タイプ | 平均CVR |
---|---|
テキスト広告 | 2.30% |
拡張テキスト広告 | 3.60% |
電話専用広告 | 21.39% |
ディスプレイ広告 | 0.56% |
レスポンシブ ディスプレイ広告 | 0.57% |
Gmail広告 | 0.14% |
ショッピング広告 | 1.19% |
ショーケース広告 | 1.87% |
動画広告 | 2.06% |
アプリインストール広告 | 9.93% |
出典:Google Mobile Benchmarks – by Ad Type! [DATA]
広告タイプごとの差は、ユーザーの購買意欲の強さに起因しているといえるでしょう。
テキスト広告といったリスティング広告は、能動的に情報を求めるユーザーに表示されるため、コンバージョンに結びつきやすいのです。
対照的に、ディスプレイ広告やSNS広告は、必ずしも購買意欲をもたないユーザーにも表示されるため、コンバージョン率は低くなります。
ただ、広告媒体の選択は、CVRの高さだけで判断するのではなく、マーケティング目標に合わせて総合的に検討することが重要です。たとえば、認知度向上が目的であれば、CVRが低くてもリーチの広いディスプレイ広告が有効な場合もあります。
以下のホワイトペーパーでは、BtoB企業が成果を出すために押さえておきたい広告運用の考え方や、受注につながる設計のポイントを解説しています。ぜひご活用ください。
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BtoBサイトのCVRが低い原因を特定する5つのチェックポイント
この章では、BtoBサイトのCVR(コンバージョン率)が低迷している場合に確認すべき主要なチェックポイントについて紹介します。
CVR向上のためには以下の要素を検証し、改善していくことが重要です。
- ターゲット設定
- ウェブサイト構造
- コンテンツの質と量
- CTAの配置とデザイン
- リードナーチャリングの設計
ターゲット設定:ペルソナは適切か?
BtoBサイトでCVRが低迷する根本的な原因の一つに、ターゲット設定が誤っているケースがあります。誤ったターゲティングは、製品やサービスに関心のない訪問者をサイトに引き寄せ、高い離脱率と低いエンゲージメントを招く原因となります。
BtoBマーケティングでは、決裁者や利用者など意思決定に関わる複数の関係者を考慮したペルソナ設計が必要です。
たとえば「スポーツ用品」という広いキーワードでターゲティングした場合、提供しているのがフィットネス機器のみであれば、サッカー用品を探す訪問者はコンバージョンには至りません。
CVR向上のためには、理想の顧客プロファイル(ICP)を明確に定義し、以下のような内容を深く理解することが重要です。
- 特徴
- 興味
- 行動パターン
- 抱える課題
ウェブサイトの構造:ユーザーが使いづらくないか?
ウェブサイトの構造や使いやすさは、BtoBサイトにおいてもコンバージョンに大きく影響します。
BtoBの購買担当者や意思決定者は多忙であり、探している情報に迅速かつ容易にアクセスできることを期待しています。わかりにくいサイト構造や複雑なナビゲーション、読み込み速度の遅さなどは訪問者にストレスを与え、離脱を引き起こす原因となるでしょう。
とくにBtoBサイトは、製品情報や導入事例など多くの情報を提供する必要があるため、サイト設計が適切でなければ、ユーザーは必要な情報を見つけられず離脱してしまいます。
2017年に行われたGoogleの調査によると、ページの読み込み速度が1秒から3秒に増えると、訪問者の離脱率も32%増加するとされています。
参考:New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed – Think With Google
CVR向上のためには、ヒートマップやセッション録画などのユーザー行動分析ツールを活用して、訪問者がどのように行動し、どこでつまずいているかを詳細に観察することが重要です。サイト構造を簡素化し、直感的なナビゲーションを実現するとともに、ページの読み込み速度の最適化にも取り組みましょう。
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コンテンツの質と量:顧客ニーズを満たしているか?
質の高いコンテンツの不足や、顧客ニーズに応えていないコンテンツの存在は、サイトのCVR低下に直結します。
BtoBの購買プロセスでは情報収集が重視され、意思決定のために多くの調査と評価が行われるケースが多いでしょう。このプロセスをサポートする適切なコンテンツがなければ、見込み客は必要な情報を得られず、競合他社のサイトへ移動してしまいます。
コンテンツが一般的すぎる、古い情報が含まれている、あるいは顧客ニーズに合っていないと、専門知識や信頼性が疑われ、コンバージョンの低下の原因となるのです。
たとえば、ホワイトペーパーやケーススタディといった詳細なコンテンツは、BtoBサイトにおいて高いCVRを示す傾向があります。
また、バイヤージャーニーの各段階に合わせたコンテンツ提供も重要です。バイヤージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから最終的な購入決定に至るまでのプロセスを指します。
認知段階では情報提供型のコンテンツが効果的である一方、検討段階では比較資料や事例紹介、決定段階では詳細な製品仕様や価格情報などが求められます。
CVR向上のためには、まずターゲット顧客の情報ニーズを詳細に分析し、バイヤージャーニーの各段階に合わせたコンテンツマップを作成しましょう。既存コンテンツを評価し、古い情報や関連性の低いコンテンツを更新または削除するとともに、ビジュアル素材を活用して、コンテンツを魅力的かつ理解しやすくすることも大切です。
CTA(Call To Action)の配置とデザイン:効果的な行動喚起ができているか?
CTAは、ウェブサイト上でユーザーに具体的なアクションを促す重要な要素です。
効果的でないCTAは、訪問者を次のステップへ誘導できず、CVR低下の大きな要因となります。とくにBtoBの場合、購買プロセスの各段階に応じた適切なCTAが必要となります。
たとえば、以下のようなCTAは、たとえ訪問者が興味をもっていても、望むアクションへ導くことができません。
- 視認性が低い
- 配置が最適化されていない
- メッセージがわかりにくい
BtoBサイトでは、直接的なコンバージョンだけではなく、資料請求やデモ依頼などの中間的なコンバージョンを促すCTAがとくに重要です。
LANYがサポートさせていただいた企業様のなかには、CTAと訴求を整備することで、目標値に対して140%のコンバージョン数を達成した事例もあります。以下の事例紹介で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

CVR向上のためには、まずヒートマップなどのツールでユーザー行動を分析し、CTAの最適な配置場所を特定しましょう。視覚的に目立つデザインを採用し、行動を促す明確で具体的な言葉を使用することが重要です。
また、バイヤージャーニーの段階に合わせた複数のCTAを用意することも効果的です。

リードナーチャリングの設計:顧客の購買プロセスに対応できているか?
BtoBの購買プロセスに合わせて、適切にリードナーチャリングが設計されていないと、潜在的な顧客を失う主要な原因となります。
BtoBの購買決定は、BtoCと比較すると長期にわたり、複数の意思決定者が関与するのが特徴です。このプロセスをサポートする継続的なコミュニケーションがなければ、見込み客は販売ファネルから脱落してしまいます。
各段階で異なるニーズをもつ意思決定者に対して、適切なタイミングで関連性の高い情報を提供することが重要です。
BtoBのコンバージョンは単発のアクションではなく、長期的な関係構築プロセスの一部として捉える必要があります。ファネルの各段階を進んでいくと、下記の順にリードの確度が上がっていき、それぞれでコンバージョンポイントがあります。
- MQL(Marketing Qualified Leads):マーケティング活動で獲得したうち、購買意欲が高まっているリード
- TQL(Teleprospecting Qualified Leads):インサイドセールス部門が担当するリード
- SAL(Sales Accepted Leads):セールス部門が担当する、より購買意欲の高いリード
- SQL(Sales Qualified Leads):受注確度の高いフォローすべきリード
CVR向上のためには、まず顧客の購買プロセスを詳細に分析し、各段階でのニーズと意思決定要因を特定しましょう。そのうえで、マーケティングファネルの各段階に合わせたコンテンツとコミュニケーション戦略を設計することが重要です。
【劇的改善】BtoBサイトのCVRを向上させる施策6選
この章では、BtoBサイトのCVR(コンバージョン率)を効果的に向上させるための具体的な施策について、以下6つを紹介します。
- ランディングページの最適化(LPO)
- エントリーフォームの最適化(EFO)
- ウェブサイト全体の導線設計の改善
- コンテンツマーケティングの強化
- 営業支援ツール(SFA)の活用
- インサイドセールスの強化
ランディングページの最適化(LPO):ファーストビューとCTAを見直す
ランディングページ(LP)の最適化は、BtoBサイトのCVR向上において即効性の高い施策です。
とくにファーストビュー(スクロールせずに表示される領域)の改善と、CTAの見直しがポイントとなります。
BtoBの購買担当者は限られた時間の中で情報収集を行うため、最初の数秒でサイトの価値を伝えることが重要です。具体的な価値提案を明確に示し、専門用語を減らして、顧客の課題解決に直結するメッセージに置き換えることで理解しやすくなります。
効果的なLPOを実施するには、まずユーザーが求める情報(解決できる課題やサービスの特徴など)を明確に伝えることが重要です。
また、CTAは視認性の高い位置に配置し「無料トライアルを始める」「資料をダウンロード」など、具体的な行動を促すメッセージを使用しましょう。
A/Bテストを実施して定期的にメンテナンスを行ったり、モバイルユーザーに配慮したレスポンシブデザインを採用したりすることも忘れないでください。
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エントリーフォームの最適化(EFO):離脱を防ぐフォーム設計を検討する
エントリーフォーム最適化(EFO)は、コンバージョンの最終関門であるフォーム入力時の離脱を防ぐ重要な施策です。
BtoBサイトでは詳細な情報収集を行いたい気持ちから、必須入力項目が多くなりがちです。しかし、これがユーザーにとって大きな障壁となっています。
EFOを効果的に進めるには、まず現在のフォームの問題点を特定することがポイントです。フォーム分析ツールやヒートマップを使用して、ユーザーがどこでつまずいているかを把握しましょう。
具体的な改善策としては、以下のようなものが有効です。
- 必須項目を最小限に絞る
- 論理的なステップ分割を行う
- 入力支援機能を実装する
- 明確なエラーメッセージを即時表示する
- プライバシーポリシーを明示して安心感を与える
- モバイルフレンドリーなデザインを採用する
また、初期接点では必要最小限の情報収集に留め、関係構築後に徐々に情報を補完していく戦略も考えられるでしょう。A/Bテストで異なるフォームデザインの効果を検証することも重要です。
ウェブサイト全体の導線設計の改善:顧客をスムーズにコンバージョンへ導く
ウェブサイト全体の導線設計を最適化することも、CVR向上の鍵となります。
BtoBサイトでは情報が散在していて、ユーザーが必要な情報にたどり着けなかったり、次のステップが不明確だったりするケースが少なくありません。
効果的な導線設計のためには、まず購買プロセスの各段階(認知、検討、決定)に合わせたバイヤージャーニーマップを作成しましょう。
各ステージでユーザーが求める情報と次のステップを明確にし、ページ間のつながりを最適化します。関連コンテンツの相互リンク、CTAの戦略的配置、ナビゲーションメニューの単純化などが効果的です。
また、ヒートマップやユーザーフロー分析ツールを活用して、実際のユーザー行動に基づいた導線の改善を継続的に行うことが重要です。

コンテンツマーケティングの強化:顧客ニーズに応える質の高い情報発信を行う
質の高いコンテンツを戦略的に発信することは、顧客の信頼を獲得し、コンバージョン率を向上させる効果的な手段です。
BtoBの購買決定プロセスは、情報収集を重視する傾向が強く、専門的かつ有益なコンテンツの提供は認知獲得や信頼構築に役立ちます。
さらに、コンテンツマーケティングは単なる認知度向上だけでなく、見込み客の課題解決をサポートし、コンバージョンへの道筋を作る役割を担います。
効果的なコンテンツマーケティング戦略を実行するには、まずペルソナとバイヤージャーニーの各段階に合わせたコンテンツマップを作成しましょう。
認知段階ではブログ記事やインフォグラフィック、検討段階ではホワイトペーパーやウェビナー、決定段階では詳細な製品情報や成功事例などの提供が効果的です。
また、業界固有の課題や最新トレンドに焦点を当て、データや専門家の見解を盛り込むことでコンテンツの価値を高めましょう。
営業支援ツール(SFA)の活用:営業とマーケティングの連携を強化する
営業支援ツール(SFA)を効果的に活用し、マーケティングと営業の連携を強化することは、BtoBサイトのCVRを持続的に向上させる重要な施策です。
BtoBマーケティングでは、ウェブサイトからのリード獲得だけでなく、その後の営業プロセスの効率化が全体的なコンバージョン率に大きく影響します。
SFAツールはリードの追跡、スコアリング、管理を容易にし、マーケティングチームと営業チームの情報共有を促進します。
SFAツール導入でCVRを向上させるには、まずマーケティングと営業の共通目標とリード評価基準を明確に定義することが重要です。
そのうえで、ウェブサイトから獲得したリードの行動データをSFAに連携し、リードスコアリングの精度を高めましょう。リード獲得後のフォローアッププロセスを標準化して、適切なタイミングでの営業アプローチを実現します。
また、SFAから得られるデータを定期的に分析し、ウェブサイトのコンテンツやCTAを最適化するサイクルを確立することも大切です。営業チームからのフィードバックをマーケティング施策に反映させることで、より質の高いリード獲得につながります。
インサイドセールスの強化:見込み顧客の育成と商談化率の向上を目指す
インサイドセールスの体制を強化し、ウェブサイトから獲得したリードの育成と商談化プロセスを最適化することは、BtoBサイト全体のCVR向上に効果的な施策です。
BtoBビジネスでは、ウェブサイトからのリード獲得はプロセスの一部に過ぎず、その後の育成と商談化が全体的な成果を左右します。
インサイドセールスは、デジタルマーケティングとフィールドセールスの橋渡し役として、初期的な関係構築から商談準備までを担当します。
効果的なインサイドセールス体制の構築には、まず迅速な初期対応(24時間以内)の仕組みを確立しましょう。リードの質に応じたセグメント化とアプローチ戦略を定義し、パーソナライズされたフォローアップコミュニケーションのプロセスを確立します。
また、インサイドセールスの活動と成果を定量的に測定するKPIを設定し、継続的に最適化を図ることも重要です。インサイドセールスから得られた顧客インサイトをマーケティングチームにフィードバックする仕組みを構築し、ウェブサイトのコンテンツやCVRの継続的な改善に活かしましょう。
LANYで実施したCVR改善の具体例
LANYでも、さまざまな施策を日々実施しながら、試行錯誤を続けています。そのなかでも、効果があった施策を3つご紹介します。
- サービス資料DLページに導入企業ロゴを掲載
- 入力フォームを複数ページに分割
- チャットボットの導入
まずひとつ目は、サービス資料DLページに導入企業ロゴを掲載することでCVRが12%改善した例です。BtoBの性質上、企業の信頼性がより重要になることを裏付けているといえるでしょう。

また、ステップフォームと呼ばれる、入力フォームを複数のページに分割して、段階的に入力してもらう形式の実装も効果がありました。通常のフォームと比較して、95%以上の信頼度で通過率が良い結果となりました。

さらに、チャットボットの導入もCVR向上に寄与しました。ホワイトペーパーの案内を行うチャットボットを設置したところ、新規リード獲得数のうちチャットボット経由が約14%と、スライドインバナー(約2%)に比べて大きく上回りました。実際に、チャットボット経由で資料をDLした新規ユーザーからお問い合わせにつながり、商談フェーズに進んだ事例もあります。
BtoBマーケティングに役立つツール
この章では、BtoBマーケティングの効率と効果を高めるためのさまざまなツールについて紹介します。
ツールでできることと、選び方について順番に解説していきます。
- マーケティングツールでできること
- マーケティングツールの選び方
マーケティングツールでできること
現代のBtoBマーケティング活動において、専門ツールの活用は必須といえるでしょう。ツールの導入によって、リード獲得から育成、分析までの一連のプロセスを効率化できるだけでなく、データに基づいた戦略的な意思決定が可能になります。
たとえば、CRMツールを活用すれば顧客情報を一元管理し、商談の進捗状況をリアルタイムで把握可能です。Salesforceのような高度なプラットフォームでは、AI機能を活用した売上予測や次のアクションの提案まで行えるようになってきています。
また、MAツールを活用することで、メールマーケティングキャンペーンの自動配信やリードスコアリングの自動化が実現します。HubSpotやMarketoなどのツールでは、顧客の行動に基づいたパーソナライズされたコンテンツ配信も可能です。
さらに、ヒートマップツールを使えば、ウェブサイトでのユーザーのクリックやスクロールのパターンを視覚的に分析でき、UI/UXの改善ポイントを特定できます。
これらのツールを組み合わせることで、マーケティングと営業の連携が強化され、顧客インサイトの獲得やROIの可視化など、BtoBビジネスにおけるさまざまな課題解決につながります。
ただし、ツールの導入だけでなく、それを活用するための社内体制づくりも重要な成功要因です。
マーケティングツールの選び方
BtoBマーケティングツールを選ぶ際には、自社の規模や予算だけでなく、マーケティング活動の成熟度や具体的な課題を考慮することが大切です。適切なツール選定は、導入後の成果に直結するため、慎重に行う必要があります。
まず重要なのは、自社が抱える課題とゴールを明確にすることです。たとえば「リードの質を高めたい」「営業とマーケティングの連携を強化したい」など、具体的な目標を設定しましょう。
次に、その目標達成に必要な機能をリストアップし、優先順位をつけます。機能性だけでなく、使いやすさやサポート体制、将来的な拡張性なども重要な選定基準です。
企業規模によっても最適なツールは異なります。中小企業であれば、HubSpotやZoho CRMのようなオールインワン型のツールが初期投資を抑えつつ必要な機能を提供します。一方、大企業では部門間連携や高度な分析を重視し、SalesforceとEloquaなどの専門特化型ツールの組み合わせが効果的な場合が多いです。
選定プロセスでは、複数ベンダーの比較評価を行い、デモや無料トライアルを積極的に活用しましょう。また、導入後のサポート体制も確認することで、長期的な運用の安定性を確保できます。
何より重要なのは、ツールそのものよりも、それを活かすための戦略と体制づくりです。
ツールの種類 | 代表的なサービス | 主な機能 |
---|---|---|
CRMツール | Salesforce, HubSpot CRM, Zoho CRM | 顧客情報管理、商談管理、営業活動の可視化 |
MAツール | Marketo, HubSpot, Pardot | リード獲得、育成の自動化、スコアリング |
ヒートマップツール | Hotjar, Crazy Egg, Microsoft Clarity | ユーザー行動分析、UI/UX改善 |
CVR改善後の効果測定と継続的な改善サイクル構築
この章では、CVR改善施策を実施した後の効果測定と継続的な改善サイクルの構築方法について、以下の内容を紹介します。
- 効果測定方法
- A/Bテストの実施
- PDCAサイクルの実行
- 人材教育とチーム連携
効果測定方法:KPI設定とデータ分析(Google Analytics 4など)
BtoBサイトのCVR改善施策を実施した後は、その効果を正確に測定することが重要です。適切な効果測定には、まず明確なKPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。
BtoBマーケティングでは、単純なコンバージョン数だけでなく、リードの質や最終的な売上貢献度も評価する必要があります。
Google Analytics 4(GA4)をはじめとする分析ツールでは、サイト内での重要な行動(資料ダウンロード、問い合わせフォーム閲覧、デモリクエストなど)を詳細に追跡できます。とくにGA4のコンバージョンパスレポートは、ユーザーがコンバージョンに至るまでのチャネルやコンテンツの貢献度を可視化する点で非常に有用です。
効果的なKPI設定を行うためには、短期的指標(コンバージョン率、リード獲得数など)と長期的指標(顧客生涯価値、ROIなど)をバランスよく組み合わせることがポイントです。
また、データ分析では業種別や企業規模別などのセグメント分析を行うことで、より具体的な改善ポイントを特定できます。定期的なレポーティング体制を構築し、データに基づいた意思決定を行うことが継続的な改善につながります。
A/Bテストの実施:継続的な改善でCVRを最大化
CVRを継続的に向上させるためには、A/Bテストによるアプローチが効果的です。A/Bテストとは、2つの異なるパターン(AとB)を用意し、どちらがより高いパフォーマンスを発揮するかを統計的に検証する手法です。
BtoBサイトでのA/Bテスト対象としては、CTAボタンのデザインやテキスト、問い合わせフォームの長さ、ヘッドラインの訴求内容、製品機能の見せ方などが適しています。
たとえば、フォームのステップ数を減らすことでコンバージョン率が大幅に向上した事例や、価格表示方法の変更によって成約率が改善した例が数多く報告されています。
A/Bテストを効果的に実施するためには、明確な仮説設定と十分なサンプル数の確保が重要です。また、統計的有意性を確認することで、偶然の結果ではなく信頼できる改善であることを確認しましょう。
最初は単一要素の変更から始め、徐々に複雑なテストへと発展させていくことをおすすめします。テスト結果から得られた知見は組織内で共有し、次の改善施策に活かすことが大切です。
PDCAサイクルの実行:データに基づいた改善策の立案
CVR改善を一時的なものではなく、継続的なプロセスとして定着させるためには、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)の体系的な実行が不可欠です。
このサイクルを回すことで、組織的かつ継続的な改善活動が可能になります。とくにBtoBマーケティングでは、購買プロセスが長期にわたるため、中長期的な視点での改善活動が重要です。
Plan(計画)の段階では、データ分析から明らかになった課題や機会に基づいて、明確な目標とKPI、施策を設定します。「リード獲得後の商談化率を20%向上させる」といった具体的な目標設定が効果的です。
Do(実行)の段階では、ランディングページの改善やコンテンツ強化などの具体的な施策を実行します。
Check(評価)では、設定したKPIに対する結果を分析ツールで測定し、Act(改善)では、得られた知見を基に次のアクションプランを策定します。
PDCAサイクルを効果的に回すためには、短期サイクル(週次や月次)と中長期サイクル(四半期や年次)を併用するといいでしょう。短期サイクルでは迅速な改善を行い、中長期サイクルでは戦略レベルの見直しを行うことで、戦術と戦略の両面から改善を進めることができます。
また、改善活動の記録と知見の共有を徹底することで、組織的な学習を促進しましょう。
PDCAサイクルの段階 | 実施内容 | 使用ツール例 |
---|---|---|
Plan(計画) | KPI設定、目標策定、仮説・施策立案 | Google Analytics 4、CRMデータ |
Do(実行) | ランディングページ改善、コンテンツ強化 | CMS、A/Bテストツール |
Check(評価) | 効果測定、KPI達成度確認 | Google Analytics 4、ヒートマップツール |
Act(改善) | 次のアクションプラン策定 | レポーティングツール、プロジェクト管理ツール |
人材教育とチーム連携:マーケティング・営業部門のスキルアップと協力体制構築
持続的なCVR改善を実現するためには、マーケティングと営業部門のスキルアップと緊密な連携体制の構築が重要です。BtoBマーケティングの複雑化と専門化が進む中、データ分析やデジタルマーケティングの専門知識をもった人材の育成が必須となっています。
効果的な人材育成施策としては、デジタルマーケティングのトレーニングプログラム、データ分析ワークショップ、外部セミナーへの参加などが挙げられます。単なるスキル習得だけでなく、顧客中心の思考や分析的思考力の強化も重視すべきです。
また、成功事例や学びを組織全体で共有する「ナレッジマネジメント」の仕組みを構築することで、個人の経験を組織の財産として活用できます。
マーケティングと営業の連携強化には、定期的な合同ミーティング、リード評価基準の共同策定、CRMツールを活用した情報共有などが効果的です。部門間の連携を促進するには、共通のKPIやインセンティブ設計、定期的なフィードバック機会の創出が重要になります。
人と組織の成長があってこそ、持続的なCVR改善が実現するのです。
まとめ
BtoB企業のCVR改善には戦略的なアプローチが必要です。
まず、業界平均値と比較し、自社の立ち位置を把握しましょう。CVRが低い場合、以下のポイントをチェックしてみてください。
- ターゲット設定
- ウェブサイト構造
- コンテンツの質と量
- CTAの配置とデザイン
- リードナーチャリングの設計
改善策としては、以下のような施策が有効です。
- ランディングページの最適化(LPO)
- エントリーフォームの最適化(EFO)
- ウェブサイト全体の導線設計の改善
- コンテンツマーケティングの強化
- 営業支援ツール(SFA)の活用
- インサイドセールスの強化
継続的な効果測定、A/Bテストの実施でPDCAサイクルを回し、持続的な改善を図りましょう。これらの施策を組み合わせることで、限られたリソースでも効率的にCVRを向上させ、成約率アップと売上増加につなげることができます。
LANYの「CVR改善 / CROコンサルティング」では、BtoBサイトのCVR改善もサポートしています。施策の企画から実行まで、経験豊富なコンサルタントが伴走いたしますので、ゼロからCVR改善に取り組みたいという方もぜひ一度ご相談ください。