求人・転職サービスのビジネスモデルとSEOとの関係

この記事は、LANYアドベントカレンダー2021 7日目の記事です。

アドベントカレンダー7日目は、最近からLANYに参加しました金城(@k_u_f_u_kinjo)が担当します。

LANY以外でもフリーでデジタルマーケティングとサービス開発のコンサルのお仕事もしていたりします。

LANYのアドベントカレンダーに参加するにあたり、何を書こうか悩んだんですが、私がフリーになる前のお仕事、人材ビジネスの事業会社の経験を書いてみようと思います。

サービス開発に携わった方はご理解いただけると思いますが、SEOはサービスにおける重要な集客経路になりがちです。

なので新しくサービスを立ち上げる、改善する、といった仕事の中でSEOの競合分析は必須と言えるでしょう。(広告やSNSに振り切ったとしても、マーケットを見るためにSEOは見たりしますよね。)

そんなSEOの競合分析作業をやっていく中で、求人・転職サービスのビジネスモデルとSEOの関係が自分なりに見えてきたので、今回はそのお話をさせてください。

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この記事にあるようなデータベース型サイトだけでなく、メディアのSEO改善も得意としておりますので、お気軽に下記のページよりお問い合わせくださいませ。

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目次

まずは求人・転職サービスのビジネスモデルを分類

いろんな分類の方法があると思いますが、ここでの求人・転職サービスの分類は次の分け方で話を進めます。私の造語もあるのですが、意味が伝わればOKとしましょう!

  • 求人広告出稿型(例:リクナビNEXT、マイナビ転職)
  • 成果報酬型(例:リクルートエージェント、マイナビエージェント)
  • 求人広告出稿&成果報酬型(例:DODA)
  • CGM型(例:Indeed、求人ボックス、スタンバイ)
  • 口コミ型(例:OPENWORK、転職会議)

求人広告出稿型(例:リクナビNEXT、マイナビ転職)

しっかり作りこまれた求人原稿が特長で、〇週間の掲載で〇十万みたいな、ビジネスモデルですね。求人・転職サービスと言われると、求人広告出稿型を想像する方も多いんじゃないでしょうか?

インターネットが登場する前から紙の媒体で既に存在したモデルですよね。

歴史も古く、これからこのビジネスに挑戦しようとすると、例に挙げた巨人たちに挑むことになります。

成果報酬型(例:リクルートエージェント、マイナビエージェント)

いわゆる人材紹介の転職サービスで、転職が決定すると年収の〇%の成果報酬を受け取るビジネスモデルです。高度人材の求人が多く、その分マッチングの難易度が高く受け取る報酬も大きいというのが特長です。

サイトを見ても全ての求人が公開されているわけでなく、非公開求人や社名非公開の求人が多いのも特長です。高度人材の転職なので、競合や社内に採用のことを知られたくないという事情もあるかと思います。

求人広告出稿&成果報酬型(例:DODA)

私が知る限りDODAぐらいしか認識していないのですが、先の求人広告出稿型と成果報酬型の合体バージョンのサービスです。

DODAのサイトを見たらわかるのですが、両方の求人が混在しています。求人広告出稿型の求人は一定期間が過ぎたら求人はCloseするのですが、成果報酬型の求人はずっと残りがちなので求人数はキープしやすいんじゃないかと思います。

求人広告出稿型の求人

成果報酬型の求人

CGM型(例:Indeed、求人ボックス、スタンバイ)

CGM型(Consumer Generated Media)と定義しましたが、例えばIndeedはユーザ自らが求人原稿をアップしたり、企業サイトの求人ページをクロールしてもらうことで成立しているサービスです。

無料ではじめられるサービスも多いので他のモデルと比べると大量の求人を保有しているのが特長です。

課金方法としてはCPC型が主流かと思います。求人1クリックにあたり数十円~みたいな金額感で、中小零細企業でも出稿しやすいモデルです。

口コミ型(例:OPENWORK、転職会議)

「社名+評判」みたいな、転職先を調べるためのキーワードで強いのが口コミ型の特長です。

口コミはその企業で働いた方が、リアルな収入だったり待遇だったりを書いているわけで、ある意味これもCGMと言えますが、分類の便宜上「口コミ型」と命名します。

口コミを見るためには、ユーザ自身も働いていた企業の情報だったり、ユーザ自身の情報を入力する必要があり、それによりどんどんコンテンツとユーザが増えていくのが特徴です。

課金の方法としては、登録されているユーザのスカウトがメインになるかと思います。

一通り分類したところで、各モデルのSEOの数字を見ていきましょう!

求人広告出稿型のSEOの特長

リクナビの場合

Ahrefsで見たリクナビのスコア


掲載求人数:約5万件(参考サイト:https://next.rikunabi.com/search//)

Ahrefsで見たマイナビ転職のスコア

掲載求人数:約1.6万件(参考サイト:https://tenshoku.mynavi.jp/search/)

2サイトともシンプルに歴史が長いということもあるんですが、ドメインが非常に強いです。(”DR”がドメインの強さを表します。後述するサイトと比較していただければ、強さがわかると思います。)

その要因としてリクナビもマイナビも他のビジネスモデルのサービスと比べると、被リンクに下記のような特長があります。

・求人広告出稿型という特性上、企業サイトの求人情報からの応募でも、求人サイトからの応募でも求人広告コストは変わらないので、企業側でリクナビやマイナビのリンクを張っているケースが多い。

・求人数は後述する他モデルと比較するとそこまで多くはないが、1求人あたりの単価が高いということで、単価の高い広告を出稿できる優良企業からの被リンクを多数得ている。

・被リンクの質の高い、大学のドメインからも得ているケースも多い。

・求人以外のコンテンツも充実しているので、優良メディアなどからの被リンクも多数得ている。

まとめると、ドメインがここまで強くなったのは求人広告出稿型というモデルのおかげで優良な被リンクを多数獲得できたという背景があると思います。

成果報酬型のSEOの特長

リクルートエージェントの場合

Ahrefsで見たリクルートエージェントのスコア


求人数:公開求人 148,401件 /非公開求人 202,948件(参考サイト:https://www.r-agent.com/kensaku/)

マイナビエージェントの場合

Ahrefsで見たマイナビエージェントのスコア

求人数:公開求人数 32,420 件/非公開求人 32,130 件(参考サイト:https://mynavi-agent.jp/jobsearch/result.php)

2サイトとも十分強いドメインにはなりますが、求人広告出稿型と比較するとドメインの強さが低くなっています。被リンクの数も多少見劣りしますが、それ以上に求人広告出稿型と比べると被リンクの質が変わってきます。

企業としては成果報酬型での採用は、企業の採用ページからの応募だと採用コストは安くできるわけで、リクルートエージェントもマイナビエージェントも優良企業からの被リンクは得られにくいわけです。

求人数に関しては成果報酬型の方が多いわけなんですが、先に述べたように企業側は求人情報をあまりおおやけにしたくない背景もあって、求人コンテンツの充実度も求人広告出稿型と比べると見劣りします。

求人コンテンツの充実度も、求人数の割に広告出稿型と比べるとトラフィックが見劣りする要因になっているかと思います。

求人広告出稿&成果報酬型のSEOの特長

DODAの場合

Ahrefsで見たDODAのスコア

求人数:約11万件(参考サイト:https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList.action)

DODAは広告出稿型と成果報酬型のいいとこ取りということで、先に述べた2種類の特長を併せ持っています。私自身は6年前から人材サービスのマーケティングに関わっているのですが、リクナビ・マイナビの2代巨頭にDODAが食い込んできてるなーと感じた時期があり、この6年のどこかで広告出稿型と成果報酬型の合体を始めたんじゃないかと推測しています。(※あくまで個人の主観です)

CGM型のSEOの特長

Indeedの場合

Ahrefsで見たIndeedのスコア

求人数:正社員求人が約80万件、アルバイト求人が約90万件以上(参考サイト:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-other-indeedkatsuyo-181001/)

Ahrefsで見た求人ボックスのスコア

求人数:約27万件(参考サイト:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-middlecareer-about_kyuzinbox_191128/)

CGM型は圧倒的な求人数を背景にトラフィックを稼いでいるのが特長です。キーワードの特長としては、Indeedや求人ボックスのTopページの検索軸を見てもらえばわかると思いますが、職種+ロケーションという組み合わせが非常に強いです。
転職意欲の高いロングテールワードに強いとも言えます。

なぜここまで短期間に大量の求人数を保有できたかというと、無料からはじめられるという点と、CPCという課金モデルを採用し少額から始められるので、中小零細企業でも求人広告を出稿しやすくなったというビジネスモデルが大きいと思います。

求人コンテンツの質という点ではリクナビやマイナビのコンテンツには大きく見劣りしてしまうんですが、やはり圧倒的な量があるとそれらを超えてしまうんですね。

Indeedは2012年にリクルートが買収したわけですが、トラフィックに関してはリクルートの他求人・転職サービスを超えちゃったというわけです。

私がIndeedを利用していた際、とある職種が2年でクリック単価が2倍になったケースもあり、変化の激しさは利用する企業側としても感じていました。

口コミ型のSEOの特長

OPENWORK(旧Vokers)の場合

Ahrefsで見たOPENWORKのスコア

口コミ企業数:約16万社(参考サイト:https://www.vorkers.com/company_list?field=&pref=&src_str=&sort=1)

転職会議の場合

Ahrefsで見た転職会議のスコア

口コミ企業数:約19万社(参考サイト:https://jobtalk.jp/)

日本の約420万社の企業のうち、大企業は1.2万社程度なので、この2サイトは大企業の口コミはほぼ網羅していると言えるでしょう。

口コミに関しても多いところだと1社あたり5,000件を超える企業も存在するので、コンテンツの力でここまでトラフィックを集めていると言えます。

ただ、求人・転職サービスの売上の規模という観点で見ると2019年時点の数字になりますが、旧Vokersは売上高10億3000万円、営業利益4億9600万円と利益率は高いもの、規模としては他ビジネスモデルと比べると見劣りします。

口コミ型はサイトの特性上、どうしても企業の悪口も書かれてしまいますので、商材として売りにくい側面もあるのかなーと想像しています。

私自身も過去に口コミ型を利用したことがありますが、確かにユーザは多数登録されているものの、転職の意欲が高い求職者がそこまで多くない印象がありますので、旧Vokersに出資したリンモチ含めて今後どのような施策を進めていくのかは興味があります。

まとめ

今回、「求人・転職サービスのビジネスモデルとSEOとの関係」ということで、各ビジネスモデルとSEOの強さを比較して、おおざっぱに考察してみました。

細かいSEOの施策を期待した人にはガッカリさせたかもしれませんが、ビジネスモデルがSEOに影響を与えるということはご理解いただけたと思います。

SEOは一部のコンサルやライターが取り組むイメージを持たれる方も多いと思いますが、実は事業を計画するときにSEOを設計する方がインパクトが出しやすいと、個人的には考えております。

私自身も過去に人材サービスの事業計画を引く際に、営業一人当たりの求人獲得数を計算したり、競合分析をしたりして、SEOの集客のシュミレーションを行った経験があります。

個人的には求人広告出稿型と成果報酬型を組み合わせたDODAの例は面白いモデルだと思いました。

ビジネスモデルを考える、事業計画を作る際のSEOの分析というのは、結構重要な作業なんじゃないかと今回改めて感じました。

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この記事を書いた人

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SEOおたく SEOコンサルタント

LANYの代表。大規模HRサービスのインハウスSEOに4年間従事。100サイト以上のSEOコンサルティングを実践。大規模サイトのSEOが得意。

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