小規模SEOプレイヤーが勝つためには「頑張る場所をズラすこと」が重要

SEOはシェアの奪い合いであり、多くのプレイヤーが参入している領域であればあるほど勝つための難易度は高くなります。

昨今では、最先端のSEO情報にも非常にアクセスしやすくなったため、SEOで大きな差別化をしながら対策を講じることは難しくなりました。

差別化が困難な状況の中では、ベストプラクティスに近しいSEO対策を「より早く」「より徹底的に」実行した者が勝つ世界になっており、資本力があり、体系立ててSEOに取り組める”大手企業”が勝ちやすい状況になっています。

従来のSEOのように多くの参入プレイヤーでシェアを分け合う性質は薄れ、強者総取りの形に近づいてきたのが現実です。

この状況の中で、個人や小規模サイトがSEOで戦うためには何をすべきなのでしょうか。

本記事では、多くの法人様のSEOをサポートしてきたLANYが考える「今後のSEOの戦い方」を解説します。

この記事でわかること
  • ここ数年でSEOの難易度が上がった理由
  • 個人や中小企業がSEOで勝つための方法
  • 戦い方をズラしてSEOで成果を出したLANYの具体事例

LANYの実際の具体事例も交えて解説しますので、「個人でサイトを運営している方」「予算があまり多くない企業の方」はぜひ参考にしてみてください。

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目次

ここ数年でSEOの難易度が上がった理由

Googleの検索アルゴリズムは常に変化していますが、ここ数年のアルゴリズム変動では、小規模プレイヤーがSEOで勝つのが難しくなりました。

とくに、E-A-T(情報の専門性・権威性・信頼性)が重視される昨今のアルゴリズムでは、個人や中小企業が運営している小規模メディアは、SEOでシェアを伸ばすことが非常に難しいのです。

下記は、2017年以降の検索アルゴリズムの変遷イメージをLANYの解釈で表記した図です。

検索アルゴリズムの変遷イメージ

LANYでは、Needs MetとE-A-Tの2つに分けてアルゴリズムを捉えていますが、ここ数年はE-A-Tに大きく比重を置いたアルゴリズムであると考えています。

  • Needs Met:検索ニーズにどれだけ答えているか(情報そのものの評価)
  • E-A-T:情報がどれだけ信頼できるか(情報発信者の評価)

ただしE-A-Tを高めるのは至難の技であり、元々E-A-Tが高い企業やサイトがコンテンツを大量投下していくことでシェアを広げ続けてきたのが昨今のSEOでした。

SEOおたく

E-A-Tに重心を置くアルゴリズムな背景もあり、強ドメインを借りてサイト運営をする「サブディレクトリ貸し」も流行しましたね。

Needs Metの評価比重が低くなったことに加え、Needs Metを高めるコンテンツの作り方に関する情報は色々なところに転がっていることから、SEOの勝負は「E-A-T次第」となったと考えています。

つまり、コンテンツで差が付かなくなったのです。

往々にして、E-A-Tの高い法人は資本力があるため、一度勝ちパターンを見つければ、領域展開を徐々にしていきながら大量のSEOシェアを獲得してきました。

こういったSEOマーケットでは、個人や中小企業の法人が戦うスペースが小さくなってきたため、難易度が上がったと捉えています。

個人や中小企業がSEOで勝つためには「頑張る場所をズラすこと」が重要な戦略

大前提、そもそもSEOに参入すべきかどうかは検討すべきです。SEOに固執をしなくとも事業貢献するデジタルマーケティングのチャネルは多く存在します。

ただ、SEOをそもそもやるべきか論は本記事の趣旨とは異なるため、SEOに参入する場合にはどのように戦っていくべきかについて意見させてください。

結論、競合他社や他の参入プレイヤーと「頑張る場所をズラすこと」が重要な戦略だと考えています。

「従来のSEOの考え方(よくあるSEOの考え方)」と「LANYが考える理想のSEOの考え方」を下記に図示してみました。

従来と理想のSEOの比較

お金になるとは「需要を満たすための提供サービスやプロダクトがすでに存在している」と捉えていただけると広義な意味で考えていただけるかと思います。

従来のSEOの考え方

従来のSEOの考え方を解説するにあたって、アフィリエイトメディアがわかりやすいでしょう。

アフィリエイトメディアは「広告収益を得ること」が目的で、ASPが提供する商材の中から自社で紹介できそうな案件を選んでコンテンツを作るのが基本的な流れです。

すでに需要と供給がマッチする箇所がわかっていて、そこにすでに提供されている商材で結びつけるだけなのでシンプルなビジネス構造で、参入障壁は非常に低いです。(下記に図示)

アフィリエイトメディアの状況

参入障壁が低いからこそ、多くのプレイヤーが参戦し、さらに商材の成果報酬額が高い領域ほど難易度はどんどん高くなります。

アフィリエイトメディアを始める場合には、基本的には次のステップで進めます。

  • ASPが提供する商材を選ぶ
  • その商材に送客できるコンテンツを作る
  • そのコンテンツの集客のためにSEO対策をする

そして多くのプレイヤーが「SEOで集客するためのコンテンツ作り」の部分を重点的に頑張るでしょう。

ただ、先ほども申し上げたとおり参入プレイヤーの誰しもがコンテンツ作りを頑張っているため、多くのプレイヤーが戦っている中で勝ち上がるのは至難の技です。

しかも、資本力のある法人プレイヤーも多く参戦しているため、資本力のない個人や中小企業が商材のある領域でSEOを軸に戦おうとするのは難易度が高すぎます。

LANYが考える理想のSEOの考え方

では、個人や中小規模の組織がどのようなSEO戦略を取るべきなのか。

LANYが考える理想のSEOの考え方は「頑張る場所をズラすこと」で、「お金にならないクエリをお金にする方法(≒ 独自のマネタイズ方法)」を開発する部分を全力で頑張るべきだと考えています。

SEOおたく

つまり、検索需要を満たすためのサービスやプロダクトがまだ存在していない領域に、自分たちが独自で提供できる価値を生み出すことが重要です。

需要は存在するものの、需要に対する適切なサービスやプロダクトが存在しない場合には、プレイヤーが参入してこないため、マーケットはポッカリ空いていることが多いのです。(下記に図示)

理想の状況

冒頭にも申し上げたとおり、SEOはシェアの奪い合いです。

すでに需要と供給がマッチングする場所にマネタイズポイントが存在している場合には、需要シェアを奪い合う激しい争いが繰り広げられています。

シェア争いを頑張るのではなく、まだ存在していない市場(≒ 満たされていない需要)に提供価値を創出し、ブルーオーシャンをSEOで獲得しにいく方が、より大きな成果が出せ、疲弊することもないと考えます。

ここまでの話は抽象度も高く、イメージが沸きづらいかと思いますので、LANYが自社サイトで運営するノンアルコールビールメディアのAlldropを参考に具体的に説明します。

戦い方をズラしてSEOで成果を出したLANYのノンアルコールビールメディアの事例

SEOで戦い方をズラすというのがどのようなイメージかを理解しやすい事例だと思ったので、AlldropでLANYがやってきたことをご紹介させてください。

Alldropは「海外のノンアルコールビールを輸入販売するECサイトの機能を持ったWebメディア」です。SEOでの集客をメインに商品販売をしています。

「WordPressで立ち上げた記事メディア」と「Shopifyで立ち上げたECサイト」が存在し、ECサイトで販売しているノンアルコールビールは海外の醸造所に直接交渉して卸販売をしてもらっています。

  • alldrop.jp:記事メディア
  • shop.alldrop.jp:ECサイト
ブログEC輸入の比較

海外のノンアルコールビールを販売してから約5ヵ月が経ちましたが、初回輸入量の完売をほぼSEO経由で達成しました。

Alldropで対策している海外のノンアルコールビール系のキーワードは、提供できる海外のノンアルコールビールが日本市場で限られていることもあり、ほとんどプレイヤーが参入してきていません。

実際に、Alldropでは下記のような比較的検索ボリュームが大きいクエリでも高い順位を獲得しています。

  • ノンアルコールビールは肝臓に悪い(5,100):1位
  • ノンアルコールビール(49,000)10位
  • ノンアルコールビール おすすめ(1,300):3位

※2022年10月時点
※()内は月間検索ボリューム

だからこそ、販売できる「海外のノンアルコールビール」を輸入で持ってきて、ECサイトを簡易的に立ち上げて販売することで、独自のマネタイズポイントを生み出すことができました。

「供給物があるところをSEOで刈り取りに行こう」と考えるのではなく「供給するものを独自に生み出し、そこにSEOで流入を獲得しにいく」ことで、成果につながったと考えています。

従来と理想のSEOの比較

要は、頑張る場所を「SEOを始める前」にしました。

SEOを始める前を頑張った結果、その後のSEOの難易度を下げられ、自分たちの強みであるSEOで成果を出せたのです。

ブログEC輸入

他の参入プレイヤーと頑張る場所をうまくズラせれば、SEOで成果を出すのはこれからもできます。

SEOに強みがあるなら、あえてレッドオーシャンに飛び込んで疲弊するのではなく、戦いやすく結果の出しやすい領域の中で戦ってみるのも一つの作戦でしょう。

勝てる戦いをすることが何よりも重要です。

まとめ:SEOを始める前に頑張るのが今後のSEOでは大事

本記事では、頑張る場所をズラすことがSEOで重要であることを具体事例を交えながら解説しました。

  • 従来のSEOの考え方・戦い方をし続けていても、資本力のある企業に勝つことは難しい
  • 考え方・戦い方を変えて、頑張るポイントをずらすことが大切になる
  • SEOを始める前に頑張れば成果を出すことは難しくない

従来のSEOの考え方・戦い方をし続けていても、資本力のある企業に勝つことは非常に難しいです。

だからこそ、考え方・戦い方を変えて、頑張るポイントをずらすことが大切になります。

LANYのAlldropの事例のように、頑張る場所をズラすことによってSEOの難易度は非常に下がり、難易度を下げることでSEO経由で売上を上げていくことも可能になります。

ぜひどこを頑張るべきかの見極めにより時間をかけてみて、より大きな成果をSEOで出していきましょう。

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この記事の執筆者

竹内渓太のアバター
竹内渓太 SEOコンサルタント

株式会社LANYの代表。株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。その後、株式会社LANYを創業。大規模サイトのSEOが得意。

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