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canonicalタグとは?適切に設定するメリットや書き方、改善事例を紹介
サイトを運営していく中で、どうしても重複コンテンツが発生してしまい悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか?そのまま放置すると、SEO上の悪影響も懸念されます。
そこで、重複コンテンツを解消するために使用されるのが「canonicalタグ」です。
当記事では、クロール・インデックスを最適化し平均掲載順位を20.4位上昇させた実績をもつ、SEOコンサルティング会社・LANYがcanonicalタグの具体的な設置方法や事例を紹介します。
canonicalタグとは重複コンテンツの中から評価対象となる代表ページ(正規URL)を指定するタグのこと
検索エンジンは似た内容のページがいくつもあると、どのコンテンツを評価対象にするべきか迷ってしまいます。そこで、canonicalタグを設置し「このページを評価対象にしてください」と伝え、インデックスしてもらうのがcanonicalタグの役割です。
canonicalタグは重複したページのheadタグ内に、以下のように記述します。
<link rel=”canonical” href=”正規ページのURL”> |
---|
また、rel=”canonical” HTTPヘッダーで指定する方法もあります。
例えば転職エージェント企業がお役立ち資料「職務経歴書テンプレート」をPDF版、Excel版、Word版と異なるファイル形式で用意し、それぞれ別URLとして自社サイトに公開したとします。
Word版を正規ページとしたい場合、PDF版とExcel版に下記のようなHTTPヘッダーを追加することで設定可能です。
Link: <https://www.example.com/downloads/resume-template.docx>; rel=”canonical” |
---|
コンテンツが重複している状態のまま放置すると、Googleから「重複コンテンツ」だとみなされてしまい、SEO評価に悪影響を及ぼすおそれがあります。
SEOで悪影響を受けないためにもcanonicalタグでURLを正規化し、Googleに適切なページ評価をしてもらいましょう。
重複コンテンツとは、ほぼ同じ内容のページが異なるURLで複数存在していること
特にサイト内でコンテンツが重複すると、インデックスされなかったり被リンク評価の分散で検索順位が伸び悩んだりすることが懸念されます。
同一サイト内で重複コンテンツが発生する原因として、以下が挙げられます。
- httpとhttpsの違い
- www有り無しの違い
- URL末尾の/index.html有り無しの違い
- セパレートURL(PC用ページとスマホ用ページのURL)の違い
- URLパラメータ有り無しの違い
- URL末尾のスラッシュ有り無しの違い
- URL構造の違い
GoogleはURLでページを判断するため、例え同じ内容のページを表示していてもURLが異なると別ページとして扱われ、重複コンテンツとして判断されます。
重複コンテンツの詳細は、以下で詳しく解説しています。
正規URLとは評価対象となる代表ページのこと
正規URLを指定する理由は、以下の通りです。
- 検索結果でユーザーに表示したい URL を指定するため
- 類似ページや重複ページについてシグナルを統合するため
- 特定のコンテンツのトラッキング指標をシンプルにするため
- 重複するページのクロールに要する時間を削減するため
上記のようにGoogleも重複コンテンツがある場合は、URLの正規化を推奨しています。
たとえば、A ,B ,Cの重複コンテンツがあったと仮定します。Aのページを評価対象にしたい場合、BとCのHTMLページ内に設置するのは<link rel=”canonical” href=”AのURL”>です。
そうすることで、クローラーはBとCのサイトを巡回したときに「Aのサイト」を評価対象とします。A ,B ,Cの重複コンテンツの中で正規URLをAに指定することにより、意図したURLを適切に評価してもらえます。
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canonicalタグを設置するSEO上のメリット・効果
canonicalタグを設置し、URLの正規化を行うことで、クローラーが巡回しやすくなり、適切なインデックスと被リンク評価統合による検索順位の向上が期待できます。一つずつ詳しく解説します。
- クローラーに代表ページを認識させることで、適切にインデックスされる
- 被リンク評価の分散防止
クローラーに正規URLを認識させることで、適切にインデックスされる
URLの正規化をしないと、制作側が意図しないページが検索結果に表示されることがあります。
意図したページを適切にインデックスしたい場合は、canonicalタグを設置して正規URLを認識させることが重要です。
たとえば、ECサイトでTシャツの白・赤・黒を1色ずつページを作成していたとします。制作側は白をメインページだと意図しても、Googleは赤を評価対象とし、検索結果に表示することがあります。この際、赤と黒にcanonicalタグを設置し、正規URLを白に指定すれば白のページを適切にインデックスさせることが可能です。
被リンク評価の分散防止
canonicalタグを設置することで、被リンク評価を正規URLに統一できます。
たとえば「https://lany.co.jp/」と「https://www.lany.co.jp/」がそれぞれ違うサイトから被リンクを1ずつ受けていたとします。そこでcanonicalタグを設置し、正規URLを「https://lany.co.jp/」に指定すれば、各URLで受けた被リンク評価をまとめ、「https://lany.co.jp/」で被リンクを「3」獲得したことにできます。
ただ、LANYの経験上、被リンク評価は1+1+1=3よりも1+0.8+0.8=2.6程度になる印象です。また、canonicalタグで正規化することで統合されるのは、外部だけでなく内部被リンクも同様です。
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canonicalタグの設置が必要になるケース
サイトを運用する中で、どうしても重複コンテンツを避けられない場面もあります。ここからは、SEO上の悪影響を避けるためにcanonicalタグの設置が推奨されるケースを紹介します。
- ABテストを行う場合
- PCとスマホのページが同じ内容でURLが違う場合
- 動的生成URLなどが多く発生するデータベース型サイトを運営する場合
- パッシブパラメータ付きのURL
ABテストを行う場合
重複コンテンツが発生しやすい状況としてABテストが挙げられます。ABテストは特定の要素のみ変更したページをランダムでユーザーに表示し、それぞれの成果を測定するテストです。
そのため、そのまま公開するとページ内容が酷似しているため、Googleに重複コンテンツとして判断されてしまい適切な成果が測定できません。
また、GoogleもABテストを行う際にはnoindex meta タグではなく、rel=”canonical” を使用することを推奨しています。
ABテストを行う際は、テストページにcanonicalタグを設置し、元ページのURLを正規化することで適切に評価してもらうことが大切です。
PCとスマホのページが同じ内容でURLが違う場合
PCとスマホのページが同じ内容でURLが違うことを「セパレートURL」と呼びます。セパレートURLはデバイスごとにURLを作成し、最適なデザインでページを表示できるのがメリットです。
セパレートサイトのURLには以下のようなものがあります。
- PC向け:https://lany.co.jp/
- スマホ向け:https://m.lany.co.jp/ or https://lany.co.jp/sp/
しかし、URLが異なっても表示される内容は同じなので、Googleからは重複コンテンツとみなされてしまいます。
セパレートURLを使用する場合はcanonicalタグを設置し、URLの正規化を行いましょう。
動的生成URLなどが多く発生するデータベース型サイトを運営する場合
データベース型のWebサイトでは、内容が酷似しているコンテンツが自動で生成されることがあります。その際、中身がない場合はnoindexとし、それ以外はGoogleに任せるのが一般的です。
なお、LANYではデータベース型サイトの自動生成ページを対象に、canonicalタグの設置を含めた多くの内部施策を実行してきました。主に行った施策は以下の通りです。
- 内部リンクロジックの最適化
- 低品質コンテンツの整理・削除
- ページ生成ロジックの磨き込み
上記をはじめとするデータベース型サイトのSEO施策5つの進め方を解説したホワイトペーパーもご用意しております。データベース型サイトのSEOに悩みを抱えているものの、何をすべきか分からず困っている担当者様はぜひ下記よりダウンロードしていただき、明日からの業務にお役立てください。
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パッシブパラメータ付きのURL
パッシブパラメータ付きのURLも、canonicalタグを設定することでページ評価の分散を防止できます。
パッシブパラメータはどの広告媒体(GoogleやYahoo!、Metaなど)からの流入なのかを特定したり、サイト内のユーザー行動を詳細に解析するために付与されます。
パッシブパラメータの設定により詳細な分析が可能になる一方で、ページの内容を変化させる性質を持たないため、多くの重複ページが発生します。
そこで、評価の分散を防止するのに役立つのがcanonicalタグです。
canonicalタグを設置し、正規URLを指定すれば適切に評価を集約することができます。
canonicalタグの設置方法
canonicalタグの設置方法は主に2種類あります。
- HTMLに記述する方法
- HTTPヘッダーに記述する方法
canonicalタグの設置方法を知っておけば、自社に適した方法を選んだ上で迅速に対処できます。順に解説します。
HTMLに記述する方法
anonicalタグはHTML内<head>タグ内の<link>タグに実装します。<link>タグhead要素の子要素で、終了タグは必要ありません。主にスタイルシートへのリンクや、サイトアイコンの確立に使用されます。
canonicalタグを設置するときの具体的なコードの例は、以下の通りです。
<head>
<link rel=”canonical” href=”正規化したいURL”>
</head>
<head>タグ内の最初にcanonicalを設置することで、検索エンジンに早く認識してもらえます。
HTTPヘッダーに記述する方法
HTTPヘッダーとは、ブラウザがサーバーに対してページの表示を求める際のHTTPリクエストに含まれる情報のことです。
HTTPヘッダーにcanonicalを設定することで、HTML文書以外の型式のコンテンツにも正規URLを指定できます。
Google検索セントラルに記載されている記述例は以下の通りです。
GET /white-paper.pdf HTTP/1.1
Host: www.example.com
(…以下、他の HTTP リクエスト ヘッダー…)
HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: application/pdf
Link: <https://www.example.com/white-paper.html>; rel=”canonical”
Content-Length: 785710
(…以下、他の HTTP レスポンス ヘッダー…)
HTML文書以外でも正規URLを指定したいケースは、HTTPヘッダーにcanonicalを設定しましょう。
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canonicalタグを設置するときの注意点
せっかくcanonicalタグを設置しても、正規URLが間違っていたり1つ以上のcanonicalタグを指定したりするとタグが機能しません。以下で紹介する注意点を事前に理解し、適切にcanonicalタグを設置しましょう。
- 正規化したいURLを間違えない
- 同じページに1つ以上のcanonicalタグを設定しない
- canonicalタグの指定先をすべて同一にしない
- 複数ページのコンテンツの1ページ目を正規URLにしない
- サイトリニューアル時にcanonicalタグは設置しない
- canonicalタグを相対パスで書かない
正規化したいURLを間違えない
意外とありがちなのが、正規化したいURLの記述を間違えているパターンです。もちろん、URLを間違えているとタグが機能しなくなります。
たとえば、A ,B,Cの重複コンテンツがありAを正規ページに指定したい場合、以下のように記述します。
- Bのページ:<link rel=”canonical” href=”AのURL”>
- Cのページ:<link rel=”canonical” href=”AのURL”>
他にも、評価対象にしたいページと異なるURLを記述してしまうケースもあるので、入力する際はしっかりと確認するようにしましょう。
同じページに1つ以上のcanonicalタグを設定しない
2つ以上設置すると検索エンジンにインデックスされないことがあるので、注意しましょう。
とくにWordPressのプラグインを利用する場合は、事前にタグが記述されていないか確認が必要です。使用しているテーマやプラグインによっては、デフォルトでcanonicalタグを設置することもあるため、知らずに2つ以上設置しているケースが見受けられます。
サイト内の全ページに同じcanonicalを指定しない
ごく稀に、サイト内のすべてのページで同一URLへのcanonicalが指定されているケースがあります。
canonicalタグの指定先URLをすべて統一してしまうと、サイト内のページがひとつのコンテンツだと判断されるおそれがあります。検索エンジン側は、どのページをクロールしても同じURLが正規化されているため「このサイトはすべて同じページだ」と解釈します。
canonicalタグで指定する正規URLは、重複しているコンテンツのうち評価対象にしたいページのみです。すべてのページで同じURLを指定しないようにしてください。
複数ページのコンテンツの1ページ目を正規URLにしない
複数ページにわたるコンテンツの場合、1ページ目を正規URLに指定すると、1ページ目のみが評価対象になってしまいます。そのため、2ページ目以降は検索エンジンに見つけてもらえなくなり、SEOで正しく評価してもらえない可能性があります。
複数ページにわたるコンテンツがある場合は、1ページずつ固有のURLを付与しましょう。
これは、Googleからも推奨されています。
“ページ分けされたページ列の最初のページを正規ページとして使用しないでください。代わりに、固有の正規 URL を各ページに付与してください。”
これは、正規URLを1ページ目ではなく「canonicalで指定するURLを自身のURLにする(自己参照canonical)」ことです。
2ページ目以降の取り扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。データベース型サイトを運営する方は、ぜひ参考にしてください。
サイトリニューアル時にcanonicalタグは使用しない
サイトリニューアル時にはcanonicalではなく、301リダイレクトを使用しましょう。canonicalの設置だけだとユーザー視点ではURLが統一されておらず、それぞれのサイトにアクセスが可能な状態です。
canonicalと301リダイレクトの違いは以下の通りです。
canonical | 評価対象となる正規URLを指定 ページの閲覧可能 |
---|---|
301リダイレクト | 正規URLに永続的に転送 リダイレクト元のURLは閲覧不可 |
サイトリニューアル時にcanonicalを設定すると、ユーザーは不必要なページを訪問することになります。結果的にユーザビリティを下げる原因になり、SEO評価に影響を及ぼす可能性も考えられます。
サイトのリニューアル、URLの変更時はcanonicalタグではなく、必ず301リダイレクトを使用しましょう。
リダイレクトの種類とSEOへの効果は以下の記事で詳しく解説しています。
canonicalタグを相対パスで書かない
canonicalタグの記述は相対パス、絶対パスどちらでも可能です。しかし、相対パスで記述してしまうと希望通りの処理がされないリスクがあります。
また、相対パスと絶対パスは表記する起点が異なります。
表記する起点 | 例 | |
---|---|---|
相対パス | 現在作業しているファイル | /blog/xxxx |
絶対パス | 階層構造の頂点 | https://lany.co.jp/blog/xxxx |
Googleも絶対パスでの記述を推奨しています。
“相対パスではなく絶対パスを指定します。相対パスも Google でサポートされていますが、長期的には問題が発生する可能性があるため(たとえば、意図せずにテストサイトのクロールを許可してしまうなど)おすすめしません。”
LANYでのcanonicalタグ改善事例
実際にLANYでcanonicalタグを設置し、クロール・インデックスの最適化につながった実績を紹介します。
課題 | ・動的生成URLが多く、正規URLが指定されていなかったため、評価分散が多数発生していた |
---|---|
施策内容 | ・静的URLの生成、URLの正規化 ・動的生成ページにcanonicalを設置し、静的ページのURLを正規URLに指定 |
成果 | ・PLP一致率(取りたいクエリと取りたいページが合致している割合)の上昇 ・平均検索順位の上昇(46.53位→26.10位) ・半年でセッション数が199%上昇 |
動的ページに静的URLを指定したcanonicalタグを設置することで、意図通りのクロール・インデックスに成功しました。
しかし、canonicalの設置以外にも多くの施策を行っているので、成果としては複合的なものになっています。
LANYでは、高い専門性が求められるデータベース型サイトのSEOコンサルティングのご相談も承っております。
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canonicalタグを適切に設置しよう
canonicalタグは重複コンテンツの中から、SEOの評価対象とするURL(正規URL)を指定するためのタグです。URLを正規化させることで、重複コンテンツが解消され、適切なインデックスと被リンク評価の統合が可能です。
一方で、間違えた設置をしてしまい、canonicalタグの恩恵を受けられていないサイトが多いのも事実です。正しく設置できればクロール・インデックスの最適化につながり、適切なSEO評価を受けられる可能性があります。
本記事の内容をおさえ、canonicalタグを適切に設置することで貴社の重複コンテンツ問題の解決策になれば幸いです。
なお、LANYはcanonicalタグの設置をはじめとするインデックス・クロール最適化を含めたテクニカルなSEOの分析およびコンサルティングを得意としております。
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