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大規模サイトのSEO_内から見るか外から見るか、そして自戒
はじめましての方もそうでない方もこんにちは。@YB9ballと申します。あまり外にアウトプット出していなかったのですが、ようやく重い腰を上げて書き始めております。
はじめましての方のほうが多いと思うので、簡単な自己紹介から始めさせてください。SEO歴も8年目ほどになりミドルクラスくらいには足が差し掛かってきたでしょうか。
服の値札を見ずにだいたいの値段が分かるという謎スキル(?)があります。
- 2012/4~
- リユースショップに新卒入社
- 2014/1~
- SEOコンサル開始
- 延べサイト数だと数百以上でもう数えるのをやめた
- ECや不動産などのDB型サイトを中心に小規模~大規模まで幅広く
- BtoBやメディア型等も
- 2019/1~
- 国内TOPクラスのファッションECのSEOおよびアクセス解析
- 2020/5~より
- 国内TOPクラスの求人サイトのSEO
- 最近ではBtoBコンテンツマーケ、マスプロモも
本記事はJADE伊東さんの記事が大好きすぎたので、参考にさせていただきつつ自分なりに再解釈し、自分なりの視点でまとめたものとなっております。(伊東さんの記事はこちら)
- インハウスとコンサルでの違い
- 大規模サイトのSEOインハウスマンのお仕事
- 大規模サイト@SEOコンサルのお仕事
一方で、「各種ツールの使い方」「具体施策や具体数値」には触れません。
この記事は「インハウスSEOマン」「SEOコンサルタント」「いずれかになろうと検討中の方」におすすめの内容なので、ぜひ参考にしてください。
インハウスとコンサルの違い
正直なところ担当サイトの成果を、SEOという手段を使って出すという本質的なところに変わりはありません。
それが中なのか外なのか、という違いだけだと思います。
立ち位置が異なることによって、意識することは当然変わってきます。
- 中(インハウス)では、よりプロジェクティブなところ
- 外(コンサル)では、型の創造、運用、および型のブラッシュアップと個別事象へのケア
コンサル時代には施策を提案するもなかなか実装されず、何故だろう?と思っていたこともありましたが、単にクライアント理解が足りていないだけだったのだな、と最近では思うようになりました。
今コンサルに行ったらもっと成果を出せるかもしれないな、という思いもありつつも、インハウス担当としてまだまだできていないところ、やれるところも多くあり、まだまだ修業が足りんな、という気持ちというのも正直なところです。
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大規模サイトのSEOインハウスマンのお仕事
具体的なお話に入る前に簡単に整理をしておきたいなと思います。
場合分け的に担当サイトをプロットしてみると、やれること(やるべきこと)・やらないほうがいいこと、が分かりやすいんじゃないか?という話です。
サイトが大規模×①プロダクト年齢×②企業規模×③業界内シェア
という図式で具体todoや進行は変わってくると思っており、こちらに即して会話を展開していきます。
この記事では大規模サイトのSEOという話に限定しているので、サイト規模は定数として、①と②と③を変数としてお話しできればと思います。
※僕のケースでは前職でも現職でも①=長いプロダクト、②大企業、③業界内でもTOPクラス という区分でした。
大規模サイトの基本戦略としては、そのスケールメリットを活かしてどう効率的に戦うか、ということが基本筋かと思いますが、そのあたりの話を詳しくしていきます。
①プロダクト年齢
ちゃんとシステム影響把握しましょうというお話です。
息の長いプロダクトにおいて何が起こるかというと、ここを直すとあっちにも影響が出る、というものでした。
なぜこれが発生しやすいかというと、息の長いプロダクトであるあるだと思いますが、機能が逐次追加されていくことによって、1つ修正すると相互に影響しあってしまうという相互依存関係が各所でできてしまう(できてしまっていた)というものでした。
(※このあたりはプロダクト開発の思想や実際の体制上必ずしもそうとは言えませんが、起こりうること、として扱わさせていただければと思います。)
逐次リファクタリングなどできれいに管理できていればよいですが、どうしても重要度は高いが緊急度は低い区分になりがちで、リファクタリングが進まずというケースは多いと思います。
これは開発のリソースの潤沢具合にもよると思うので一概には言えませんが、よくあるように感じています。こういった内部のシステム影響具合を把握しながら効率的な打ち手は何か、を現状の課題を洗い出して考えていくお仕事です。
②企業規模
企業文化によっては異なるかもしれませんが、企業規模が大きくなればなるほど、一般的にはSEO開発においても投資対効果が求められる+社内の承認フローが長くなるものかな、と感じております。
上述のプロダクト年齢(①)や、業界内シェア(③)にも影響するとは思いますが、施策のROIをシビアにジャッジされるため、その1施策でどれだけのリターンが見込めるのかの見立てを立てていくことが求められます。
これをしていくためにはSEOの中長期のトレンド+足元の課題を照らし合わせ、要は手数が少ないor工数かからない1手でリターンが大きい打ち手を探っていくというお話です。
上記のステップを経て実装、効果表出というところまでを見ると足が長いプロジェクトになるケースが多いですし、トレンドを外さないためにも日々inputは欠かせないですね。(これはどこでも同じことですが)
③業界内シェア
王者なのか、2,3番手で一番手を狙いに行くのか、TOP3内に割っているのかによって戦略・戦術は変わってくるよね、という話です。
いずれの戦略戦術を取りに行くにしても、自社アセット・競合アセットを鑑みて方向性を考える必要がありますが、
王者の場合、ある種残されている白地(まだリーチできるキーワードセグメント)は少なく、如何にとれているところをキープできるか、今取れているものの獲得比率をもう少しだけ高められるか、という守備的な戦略戦術になるケースが多いかと思います。
一方で下から上を狙うケースでは、特定のキーワードセグメントのシェアを要はひっくり返しに行くことになるので、何故この戦略戦術で推進することでそこのシェアをひっくり返すことができるのか、という根拠が求められます。
これらを意識しながら戦略戦術を考えていきます。基本的には半年~年間でスケジューリングし、
- この半期はこれを進めます
- なぜならこのような順位or流入orCV状況だからです
- これらをすることによって、これくらいのROIです
といったドキュメンテーションをまとめ、承認が得られれば実際に開発部署に接続し具体施策の開発に進んでもらいます。
その後効果検証を進め、振り返りをまとめてレポート、というのがざっくりとした1タームかと思います。
ここまでのまとめ
- 運用歴が長いプロダクトだとシステム制約を考える必要があるよ
- 社内承認や各種開発への接続~実装までのリードタイムがあるので施策の提案~成果表出まで半年や1年というケースも多いよ
- 業界内シェアによって取るべき戦略が変わってくるよ
- スケジューリングとドキュメンテーション大事だよ
というお話でした。
これらの面白さは何か、と問われたときに改めて自分なりの言葉で考えてみたのですが、
プロジェクトマネジメント能力が鍛えられること
かな、と思います。
これは今に始まった話ではないですが、インハウスSEO担当者でもSEOコンサルでも、必要な能力ですし、個人的には今後ますます重要度が上がっていくであろう能力だと思っています。
昔のように簡単に順位が上がる時代ではなくなり、UIUXのウェイトも上がってくる中で、より多くのステークホルダーと協力しながらプロダクトの改善に向き合い、成果を出していく、そのフローも事業戦略や施策プライオリティによっては一筋縄ではいかないという前提条件が付与されてきている環境下と考えており、それらを「なんとかすること」が求められる、根幹のPjM的能力が磨けることは大いに良いことだなと思っております。
今SEOメインで携わっている方も、半年後や1年後にはまったくSEOとは異なる業務につかれる方も多いと思います。
その時に何が活かせるのか、を抽象度を上げて考えてみると一番汎用性が高いものはプロジェクトマネジメントスキルなのかな、と思っております。大規模サイトであればあるほどその付帯条件は多いように感じており、いい意味で訓練されるなと思ってます。
このあたり、SEOマンのキャリアって?みたいな話も絡めて書きたくなってきましたが、本筋とは逸れるのでまた今度。
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大規模サイト@SEOコンサルのお仕事
SEOコンサルの何が面白いか?と問われたときに今改めて考えてみると、僕なら2つかな?思っており、
- ①プロジェクトや施策のフレームを作ること
- ②業界業種問わず、様々なサイトを見ることができること
だと思います。
SEOコンサル事業の売上を上げるには基本的に
1サイトあたりの単価UP×サービス提供クライアント数/人×人員増加
という構図のため、
- いかにサービスレベルの品質向上ができるか
- いかに1人あたりサービス提供できるクライアント数を伸ばせるか
- いかにSEOに携わる人員を増やせるか
を突き詰めていくと、
- プロジェクトや施策の型を開発する/運用する
- 人材育成スキームを開発する/運用する
- SEO人材を育成する
ということが必要になってきます。
このあたりの型の創出およびブラッシュアップのサイクルを回していくところは、
SEO事業のTOPラインを走りながら、今のSEOにおいてどんなスキルが必要なのか?を言語化し必要要件を設定し、そのためのジャッジポイントは何か?というところを具体設計していくことになります。
なぜTOPがやらなければならないかというと、TOP人材のスキルケイパを他の人もコピーできるようにすればⅰを担保できる人材が増えやすくなるよね、という汎用化の重力がかかりやすいからです。
もちろん1芸に特化した色んな人材がいる組織・会社様も多いので、あくまでそういう重力ってありますよね、という話です。
①プロジェクトや施策のフレームを作ること
たとえばアルゴリズムアップデートが起こった際には、コンサルの場合契約させていただいている膨大なサイト情報から傾向を導き出すことがしやすいことが強みです。
また、業界を問わずサイトの種別(データベースなのかメディアなのかBtoBなのかetc)でセグメントした際に、
1つはまった施策があれば、それを横展開しやすいという点も強みだと思います。
施策の型化によって、クライアントの成果を導くプロジェクトそのものの型化、というものも会社によっては進んでいるように思います。
個別事象から共通項を見出して、施策やプロジェクトの型化を作っていく、その型を作る側に回れるとより面白味があるなと思います。
ただ、型も万能なわけではなく型が通用しないケースにも遭遇します。
この場合は海外での同事例がないか、抽象度を上げるとどういうことか、Googleの理念に照らし合わせたときに正解は何か、そういった具体ケースからも型に転用できないか、ということを考えていたように思います。
また、SEOも突き詰めていくと結局はプロダクト改善になり、事業戦略とも密接に関連してきます。
クライアントの上位レイヤーやIR情報などから何に注力していこうとしているのか等しっかりヒアリングしたうえで、SEO戦略にも落とし込んでいけるか、という上段の戦略部分は個人的にとても好きでした。
②様々なサイトを見ることによって
WEBマーケティングの手法はどんどん細分化しており、SEOはシンプル化しているようで高度複雑化しており、インハウスでSEOを運用していくにも1機能にリソースべた張りでなく兼務的な立ち位置で携わる方が増えてきているように思います。
そのすべての手法に習熟するというのは一昔前よりも時間がかかるなという所感です。
そういった環境下の中で、コンサルが提供できるものは何か?を考えると、インハウスでは持ちえない他業界業種の具体情報から抽象化して導き出されたものを提供できるか、が1つポイントなように思います。
例えば、最近だとindex数これくらいのサイトだと平均のcrawl per dayって△△くらいですよ、そうしたときにこのサイトって基準を上回っているor下回っているよ、ではこのサイトってクローラビリティに課題がありそう or なさそうだよ
ですとか、
ECサイトの場合、TOP/一覧/詳細 の直帰率ってそれぞれ●●%くらいだから、今回のこのサイトは平均値を上回っていそう or 下回っていそう
などなど、自身の中に一つの物差しができてくるので、その物差しを持って色んなサイトを分析することは楽しいです。
これが出来上がると戦略・戦術・優先度を考えるときめちゃめちゃ楽しくなります。
ここまでのまとめ
- 業界業種問わず様々なデータを得られるよ
- たくさんのデータから型を作り、汎用性・再現性を持った事業運営を見る・作ることができるよ
- 物差しができるくらいデータを浴びると戦略戦術作るの楽しくなるよ
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おわりに
とても長くなってしまいました。。ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございます。
インハウスにしてもコンサルにしても、成果に向き合うということに変わりはありません。
変化し続けるWebを主戦場としている我々として、成果を出すにはOutputを磨くことが必要で、Outputを磨くにはInputが必要です。
最近感じていることとして、時間軸経過とともに得られるフィードバックの総量は減ってくる(自身のスキルレベルが時間経過とともに一定向上するという前提で)ことは往々にしてあり、そうなると受動的に得られるインプット総量は減り、結果アウトプットの向上が鈍化するケースが多く見受けられます。
如何にインプット総量を増やせるか、そのためのHowは何か?を思考して実行している人こそが、
今後インハウスでもコンサルでも重宝されるでしょうし、自分自身も置いて行かれないようインプット総量を増やしていかねばな、と思うここ最近でした。自戒も込めて。
双方のお仕事や面白さについて語るつもりでしたが、改めて自身の考えの整理や最近の反省といった内省アウトプットでした。
長文駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
こんなお話も聞いてみたいよ、というものがあればお問い合わせいただければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
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