【障害のない社会をつくる】LITALICOの挑戦と福祉サービスの新たな可能性

【INDEX】株式会社LITALICO様アイキャッチ

「障害のない社会をつくる」⸺そのビジョンのもと、児童福祉・障害福祉・教育の分野を中心に多角的な事業を展開する株式会社LITALICO。誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指し、障害を取り巻く社会構造そのものに向き合い続けています。

一方LANYは「強くて優しい社会を作る」をビジョンに掲げ、「価値あるモノを、インデックスさせる」ことをミッションとしています。LITALICOさんの想いに深く共感し、ビジョン実現に向けて歩みをともにすることになりました。

今回は、LANYがSEO領域をサポートさせていただいた、「LITALICO仕事ナビ」ご担当の桶田さん、「LITALICOキャリア」ご担当の矢島さんにインタビューを実施。ビジョンに込めた想いや、取り組みの背景・具体的な成果、これから目指す未来について詳しくお話を伺いました。

【「障害者」の表記について】
「障がい者」という表記の場合、音声ブラウザやスクリーン・リーダー等で読み上げる際、「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまう場合がございます。そのため、「障害者」という表記で統一をしています。

事業を通じて「障害のない社会」をつくりたい

株式会社LITALICO様_矢島様と桶田様

株式会社LITALICOは、児童福祉・障害福祉・教育の分野を中心に、多角的な事業を展開している企業です。発達障害のある子どもへの学習支援、就労を目指す障害者への就労支援、福祉業界で働く人材のキャリア支援など、多様なアプローチを通じて「障害のない社会」の実現に取り組んでいます。

桶田さんと矢島さんによれば、同社の活動の根底にあるのは「障害は人ではなく、社会の側にある」という視点。この考え方のもと、社会に存在する障害=障壁を取り除くことで、誰もが幸せに生きられる社会を目指しているのです。

「障害は“人”ではなく“社会”にある」——ビジョンの根幹にある視点

――LITALICOでは、障害者に関する社会的な課題をどのように捉えていますか?

桶田さん:私たちが掲げる「障害のない社会をつくる」というビジョンは、“障害は人ではなく社会の側にある”という考え方に基づいています。そもそも企業名「LITALICO」は日本語の「利他」と「利己」を組み合わせた造語なんです。

社会の幸せと自身の幸せ⸺この両方をつなぎ、両立させていくことが私たちのありたい姿であり、その先にこそ多様な人が幸せになれる社会があると信じています。

矢島さん:障害には目に見えるものだけでなく、見えにくいグラデーションも存在します。だからこそ一律には語れませんし、社会のあり方こそが障害の有無を左右するとも言えるのではないでしょうか。

私たちが大切にしているのは、「障害のある人が生きやすい社会は、すべての人が生きやすい社会である」という捉え方です。誰にとっても優しい環境づくりが、結果的に社会全体の暮らしやすさにつながると考えています。

LITALICO仕事ナビ:働くことに障害のある誰もが自分らしく働ける社会をつくる

――まずは、障害者の求人・転職・就職の情報サイト「LITALICO仕事ナビ」のビジョンからお伺いできますでしょうか?

桶田さん:「LITALICO仕事ナビ」のビジョンは、「働くことに障害のある誰もが自分らしく働ける社会をつくる」です。働くことはその人の人生に大きな影響を与えるものであり、労働の豊かさは人生の豊かさにも直結すると考えています。

私たちの使命は、障害者雇用と一般雇用の間にある境界線や壁をなくしていくこと。「こうあるべき」という正しい働き方を決めるのではなく、一人ひとりが望む「自分らしい」働き方を尊重したい。そのために、個人だけでなく、その人を取り巻く環境の変化にもアプローチをし、支援を進めています。

LITALICOキャリア:福祉で働くすべての人が自分らしいキャリアを歩み 関わる人の幸せを実現できる社会をつくる

株式会社LITALICO様_矢島様

――続いては、障害福祉・児童福祉の求人・転職サイト「LITALICOキャリア」のビジョンをお聞かせください

矢島さん:「LITALICOキャリア」はビジョンを「福祉で働くすべての人が自分らしいキャリアを歩み 関わる人の幸せを実現できる社会をつくる」として、福祉業界で働く人々に焦点を当てて障害のない社会を目指しています。実際、障害のある人々を支えているのは全国の福祉サービスに従事している皆さまです。

福祉施設が良い支援を提供するためには、まずはそこで働く人たちが元気に働ける環境であることが重要です。人が人に対して支援をしていく領域なので、従事者が自分に合った職場で幸せに働いているかどうかが、サービスの質に直結します。

福祉業界で働く人々は、職場選びにおいて、給与や就業時間といった条件面に加え、施設の運営方針、支援に対する考え方を重視している方が多数です。多くの福祉従事者は「人の役に立ちたい」という想いを持って働いており、その想いを実感できる環境で働くことが重要だからです。また、基本的にチームで支援を行っていくので、同僚との密なコミュニケーションが必要です。

だからこそ私たちは、各施設の雰囲気や経営の理念、支援の方向性をサイトを通じて丁寧に伝えることがミッションだと考えています。人と人とのつながりを大切にする業界だからこそ、情報だけでなく「想い」の部分も伝えられるプラットフォームを目指しています。

デジタルマーケティングで広げる福祉の可能性

LITALICO仕事ナビ:キャリアアップされた人のストーリーや事例を発信していきたい

株式会社LITALICO様_桶田様

――ここからは、デジタルマーケティングの活用について伺います。「LITALICO仕事ナビ」では、具体的にどのように活用していきたいとお考えですか?

桶田さん:障害者雇用に関するストーリーや事例を発信していきたいと考えています。

「一般雇用よりも給与が低いのでは」「障害者雇用の人は事務職に限られるのでは」といった偏見がいまだに残っているのではないかと感じています。しかし実際には、キャリアアップされている人や、管理職として活躍している人も多くいらっしゃいます。

このようなストーリーや事例を、私たちが責任を持って発信していく必要があると痛感しています。現状「LITALICO仕事ナビ」ではそうしたコンテンツを掲載できていないので、SNSなどもうまく活用していきたいです。

LITALICOキャリア:福祉業界で働く人たちに必要な情報を届けたい

――「LITALICOキャリア」では、どのようにデジタルマーケティングを活用したいと考えていますか?

矢島さん:これまでの記事中心のコンテンツでしたが、より多様なコンテンツ提供も行いたいと考えています。たとえば、児童向けの福祉施設の現場で実際に活用できる教材や、従事者の方にとって学びの機会となるようなオンラインセミナーといったものも提供したいです。そういったメディアはまだ少ないので、LITALICOならではの価値を提供できると自信を持っています。

SNSを活用した情報発信もはじめていますが、今後はチャネルを増やし、情報発信を強化していきたいですね。

ビジョンへの共感からはじまったパートナーシップ

株式会社LITALICO様_矢島様と桶田様

――LANYとのお取り組みについてお伺いできればと思います。まずは、なぜLANYにご依頼いただいたのでしょうか?

桶田さん:きっかけは、LANYさんが開催していたウェビナーに参加したことです。実は、そのウェビナーには矢島も偶然参加していることが後でわかったのですが、その時の論理的なアプローチに強く納得しました。加えて、YouTubeでの情報発信も拝見していたので、まるで「YouTubeの中の人に直接相談している」ような親しみやすさも感じたんです。

依頼の決め手は、施策の必要性について詳細に説明していただいたことでした。なぜその施策が必要なのか、どのような効果が期待できるのかを論理的に説明してくださったので、社内のエンジニアを説得しやすく、技術的な理由も含めてしっかり伝えていただけた点に「これならお任せしたい」と信頼感を持ちました。

また、LANYさんのビジョン「強くて優しい社会を作る」に共感しましたし、LANYさんからも「LITALICOさんのビジョンに共感しています」と何度も伝えてくださる状態で。両社のビジョンには非常に高い親和性を感じましたし、その熱量が伝わってきたので、「LITALICO仕事ナビ」と「LITALICOキャリア」をセットで依頼することに決めました。

組織全体で取り組んだSEO⸺成果を支えた社内連携とスピード感

各サイトのSEOの課題とは

株式会社LITALICO様_矢島様と桶田様

――LANYにご依頼いただく以前、「LITALICO仕事ナビ」にはどのような課題がありましたか?

桶田さん:私たちのサイトは、ドメインランクがあるSEOツール上ではベンチマーク先の企業様よりも高いにもかかわらず、重要なキーワードで上位表示が取れていないという課題がありました。

テクニカルSEOに問題があると感じていたものの、どこから優先的に取り組むべきか判断するのが難しかったですね。実は、過去に複数のSEOコンサルタントに支援していただいたこともありましたが、なかなか思うような成果につながらなかったという経緯があります。

――「LITALICOキャリア」の課題はどのようなものでしたか?

矢島さん:私たちも過去に外部に依頼したのですが、期待していた成果が得られないことがありました。そこで気づいたのは、「社内のメンバーがSEOをきちんと理解して、自分たちでメディアを育てられるようにならないと、本当の成果には結びつかない」ということでした。

そのためにLANYさんのYouTube動画などを社内チームの学習材料として活用していました。そのおかげで、「こういうことだったんだ」と徐々に点と点がつながっていきました。ただ、具体的にどう動いていけばいいのかが明確にわからず・・・・・・。

「ブレーキを取り除く」アプローチと組織全体での取り組み

――今回は「SEOサイト診断」を受けていただきました。どのように取り組まれましたか?

桶田さん:テクニカルSEOを最適化するために「ブレーキになっている要素を取り除く」というアプローチを採用しました。以前は、いわばアクセルを踏もうとしても、どこかでストップがかかっているような状態だったんです。

スピード感を重視すべく、エンジニアにもLANYさんとの打ち合わせに同席してもらうことで、疑問を解消してもらい、迅速に実装を進めることができました。矢島と私は、決めたことから目標達成までのスピード感を大切にしています。LANYさんが細かいフォローまでしていただいたので、かなりのハイスピードで施策を進めることができ、早い段階でモニタリングしている指標の改善まで持っていくことができました。

ーー打ち合わせでは、エンジニアの方から前向きな質問をいただくことが多かったです。桶田さんや矢島さんが「SEOが大事」というマインドセットを御社内に浸透させていただいたおかげです。とても心強かったです!取り組みのなかで特に印象に残っていることはありますか?

桶田さん:個人的に印象に残っていることのひとつは、LANYさんからご提案いただいた掲載企業様の一覧ページ作成です。そのために企業様のロゴの回収などに営業チームも積極的に協力してくれたことですね。組織全体がSEOの重要性を理解して連携できたことが、大きな成果につながったと感じています。

矢島さん:LANYさんへのご依頼の決め手でもありますが、やはり施策をご提案いただいて「やってください。以上」ではなく、「この施策がなぜ必要なのか」「どのようなインパクトが期待できるのか」を説明いただけることで、社内への協力も仰ぎやすかったですね。今後もいくつか実装を進める予定ですが、社内で連携して進められそうです。

株式会社LITALICO様_矢島様

数値で見るSEO改善の成果

――「SEOサイト診断」は単発でのご支援でした。具体的にどのような成果がありましたか?

桶田さん:「LITALICO仕事ナビ」では、クリック数の増加に伴いオーガニックでの流入が増え、平均検索順位が大きく向上しました。アクセス数は、コンサルティング導入前の2024年8月~10月と導入後の2025年1月~3月を比較すると、月平均で約16%増加。登録者数も月平均で約28%増え、1月には過去最高の登録者数を記録しました。

また、インデックス登録件数は、2024年12月末と2025年4月中旬を比較すると、約56%増となりました。

注目すべきは、求人数が変動しなかったにもかかわらず、テクニカルSEOの改善だけでこれだけの成果が出たということです。

これらの結果は、営業・エンジニア・その他すべての部署がSEOに対して、一丸となって取り組んだからこそ得られたものだと認識しています。

株式会社LITALICO様_桶田様

――全社で前向きに取り組んでいただけたからですね!「LITALICOキャリア」の成果はいかがでしたか?

矢島さん:私たちは2024年12月から施策を実装しはじめて、年明けから着実に流入数が増加しました。前年同期比で合計クリック数も増えていますし、平均掲載順位も上昇しています。これはLANYさんとの取り組みによる成果だと実感しています。

「自走する組織」と「社会貢献」の両立を目指す企業はLANYと相性抜群

株式会社LITALICO様_矢島様と桶田様

「社会をより良くしたい」と社会貢献を志す企業

――もしLANYをおすすめしてくださるなら、どのような会社や担当者と相性が良さそうでしょうか?

桶田さん:社会に良いことをしたいと考えている企業全般にLANYさんをおすすめしたいですね。「社会貢献したいけれど、デジタルマーケティングに関する情報やノウハウが不足している」という企業は多いと思います。

LITALICOも、社会に良い影響を与えることを目指す企業のひとつです。しかし、我々だけでそれを実現するのはとても難しく、同じ志を持つ仲間を増やしていけたらうれしいです。

LANYさんの支援領域は幅広いので、「まずは話しを聞いてみよう」というお声がけ先としても最適ではないでしょうか。

「自力で成果を上げたい」そんな意欲がある担当者

矢島さん:私は「自力で成果を上げたい」と考える担当者がいる企業に、LANYさんをおすすめしたいですね。施策の理由や背景をしっかり教えてもらえる点が大きな価値になりますから、「なぜ」を大切にする企業との相性が良いでしょうね。

「自分たちでメディアを育てよう」という意欲のある担当者がいる企業だと、LANYさんのサポートを最大限に活かせると思います。

コンテンツ強化とSNS展開による発信力の向上が今後の目標

――これからLANYと一緒に取り組みたいことはありますか?

桶田さん:「LITALICO仕事ナビ」では障害者雇用を希望する求職者向けコンテンツを強化していきたいと考えています。現在、事業所向けの記事は充実しているものの、求職者向けの記事がまだ不足しており・・・・・・。

ただ、制作体制が整っていないため、LANYさんにご依頼する準備をしている段階です。予算はすでに確保しているので、時期が来たらご相談させていただければと思っています。

――ありがとうございます!「LITALICOキャリア」の今後の展望についてもお聞かせください

矢島さん:私たちはInstagramアカウントの立ち上げなど、SNSマーケティングの強化を図っていきたいです。福祉業界も日々変化していますし、現場で働く人々にとって必要な情報を発信したり、日常やリアルな姿を伝えることで、業界の魅力を広く知ってもらったりすることが目的です。

社内には福祉分野の専門知識が蓄積されており、そのナレッジを活かしたコンテンツ提供が可能です。SNSでの発信も含め、使いやすく愛されるサービスを目指します。

桶田さん:これまで、各事業部が独自のマーケティング戦略のもとコンテンツを作ったり、メッセージングを考えるなどしてきました。しかし、これからはそこにメスを入れて、障害者雇用という領域で一丸となって取り組んでいきたいです。きっとLITALICOにしかできない価値を提供できると信じています。

後書き

株式会社LITALICO様とLANY

まずはご多忙の中、快くインタビューにご協力いただき、熱意あふれるお話をお聞かせくださった桶田さん、矢島さんに心より感謝申し上げます。

LITALICOさんが掲げる「障害のない社会をつくる」というビジョン、そしてその根底にある「障害は人ではなく、社会の側にある」という考え方は、私たちLANYが目指す「強くて優しい社会を作る」というビジョンと深く共鳴するものだと感じております。
(個人的にも身近にLITALICOさんのサービスを利用している知り合いがおりましたので、ぜひご支援させていただきたいと思っておりました)

今回のお取り組みで特に印象的だったのは、「LITALICO仕事ナビ」、「LITALICOキャリア」の両サイトにおけるテクニカルSEOの改善という課題に対して、エンジニアの方々も含めLITALICOの皆さんが、社内一丸となって迅速かつ積極的に取り組んでくださったことです。

その結果として、アクセス数や登録者数の増加、さらに過去最高の登録者数を記録するなど具体的な成果につながったことは、私たちにとっても大きな喜びであり、確かな手応えを感じるものでした! 

これからも、デジタルマーケティングの力で、LITALICOさんのビジョンに一層近づけるよう、全力で真摯にご支援させていただければと思います。

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